行政法ゼロから行政法#76

申請に関連する行政指導

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第6章 行政契約・行政指導・行政計画 #76/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

申請したのに、返事が来ない

今日の問い(国の乙省/M社が事業の許可を申請/担当者「計画の規模を小さくする形に、申請の内容を直してください」/数か月たっても返事なし/M社が書面で「もう変更には応じません。今の申請のまま審査を」→それでも「引き続きご相談を」/問い=①指導が続く間、返事を待たせてよいか②どこから違法か③法律はその線をどう書くか) 図:今日の問い

  • 国の乙省
  • M社が事業の許可を申請
  • 担当者「計画の規模を小さくする形に、申請の内容を直してください」
  • 数か月たっても返事なし
  • M社が書面で「もう変更には応じません。今の申請のまま審査を」→それでも「引き続きご相談を」
  • 問い=①指導が続く間、返事を待たせてよいか②どこから違法か③法律はその線をどう書くか

申請書を出したのに、役所から返事が来ない。そんなこと、本当にあるんですか。あります。設例を置きます。国に、乙省という省があるとします。M社が、事業の許可を乙省に申請しました。書類は揃っていて、許可の要件も満たしているように見えます。ところが担当者が、こう言います。計画の規模を小さくする形に、申請の内容を直してもらえませんか。直すまで、審査は進められません。M社は、初めは相談に応じました。しかし数か月たっても、返事が来ません。そこでM社は、書面で伝えます。もう変更には応じません。今の申請のまま、審査してください。それでも担当者は、引き続きご相談を、と言うだけで、返事をしません。

指導って、断ってもいいものでしたよね。それなのに、返事が出ないんですか。そこが今日の主題です。前回までで、行政指導は相手の任意の協力によって成り立つこと、従わなかったことを理由に不利益に扱ってはならないことを見ました。今回は、申請に対する返事、つまり処分という特別な場面で、その線をどこに引くかを読みます。問いは三つです。一つ目、指導が続いている間、返事を待たせてよいのか。二つ目、待たせるのが違法になるのは、どこからか。三つ目、その線を、法律はどう書いているのか。先に、答えの軸だけ言っておきます。返事を待たせてよいかは、申請者が、任意に協力しているかどうかで決まります。

関係図(A=乙省の担当者/B=M社/B→A=許可の申請書/A→B=「申請の内容を直して」〔点線=応じるかは任意〕/AからBへの返事の線は無い/Bが「応じない」と書面で表明した後もA→Bの指導が続く) 図:関係図

  • A=乙省の担当者
  • B=M社
  • B→A=許可の申請書
  • A→B=「申請の内容を直して」〔点線=応じるかは任意〕
  • AからBへの返事の線は無い
  • Bが「応じない」と書面で表明した後もA→Bの指導が続く

関係を整理します。乙省の担当者Aに、M社Bが申請書を出しました。AからBへ、内容を直してほしいという指導が出ます。この線は点線です。応じるかどうかは、Bが決めることだからです。ところがAからBへの、返事が、ありません。しかも、Bが応じないと表明した後も、Aの指導は続いています。この図が、今日の設例です。

今日の道順(1 窓口で起きる3つの型/2 建築確認という処分/3 品川マンション事件を3段で読む/4 申請者の態度の3段階/5 行手法33条と判決の照らし合わせ/6 7条と受け取らない型/7 地方の場面と最後の答え) 図:今日の道順

  • 1 窓口で起きる3つの型
  • 2 建築確認という処分
  • 3 品川マンション事件を3段で読む
  • 4 申請者の態度の3段階
  • 5 行手法33条と判決の照らし合わせ
  • 6 7条と受け取らない型
  • 7 地方の場面と最後の答え

道順です。一つ目、窓口で起きる三つの型と、なぜ困るのか。二つ目、建築確認という処分の性格。三つ目、品川マンション事件という最高裁の判決を、三つの段で読みます。四つ目、申請者の態度の三段階。五つ目、行政手続法33条と、判決の照らし合わせ。六つ目、7条と、申請を受け取らない型の判例。最後に、地方公共団体の場面と、乙省の設例の答えです。

窓口で起きる3つの型と、なぜ困るか

窓口の3つの型(①申請を出させない=出す前に指導で変更・取下げを求める/②申請を受け取らない=持参した書類を受理せず返す〔返戻〕/③受け取ったまま指導を続け返事をしない/困りごと=処分が出ないと争う対象が無い・取消訴訟にできない・「出した」「受け取っていない」の水掛け論) 図:窓口の3つの型

  • ①申請を出させない=出す前に指導で変更・取下げを求める
  • ②申請を受け取らない=持参した書類を受理せず返す〔返戻〕
  • ③受け取ったまま指導を続け返事をしない/困りごと=処分が出ないと争う対象が無い・取消訴訟にできない・「出した」「受け取っていない」の水掛け論

一つ目の問いの前に、窓口で起きる型を三つに分けます。一つ目、申請を出させない。出す前に、指導で、変更や取下げを求める型です。二つ目、申請を受け取らない。持ってきた書類を受理せず、返してしまう型です。実務では、返戻と呼ばれることもあります。三つ目、受け取ったまま、指導を続けて、返事をしない型です。乙省の設例は、この三つ目です。困る理由は、争う対象が生まれないことです。許可でも不許可でも、処分が出れば、不許可なら取消訴訟で争えます。処分が無ければ、争う対象がありません。特に、受け取らない型では、申請書を出した、いや受け取っていない、という水掛け論にもなりがちです。申請者は、救済の手段がないまま、宙ぶらりんになります。そこで、前回の線が、ここで試されます。指導は任意で、断る自由があります。ところが、断ると返事が出ないなら、断る自由は名前だけになります。では、どこまでなら返事を待たせてよく、どこからが許されないのか。次の節からは、その線を判例で読みます。

前提——建築確認という処分と、国家賠償の形

建築確認(建築計画が法令の基準に合うかを確かめる処分/担当=建築主事/確認済証の交付を受けた後でなければ工事はできない/基準は法令で一義的に定まる=確認的行為・裁量の余地は基本的にない/要件を満たせば速やかに確認処分を行う義務/応答期限=建築基準法6条4項〔一般の建築物は申請書の受理から35日以内。判決当時は21日〕/適合しない・決定できない正当な理由があるときは同じ期間内に通知書を交付〔7項〕) 図:建築確認

  • 建築計画が法令の基準に合うかを確かめる処分
  • 担当=建築主事
  • 確認済証の交付を受けた後でなければ工事はできない
  • 基準は法令で一義的に定まる=確認的行為・裁量の余地は基本的にない
  • 要件を満たせば速やかに確認処分を行う義務
  • 応答期限=建築基準法6条4項〔一般の建築物は申請書の受理から35日以内。判決当時は21日〕
  • 適合しない・決定できない正当な理由があるときは同じ期間内に通知書を交付〔7項〕

品川マンション事件は、第5章の、裁量がどの段階にあるかを見た回で、要点だけ先に見た判決です。今回は、それを行政指導との関係から読みます。入る前に、前提を二つ確認します。まず建築確認です。そこでも出てきた、建築計画が法令の基準に合うかを確かめる処分で、担当は建築主事です。確認済証の交付を受けた後でなければ、工事は始められません。次に、この確認は、確認的行為です。確認は、ある事実や法律関係があるかどうかを、はっきりさせる行為で、効果は法律が与えます。建築確認なら、計画が基準に合っているかを確かめるだけで、出すかどうかを選ぶ行為ではありません。基準が法令で一義的に定まっているので、建築主事に裁量の余地は、基本的にありません。要件を満たせば、速やかに確認処分を行う義務があります。これが出発点です。

建築基準法6条4項が、期限を定めています。申請書を受理した日から、一般の建築物なら、35日以内です。判決の当時は21日でしたが、今は35日です。適合しないとき、あるいは適合するか決められない正当な理由があるときは、その旨と理由を書いた通知書を、同じ期間内に交付します。ただし、期限を過ぎたら、直ちに違法、とは解されません。期限は標準的な期間の定めです。一日でも過ぎたら違法、とすると、住民との調整のように、待つことに合理的な理由がある場面まで、すべて違法になってしまう、と考えられるからです。そこで判決は、応答を留保することが社会通念上合理的か、という物差しで線を引きました。

国家賠償法1条1項(国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。) 図:国家賠償法1条1項

もう一つの前提です。この事件は、建築確認の遅れで生じた損害について、建築主が国家賠償法1条1項で賠償を求めた事件です。つまり、行政手続法ができる前の、国家賠償の判断です。判決は、行政手続法の条文を使っていません。

品川マンション事件を3段で読む

事案(建築主〔会社〕が東京都の建築主事にマンションの建築確認を申請/付近住民が反対/都の紛争調整担当職員「住民と話合いをして円満に解決を」と指導/建築主は積極的に応じ十数回の話合い・解決に至らず/申請から3か月以上後に都が新高度地区案を発表・設計変更も求め「紛争が解決しなければ確認処分はしない」/実施日が近く、建築主は建築審査会に審査請求を申し立て/後に紛争は解決し確認が出た/確認の遅れの損害を求めて提訴) 図:事案

  • 建築主〔会社〕が東京都の建築主事にマンションの建築確認を申請
  • 付近住民が反対
  • 都の紛争調整担当職員「住民と話合いをして円満に解決を」と指導
  • 建築主は積極的に応じ十数回の話合い・解決に至らず
  • 申請から3か月以上後に都が新高度地区案を発表・設計変更も求め「紛争が解決しなければ確認処分はしない」
  • 実施日が近く、建築主は建築審査会に審査請求を申し立て
  • 後に紛争は解決し確認が出た
  • 確認の遅れの損害を求めて提訴

事案に入る前に、前回の復習を一問。行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁じる条文は、何条でしたか?行政手続法の32条の2項です。今回は、返事を待たせること自体が、それに近い不利益になりうる場面を読みます。品川マンション事件の事案です。建築主の会社が、東京都の建築主事に、マンションの建築確認を申請しました。付近の住民が、建設に反対します。都の紛争調整の担当職員は、住民と話合いをして、円満に解決するように、と行政指導をしました。建築主は、これに積極的に応じて、住民と十数回、話合いを重ねました。しかし、解決しません。そこへ、申請から3か月以上たって、都が新しい高さの制限、新高度地区案を発表します。すでに申請している建築主にも、設計の変更を求め、住民との紛争が解決しなければ、確認処分はしない、という方針を伝えました。実施日は近づいています。建築主は、このままでは設計変更を余儀なくされて、多大な損害を被ると考え、建築確認などへの不服を審査する、建築審査会に、申請に対してすみやかに何らかの作為をせよ、という趣旨の審査請求を申し立てました。後に、確認が出ました。建築主は、確認の遅れで生じた損害の賠償を求めたのです。

判決の3段(第1段=要件を満たせば速やかに応答する義務・ただし絶対ではない・社会通念上合理的な留保は違法でない/第2段=建築主が行政指導に任意に応じている間は、合理的な期間の留保は直ちに違法でない/第3段=応じられないと真摯かつ明確に表明し、直ちに応答を求めた→特段の事情が無い限り以後の留保は違法) 図:判決の3段

  • 第1段=要件を満たせば速やかに応答する義務・ただし絶対ではない・社会通念上合理的な留保は違法でない
  • 第2段=建築主が行政指導に任意に応じている間は、合理的な期間の留保は直ちに違法でない
  • 第3段=応じられないと真摯かつ明確に表明し、直ちに応答を求めた→特段の事情が無い限り以後の留保は違法

判決は、三つの段で読みます。まず第1段です。

判例最判昭60・7・16 民集39巻5号989頁

要件を具備すれば速やかに確認処分を行う義務があるが、社会通念上合理的な留保は違法に遅滞するものといえない 審査の結果、適合又は不適合の確認が得られ、法九三条所定の消防長等の同意も得られるなど処分要件を具備するに至つた場合には、建築主事としては速やかに確認処分を行う義務があるものといわなければならない。しかしながら、建築主事の右義務は、いかなる場合にも例外を許さない絶対的な義務であるとまでは解することができないというべきであつて、建築主が確認処分の留保につき任意に同意をしているものと認められる場合のほか、必ずしも右の同意のあることが明確であるとはいえない場合であつても、諸般の事情から直ちに確認処分をしないで応答を留保することが法の趣旨目的に照らし社会通念上合理的と認められるときは、その間確認申請に対する応答を留保することをもつて、確認処分を違法に遅滞するものということはできないというべきである。

出発点は、要件を満たせば、速やかに応答する義務がある、ということです。ただし、その義務は、絶対ではありません。諸般の事情から、直ちに処分しないで待つことが、法の趣旨目的に照らして社会通念上合理的なら、違法な遅れとはいえません。第2段が、その中身の一つを示します。地方公共団体が、生活環境を守るために、建築主に一定の譲歩や協力を求める行政指導をします。そして、建築主が、任意にこれに応じている。この場合は、社会通念上合理的と認められる期間、確認処分を留保して、指導の結果に期待しても、直ちに違法とまではいえません。喩えで言います。レストランで注文した客に、店員が、先にお連れさんを呼んでからにしてください、と頼むとします。客が、いいですよ、と付き合っている間、料理を待たせても、失礼とは言い切れません。第2段は、この状態です。

そこで第3段です。

判例最判昭60・7・16 民集39巻5号989頁

確認処分の留保は事実上の措置にとどまり、不協力・不服従の意思が表明されたときは、特段の事情がない限り留保は違法 もつとも、右のような確認処分の留保は、建築主の任意の協力・服従のもとに行政指導が行われていることに基づく事実上の措置にとどまるものであるから、建築主において自己の申請に対する確認処分を留保されたままでの行政指導には応じられないとの意思を明確に表明している場合には、かかる建築主の明示の意思に反してその受忍を強いることは許されない筋合のものであるといわなければならず、建築主が右のような行政指導に不協力・不服従の意思を表明している場合には、当該建築主が受ける不利益と右行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、右行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものといえるような特段の事情が存在しない限り、行政指導が行われているとの理由だけで確認処分を留保することは、違法であると解するのが相当である。

待たせることが許されていた土台は、建築主の任意の協力でした。その協力が無いと、はっきり言った相手に、待たされることを強いることはできません。さっきのレストランで言えば、客が、もう待てません、今すぐ出してください、とはっきり言ったのに、まだ、お連れさんを呼んでから、と言って料理を出さない。ここまで来ると、お願いではなく、注文を止める口実になっています。比べるのは、二つです。建築主が受ける不利益と、指導の目的である公益上の必要性です。この二つを比べて、不協力が、社会通念上、正義の観念に反するといえる特段の事情が無い限り、指導が行われているという理由だけで留保するのは、違法です。

判例最判昭60・7・16 民集39巻5号989頁

協議の途中でも、真摯かつ明確な表明と応答の要求があれば、特段の事情がない限りそれ以後の留保は違法 したがつて、いつたん行政指導に応じて建築主と付近住民との間に話合いによる紛争解決をめざして協議が始められた場合でも、右協議の進行状況及び四囲の客観的状況により、建築主において建築主事に対し、確認処分を留保されたままでの行政指導にはもはや協力できないとの意思を真摯かつ明確に表明し、当該確認申請に対し直ちに応答すべきことを求めているものと認められるときには、他に前記特段の事情が存在するものと認められない限り、当該行政指導を理由に建築主に対し確認処分の留保の措置を受忍せしめることの許されないことは前述のとおりであるから、それ以後の右行政指導を理由とする確認処分の留保は、違法となるものといわなければならない。

ここが山場です。いったん指導に応じて、話合いを始めた後でも、真摯かつ明確に、もはや協力できないと表明し、直ちに応答するよう求めたときは、特段の事情が無い限り、それ以後の留保は違法です。二つの例を並べて比べます。書面で、もう変更には応じません、今の申請のまま審査してください、と伝える。これは該当します。他方、窓口で、そろそろ勘弁してほしいんですけどね、と愚痴をこぼす。これは、協力できないという意思が、はっきりしないので、通常は該当しません。決め手は、客観的な状況から見て、一時の感情や交渉上の駆け引きではなく、本気で協力できないと求めていると分かるかどうかです。判決自身も、経過と申立ての内容と時期から、そう判断しています。

当てはめ(審査請求の申立て=もはや確認処分を留保されたままの行政指導には協力できないとして、直ちに確認処分をすべきことを求めた真摯かつ明確な意思表明/特段の事情が無い理由=①それまで積極的かつ協力的に対応していた②解決に至らなかったのは建築主だけの責任ではない③申請の3か月以上後に出た新高度地区案にそう設計変更まで求められた④実施日が1か月余に迫っていた→以後の留保は違法・国賠責任を肯定) 図:当てはめ

  • 審査請求の申立て=もはや確認処分を留保されたままの行政指導には協力できないとして、直ちに確認処分をすべきことを求めた真摯かつ明確な意思表明
  • 特段の事情が無い理由=①それまで積極的かつ協力的に対応していた②解決に至らなかったのは建築主だけの責任ではない③申請の3か月以上後に出た新高度地区案にそう設計変更まで求められた④実施日が1か月余に迫っていた→以後の留保は違法・国賠責任を肯定

当てはめです。判決は、審査請求の申立てを、真摯かつ明確な意思表明と認めました。審査請求という行動の意味を、経過と時期とあわせて評価しています。次に特段の事情です。判決は、無いと言いました。理由は四つです。建築主は、それまで積極的かつ協力的に対応していた。解決に至らなかったのは、建築主だけの責任ではない。申請の3か月以上後に出た新しい制限に合わせた設計変更まで、求められた。しかも、その実施日が、1か月余りに迫っていた。結論は、審査請求を申し立てた日以降の留保は違法で、都の国家賠償責任が肯定されました。論文では、応答の留保が違法かは、三つの順で検討します。指導が任意の協力に支えられているか。真摯かつ明確な表明があったか。特段の事情があるか。ここは論文で論点になりうる、という位置づけです。なお、この事件の機関は地方公共団体です。判決は行政手続法より前の国家賠償の判断ですから、行政手続法33条の話ではありません。今の地方の場面は、条例が同じ趣旨を定めていることが多いのですが、その話は、この回の終わりの節でします。

申請者の態度の3段階

申請者の態度で留保の適否が変わる(本編の整理であって判決の言葉ではない/①進んで応じる→合理的な期間なら留保は許される〔第2段〕/②応じてはいるが気が進まない〔まだ協力できないとは言っていない〕→期間の長さ・解決の見通しなど、社会通念上合理的かで判断〔第1・2段のグレーゾーン〕/③はっきり断り直ちに応答を求める→特段の事情が無い限り違法〔第3段〕) 図:申請者の態度で留保の適否が変わる

  • 本編の整理であって判決の言葉ではない
  • ①進んで応じる→合理的な期間なら留保は許される〔第2段〕
  • ②応じてはいるが気が進まない〔まだ協力できないとは言っていない〕→期間の長さ・解決の見通しなど、社会通念上合理的かで判断〔第1・2段のグレーゾーン〕
  • ③はっきり断り直ちに応答を求める→特段の事情が無い限り違法〔第3段〕

判決の考え方を、申請者の態度で整理します。これは判決の言葉ではなく、この動画での整理です。一つ目、進んで応じている。この場合、合理的な期間なら、留保は許されます。三つ目、はっきり断り、直ちに応答を求めた。この場合、特段の事情が無い限り、留保は違法です。この二つは、結論がはっきりしています。二つ目、応じてはいるが、不満があり、まだ協力できないとは言っていない。ここがグレーゾーンです。この場合は、表明に至っていないので、第3段の違法には、直ちにはなりません。期間の長さや、解決の見通しなど、留保が社会通念上合理的かで判断します。判決は、このグレーゾーンのうち、真摯かつ明確な表明があった時点から、三つ目に切り替えると線を引いたのです。一つ確認です。建築主が指導に応じて、話合いをしている最中に、確認処分を30日留保しました。直ちに違法でしょうか?

任意に応じているので、直ちには違法でないです。合理的な期間かどうかで見ます。第5章の、裁量がどの段階にあるかを見た回の、道路の認定の事件を思い出してください。建物の建築に反対する住民と建築側が争っていて、区長が、工事車両の通行に必要な認定を、約5か月留保しました。認定を出すと、住民と建築側の間で、実力による衝突が起きる危険があり、それを避けるためでした。留保の理由と期間から、行政裁量の許される範囲内とされ、国家賠償が否定されました。

行政手続法33条と判決の照らし合わせ

前回との接続(前回の32条2項=従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはならない/今回の33条=一般原則の32条を受けた、申請に関連する指導の特則/32条2項が見るのは理由・33条が見るのは、従う意思がない旨の表明の後も指導を続けて権利の行使を妨げたか) 図:前回との接続

  • 前回の32条2項=従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはならない
  • 今回の33条=一般原則の32条を受けた、申請に関連する指導の特則
  • 32条2項が見るのは理由・33条が見るのは、従う意思がない旨の表明の後も指導を続けて権利の行使を妨げたか

条文に移ります。前回の32条2項は、従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを禁じていました。見るのは、何を理由にしたか、でした。今回の33条は、行政指導の一般原則である32条を受けて、申請に関連する指導について特に定めた条文です。ただし、見るものが違います。33条が見るのは、理由ではなく、従う意思がないと表明された後も、指導を続けて、申請者の権利の行使を妨げたかどうか、です。

条文行政手続法33条

行政手続法第33条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

読み方です。まず対象の絞り。申請の取下げ、つまり申請そのものを取りやめてもらうこと、または内容の変更を求める行政指導です。次に禁止の中身。申請者が、従う意思がないと表明したのに、その指導を続けることなどで、権利の行使を妨げてはならない。権利の行使を妨げる例は、指導を続けて審査を始めない、応答しない、書類を受け取らない、といったことです。ここでの権利は、審査され、諾否の応答を受ける権利です。

判決と33条の照らし合わせ(判決第2段〔任意に応じている間は合理的な期間の留保は許される〕⇔33条=表明するまでは、指導を続けることを禁じていない/判決第3段前半〔協力できないと表明し応答を求めた〕⇔33条=「従う意思がない旨を表明した」/判決第3段後半〔特段の事情が無い限り違法〕⇔33条=文言には出てこない〔「真摯」「特段の事情」「比較衡量」の語は条文に無い〕) 図:判決と33条の照らし合わせ

  • 判決第2段〔任意に応じている間は合理的な期間の留保は許される〕⇔33条=表明するまでは、指導を続けることを禁じていない
  • 判決第3段前半〔協力できないと表明し応答を求めた〕⇔33条=「従う意思がない旨を表明した」
  • 判決第3段後半〔特段の事情が無い限り違法〕⇔33条=文言には出てこない〔「真摯」「特段の事情」「比較衡量」の語は条文に無い〕

判決と条文を、並べて照らし合わせます。判決の第2段、任意に応じている間は合理的な期間の留保が許される。これと同じで、33条も、表明するまでの指導の継続を禁じていません。出発点が、従う意思がない旨を表明したにもかかわらず、だからです。判決の第3段の前半、協力できないと表明した、は、条文の従う意思がない旨を表明した、に対応します。特段の事情は、条文のどこに出てくるんですか。出てきません。真摯も、特段の事情も、比較衡量も、条文には書かれていません。33条は判決の趣旨を条文にしたもので、33条ができた後の事案にも、判決の基準が妥当すると解されています。ここは、有力な整理として覚えておいてください。条文に特段の事情がある、とも、判例と条文が食い違う、とも言わないのが安全です。もう一つ、対象の限定があります。33条の文言は、取下げまたは内容の変更を求める指導です。品川マンション事件の、住民と話合いをして解決せよ、という指導は、申請の内容を直せという指導ではないので、文言どおりには、当たらないように見えます。話合い型の留保にも同じ趣旨が及ぶと解する理解が有力ですが、断定はできません。ですから、33条は取下げ・内容変更を求める指導、判決は留保一般の物差し、と役割を分けて持っておきます。

乙省・M社への当てはめ(乙省の担当者は申請の内容の変更を求めた=33条の対象/M社が相談に応じていた間=指導の継続は禁じられない〔判決第2段と同じ〕/M社が書面で「応じない」と表明/それでも指導を続け、返事をしない→「従う意思がない旨を表明したにもかかわらず指導を継続すること等により権利の行使を妨げる」に当たりうる) 図:乙省・M社への当てはめ

  • 乙省の担当者は申請の内容の変更を求めた=33条の対象
  • M社が相談に応じていた間=指導の継続は禁じられない〔判決第2段と同じ〕
  • M社が書面で「応じない」と表明
  • それでも指導を続け、返事をしない→「従う意思がない旨を表明したにもかかわらず指導を継続すること等により権利の行使を妨げる」に当たりうる

乙省の設例に当てはめます。乙省の担当者は、M社に、申請の内容の変更を求めました。33条の対象です。M社が相談に応じていた間は、指導の継続は禁じられていません。判決の第2段と同じです。M社が、書面で、もう変更には応じない、と表明した後も、乙省が指導を続けて返事をしない。これは、33条の、従う意思がない旨を表明したにもかかわらず、指導を継続すること等により、権利の行使を妨げるようなこと、に当たりえます。この設例は国の機関ですから、33条が、そのまま当たります。

⭐ 論文で書く規範:行手法33条=申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導で、申請者が従う意思がない旨を表明したのに、指導の継続等で権利の行使を妨げてはならない。品川マンション事件を下敷きにした条文。判決の「特段の事情」は条文には書かれていない (短答・論文共通)

7条と「受け取らない」型

行手法7条(骨格)と指導の関係(7条=申請が事務所に到達したときは遅滞なく審査を開始しなければならない/形式上の要件に適合しない申請は、速やかに補正を求めるか拒否〔本体は後の回〕→「受理しない」という取扱いは認められない/ただし、相手が任意に応じる限り、指導が行われること自体は止められない)

次に、受け取らない型です。行政手続法7条は、申請が事務所に到達したときは、遅滞なく審査を開始しなければならない、と定めます。形式上の要件に適合しない申請は、速やかに補正を求めるか、拒否をします。ですから、申請書を受理しない、という取扱いは、一般に認められません。窓口の型の二つ目を、条文で封じた形です。7条の本体は、別の回で扱います。だったら、指導自体も、もうできないんですか。違います。指導が行われること自体は、止められません。相手が任意に応じる限り、指導は続けてよいのです。7条は、受理しない、を封じる。33条は、従わないと表明した後の継続を封じる。役割が違います。なお、建築確認では、設計が建築士法に違反するなど、法律が受理を拒むことを認める場面もあります。ですから、受理を一切拒めない、とまでは言えません。

昭和56年判決の事案(ある市の水道局の給水課長が、建築基準法違反の建物の給水装置新設工事の申込みを事実上受理せず、申込書を返した/申込者は受理の違法拒否として市に損害賠償を求めた/判断=①最終的に拒否する意思表示ではなく、違反状態を是正し建築確認を受けたうえで申込みをするよう一応の勧告をしたにすぎない②申込者はその後一年半余、申込みに関して何の措置も講じず放置/結論=市の責任は否定) 図:昭和56年判決の事案

  • ある市の水道局の給水課長が、建築基準法違反の建物の給水装置新設工事の申込みを事実上受理せず、申込書を返した
  • 申込者は受理の違法拒否として市に損害賠償を求めた
  • 判断=①最終的に拒否する意思表示ではなく、違反状態を是正し建築確認を受けたうえで申込みをするよう一応の勧告をしたにすぎない②申込者はその後一年半余、申込みに関して何の措置も講じず放置
  • 結論=市の責任は否定

受け取らない型の判例を、一つ見ます。ある市の水道局の給水課長が、建築基準法に違反する状態の建物について出された、給水装置の新設工事の申込みを、事実上受理せず、申込書を返しました。申込者は、受理の違法な拒否だとして、市に損害賠償を求めました。

判例最判昭56・7・16 民集35巻5号930頁

受理を最終的に拒否したものではなく、一応の勧告にすぎないとして、市の損害賠償責任を否定した 原審が適法に確定した事実関係によれば、被上告人市の水道局給水課長が上告人の本件建物についての給水装置新設工事申込の受理を事実上拒絶し、申込書を返戻した措置は、右申込の受理を最終的に拒否する旨の意思表示をしたものではなく、上告人に対し、右建物につき存する建築基準法違反の状態を是正して建築確認を受けたうえ申込をするよう一応の勧告をしたものにすぎないと認められるところ、これに対し上告人は、その後一年半余を経過したのち改めて右工事の申込をして受理されるまでの間右工事申込に関してなんらの措置を講じないままこれを放置していたのであるから、右の事実関係の下においては、前記被上告人市の水道局給水課長の当初の措置のみによつては、未だ、被上告人市の職員が上告人の給水装置工事申込の受理を違法に拒否したものとして、被上告人市において上告人に対し不法行為法上の損害賠償の責任を負うものとするには当たらないと解するのが相当である。

文中の上告人は申込者、被上告人市は市のことです。判断は二点です。課長の措置は、受理を最終的に拒否する意思表示ではなく、違反状態を是正して、建築確認を受けてから申し込むように、という一応の勧告にすぎなかった。しかも申込者は、その後一年半余り、何の措置も講じないまま放置していた。この事実関係の下では、市の損害賠償責任は否定されます。最終的な拒否でなければ、申込者には、違反を直して申し込み直す道が残っていました。その道を使わずに放置した間の不利益まで、当初の措置だけのせいにはできない、ということです。品川マンション事件と並べます。品川では、建築主が、協力できないと明確に表明して、応答を求めていました。こちらは、拒否が最終的でない勧告にとどまり、申込者もその後放置していた事案です。決め手は、受理を最終的に拒否したのか、その後の申込者の行動はどうか、です。この判決は、受理を拒めば常に違法、とも、返すのは適法、とも言っていません。判決の言い方の範囲で、覚えてください。給水と聞いて、この章の、水道の給水契約の回を思い出した人もいるでしょう。あの回の問いは、水道法15条1項のもとで、拒むことに正当の理由があるか、でした。この判決は、そこに入る前の段階で、そもそも受理を最終的に拒否したと言えるか、を見て、そう言えないとしたものです。ですから、違法建築なら給水を拒んでよい、と言った判決ではありません。

この市の事案も、行政手続法より前の損害賠償の事件で、市の機関の話です。33条を当てる話ではありません。

地方公共団体の場面・争う手段・最後の答え

行政手続法3条3項(地方公共団体の機関がする処分〔根拠が条例・規則に置かれているものに限る〕及び行政指導→次章から第六章までの規定は適用しない/括弧書は「処分」にだけかかる) 図:行政手続法3条3項

  • 地方公共団体の機関がする処分〔根拠が条例・規則に置かれているものに限る〕及び行政指導→次章から第六章までの規定は適用しない
  • 括弧書は「処分」にだけかかる

最後に、地方公共団体の場面です。地方の機関がする指導には、行政手続法の指導の規定が適用されず、条例による。この3条3項の注意書きは、行政指導の地図を見た回で見ました。今回は、処分の側まで含めて、条文を読みます。

条文行政手続法3条3項

行政手続法第3条 3 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。

括弧書の位置を見てください。条例または規則に根拠があるものに限る、という括弧書は、処分にだけかかっています。ですから二つに分かれます。一つ目、地方公共団体の機関がする行政指導は、根拠を問わず、第4章の規定、つまり32条から36条の2までが、適用されません。その団体の行政手続条例によります。二つ目、地方公共団体の機関がする処分は、根拠が条例や規則にあるものだけが、第2章以下の適用除外です。法律に根拠のある処分には、第2章が適用されます。なぜ、こう分けたのか。処分の側は、条例や規則で作った仕組みなら、どんな手続を踏むかも、その地域で決めてよい、という考え方です。地方の自治を重んじるわけです。法律に根拠のある処分は、この例外に入らず、行政手続法が適用されます。では、指導はなぜ根拠を問わないのか。前回見たとおり、行政指導は、法律や条例の根拠が無くても行えます。ですから、どの指導がどの根拠に基づくのかを、一つ一つ切り分けるのは難しい。そこで、地方の機関の指導は、まとめて外したのです。

処分は行手法・指導は条例(国の機関=処分〔法律根拠〕は行手法第2章〔7条など〕/行政指導は行手法第4章〔33条など〕/地方公共団体の機関=処分〔法律根拠〕は行手法第2章〔7条など〕/行政指導は条例〔多くは33条と同趣旨の定め〕) 図:処分は行手法・指導は条例

  • 国の機関=処分〔法律根拠〕は行手法第2章〔7条など〕
  • 行政指導は行手法第4章〔33条など〕
  • 地方公共団体の機関=処分〔法律根拠〕は行手法第2章〔7条など〕
  • 行政指導は条例〔多くは33条と同趣旨の定め〕

建築確認は、建築基準法という法律に根拠があります。そこで、審査と応答には、行政手続法の第2章、つまり7条などが、地方公共団体の建築主事にも適用されます。他方、窓口の指導は、33条の対象外で、条例によります。処分は行政手続法、指導は条例、というねじれが生じるのです。品川マンション事件の事案を今の制度で考えるなら、処分の側は7条、指導の側は、その地方公共団体の行政手続条例です。条例の多くは、33条と同趣旨の定めを置いています。国の機関への申請なら、処分も指導も行政手続法そのもので、7条と33条です。

争う手段の地図(返事が出ないまま→不作為の違法確認訴訟/応答を求める→申請型義務付け訴訟/損害→国家賠償〔この回の判決の形〕/詳細は各回で扱う) 図:争う手段の地図

  • 返事が出ないまま→不作為の違法確認訴訟
  • 応答を求める→申請型義務付け訴訟
  • 損害→国家賠償〔この回の判決の形〕
  • 詳細は各回で扱う

返事が出ないとき、争う手段の地図だけ示します。返事が出ないままなら、不作為の違法確認訴訟。応答を求めるなら、申請型義務付け訴訟。損害が出たなら、国家賠償で、これが今日の判決の形です。詳しくは、それぞれの回で扱います。

今日の答え(乙省・M社=①M社が相談に応じている間は、合理的な期間待たせても直ちに違法でない〔判決第2段・33条は表明前の継続を禁じない〕②M社が書面で「もう変更には応じない」と表明した後、指導を続けて返事をしない→33条の問題。判決の基準なら、特段の事情が無い限り違法③市や都が同じことをしたら、処分の側は7条、指導の側は条例) 図:今日の答え

冒頭の三つの問いに答えます。一つ目、指導が続く間、返事を待たせてよいか。M社が相談に応じている間は、合理的な期間なら、待たせても直ちに違法ではありません。33条も、表明するまでの継続を禁じていません。二つ目、どこから違法か。M社が、書面でもう変更には応じないと表明した後に、乙省が指導を続けて返事をしないのは、33条の問題になります。判決の基準なら、M社の不利益と指導の目的の公益を比べて、不協力が正義の観念に反するといえる特段の事情が無い限り、違法です。三つ目、法律はその線をどう書くか。国の機関には33条と7条がそのまま当たります。市や都の機関が同じことをしたなら、処分の側は7条、指導の側は条例で読みます。

今日の短答の誤り肢(指導に従わない申請者の申請は受理しなくてよい〔誤り〕/行政指導を理由とする確認処分の留保は常に違法〔誤り〕/協力できないと表明したら留保は常に違法〔誤り〕/品川マンション事件は行手法33条を適用した〔誤り〕/市の機関の指導にも33条が適用される〔誤り〕/建築確認の審査・応答には行手法第2章は適用されない〔誤り〕) 図:今日の短答の誤り肢

  • 指導に従わない申請者の申請は受理しなくてよい〔誤り〕
  • 行政指導を理由とする確認処分の留保は常に違法〔誤り〕
  • 協力できないと表明したら留保は常に違法〔誤り〕
  • 品川マンション事件は行手法33条を適用した〔誤り〕
  • 市の機関の指導にも33条が適用される〔誤り〕
  • 建築確認の審査・応答には行手法第2章は適用されない〔誤り〕

短答の肢を、六つ読みます。一つ目。指導に従わない申請者の申請は、受理しなくてよい。誤りです。7条により、到達した時点で審査義務が生じます。二つ目。行政指導を理由とする確認処分の留保は、常に違法である。誤りです。任意に応じている間の、合理的な期間の留保は、直ちには違法ではありません。三つ目。協力できないと表明したら、留保は常に違法である。誤りです。特段の事情が無い限り、です。四つ目。品川マンション事件は、行政手続法33条を適用した。誤りです。行政手続法ができる前の、国家賠償の判断です。五つ目。市の機関の指導にも、33条が適用される。誤りです。適用されず、条例によります。六つ目。建築確認の審査と応答には、行政手続法の第2章は適用されない。誤りです。法律に根拠のある処分には、地方公共団体の機関がするものでも、第2章が適用されます。

参照条文

  • 行政手続法33条
  • 行政手続法3条3項

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