行政法ゼロから行政法#103

行政手続法制定前の判例

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第8章 行政手続 #103/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

理由も基準も、判例が作った

今日の問い(設例=県に営業の許可を申請したBに、不許可の通知が届く/通知の理由欄=「〇〇条に該当しないため」だけ/Bは何を直せば次に通るのか分からない/問い=行政手続法〔1993年〕より前、手続のルールはどこにあったか) 図:今日の問い

  • 設例=県に営業の許可を申請したBに、不許可の通知が届く
  • 通知の理由欄=「〇〇条に該当しないため」だけ
  • Bは何を直せば次に通るのか分からない
  • 問い=行政手続法〔1993年〕より前、手続のルールはどこにあったか

しかも、行政手続法ができたのは1993年です。それより前は、こういう通知に、文句は言えたのでしょうか。前回の結論を思い出してください。憲法からは、どの処分にどんな手続が要るのか、という具体的な中身は出てきませんでした。だから、一般法が要る、という話でした。実は、裁判所が作っていました。個々の法律の規定を読み解いて、理由はここまで書け、基準を作って言い分を聞け、という手続の要請を、判例が引き出していたのです。今日は、その判例を、告知と聴聞、理由の付記、基準の設定、の3本柱で読みます。そして最後に、それぞれが、いまの行政手続法の、どの条文に引き継がれたのかを、対応させます。

判例は、個別法を読み解いて手続を作った

判例が手続を作ったという見方(憲法から直接ではなく、個別の法律の解釈として手続の要請を引き出す→射程はその法律の枠内/3本柱=①告知・聴聞→成田新法事件〔一般論どまり〕②理由付記→青色申告の更正処分・旅券発給拒否③基準の設定→個人タクシー事件〔+諮問手続→群馬中央バス事件〕) 図:判例が手続を作ったという見方

  • 憲法から直接ではなく、個別の法律の解釈として手続の要請を引き出す→射程はその法律の枠内
  • 3本柱=①告知・聴聞→成田新法事件〔一般論どまり〕②理由付記→青色申告の更正処分・旅券発給拒否③基準の設定→個人タクシー事件〔+諮問手続→群馬中央バス事件〕

先に、背骨になる見方を1つ言います。判例は、憲法から直接、手続を引き出したのではありません。個別の法律の規定を読み解いて、その法律の解釈として、手続の要請を引き出しました。違いは、届く範囲に出ます。たとえば、これから読む群馬中央バス事件で、最高裁は、憲法31条が行政手続にも適用されるかどうかは、特に論ずる必要はない、と述べました。憲法の話に踏み込まず、その事件の法律の読み方で、結論を出したのです。すると、判断の射程は、その法律の枠の中にとどまります。所得税法の読み方は、所得税法の処分にだけ効く。旅券法の読み方は、旅券の処分にだけ効く。手続の定めが何もない法律の処分は、手続なしのまま残りえます。

これを頭に置いて、柱を3本、順に見ます。

告知と聴聞

告知と聴聞(告知=決定に先立ち、相手方に決定の内容と理由を知らせる/聴聞=そのうえで相手方の言い分を聴く/働き=行政の独断を防ぐ・相手方が防御できる/成田新法事件=31条は行政手続にも及びうるが、どの処分にどんな事前手続が要るかの基準は示さない) 図:告知と聴聞

  • 告知=決定に先立ち、相手方に決定の内容と理由を知らせる
  • 聴聞=そのうえで相手方の言い分を聴く
  • 働き=行政の独断を防ぐ・相手方が防御できる
  • 成田新法事件=31条は行政手続にも及びうるが、どの処分にどんな事前手続が要るかの基準は示さない

1本目、告知と聴聞です。言葉の定義から。告知とは、決定に先立って、相手方に、決定の内容と理由を知らせることです。聴聞とは、そのうえで、相手方の言い分を聴くことです。先に知らせて、それから聴く。この順番です。働きは2つです。行政の判断が、独断に陥るのを防ぐこと。そして、相手方が、自分を守る防御の機会を持てることです。ここで、前回の確認です。成田新法事件、空港の建設に反対する団体の建物に、大臣が使用禁止の命令を出した事件です。この事件は、どの処分にどんな事前手続が要るか、という基準を示したでしょうか?

示していません。31条は行政手続にも及びうるけれど、機会を与えるかどうかは総合較量で、でした。制限される権利利益と、達成する公益を、天秤に載せて比べる、あの総合較量でした。比べる中身は処分ごとに違うので、答えは事件ごとにしか出ません。ですので、告知と聴聞については、判例は一般論どまりでした。ただ、1点だけ注意です。このあと個人タクシー事件に、聴聞という言葉が出てきます。それは、道路運送法に置かれていた、担当官が申請者から話を聴く手続です。行政手続法の聴聞とは、別物です。後で、もう一度確認します。

理由付記の2つの働き

理由付記の2つの働き(理由付記=処分書に理由を書いて相手方に知らせること/働き1=処分庁の判断を慎重にし、恣意を抑える〔処分庁の内側〕/働き2=理由が分かるので不服申立てなど争いやすくなる〔処分庁→相手方〕/行手法の前=法律が理由付記を求めている場合に限り、処分の有効要件になると解されるのが一般的) 図:理由付記の2つの働き

  • 理由付記=処分書に理由を書いて相手方に知らせること
  • 働き1=処分庁の判断を慎重にし、恣意を抑える〔処分庁の内側〕
  • 働き2=理由が分かるので不服申立てなど争いやすくなる〔処分庁→相手方〕
  • 行手法の前=法律が理由付記を求めている場合に限り、処分の有効要件になると解されるのが一般的

2本目、理由付記です。理由付記とは、行政が決定をするとき、その理由を処分書に書いて、相手方に知らせることです。働きは2つあります。1つ目は、処分をする側の判断を、慎重にして、恣意を抑えることです。理由を書かなければならない、と思えば、いい加減な判断はしにくくなります。恣意とは、気ままな判断のことです。2つ目は、争う便宜です。理由が分かるから、不服を申し立てるにも、裁判をするにも、どこを争えばよいのか見当がつきます。Bは、通知を読んでも、何を直せばよいのか分かりません。診断書に、異常あり、としか書かれていないようなものです。どこを治せばよいのか、患者には分かりません。行政手続法ができる前は、法律が理由付記を求めている場合に限って、理由の付記が処分の有効要件、つまり、欠けていれば処分が違法になって取り消される要件になる、と解釈されるのが一般的でした。法律に定めがなければ、理由がなくても処分は有効、と考えられていました。ここも、個別法の枠内、という背骨のとおりです。

理由付記の不備は、それだけで取消し

青色申告の更正処分と理由付記(事案=青色申告の承認を受けた納税者の申告所得を税務署長が増額する更正→通知書の理由欄=「売買差益率検討の結果、記帳額低調につき、調査差益率により基本金額修正、所得金額更正す」/判旨=理由付記が法定されているのに記載を欠くと処分自体の取消しを免れない・どの程度かは処分の性質と法律の趣旨・目的で決まる/結論=取消し) 図:青色申告の更正処分と理由付記

  • 事案=青色申告の承認を受けた納税者の申告所得を税務署長が増額する更正→通知書の理由欄=「売買差益率検討の結果、記帳額低調につき、調査差益率により基本金額修正、所得金額更正す」
  • 判旨=理由付記が法定されているのに記載を欠くと処分自体の取消しを免れない・どの程度かは処分の性質と法律の趣旨・目的で決まる
  • 結論=取消し

理由付記の最初の判例は、青色申告の更正処分の事件です。青色申告とは、帳簿をきちんとつけている納税者に認められる申告の方式です。この納税者が所得を申告したのに、税務署長が、それより多い所得に更正しました。更正とは、申告の内容を、税務署長が改める処分です。通知書の理由の欄には、売買差益率を検討した結果、帳簿の額が低調なので、調査した差益率で基本の金額を修正し、所得金額を更正する、と書いてありました。判決の一般論を読みます。

判例最判昭38・5・31 民集17巻4号617頁

青色申告の更正処分の理由付記(その1) 一般に、法が行政処分に理由を附記すべきものとしているのは、処分庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を相手方に知らせて不服の申立に便宜を与える趣旨に出たものであるから、その記載を欠くにおいては処分自体の取消を免かれないものといわなければならない。ところで、どの程度の記載をなすべきかは、処分の性質と理由附記を命じた各法律の規定の趣旨・目的に照らしてこれを決定すべきである

骨格を読みます。法が理由の付記を求めるのは、慎重さと恣意の抑制、そして争う便宜のためです。だから、記載を欠けば、処分自体の取消しを免れません。そして、どの程度書くべきかは、処分の性質と、その法律の趣旨・目的で決まります。この事件では、青色申告の特色が効きます。続けて読みます。

判例最判昭38・5・31 民集17巻4号617頁

青色申告の更正処分の理由付記(その2) 所得税法(昭和三七年法律六七号による改正前のもの、以下同じ。)四五条一項の規定は、申告にかかる所得の計算が法定の帳簿組織による正当な記載に基づくものである以上、その帳簿の記載を無視して更正されることがない旨を納税者に保証したものであるから、同条二項が附記すべきものとしている理由には、特に帳簿書類の記載以上に信憑力のある資料を摘示して処分の具体的根拠を明らかにすることを必要すると解するのが相当である。

決め手を整理します。青色申告の納税者は、帳簿を無視されて更正されない、という保証を法律から受けています。だから、その帳簿より信用できる資料を挙げて、具体的な根拠を示さなければ、保証に見合う理由とは言えません。本件の記載では、納税者にはそれが分からず、要件を満たさない。こうして、更正処分は取り消されました。所得が本当に正しかったかどうかは、見たんですか。見ていません。ここが山場です。理由付記が法定されているのに不備があれば、手続の瑕疵だけで、取消しに至ります。処分の中身が結果として正しいかどうかとは、別の問題として扱われました。なぜか。理由を書かせるのは、判断を慎重にさせ、争う手がかりを渡すためでした。中身がたまたま正しくても、不備な理由のまま通せば、働きは2つとも果たされません。だから、不備そのものが取消しの理由になります。

どこまで書けば足りるか

旅券発給拒否と理由付記(事案=渡航先をサウジアラビアとする一般旅券の発給申請→外務大臣は「旅券法13条1項5号に該当する。」とだけ付記して拒否/規範=いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用したかを、申請者が記載自体から了知しうるもの/根拠規定を示すだけでは、事実関係も当然知りうるような場合を別として、不十分/結論=要件を欠き取消し) 図:旅券発給拒否と理由付記

  • 事案=渡航先をサウジアラビアとする一般旅券の発給申請→外務大臣は「旅券法13条1項5号に該当する。」とだけ付記して拒否
  • 規範=いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用したかを、申請者が記載自体から了知しうるもの
  • 根拠規定を示すだけでは、事実関係も当然知りうるような場合を別として、不十分
  • 結論=要件を欠き取消し

では、どこまで書けば足りるのか。旅券の発給拒否の事件です。渡航先をサウジアラビアとして、一般旅券の発給を申請した人がいました。外務大臣は、当時の旅券法13条1項5号、いまの規定では7号にあたる条文に該当する、という理由を付けた書面で、拒否を通知しました。判旨を読みます。

判例最判昭60・1・22 民集39巻1号1頁

旅券発給拒否の理由付記 一般旅券発給拒否通知書に付記すべき理由としては、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して一般旅券の発給が拒否されたかを、申請者においてその記載自体から了知しうるものでなければならず、単に発給拒否の根拠規定を示すだけでは、それによつて当該規定の適用の基礎となつた事実関係をも当然知りうるような場合を別として、旅券法の要求する理由付記として十分でないといわなければならない。

骨格を読みます。理由は、どんな事実関係に基づき、どの法規を適用したのかが、通知書の記載自体から分かるものでなければなりません。根拠規定を示すだけでは、足りません。ただし、書いてある例外に注意してください。条文を示すだけで、その規定の適用の基礎になった事実関係まで、当然に分かるような場合は、別です。本件は、その例外に当たらなかったんですか。当たりませんでした。この5号は、外務大臣において、日本国の利益や公安を、著しく、かつ、直接に害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者、という定め方で、概括的で、抽象的な規定です。条文を挙げただけでは、どんな事実を認定されたのか、分かりません。だから、どんな事実関係を認定して5号に当たると判断したのかを、具体的に書く必要がある、とされました。書かれていなかったので、理由付記の要件を欠き、拒否処分は取り消されました。判断の枠は、通知書の記載自体から分かるか、です。そして、規定が抽象的なほど、事実関係まで書く必要が大きくなります。

許可の条文が抽象的なら、足りない方向です。位置づけとしては、さきほどの青色申告の判決の、どの程度書くかは処分の性質と法律の趣旨で決まる、という考えを、外国旅行の自由にかかわる旅券の処分に当てはめたものです。

個人タクシー事件——事案

個人タクシー事件の事案(個人タクシー事業の免許=増車の枠983台に対し申請6630件→多数から少数を選ぶ免許/運輸側=免許基準を具体化した審査基準17項目を内部で作成・約20名の担当官が申請者から聴取〔多くは基準事項の存在すら知らされていない〕/申請人=「他に事業を自営している場合に転業が困難でないこと」「運転歴7年以上」の2点に当たらないとして却下/ところが担当官は、この2点を聴いていなかった) 図:個人タクシー事件の事案

  • 個人タクシー事業の免許=増車の枠983台に対し申請6630件→多数から少数を選ぶ免許
  • 運輸側=免許基準を具体化した審査基準17項目を内部で作成・約20名の担当官が申請者から聴取〔多くは基準事項の存在すら知らされていない〕
  • 申請人=「他に事業を自営している場合に転業が困難でないこと」「運転歴7年以上」の2点に当たらないとして却下
  • ところが担当官は、この2点を聴いていなかった

3本目、基準の設定です。個人タクシー事件を見ます。以前に、裁量の統制の角度と、基準を作るべきだという角度で見ましたね。今日は、行政手続の判例としての、3つ目の読み方です。事案です。一人一車の個人タクシー事業の免許。増やす枠は983台、それに対して申請は6630件でした。多数の申請者から、少数だけを選ぶ免許です。運輸の側は、法律の免許基準を具体化した審査基準を、内部で17項目作りました。そして、約20名の担当官が、申請者から話を聴きました。ところが、担当官の多くは、基準の項目がどんなものか、すら知らされていませんでした。

そして、原告の申請者は、2つの点で却下されました。1つは、他に事業を自営している場合に、転業が困難でないこと。もう1つは、運転歴が7年以上あること。ところが、担当官は、この2点を、申請者に聴いていませんでした。洋品店を廃業する意思があるのか。軍隊での運転経験が、数えられるのか。そこを聴かないまま、基準に当たらないとして、却下したのです。身近な形に直します。定員の少ない許可に、申請が殺到している。担当者ごとに、見る点がばらばら。申請者は、何を主張すれば点になるのか、知らされない。入試で、採点者ごとに採点表が違い、受験者は何を書けばよいか分からない、という状況です。

個人タクシー事件——何を求め、何を求めなかったか

個人タクシー事件の判旨(法律=道路運送法に審査・判定の手続の明文規定は聴聞の規定のほかになし/免許の許否は職業選択の自由にかかわる→独断との疑いを招く不公正な手続は許されない/求めたこと=①内部的にせよ審査基準を設定し公正かつ合理的に適用②微妙・高度の認定を要する場合など→基準の適用上必要な事項について主張と証拠の提出の機会を与える/求めていないこと=〔①基準の公開・申請人への提示/②すべての申請への聴聞の保障〕/申請人の利益=公正な手続で判定を受ける法的利益・違反する審査手続での却下は処分の違法事由) 図:個人タクシー事件の判旨

  • 法律=道路運送法に審査・判定の手続の明文規定は聴聞の規定のほかになし
  • 免許の許否は職業選択の自由にかかわる→独断との疑いを招く不公正な手続は許されない
  • 求めたこと=①内部的にせよ審査基準を設定し公正かつ合理的に適用②微妙・高度の認定を要する場合など→基準の適用上必要な事項について主張と証拠の提出の機会を与える
  • 求めていないこと=〔①基準の公開・申請人への提示/②すべての申請への聴聞の保障〕
  • 申請人の利益=公正な手続で判定を受ける法的利益・違反する審査手続での却下は処分の違法事由

判旨を読みます。長いので、2つに分けます。

判例最判昭46・10・28 民集25巻7号1037頁

個人タクシー事件(その1) おもうに、道路運送法においては、個人タクシー事業の免許申請の許否を決する手続について、同法一二二条の二の聴聞の規定のほか、とくに、審査、判定の手続、方法等に関する明文規定は存しない。しかし、同法による個人タクシー事業の免許の許否は個人の職業選択の自由にかかわりを有するものであり、このことと同法六条および前記一二二条の二の規定等とを併せ考えれば、本件におけるように、多数の者のうちから少数特定の者を、具体的個別的事実関係に基づき選択して免許の許否を決しようとする行政庁としては、事実の認定につき行政庁の独断を疑うことが客観的にもつともと認められるような不公正な手続をとつてはならないものと解せられる。

骨格を読みます。道路運送法には、審査の手続の明文規定が、ほとんどありません。けれども、免許の許否は職業選択の自由にかかわります。そこで、多数から少数を選ぶ行政庁は、独断を疑われるような、不公正な手続をとってはならない、と解されました。明文がないのに、法律の読み方から、手続の要請を引き出している。ここが、背骨の見方そのものです。続きです。

判例最判昭46・10・28 民集25巻7号1037頁

個人タクシー事件(その2) すなわち、右六条は抽象的な免許基準を定めているにすぎないのであるから、内部的にせよ、さらに、その趣旨を具体化した審査基準を設定し、これを公正かつ合理的に適用すべく、とくに、右基準の内容が微妙、高度の認定を要するようなものである等の場合には、右基準を適用するうえで必要とされる事項について、申請人に対し、その主張と証拠の提出の機会を与えなければならないというべきである。免許の申請人はこのような公正な手続によつて免許の許否につき判定を受くべき法的利益を有するものと解すべく、これに反する審査手続によつて免許の申請の却下処分がされたときは、右利益を侵害するものとして、右処分の違法事由となるものというべきである。

求めたことは、2つです。1つ目。条文の免許基準は抽象的だから、内部的にせよ、趣旨を具体化した審査基準を設定し、公正かつ合理的に適用すること。2つ目。基準の内容が微妙で、高度の認定を要するなどの場合には、基準を適用するうえで必要な事項について、申請人に、主張と証拠の提出の機会を与えること。そして、申請人には、このような公正な手続で判定を受ける、法的な利益がある。これに反する審査手続で却下されたら、その利益を侵害するものとして、処分の違法事由になる、としました。ここで問いです。個人タクシー事件は、審査基準を、申請人に示すよう求めたでしょうか。

内部的にせよ、と書いてあるので、示すよう求めたのではないですか。逆です。内部的にせよ、とは、外に見せなくてもよいから、少なくとも作れ、という意味です。基準を公開することや、申請人に提示することまでは、求めていません。採点表で言えば、採点者の手元に、1つ作れ、であって、受験者に配れ、ではありません。もう1つあります。すべての申請に、聴聞を保障せよ、とも言っていません。主張と証拠の機会を与えるべきなのは、基準を適用するうえで必要な事項のうち、基準の内容が微妙で、高度の認定を要するような場合です。整理します。求めたのは、内部的にせよ基準を設定することと、必要な事項について主張と証拠の機会を与えること。求めていないのは、基準の公開と、全件の聴聞です。

個人タクシー事件——なぜ取り消されたか

個人タクシー事件の結論(基準を内部で作る→担当官が聴取→重要な2点〔他業の転業・運転歴〕を聴かず→却下→取消し/当てはめ=2点は許否を決めるうえで重要または微妙な認定を要し、申請人自身の事情にかかわる/聴いて主張と証拠の提出の機会を与え結果をしんしゃくすれば、異なる判断に到達する可能性がなかったとはいえない→審査手続に瑕疵→却下処分は違法/注意=この「聴聞」は道路運送法上の聴取であって、行手法の聴聞ではない〔申請拒否処分は聴聞・弁明の対象から除外=行手法2条4号ロ〕) 図:個人タクシー事件の結論

  • 基準を内部で作る→担当官が聴取→重要な2点〔他業の転業・運転歴〕を聴かず→却下→取消し
  • 当てはめ=2点は許否を決めるうえで重要または微妙な認定を要し、申請人自身の事情にかかわる
  • 聴いて主張と証拠の提出の機会を与え結果をしんしゃくすれば、異なる判断に到達する可能性がなかったとはいえない→審査手続に瑕疵→却下処分は違法
  • 注意=この「聴聞」は道路運送法上の聴取であって、行手法の聴聞ではない〔申請拒否処分は聴聞・弁明の対象から除外=行手法2条4号ロ〕

結論です。なぜ、取り消されたのか。最高裁の言葉を読みます。

判例最判昭46・10・28 民集25巻7号1037頁

個人タクシー事件(その3) これらの点に関する事実を聴聞し、被上告人にこれに対する主張と証拠の提出の機会を与えその結果をしんしやくしたとすれば、上告人がさきにした判断と異なる判断に到達する可能性がなかつたとはいえないであろうから、右のような審査手続は、前記説示に照らせば、かしあるものというべく、したがつて、この手続によつてされた本件却下処分は違法たるを免れない。

骨格を読みます。2点は、免許の許否を決めるうえで重要で、申請人自身の事情にかかわります。それを聴いて、主張と証拠の機会を与え、結果を考慮していたら、行政庁が先にした判断と、異なる判断になる可能性がなかったとはいえない。だから、審査手続に瑕疵があり、却下処分は違法で、取消しです。手続違反があったら、必ず取り消す、ということですか。そこが大事です。ここでは、手続違反が結果に影響しうることと、取消しとが、結びついています。結論が変わる可能性が、ないとは言えない。この点は、次の群馬中央バス事件と並べて確認します。その前に、短答で狙われる誤りを1つ潰します。この判決で、聴聞が求められたから、行政手続法の聴聞に引き継がれた、というのは誤りです。

この事件の聴聞は、行政手続法ができる前に、役所が申請人から事情を聴いた手続です。しかも、申請を拒否する処分は、行政手続法では、聴聞や弁明の対象になる不利益処分、つまり、営業停止のように、行政のほうから特定の相手に義務を課したり、権利を制限したりする処分から、除かれています。2条4号ロです。この点は、申請拒否と不利益処分を扱う回で、本格的に見ます。

群馬中央バス事件——取り消されなかった手続の不備

群馬中央バス事件(バス事業の免許申請を却下→手続の瑕疵を争う/陸運局長の聴聞=運輸審議会の公聴会がある以上、単なる補充的な意義・機能しかなく、仮に瑕疵があっても取消事由にならない/運輸審議会の審理=申請者に主張立証の機会を与えるうえで必ずしも十分でない点はあった→しかし、より具体的に問題点を示して意見・資料の提出を促しても、審議会の認定判断を左右するに足るものを追加提出できた可能性は認め難い→重大な違法とするには足りず取り消さない) 図:群馬中央バス事件

  • バス事業の免許申請を却下→手続の瑕疵を争う
  • 陸運局長の聴聞=運輸審議会の公聴会がある以上、単なる補充的な意義・機能しかなく、仮に瑕疵があっても取消事由にならない
  • 運輸審議会の審理=申請者に主張立証の機会を与えるうえで必ずしも十分でない点はあった→しかし、より具体的に問題点を示して意見・資料の提出を促しても、審議会の認定判断を左右するに足るものを追加提出できた可能性は認め難い→重大な違法とするには足りず取り消さない

問いです。手続に不備があれば、いつも処分は取り消されるでしょうか。では、群馬中央バス事件で確かめます。バス事業の免許の申請が、却下されました。申請した会社は、免許を出すかどうかを決める手続に、不備があったと争いました。この事件では、運輸大臣が決める前に、運輸審議会という諮問機関、つまり、大臣から意見を求められ、答申という形で答える機関の審理を経る仕組みがありました。まず、一般論を読みます。

判例最判昭50・5・29 民集29巻5号662頁

群馬中央バス事件(その1) 行政処分が諮問を経ないでなされた場合はもちろん、これを経た場合においても、当該諮問機関の審理、決定(答申)の過程に重大な法規違反があることなどにより、その決定(答申)自体に法が右諮問機関に対する諮問を経ることを要求した趣旨に反すると認められるような瑕疵があるときは、これを経てなされた処分も違法として取消をまぬがれないこととなるものと解するのが相当である。

骨格を読みます。諮問を経ていても、その審理や答申の過程に、重大な法規違反があり、諮問を要求した法の趣旨に反するような瑕疵があるときは、処分も違法で、取消しを免れません。続いて、当てはめです。

判例最判昭50・5・29 民集29巻5号662頁

群馬中央バス事件(その2) 本件公聴会審理が上告人に主張立証の機会を与えるにつき必ずしも十分でないところがあつたことは、これを否定することができない。(中略)仮に運輸審議会が、公聴会審理においてより具体的に上告人の申請計画の問題点を指摘し、この点に関する意見及び資料の提出を促したとしても、上告人において、運輸審議会の認定判断を左右するに足る意見及び資料を追加提出しうる可能性があつたとは認め難いのである。

決め手を整理します。公聴会とは、審議会が申請者などから意見を聴く場です。公聴会の審理に、主張立証の機会を与えるうえで、十分でない点があったことは、認めました。けれども、より具体的に促したとしても、審議会の判断を左右するだけの意見や資料を、追加で出せた可能性は、認め難い。だから、重大な違法とするには足りず、処分を取り消す理由にならない。会社の上告は棄却、つまり会社の負けです。なお、運輸審議会とは別に、陸運局長も聴聞をしていました。判決は、公聴会がある以上、局長の聴聞は補充的なものにとどまり、仮に瑕疵があっても、取消事由にならない、と述べています。2つを並べます。どちらも、手続の不備は認めました。違いは、手続を尽くしていたら、結論が変わりえたかどうかです。個人タクシー事件は、変わる可能性がないとはいえない。だから取消し。群馬中央バス事件は、変わる可能性は認め難い。だから取り消さない。

手続の不備が取消しにつながるかは、手続の種類で見方が違います。理由付記は、書かれていること自体が、慎重さと争う手がかりの役目を果たすので、不備がそれだけで取消しにつながりました。話を聴く手続や諮問のほうは、尽くしていたら結論が変わりえたか、が問われました。ですので、話を聴く手続や諮問については、分かれ目が結果への影響にある、というところまで持ち帰ってください。手続の不備がどんなときに取消しにつながるかは、手続の瑕疵の回で、正面から扱います。

判例の限界と、行政手続法

判例の限界(各判例は特定の法律の規定の読み解き=所得税法・旅券法・道路運送法→他の法律の処分には波及しない/法律に理由付記の定めがなければ理由なしでも有効と解されるのが一般的/手続の凸凹→1993年、事前手続の一般法として行政手続法/憲法からも一般的な手続は出ない〔前回〕) 図:判例の限界

  • 各判例は特定の法律の規定の読み解き=所得税法・旅券法・道路運送法→他の法律の処分には波及しない
  • 法律に理由付記の定めがなければ理由なしでも有効と解されるのが一般的
  • 手続の凸凹→1993年、事前手続の一般法として行政手続法
  • 憲法からも一般的な手続は出ない〔前回〕

ここまでの判例は、立派です。けれども、限界があります。青色申告の判決は所得税法、旅券の判決は旅券法、個人タクシー事件は道路運送法の、規定の読み解きです。他の法律の処分には、波及しません。根拠の法律に、理由を書けという定めがあれば、旅券の事件のような考え方で、足りないと争えました。定めがなければ、あの一行でも有効、とされるのが一般的でした。同じ通知でも、どの法律かで答えが変わる。これが、個別法の枠内、という限界です。そして憲法からも、一般的な手続は出ません。そこで、1993年に、事前手続の一般法として、行政手続法ができました。

対応表——判例は条文のどこへ行ったか

判例と行手法の対応表(告知・聴聞→13条・15条以下〔不利益処分について。申請拒否は対象外〕/理由付記・申請拒否→8条〔同時に示す・書面でするなら書面〕/理由付記・不利益処分→14条〔同時に示す・差し迫った必要があれば例外〕/審査基準を設ける→5条〔1項=定める・2項=具体的に・3項=公にしておく〕/不利益処分の基準→12条〔設定・公開は努力義務〕/手続の不備はいつ取消事由か→規定なし=今も判例) 図:判例と行手法の対応表

  • 告知・聴聞→13条・15条以下〔不利益処分について。申請拒否は対象外〕
  • 理由付記・申請拒否→8条〔同時に示す・書面でするなら書面〕
  • 理由付記・不利益処分→14条〔同時に示す・差し迫った必要があれば例外〕
  • 審査基準を設ける→5条〔1項=定める・2項=具体的に・3項=公にしておく〕
  • 不利益処分の基準→12条〔設定・公開は努力義務〕
  • 手続の不備はいつ取消事由か→規定なし=今も判例

最後に、対応表を作ります。この回の核です。まず、告知と聴聞は、行政手続法の13条と、15条以下に引き継がれました。ただし、対象は不利益処分です。申請の拒否は、対象外でした。申請の拒否には、意見を述べる手続の代わりに、別の手当てがあります。このあと見る、理由の提示と審査基準です。

行政手続法13条1項(行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。/1号=聴聞〔許認可等の取消し・資格又は地位の直接のはく奪など〕/2号=弁明の機会の付与) 図:行政手続法13条1項

  • 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
  • 1号=聴聞〔許認可等の取消し・資格又は地位の直接のはく奪など〕
  • 2号=弁明の機会の付与

13条1項は、不利益処分をしようとするときに、名あて人について、意見陳述の手続を執るべきことを定めます。重い処分には聴聞、そうでない処分には弁明の機会の付与です。中身は、聴聞の回で見ます。次に、理由付記です。申請を拒否する処分は、8条です。

行政手続法8条(申請を拒否する処分の理由の提示。同時に示す/書面でするときは書面。ただし数量的指標などで明確に定められ、申請内容から明らかなときは、求めがあったときに示せば足りる) 図:行政手続法8条

  • 申請を拒否する処分の理由の提示。同時に示す
  • 書面でするときは書面。ただし数量的指標などで明確に定められ、申請内容から明らかなときは、求めがあったときに示せば足りる

条文行政手続法 8条

行政手続法 第八条(理由の提示) 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。 2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

冒頭のBの不許可通知は、まさにこの8条の場面です。不利益処分の理由は、14条です。

行政手続法14条1項(不利益処分をする場合は、名あて人に同時に理由を示す。ただし、理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は例外) 図:行政手続法14条1項

条文行政手続法 14条1項

行政手続法 第十四条(不利益処分の理由の提示)(1項) 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

最後が、基準です。個人タクシー事件の審査基準は、5条に引き継がれました。

行政手続法5条(審査基準。1項=定めるものとする/2項=許認可等の性質に照らしてできる限り具体的に/3項=行政上特別の支障があるときを除き、申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法で公にしておく) 図:行政手続法5条

  • 審査基準。1項=定めるものとする
  • 2項=許認可等の性質に照らしてできる限り具体的に
  • 3項=行政上特別の支障があるときを除き、申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法で公にしておく

条文行政手続法 5条

行政手続法 第五条(審査基準) 行政庁は、審査基準を定めるものとする。 2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

1項で、審査基準を定める。2項で、できる限り具体的にする。そして、3項で、公にしておく。判例は、内部的にせよ、作れ、までで止まりました。条文は、公にしておくことを、義務にしました。判例を、一歩超えたわけです。不利益処分をするかどうか、どんな処分にするかを決める基準、つまり処分基準は、12条です。

行政手続法12条1項(行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない/2項=不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない) 図:行政手続法12条1項

  • 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない
  • 2項=不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない

条文行政手続法 12条1項

行政手続法 第十二条(処分の基準)(1項) 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

処分基準は、定めて公にしておくよう、努めなければなりません。努力義務です。努力義務にとどまる理由は、不利益処分の回で見ます。審査基準の5条は義務、処分基準の12条は努力義務。ここは短答で問われやすい違いです。これは、判例の射程を超えた、新しい規律でした。表の最後の行、手続の不備はいつ取消事由になるか、は、条文が無いんですか。無いんです。ここが、今も判例として効いている部分です。審査基準を設けることは、5条から出発すれば足ります。理由を示すことは、8条と14条です。これらは、条文に吸収されました。けれども、手続の不備が、取消しにつながるのはいつか、は条文に書かれていません。個人タクシー事件と群馬中央バス事件の分かれ目、つまり結果に影響しうるか、そして、青色申告の判決の、理由付記の不備は取消しにつながる、という考え方は、今も判例として語られます。最後に、つまずきどころを1つ。個人タクシー事件で聴聞が要求されたから、行手法の聴聞になった、と覚えないでください。申請の拒否は、意見陳述の手続の外でした。代わりに置かれたのが、8条の理由の提示と、5条の審査基準です。

今日の地図(保存版)

今日の地図(判例は個別法の解釈として手続を引き出した→射程は個別法の枠内/告知・聴聞=成田新法事件は一般論どまり→13条・15条以下/理由付記=法定なら不備で取消し〔青色申告〕・記載自体から了知しうる程度〔旅券〕→8条・14条/基準の設定=内部的にせよ設定・主張と証拠の機会・公開は求めない〔個人タクシー〕→5条・12条/結果に影響しうる手続の不備か〔個人タクシーと群馬中央バス〕=今も判例) 図:今日の地図

  • 判例は個別法の解釈として手続を引き出した→射程は個別法の枠内
  • 告知・聴聞=成田新法事件は一般論どまり→13条・15条以下
  • 理由付記=法定なら不備で取消し〔青色申告〕・記載自体から了知しうる程度〔旅券〕→8条・14条
  • 基準の設定=内部的にせよ設定・主張と証拠の機会・公開は求めない〔個人タクシー〕→5条・12条
  • 結果に影響しうる手続の不備か〔個人タクシーと群馬中央バス〕=今も判例

冒頭の問いに戻ります。行政手続法より前、手続のルールはどこにあったか。答えは、判例が、個別の法律の解釈から作っていた、です。3本柱を、振り返ります。告知と聴聞は、成田新法事件が一般論どまり。理由付記は、法律が求めているのに不備があれば、それだけで取消し。どこまで書くかは、記載自体から、事実関係と法規が分かること。基準は、内部的にせよ設定し、必要な事項に主張と証拠の機会を与える。ただし、公開までは求めていません。話を聴く手続や諮問の不備が取消しにつながるかは、結果に影響しうるかで分かれ、個人タクシー事件は取消し、群馬中央バス事件は取り消しませんでした。そして、これらは個別法の枠内の判断でした。穴を埋めるために、行政手続法ができました。条文では、聴聞が13条以下、理由の提示が8条と14条、基準が5条と12条です。

参照条文

  • 行政手続法 8条
  • 行政手続法 14条1項
  • 行政手続法 5条
  • 行政手続法 12条1項

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