申請に対する処分と不利益処分の区別
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第8章 行政手続 #106/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
申請を断られたら、聴聞があるはず?
図:今日の問い
- 申請を断られた→不利益な処分だから言い分を聴く手続があるはず→そう考えると答案の最初の一歩で、当てる条文の章ごと間違える
- 行政手続法の不利益処分は日常語の不利益とは線の引き方が違う
- 今日の道筋=①処分を3つに振り分ける順序②申請の定義③不利益処分の定義④誤りやすい2方向⑤どちらでもない処分⑥2つの章の条文一覧⑦当てはめ演習
申請を断られた。これは不利益な処分だから、言い分を聴く手続があるはずだ。そう考えると、答案の最初の一歩で、当てる条文の章ごと間違えます。行政手続法の不利益処分は、日常語の不利益とは、線の引き方が違うからです。結果が不利益なら、手続も不利益処分の側だ。この感覚が、今日いちばんの落とし穴です。なぜ日常語の感覚と線がずれるのか。ずれる理由から、順に読みます。答えを先に言っておきます。行政手続法の線は、結果の良し悪しではなく、手続の入口に引かれます。申請に答える形か、行政庁が先に動く形か、です。その前に、前々回の問いを思い出してください。行政手続法が規律するのは、4つでした。何と何でしたか?
処分、行政指導、届出、命令等を定める手続の4つでした。今日は、その最初の、処分の中身に入ります。前回見た適用除外にかからない処分が、行政手続法の上で、どの箱に入るのか。それを決める道具を使えるようにします。
処分は3つの箱に振り分ける
図:振り分けの順序
- ①処分か〔2条2号=行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為〕→②申請に始まり行政庁が諾否で応える形か→申請に対する処分〔2条3号を受ける・第2章〕
- ③行政庁が先に動き特定の者に義務を課し権利を制限する形か→不利益処分〔2条4号・第3章〕
- ④どちらでもない処分〔職権による利益付与・一般処分・第三者への処分を求める申出〕
行政手続法の処分は、申請に対する処分と、不利益処分に分かれて、それぞれ別の章に手続が置かれています。申請に対する処分が第2章、不利益処分が第3章です。大事なのは、どちらの章を使うかを、最初に決める順序です。まず、その行為が処分か。2条2号は、処分を、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為と定めています。処分であれば、次に、申請に始まって、行政庁が諾否、つまり認めるか認めないかで答える形か。そうなら申請に対する処分です。そうでなければ、行政庁が先に動いて、特定の者に義務を課したり、権利を制限したりする形か。そうなら不利益処分です。そして、どちらにも当たらない処分があります。振り分けの結果、第2章も第3章も使わない、という答えがありうるのです。
では、道具の中身を見ます。まず、申請からです。
申請を要素に分ける
図:2条3号の要素
- 申請=①法令に基づき②行政庁の許認可等〔自己に対し何らかの利益を付与する処分〕を求める行為で③行政庁が諾否の応答をすべきこととされているもの
- ①が欠ける例=法令に根拠のない要望・陳情
- ③が欠ける例=職権発動を促すだけの申出
- ②が欠ける例=他人に対する処分を求める申出
条文を、全文で確かめます。
条文行政手続法2条(柱書と3号。ほかの号は省略)
行政手続法 第二条(定義)(柱書・3号) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 三 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
申請は、3つの要素に分けて読みます。1つ目は、法令に基づくこと。2つ目は、許認可等、つまり自己に対して何らかの利益を付与する処分を求める行為であること。3つ目は、その行為に対して、行政庁が諾否の応答をすべきこととされていること。3つそろって、初めて申請です。設例を置きます。移動販売の営業を許可する、ある個別の法律があります。県の行政庁をA、営業したい事業者をB、Bの近所に住む人をCとします。
図:設例の登場人物
- 移動販売の営業を許可する個別の法律
- A=県の行政庁
- B=事業者
- C=Bの近所に住む人
- Bが許可を申請→Aが拒否
- すでにある許可をAが取り消す
- AがBに営業停止や設備の是正を命じる
- CがAに、Bへの是正命令を出してほしいと申し出る
法律に許可の制度があって、Bがその許可を求めて書類を出した。これは、法令に基づき、自分に利益を付与する処分を求める行為で、行政庁に応答する義務があります。申請です。欠け方を、3つ見ましょう。まず1つ目です。法律に許可の制度がないのに、Bが県の窓口に、特別に売らせてほしいと頼んだ。法令に基づく、という要素がありません。陳情や要望で、申請ではありません。2つ目。Bが県に、他の事業者が違反しているようなので調べて指導してほしい、と伝えた。これは、行政庁に職権を使うきっかけを促すだけで、行政庁に諾否を答える義務を課すものではありません。応答すべきこととされている、という要素を欠きます。3つ目。CがAに、Bへの是正命令を出してほしいと申し出る。これは、他人に対する処分を求めるものです。自分に対して利益を付与する処分ではないので、2つ目の要素を欠き、申請ではありません。Bの申出とCの申出は、どちらも他人への対応を求めていて、似て見えます。実は、Bの申出も、自分への利益を求めていないので、要素の2つ目を欠きます。Bの例で見てほしいのは、そのうえ、法律に答える義務の定めが無い、という要素の3つ目の欠けです。Cの申出は、答える義務があるかを問うまでもなく、自分への利益ではない、という要素の2つ目で外れます。どれか1つでも欠ければ、申請ではありません。前回、第4章の2に、処分等の求めという章があると見ました。Cのような申出は、その処分等の求めとして、別の回で扱います。
不利益処分を要素に分ける
図:2条4号の要素
- 不利益処分=行政庁が
- 法令に基づき
- 特定の者を名あて人として
- 直接に
- 義務を課し又は権利を制限する処分
- 日常語の不利益とは別物で定義で線を引く
- 特定の者を欠く→一般処分
- 直接にを欠く→間接の影響にとどまるもの
- ただし書イ〜ニの4つは除く
次は、不利益処分です。条文を全文で読みます。
条文行政手続法2条(柱書と4号。ほかの号は省略)
行政手続法 第二条(定義)(柱書・4号) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 四 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。 イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分 ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分 ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分 ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
本文は、行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、義務を課し、または権利を制限する処分です。ここには、不利益という日常語が、使われていません。使われているのは、義務を課す、権利を制限する、という言葉です。線は、この言葉で引かれます。設例で当てます。Aが、Bに営業停止を命じる。Bという特定の者が名あて人で、Bに直接に営業をしない義務を課すので、不利益処分です。特定の者を欠くのは、たとえば、Aが区域を指定して、一律に通行を禁止する場合です。名あて人が、特定の誰かではありません。直接に、を欠くのは、たとえば、AがBに営業停止を命じた結果、Bの移動販売で買い物をしていた近所のCが、不便になる場合です。Cに義務を課す処分ではなく、Cへの影響は間接にとどまります。通行禁止は、不利益処分に当たりません。営業停止は、Bに対しては不利益処分ですが、Cに対する不利益処分ではありません。続いて、ただし書です。イからニの4つは、不利益処分から除かれます。暗記するより、なぜ除かれるのかで覚えます。イとハとニは、処分の前に反論させる意味が薄い、という理由です。イは、事実上の行為と、その範囲や時期を明らかにする手続としての処分です。たとえば、Aの職員が、Bの営業所に立ち入って検査をする。立入検査は、その場で調べる事実上の行為で、相手の権利や義務を決める処分とは性質が違います。しかも、前もって知らせて言い分を聴いていたら、検査の意味が薄れます。だから、事前に反論させる手続から外しています。
ハは、名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分です。本人が同意しているので、事前に反論させる意味がありません。ニは、許認可等の効力を失わせる処分のうち、基礎となった事実が消滅した旨の届出を理由とするものです。Bが、廃業しました、と届け出たので、Aが許可を抹消する。Bが自分で事実を届けているので、改めて言い分を聴く必要がありません。ロだけは理由が違い、別の守り方があります。このすぐあとで、じっくり扱います。
誤りやすい2方向——拒否と取消し
図:拒否と取消しの向き
- Bが許可を申請→Aが拒否=申請に対する処分〔4号ロで不利益処分から除く〕
- すでにある許可をAが取り消す=不利益処分〔申請に基づかず行政庁が先に動く〕
- 決め手=申請に答える形か、行政庁が先に動く形か
- 拒否に13条の聴聞・弁明は保障されない→拒否の理由は申請の側の手続で示す
ここが、短答でも論文でも、最もよく狙われます。問いを置きます。Bが許可を申請して、Aに拒否された。行政手続法の上で、これは申請に対する処分でしょうか、不利益処分でしょうか。何号のどの文言で決まりますか。拒否された本人には不利益だから、不利益処分。日常語の感覚では、そうなります。でも、2条4号ロを見てください。申請により求められた許認可等を拒否する処分は、不利益処分から除かれています。Bの申請に応えて、断った。入口が申請から始まっているので、申請に対する処分です。帰結が大切です。不利益処分ではないので、13条の、聴聞や弁明の機会を与える義務は、拒否の場合には生じません。
申請側には、別の守り方があるのです。判例の回の対応表で、5条の審査基準と8条の理由の提示が、その受け皿だと見ました。前に見た個人タクシー事件の聴聞は、道路運送法に置かれていた、担当官が申請者から話を聴く手続で、行政手続法の聴聞とは別物でした。申請者は、申請書を出す段階で、自分の主張を書面に書けます。しかも行政庁は、判断の基準を、あらかじめ定めて示すことになっています。そのうえで、断るときには、理由を示す手続があります。基準を先に見せ、書面で主張させ、断るなら理由を示す。この設計で守るので、事前に、改めて聴聞を開く仕組みにしていません。次は、逆向きの誤りです。許可が申請で始まったのだから、その取消しも、申請の手続の話だ。そう考えるのも誤りです。Aが、Bにすでに出してある許可を取り消す。これは、Bの申請に応えるのではなく、Aが先に動いて、Bの営業する権利を失わせる処分です。4号の、権利を制限する、に当たります。申請に基づく処分ではないので、ロにも当たりません。不利益処分です。なぜ、取消しには、処分の前に言い分を聴くのか。拒否は、Bが窓口で、お願いします、と言ってきたことへの返事です。取消しは逆に、Aのほうから、Bを呼び止める形です。Bはまだ何も言えていません。だから、処分の前に、反論の機会を設けるのです。前に見たとおり、許認可等を取り消す不利益処分をしようとするときは、13条1項1号イで、聴聞の手続を執ります。13条1項は、重い不利益処分には聴聞、それ以外には弁明の機会の付与、と分けていて、すでに持っている許可を奪う取消しは、重いほうの聴聞に入ります。拒否には聴聞が要らず、取消しには聴聞が要る。同じ許可の話でも、入口が逆だから、箱が分かれるのです。
決め手を、一言にします。行政庁が申請に答える形か、行政庁が先に動く形か。短答の誤り肢は、申請を拒否する処分には、13条の意見陳述のための手続、つまり聴聞か弁明の機会の付与が必要、です。これは誤りです。
どちらにも当たらない処分
図:第2章も第3章も使わない3つの場面
- ①職権による利益付与の処分〔申請を前提とせず不利益も与えない例=Aが申請を待たず自らの判断で補助の決定をする〕②一般処分〔名あて人が特定されない=4号の特定の者を欠く例=Aが区域を指定して一律に通行を禁止する〕③第三者に対する処分を求める申出〔自己に対し利益を付与する処分ではない=3号の申請でない例=CがBへの是正命令を求める→Cへの応答に第2章はかからない/Bに命令すればBへの不利益処分〕
- どの章の手続も当たらない場面がある
先ほどの、第2章も第3章も使わない場面を、3つ挙げます。1つ目は、職権による利益付与の処分です。Aが、誰の申請も待たずに、自分の判断で、Bに補助の決定をする。申請に始まっていないので、申請に対する処分ではありません。しかも、Bに義務を課すものでも、権利を制限するものでもないので、不利益処分でもありません。2つ目は、一般処分です。Aが、区域を指定して、一律に通行を禁止する。行政行為の定義の回で、相手方を特定しない行政行為として見たものです。一定の範囲の人に不利益があっても、名あて人が特定されていません。行政行為にはなりえても、4号の、特定の者を名あて人として、を欠くので、不利益処分ではありません。一般処分が処分と言えるかは、取消訴訟の回で扱います。3つ目は、第三者に対する処分を求める申出です。CがAに、Bに是正を命じてほしい、と求める。自己に対する利益付与ではないので、申請ではありません。申請ではないので、Aが、Cの申出に応じるかどうかに、第2章の手続は掛かりません。もしAが、実際にBに是正を命じれば、それはBに対する不利益処分で、第3章の話です。両章とも使わないのは、Cとの関係です。
定義を要素に分けて読めば、欠けた要素から答えが出ます。
2つの章の条文を1枚で見渡す

道具が揃ったので、2つの章に何が並んでいるかを、1枚で見渡します。この回では、条番号と見出し、そして、義務か努力義務かまでにとどめます。中身は、それぞれの回で見ます。まず、第2章、申請に対する処分です。5条が審査基準、6条が標準処理期間、つまり申請が届いてから処分までに通常かかる期間の目安、7条が審査と応答、8条が理由の提示、9条が情報の提供、10条が公聴会の開催等、11条が複数の行政庁が関与する処分です。色分けは、条文の文末で確かめます。5条は、審査基準を定めるものとする、できる限り具体的なものとしなければならない、公にしておかなければならない、という形で、義務の側です。6条は二段になっています。標準処理期間は、定めるよう努めるだけで、努力義務です。ただし、定めたときは、公にしておかなければならず、こちらは義務です。7条と8条は義務です。9条と10条は、努めなければならない、で、努力義務です。11条は、1項が遅延させてはならない、で義務、2項が審査の促進に努めるものとする、で努力義務です。

第3章、不利益処分です。12条が処分の基準です。1項は、定め、公にしておくよう努めなければならない、で努力義務です。2項は、できる限り具体的なものとしなければならない、で義務です。13条は、不利益処分をしようとする場合に、意見陳述のための手続を執らなければならない、義務です。14条は、不利益処分の理由の提示です。15条から28条までが、聴聞の手続を詳しく定める部分で、29条から31条までが、弁明の機会の付与の手続です。ここで、覚え方の姿勢を一つ。基準を定める条文は、申請側の5条は義務、不利益側の12条は努力義務でした。なぜ強さが違うのか。申請側は、基準を先に見せることが、申請者を守る柱でした。不利益処分の基準は、違反の形がさまざまで前もって細かく決めにくく、公にすると抜け道を探されるおそれもあるため、努力義務にとどめています。似た条文が並ぶと、同じ色だと思い込みやすいのです。ものとする、努めなければならない、しなければならない、を、条ごとに文末で読み分けます。
定めるものとする、は、法律が行政庁に、原則としてそうしなさい、と求める書き方です。努めなければならない、は、努力しなさい、にとどまり、結果までは求めません。それで、ものとする、は義務の側に数えます。短答では、この文末の読み分けが、そのまま問われます。
手続の流れの違い
図:手続の流れの違い
- 申請に対する処分=Bが申請→Aが審査基準に照らして審査→決定〔拒否なら理由を示す〕
- 不利益処分=Aが先に動く→名あて人に通知→反論〔聴聞または弁明〕→決定〔理由を示す〕
- 事前の意見陳述は不利益側だけ→申請側は基準を先に見せ申請書で主張させる設計
流れも、並べておきます。申請に対する処分は、Bが申請して、Aが基準に照らして審査し、決定します。拒否なら、理由を示します。不利益処分は、Aが先に動いて、名あて人に通知し、聴聞または弁明で反論を受けてから、決定します。このときも、理由を示します。事前の意見陳述があるのは、不利益側だけです。申請側にないのは、先ほど見たとおり、基準を先に見せて、申請書で主張させる設計だからです。
当てはめ演習——どの文言で決まるか
図:当てはめ演習の設例
- 移動販売の営業を許可する個別の法律
- A=県の行政庁、B=事業者、C=近所の人
- ①Bが許可を申請②Aがその申請を拒否③Aがすでにある許可を取り消す④Aが営業停止を命じる⑤Aが設備の是正を命じる⑥Aが申請を待たず補助の決定をする⑦Aが区域を指定して一律に通行を禁止する⑧CがBへの是正命令を出してほしいと申し出る
- 答え方=箱の名前と決め手の文言
8問、仕分けます。結論だけでなく、どの文言で決まったかを言ってください。1問目。Bが許可を申請する。2問目。Aがその申請を拒否する。3問目。Aが、すでにある許可を取り消す。4問目。Aが、営業停止を命じる。聴聞になるか弁明になるかは、振り分けの回で見ます。今日は、不利益処分と確定させるところまでです。5問目。Aが、Bに設備の是正を命じる。6問目。Aが、申請を待たずに、自分の判断で補助の決定をする。7問目。Aが、区域を指定して、一律に通行を禁止する。最後の8問目。CがAに、Bへの是正命令を出してほしいと申し出る。
図:当てはめ演習の答え
- ①申請=3号の3要素がそろう
- ②申請に対する処分=4号ロ「申請により求められた許認可等を拒否する処分」→不利益処分ではない
- ③不利益処分=4号本文「権利を制限する」・申請に基づかずロに当たらない→13条1項1号イで聴聞
- ④不利益処分=4号本文「直接に、義務を課し」
- ⑤不利益処分=4号本文「特定の者を名あて人として、直接に、義務を課し」
- ⑥どちらでもない=申請に始まらず義務も制限もない
- ⑦不利益処分ではない=「特定の者を名あて人として」を欠く
- ⑧申請ではない=「自己に対し何らかの利益を付与する処分」を求めていない
答えと、決め手になった文言を、1枚に並べておきます。8問とも、決め手の文言を言えました。この言い方が、答案の最初の一歩になります。
今日の地図(保存版)
図:今日の地図
- 振り分けの順序=処分か→申請に始まり行政庁が諾否で応えるか〔申請に対する処分・第2章〕→行政庁が先に動き特定の者に義務・制限か〔不利益処分・第3章〕→どちらでもない
- 申請拒否は申請に対する処分〔4号ロ〕で聴聞・弁明は保障されない
- 許可の取消し・停止は不利益処分
- 一覧は文末で義務と努力義務を読み分ける
冒頭の問いに戻ります。申請を断られたのだから、不利益処分で、聴聞があるはずだ。この覚え方は誤りでした。行政手続法の線は、結果の良し悪しではなく、手続の入口に引かれています。持ち帰るのは3点です。1つ目。処分は、処分か、申請に始まる応答か、行政庁が先に動く形か、の順で振り分けます。どちらでもない処分もあります。2つ目。申請拒否は申請に対する処分で、聴聞や弁明は保障されません。許可の取消しや停止は、不利益処分です。3つ目。2つの章の条文は、条ごとに文末を確かめて、義務と努力義務を読み分けます。
参照条文
- 行政手続法2条(柱書と3号。ほかの号は省略)
- 行政手続法2条(柱書と4号。ほかの号は省略)