中止犯の任意性・中止行為・因果関係(前編)
1つの事例で、43条ただし書の中止犯を文言の順に当てて答案に書き切る回(前編=単独犯)。殺意で軽トラックをAに衝突させた甲に、まず殺人未遂罪の成立を確かめる。次に「自己の意思により」を、責任減少説から外部的事情によらない中止という規範で判断し、対向車を見てやめた場面1は否定、人目のない所で正気に戻って引き返した場面2は肯定する。「犯罪を中止した」は、結果発生の危険が既に生じていれば真摯な努力が要るとし、瀕死のAを病院へ運ぼうとした行為で認める。最後に、Aが救急隊の搬送と手術で助かった点について、中止行為と結果の不発生の因果関係は不要と解し、殺人未遂罪の中止犯(刑の必要的減免)を導く。
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事例
図:甲とAの関係
1つの事例を、答案として最後まで書き切ります。森林組合で働く甲は、同僚のAから、賭け事で作った借金の返済を何度も迫られていました。甲は、Aを殺して返済を免れようと決意します。ある冬の夜、甲は、山あいの林道を一人で歩いて帰宅するAを見つけました。軽トラックを時速約50キロで走らせて、Aの背後から衝突させます。Aは路肩に倒れ、頭部から血を流して動かなくなりました。甲は、とどめを刺そうとして軽トラックをバックさせ、Aに近づけました。ところが、そのとき、遠くの曲がり角から対向車のヘッドライトが見えます。甲は、犯行を見られることをおそれてバックをやめ、Aを置いたまま、その場を走り去りました。約1キロ走ったところで、甲は軽トラックを林道の脇に停めました。あたりには人も車もなく、誰かが追ってくる様子もありません。甲は、「取り返しのつかないことをしてしまった」と正気に戻り、Aを助けなければと考えて、現場へ引き返しました。戻ってみると、Aは意識がもうろうとして呻いていて、頭部の出血は続いています。放っておけば、死亡するおそれのある状態でした。甲は、携帯電話を持ち歩いておらず、付近に民家もありません。そこで、Aを助手席に乗せて、約8キロ先の町の病院へ向けて走り出します。
ところが、数百メートル進んだところで、凍結した路面に前輪をとられ、軽トラックは側溝に落ちて動かなくなりました。甲は、車を出そうと必死に力を尽くしましたが、出せません。そこへ、救急隊が到着します。Aは、撥ねられて数分後に意識を取り戻し、自分の携帯電話で119番通報をしていたのです。Aは救急隊に搬送され、病院の手術で一命を取り留めました。医師の説明では、Aが助かったのは救急隊の搬送と手術によるもので、甲が運ぼうとしたことは、救命に影響していません。問いは、これだけです。甲の罪責を論じなさい。
殺人未遂罪の成立
図:答案の頭の順、未遂犯から先に
答案では、中止犯の話に入る前に、まず甲に何の罪が成立するのかを書き終えます。中止犯は、犯罪が成立したうえで、その刑を軽くしたり免除したりする仕組みだからです。成立しない罪の刑は、減らしようがありません。
条文刑法199条
刑法199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
条文刑法203条
刑法203条(未遂罪)
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
199条が殺人罪、203条が、その未遂を罰する規定です。甲は、Aを殺す意思で、時速約50キロの軽トラックを、Aの背後から衝突させました。人が死ぬ現実的な危険のある行為ですから、殺人罪の実行に着手したといえます。他方で、Aは手術で一命を取り留めていて、死亡の結果は生じていません。殺人罪を遂げていませんから、甲には殺人未遂罪が成立します。結果が発生していないことの確認は、大事です。もしAが亡くなっていれば、中止犯の入口にも立てません。ここまでは短く済ませて、本題に移ります。
43条ただし書の文言
図:43条の条文
条文刑法43条
刑法43条(未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
43条のただし書です。中止犯の条文は、これだけです。中止犯は、中止未遂とも呼ばれます。要件は、2つの文言でできています。「自己の意思により」と、「犯罪を中止した」です。効果は、刑の減軽又は免除で、必ずどちらかになります。ですから、答案では、この文言を上から順に、1つずつ当てます。問題が立つ場所も、この文言の上に出てきます。もう1つ、事例を見ます。甲には、やめたように見える場面が、2つあります。対向車を見てバックをやめた場面と、引き返してAを運ぼうとした場面です。動機が違いますから、場面ごとに分けて当てます。
問題提起
図:場面1、近づけてやめた動機
まず、場面1です。甲は、とどめを刺そうとAに近づけましたが、対向車のヘッドライトが見え、犯行を見られることをおそれて、やめています。この中止に、43条ただし書の減免が及ぶには、「自己の意思により」したものといえなければなりません。やめた理由が、対向車を見たから、というこの形で、「自己の意思により」といえるのか。その判断基準が、問題になります。答案では、条文の言葉で立てます。「自己の意思により」といえるか、と書き出します。
規範
図:規範カード|中止犯の「自己の意思により」
規範を立てる前に、1つ確認です。中止犯を学んだ回を思い出してください。刑が必ず軽くなったり免除されたりする根拠は、どの考え方を軸にしていましたか?答えは、責任が減る、という考え方でした。自分からやめたことで、その人を責める程度が下がる、という話です。刑の重さは、その人をどれだけ責められるかで決まります。いったん犯罪に踏み出した人でも、自分の意思で引き返したなら、法に従う側へ心を戻したことになります。だから、刑が必ず軽くなります。その軸から、判断基準を立てます。
⭐ 論文で書く規範:中止犯の「自己の意思により」
中止犯の必要的減免の根拠は責任の減少にあるところ、責任が減少するのは、外部的事情に強いられることなく自ら中止した場合である。
そこで、犯罪の完成を妨げる外部的事情によらずに中止した場合には、「自己の意思により」といえると解する。
(規範(責任減少説))
最初の文は、責任が減るのはどんなときか、です。刑が軽くなるのは、責任が減るからでした。責任が減るのは、外からの事情に強いられずに、自分でやめたときです。強いられたのなら、やめたのは本人の心が変わったからではなく、状況に追い込まれたからで、責任が軽くなったとはいえません。次の文は、そこから条文の言葉に当てはめる基準を作ります。「強いられることなく」の裏返しが、「外部的事情によらずに」です。犯罪の完成を妨げる外部的事情によらずに中止したなら、「自己の意思により」といえます。この2つの言い方は、対になっています。
たとえば、人に見つかりそうになる、警察が来る、道具が壊れる、といったことです。続けても完成しない、あるいは続ければ捕まる、と思わせる事情です。なお、中止犯を学んだ回では、外からの事情を本人がどう受け止めたかで決める折衷説を、有力と見ました。ただし、本事例の2つの場面は、外部的事情の影響がはっきりしている場面と、全くない場面ですから、折衷説で書いても、結論は同じになります。ですから、迷わずにこの基準で書き進めます。
あてはめ
図:何を見るか、やめた動機
あてはめです。最初に考えてください。この基準で、事実のどこを見ればよいでしょうか?答えは、やめた動機です。やめたときの頭の中を、事実から拾います。
図:場面1、生の事実を拾う
場面1の事実を拾います。甲は、とどめを刺そうとAに近づけました。そのとき、遠くの曲がり角から、対向車のヘッドライトが見えました。甲は、犯行を見られることをおそれて、バックをやめ、走り去りました。評価します。対向車が近づいてくれば、犯行は人に見られて発覚します。これは、殺人を完成させることを妨げる、外部的事情です。甲は、この事情に追い立てられて、やめました。要件に当てます。外部的事情によらずに中止した、とはいえません。ですから、場面1の中止は、「自己の意思により」したものとはいえず、この中止では、中止犯は成立しません。
図:場面2、生の事実を拾う
ところが、ここで終わりにはできません。甲には、引き返してAを運ぼうとした、もう1つの場面があります。場面1が否定されたとしても、場面2は、改めて検討します。場面2の事実です。約1キロ先で車を停めたとき、あたりには人も車もなく、追ってくる様子もありませんでした。そのうえで、甲は、「取り返しのつかないことをしてしまった」と正気に戻り、Aを助けなければと考えて、引き返しています。評価します。このとき、犯行の発覚をおそれるような事情は、何もありません。引き返す動機は、犯罪の完成を妨げる外部的事情に、左右されていません。要件に当てます。基準は、前に立てたとおりで、書き直しません。甲は、外部的事情によらずに中止しました。場面2の行為は、「自己の意思により」したものといえます。
図:場面1と場面2の比較
場面1と場面2で結論が分かれるのは、やめた動機が違うからです。場面1は、見つかりそうだからやめました。場面2は、見つかる心配のない場所で、自分から動きました。答案は、場面1の否定で止めずに、場面2の肯定まで書いて、はじめて前に進めます。
問題提起
図:次の文言、「犯罪を中止した」
次に、もう1つの文言です。場面2の甲は、引き返してAを病院へ運ぼうとしました。これで、甲は「犯罪を中止した」といえるのでしょうか。やめる、といっても、いろいろあります。ただ手を引くだけでよい場合もあれば、結果を防ぐ行動までしなければならない場合もあるはずです。どのような行為があれば「犯罪を中止した」といえるか。ここで、問題が立ちます。
規範
図:規範カード|中止犯の「犯罪を中止した」
⭐ 論文で書く規範:中止犯の「犯罪を中止した」
中止犯の必要的減免の根拠は責任の減少にあるから、結果発生の危険がいまだ生じていなければ、以後の実行を放棄する不作為で「犯罪を中止した」といえる。
もっとも、危険が既に生じていれば、結果発生防止に向けた真摯な努力をしたときに、「犯罪を中止した」といえると解する。
(規範(責任減少説))
図:危険の有無で、要る行為が変わる
規範は、ここでも同じ軸から出てきます。刑が軽くなるのは責任が減るから、です。最初の文は、危険がまだ生じていない場合です。このとき、放っておいて結果が起きるとすれば、それは、行為を続けようとする甲の意思だけが原因です。結果に向かうかどうかは、甲がこの先を続けるかどうかだけにかかっています。ですから、自分の意思で続けるのをやめれば、それだけで、結果への道を自分で断ったことになり、責任は減ります。以後の実行を放棄する不作為で足ります。次の文は、危険が既に生じている場合です。この場合は、甲が手を引いても、すでに動き出した因果は、そのまま進んでしまいます。やめるだけでは、結果を防いだことになりません。ですから、結果発生を防ぐための、真摯な努力が要ります。
たとえるなら、鍋を火にかけた直後なら、火をとめれば足ります。もう煮え立って吹きこぼれているなら、火を止めるだけでなく、拭き取りまで動かないと、片付きません。学んだ回では、実行の途中でやめたか、やり終えたあとか、つまり着手未遂か実行未遂かで分ける考え方も見ました。本事例なら、行き着く先は、同じです。また、規範には補足があります。結果を防ぐために、他人の助けを借りてもかまいません。ただし、自分で結果の防止に当たったのと同じと見られる程度の努力が要ります。誰かに頼んで立ち去るだけでは、足りません。本事例の甲は一人で動いていますから、事例には出てきません。
あてはめ
図:危険がもう生じているか
あてはめです。ここが、この事例の山場で、いちばん厚く書きます。最初に、立ち止まって考えてください。甲が引き返した時点で、Aの結果発生の危険は、もう生じているでしょうか。生じているとしたら、甲は、どんな行為をすれば「犯罪を中止した」といえるでしょうか?答えは、危険はもう生じているので、ただ手を引くだけでは足りず、助けようとする行為が要る、です。では、事実から確かめます。順番は、先に危険、次に努力です。
図:危険を事実から確定する
危険の確定です。事実を拾います。甲が戻ったとき、Aは、意識がもうろうとして呻いていました。頭部の出血は続いていて、放置すれば死亡するおそれのある状態でした。評価します。このまま放っておけば、Aは死亡します。甲が何もしなくても、すでに結果へ向かう流れが、できあがっています。結果発生の危険は、既に生じています。要件に当てます。ですから、規範の後段、真摯な努力が要る場合にあたります。ただ手を引くだけでは、「犯罪を中止した」といえません。境界のすぐ外の例を挙げます。たとえば、甲がAに向けて軽トラックを走らせたものの、ぶつかる手前でハンドルを切って止まり、Aは傷ひとつ負っていなかった場合です。ここで見る危険は、実行の着手のときの危険とは違い、甲が手を引いても、放っておけば死亡まで進んでしまう危険のことです。ぶつかる前に止まれば、Aが死ぬ流れは、まだ生まれていません。その場合は、以後の実行を放棄するだけで足ります。今回の甲は、すでにAが瀕死の状態でしたから、その手前の話にはなりません。なお、実行にいつ着手したかの細かい話は、ここでは扱いません。
図:真摯な努力を事実から認定する
次に、真摯な努力です。事実を拾います。甲は、携帯電話を持ち歩いておらず、付近に民家もありませんでした。その状況で、Aを助手席に乗せて、約8キロ先の病院へ向けて走り出しています。さらに、車が側溝に落ちて動かなくなってからも、車を出そうと必死に力を尽くしました。評価します。甲の手元には連絡の手段がなく、頼れる人も近くにいない中で、甲が自分の手で出せる、いちばんよい手を打っています。Aの死亡を防ぐための行動として、手を抜いたところがありません。結果が実際に防げたかどうかは、別の問題で、次に見ます。ここでは、結果発生防止に向けた真摯な努力があったかを問います。
もし、側溝に落ちたところであきらめて、Aを置いて立ち去っていたら、自分にできることを尽くしたとはいえません。要件に当てます。甲は、結果発生防止に向けた真摯な努力をしました。ですから、「犯罪を中止した」といえます。
問題提起
図:助かったのは別の原因
ところが、まだ残っています。Aが助かったのは、Aの通報で駆けつけた救急隊の搬送と、病院での手術によるものでした。甲が運ぼうとしたことは、救命に影響していません。結果は、他の原因で防がれたのです。甲の中止行為と、結果が発生しなかったこととを結ぶ因果関係が、必要なのか。条文には、書かれていません。そこで、因果関係が必要かが、明文がなく問題となります。構成要件の因果関係とは、向きが違います。構成要件の因果関係は、行為と、発生した結果の関係でした。今回は、中止行為と、発生しなかったこと、の関係です。同じ言葉でも、別の場所の話です。
規範
図:規範カード|中止行為と結果の不発生の因果関係
⭐ 論文で書く規範:中止行為と結果の不発生の因果関係
中止犯の必要的減免の根拠は責任の減少にあるところ、真摯な努力をすれば、結果が他の原因で防止されたとしても責任は減少する。
そこで、結果が発生しなかったことと中止行為との間に、因果関係があることは要しないと解する。
(規範(因果関係不要説))
3つ目の規範も、同じ軸です。責任が減るから、刑が軽くなるのでした。最初の文は、責任が減るのはどんなときか、です。責任が減るのは、行為者が結果を防ぐために、真摯に努力したからです。責める程度は、その人が自分で何をしたかで決まります。結果が防げたかどうかは、救急隊が間に合うかどうかのように、本人の手の届かない事情でも変わります。その努力のうえで、結果が別の原因で防がれても、努力した事実は消えません。責任は、やはり減っています。次の文は、そこからの結論です。責任の減少が、真摯な努力で決まるなら、その努力が結果を防いだかどうかは、関係ありません。ですから、結果の不発生との因果関係は、要りません。
ただ、違う考え方もあります。学んだ回で見た、違法性減少説です。中止によって、危険が実際に減ったことを根拠にすれば、因果関係が必要だという結論になります。その立場なら、甲の努力は救命に影響していませんから、中止犯は成立しません。この答案は、責任の減少を軸にしていますから、不要で書き切ります。
あてはめ
図:努力と、結果を防いだ原因
あてはめです。事実を拾います。甲は、前の項で見たとおり、結果発生防止に向けた真摯な努力をしています。一方、Aが助かったのは、Aの通報で来た救急隊の搬送と手術で、甲の行為は、救命に影響していません。評価します。甲の側には、真摯な努力があります。救命の原因が別にあっても、甲が努力した事実は変わらず、責任の減少も変わりません。要件に当てます。結果の不発生と中止行為の間に、因果関係はなくてもよいのですから、甲の行為は、「犯罪を中止した」にあたる中止行為といえます。
結論と罪数
図:本事例の結論
結論です。甲の行為は、「自己の意思により」、「犯罪を中止した」ものにあたります。ですから、甲には、殺人未遂罪の中止犯が成立し、その刑は、必ず、減軽されるか免除されます。中止犯が成立しなければ、43条本文の未遂、つまり障害未遂にとどまります。刑は減軽できるだけで、必ず軽くなるわけではありません。この違いが、中止犯を検討する意味です。最後に、罪数です。軽トラックを衝突させた行為と、とどめを刺そうとして近づけた行為は、同じ殺意に基づく、同じ被害者に対する、一連の行為です。1つの殺意で続けて行われていますから、1つの殺人未遂として、まとめて評価します。全体で、殺人未遂罪一罪が成立します。また、人を殺そうとする行為は、人を傷つけることを当然に含んでいます。Aの頭部の傷は、殺人未遂罪の中で評価されますから、人を傷つける罪である傷害罪は、別に成立しません。繰り返しになりますが、43条は「これを遂げなかった者」の規定ですから、Aが亡くなっていれば、中止犯は成立しません。本事例の甲は、その手前で、結論が決まっています。
完成答案
図:完成答案:第1 殺人未遂罪の成否
こちらが完成答案です。問題の所在から結論までを、ここまで話してきた節の順のまま並べています。殺人未遂罪の成立を先に置くのは、成立した罪があって初めて、その刑を軽くできるからでした。1枚目は、殺人罪の実行の着手と結果の不発生から、殺人未遂罪の成立を確かめる部分です。
図:完成答案:第2 中止犯の成否①
続いて、場面1の「自己の意思により」です。問題を提起し、責任減少説から外部的事情によらない中止という規範を立て、対向車を見て発覚をおそれた中止は「自己の意思により」とはいえないと当てます。
図:完成答案:第3 中止犯の成否②
続きです。場面2の「自己の意思により」です。人も車もなく追う様子もない中で、正気に戻って引き返した動機は外部的事情によらないと当て、「自己の意思により」を認めます。
図:完成答案:第4 中止犯の成否③
「犯罪を中止した」の項です。ここが山場です。危険の有無で要る行為が変わる規範を立て、瀕死のAには危険が既に生じていると確定したうえで、病院へ運ぼうとし車を出そうと力を尽くした事実から、真摯な努力を認めます。
図:完成答案:第5 中止犯の成否④・第6 結論
最後に、因果関係と、全体の結論です。救命が救急隊と手術によるものでも、因果関係は不要と解して中止行為を認め、甲には殺人未遂罪の中止犯が成立し、その刑は必ず減軽又は免除されると結びます。
参照条文
- 刑法43条
- 刑法199条
- 刑法203条