刑法ゼロから刑法#94

刑罰の種類と拘禁刑への一本化

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第11章 刑罰 ①/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

懲役・禁錮が消えた日

条文を開いても、その言葉が見つからない 図:条文を開いても、その言葉が見つからない

「懲役3年」「禁錮1年」という言葉を、何度も見たことがあると思います。では今、条文で「懲役」という言葉を探してみてください。懲役と禁錮は、もう現行法のどこにもありません。この2つは統合されて、「拘禁刑」という1つの刑になりました。今日は、この統合が何を変えたのかを中心に、刑罰の全体像を条文どおりに見ていきます。

6種類の刑罰と軽重(9条・10条)

主刑5種+付加刑1種=6種類 図:主刑5種+付加刑1種=6種類

まず9条です。全文を読みます。

条文刑法9条

刑法9条(刑の種類) 「死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収付加刑とする。」

主刑が5つ、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料です。付加刑が1つ、没収です。主刑は、それだけで単独に言い渡せる刑です。付加刑である没収は、単独では言い渡せません。必ず、主刑の言い渡しとセットになります。この順序、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料という並びは、そのまま軽重の並びにもなっています。この並びには理由があります。国家が犯人から何を奪うかで並んでいるんです。いちばん上が生命を奪う死刑。次が身体の自由を奪う拘禁刑。そして財産を奪う罰金です。奪うものが重いほど、刑も重い、というのが土台です。拘留が罰金より下に置かれている理由は、条文には書かれていません。説明としてよく挙げられるのは、拘留が1日以上30日未満という極めて短い拘束で、自由を奪う刑ではあるものの拘束の程度がごく小さいから、というものです。いずれにしても、試験で問われるのは順序そのものです。

そして、この9条の順番がそのまま刑の軽重になることは、10条1項が定めています。罰金と拘留のどちらが重いかは短答で入れ替えられやすいので、9条の並びのまま正確に覚えてください。

死刑(11条)と憲法36条

いちばん重い刑、死刑の執行方法 図:いちばん重い刑、死刑の執行方法

死刑は、命を奪う刑です。9条の並びどおり、いちばん重い刑になります。11条を読みます。

条文刑法11条

刑法11条(死刑) 1項「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。」 2項「死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。」

執行の方法は、絞首と定められています。死刑を言い渡された人は、実際に執行されるまでの間、刑事施設に拘置されます。典型は、殺人罪や、強盗殺人罪、それに現住建造物放火罪のように、人の命に重大な危険がおよぶ犯罪です。死刑が「残虐な刑罰」にあたらないかは、まさに問題になる点です。憲法36条は、残虐な刑罰を絶対に禁止しています。死刑という制度そのものが、この36条に違反しないかが、実際に裁判で争われたことがあります。

判例最大判昭和23年3月12日(刑集2巻3号191頁)

死刑の合憲性 刑罰としての死刑そのものが、一般に直ちに同条にいわゆる残虐な刑罰に該当するとは考えられない。ただ死刑といえども、他の刑罰の場合におけると同様に、その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、勿論これを残虐な刑罰といわねばならぬ。

判例は、死刑という制度自体は直ちに36条違反にはならない、としています。ただし、その執行方法が、その時代と環境の中で人道上残虐だと認められる場合には、36条に違反すると述べています。判例は例として、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでのような方法を挙げています。判例の理由はこうです。憲法31条は、法律の定める手続によれば生命を奪う刑罰もありうることを前提にしています。憲法自身が死刑の存在を織り込んでいる以上、制度そのものを36条の残虐な刑罰とは言えない、という筋です。だから今の絞首という執行方法は、死刑という制度が違憲かどうかとは別の問題として、残虐にあたらないと扱われています。制度の合憲性と、執行方法の残虐性は、別の物差しで判断されるということです。

死刑の存廃については、廃止すべきだという議論もあります。存置する側は、重大な結果には生命で償わせるべきだという応報の考え方と、重大犯罪の抑止を理由にします。廃止する側は、誤って死刑にしてしまったときに取り返しがつかないこと、抑止の効果が実証されていないことを理由にします。判例が答えたのは「現行憲法のもとで違憲か」までで、制度として置き続けるかは立法政策の問題として残っています。

山場①・拘禁刑への一本化(12条・13条)

建物は同じ、中のメニューが変わった 図:建物は同じ、中のメニューが変わった

ここからが、今日いちばんの山場です。冒頭で見たとおり、懲役と禁錮は無くなり、拘禁刑に一本化されました。ここで大事なのは、名前が変わったことそのものではありません。旧法では、刑務作業をさせる懲役と、作業をさせない禁錮という、2つの箱しかありませんでした。どちらの箱に入れるかは、罪名で機械的に決まっていました。改正後は、拘禁刑という1つの箱にして、その中で、その人に必要な作業をさせるか、必要な指導を行うかを、個別に選べるようにしました。たとえば、高齢で体が思うように動かない受刑者に一律の作業をさせるより、生活を立て直す指導に時間を使ったほうが、出たあとに再び罪を犯さずに済むことがあります。逆に、出所後に手に職が要る若い受刑者には作業を厚くしたほうがいい。旧法の2つの箱では、この振り分けが罪名だけで決まってしまい、その人に何が必要かを問えませんでした。

画一的に作業を義務づける仕組みから、受刑者ごとに更生に必要な中身を組み立てる仕組みへと変わりました。これが改正の核心です。条文を読みます。

条文刑法12条

刑法12条(拘禁刑) 1項「拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。」 2項「拘禁刑は、刑事施設に拘置する。」 3項「拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」

1項は、期間の定めです。無期か有期か、有期なら1か月以上20年以下です。2項は、刑事施設に拘置するという、身柄の扱いです。ここまでは、旧法の懲役・禁錮と共通します。3項が、いちばんの変化です。「必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる」とあります。ここに「義務」という言葉はありません。「できる」、つまり個別の判断で選べる仕組みになっています。13条は、削除されました。

13条は削除、条文の番号だけが残る 図:13条は削除、条文の番号だけが残る

かつて禁錮を定めていた13条は、削除という扱いになっていて、中身はもうありません。条文番号だけが空席として残っています。どちらも、拘禁刑に読み替えてください。作業をさせるかどうかという区別も、もう罪名で決まっているのではなく、拘禁刑の中の個別の判断に変わっています。今の条文で刑罰を考えるときは、常に拘禁刑という1つの言葉で通してください。施行日より前にした行為をどう扱うかは、経過措置で手当てされています。この改正法は、施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による、と定めています。

条文の言葉が拘禁刑に一本化されたあとも、施行前の行為については、しばらくの間、懲役や禁錮という刑名の判決が出続けます。行為をした時点であった法律を、そのまま使うという考え方です。犯罪のあとで法律が変わったら軽いほうを使うという原則との関係では、経過措置が優先します。経過措置が、施行前の行為には従前の例による、とはっきり定めている以上、そちらが適用されます。拘禁刑と懲役・禁錮のどちらが軽いかという比較に立ち入る必要は、ここでは生じません。

有期刑の加重減軽と拘留(14条・16条)

加重は30年、減軽は1月未満まで 図:加重は30年、減軽は1月未満まで

続いて、14条です。刑を重くする方向に動かすのが加重、軽くする方向に動かすのが減軽です。どんな場合に動かすかは次の回で扱うので、今日は動かせる幅だけ押さえます。これは有期の拘禁刑を加重したり減軽したりするときの、上限と下限を定めた条文です。ここは条文の逐語よりも、数字を正確に押さえることが大事なので、表で確認します。死刑や無期拘禁刑を減軽して有期にする場合、長期は30年です。有期拘禁刑そのものを加重する場合も、上限は30年まで。減軽する場合は、1か月未満まで下げられます。12条の20年は、もともとの法定刑としての有期拘禁刑の上限です。14条の30年は、そこを超えてよい場面の上限で、出どころが2つあります。死刑や無期を減軽して有期にするときの長期が30年、有期を加重するときの上限も30年です。どちらの向きから来ても行き先は30年だと押さえてください。両方とも短答で問われる数字なので、12条の20年と混同しないでください。

拘留も、作業は義務ではない 図:拘留も、作業は義務ではない

もう1つ、期間の短い自由刑があります。拘留です。16条を読みます。

条文刑法16条

刑法16条(拘留) 1項「拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。」 2項「拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」

期間は、1日以上30日未満です。作業や指導について、「行うことができる」という書きぶりも、さっき見た拘禁刑の3項とまったく同じ型です。拘禁刑と拘留は、期間の長さが違うだけで、作業を義務にしないという考え方は共通しています。

罰金・科料・労役場留置(15条・17条・18条)

罰金と科料の違いは、一万円の線 図:罰金と科料の違いは、一万円の線

財産を奪う刑に入ります。罰金と科料です。まず15条を読みます。

条文刑法15条

刑法15条(罰金) 「罰金は、一万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、一万円未満に下げることができる。」

罰金は1万円以上です。ただし、減軽する場合は、1万円未満に下げられます。次に17条です。

条文刑法17条

刑法17条(科料) 「科料は、千円以上一万円未満とする。」

1万円以上が罰金、千円以上1万円未満が科料と、金額で分かれます。この境目は、短答で数字を入れ替えた選択肢がよく作られるので、正確に覚えてください。

払えないときは、労役場に留め置かれる 図:払えないときは、労役場に留め置かれる

罰金や科料を完納できないときの後始末を定めた条文が、18条です。ここは条文全体が細かいので、数字だけ表で押さえます。労役場というのは、刑事施設の中に置かれた、作業をさせるための場所です。お金で払えない分を、身体を拘束して働くことで埋める仕組みだと考えてください。罰金を完納できない場合、労役場に留め置かれる期間は、1日以上2年以下です。科料の場合は、1日以上30日以下です。罰金自体の金額が科料より大きいので、完納できないときの留置期間も長くなります。裁判では、言い渡しと同時にこの留置期間をあらかじめ定めておく必要があり、一部だけ納付したときは、その納付額に応じて日数を計算します。

罰金や科料は、お金を払わせることで初めて制裁として機能します。もし払わなければそれで終わりだとすると、お金の無い人には事実上、罰が科せないことになってしまいます。労役場留置は、そうならないように、財産刑の実効性を最後まで確保するための仕組みです。

没収の意義と付加刑性(19条冒頭)

犯罪と関わった"物そのもの"を取り上げる 図:犯罪と関わった”物そのもの”を取り上げる

ここから、没収と追徴に入ります。まず没収の意味です。没収は、犯罪に関係する特定の物の所有権を奪って、国のものにする財産刑です。さっき9条で見たとおり、没収は付加刑なので、主刑の言い渡しとセットでなければ科せません。没収するかどうかは、原則として裁判官の裁量に任されています。これを任意的没収と呼びます。例外として、賄賂罪の賄賂だけは、裁判官の裁量ではなく必ず没収しなければならない、必要的没収とされています。この賄賂罪の中身は、別の回で扱います。今日は、任意的没収の一般ルールを押さえます。

没収の対象4類型(19条1項)

犯罪との結びつき方で、4つに分かれる 図:犯罪との結びつき方で、4つに分かれる

何を没収できるかを定めているのが、19条1項です。全文を読みます。

条文刑法19条1項

刑法19条1項(没収) 「次に掲げる物は、没収することができる。 一 犯罪行為を組成した物 二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物 三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物」

4つの号は、犯罪とどう結びついているかで分かれます。1号は組成物件です。犯罪行為そのものを成り立たせている物、たとえば偽造私文書行使罪でいう、その偽造私文書です。2号は供用物件、犯罪行為に現に使った物、または使おうとした物です。詐欺に使った偽造文書などが典型です。3号は、犯罪によって新しくできた物、犯罪の当時すでにあって取得した物、それに犯罪の報酬として得た物です。私文書偽造罪でできあがった偽造文書や、窃盗で得た財物、犯罪を手伝った謝礼などが当たります。4号は、その3号の物を売るなどして得た対価です。窃盗で得た財物を売った代金が、これに当たります。

犯罪の中身そのものから、道具、儲け、そしてその儲けを換えたもの、という順に、犯罪との距離が少しずつ離れていきます。号の振り分けは、物そのものの性質だけで決まるのではありません。同じ物でも、どの罪について没収を考えるかによって、入る号が変わります。たとえば、同じ偽造文書でも、文書を使うこと自体が犯罪になる偽造私文書行使罪で見れば、その文書は犯罪を成り立たせた1号の組成物件です。だます道具として使った詐欺罪で見れば、2号の供用物件になります。1つの事件で複数の号が出てくることはあります。偽造した契約書を見せて相手をだまし、100万円を受け取って、その金で中古車を買った——という例で考えてみてください。この中に、没収の対象になりうる物が3つあります。それぞれ何号か、当ててみてください。

だますのに使った偽造契約書は、犯罪に現に使った物だから2号の供用物件。だまし取った100万円は、犯罪によって得た物だから3号の取得物件。その100万円で買った中古車は、3号の物の対価だから4号の対価物件です。号の見分け方は、犯罪の前からある道具か、犯罪の後にできた儲けか、その儲けを換えたものか、という順序で考えると整理しやすくなります。

山場②・没収の要件と第三者保護(19条2項)

物として取り上げるには、2つの条件がある 図:物として取り上げるには、2つの条件がある

19条1項の4類型に当たれば、いつでも没収できるのでしょうか。実は、そうではありません。2項に、さらに条件があります。条件は大きく2つあります。1つは、その物が裁判の時にまだ現存していること。消費したり、壊れたり、加工されて別の物になっていれば、没収できません。19条2項の文言そのものに「現存」という言葉はありません。ただ、没収は、その物そのものを取り上げて国のものにする処分です。裁判のときにその物がもう無ければ、取り上げようがありません。だからこそ、19条の2は「没収することができないときは、その価額を追徴することができる」と定めています。物が無くて没収できない場面があることを、19条の2自身が前提にしているんです。

もう1つは、その物が犯人以外の者に属していないこと、です。全文を読みます。

条文刑法19条2項

刑法19条2項(没収) 「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。」

犯罪に関わった物だと知りながら、あとから手に入れたという意味です。原則は、犯人以外の者の物は没収できません。ただし、その第三者が、犯罪に関わった物だと知ったうえで取得していれば、例外として没収できます。

借りた車で密輸すると、持ち主はどうなるか 図:借りた車で密輸すると、持ち主はどうなるか

具体例で考えます。Aが、友人Bから借りた車を使って、密輸をしたとします。Bは、その車が密輸に使われることを知りませんでした。事情を知らないBから、いきなり車の所有権を奪うのは、Bの財産権に対する不意打ちになります。だから19条2項は、原則として、犯人以外の者の物は没収の対象から外しています。逆に、Bが密輸に使われると知りながら車を貸していたなら、もう不意打ちとはいえません。この場合はただし書が働いて、没収できます。

告知なしの没収は、憲法の適正手続に反する 図:告知なしの没収は、憲法の適正手続に反する

この考え方を、裁判所が正面から認めた判例があります。関税法違反の事件で、密輸に使われた船に積んであった、第三者所有の貨物が没収された事案です。

判例最大判昭和37年11月28日(刑集16巻11号1593頁)

第三者所有物没収事件 第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であつて、憲法の容認しないところであるといわなければならない。

判例は続けて、告知や弁解、防禦の機会を与えないまま第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで財産権を侵害する制裁を科することにほかならない、とも述べています。19条2項が「犯人以外の者に属しない物」に対象を限っているのは、まさにこの考え方を条文の形で反映したものだといえます。条文の限定は、単なる技術的なルールではなく、無関係な第三者を守るための、憲法上の裏づけを持った限定なのです。

追徴(19条の2)

物が無ければ、代わりにお金を取る 図:物が無ければ、代わりにお金を取る

最後に、追徴です。さっき見た没収の対象のうち、3号の生成・取得・報酬物件と、4号の対価物件について、全部または一部を没収できないことがあります。すでに使ってしまった、売ってしまった、というような場合です。そういうときのために、19条の2があります。全文を読みます。

条文刑法19条の2

刑法19条の2(追徴) 「前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。」

3号か4号の物を没収できないときに、その物の価額を、金銭で取り上げるのが追徴です。19条の2は、3号と4号に限定しています。1号・2号については、追徴の規定がありません。理由は、追徴が何のための制度かにあります。3号・4号は、犯人が犯罪で手に入れた「もうけ」です。もうけなら、物でも金でも価値は同じですから、物が無いなら値段で取り上げれば目的を果たせます。これに対して1号・2号は、犯罪そのものを成り立たせた物や、犯罪の道具です。取り上げる意味はその物を社会から無くすことにあるので、値段を払わせても代わりになりません。だから1号・2号には追徴の規定が置かれていないのです。たとえば、盗んだ本が手元に残っていればその本そのものを没収、すでに売ってしまって手元に無ければ、売った代金の分を追徴する、という形になります。没収と追徴は、現物か、それが無理なときの価額かという、一対の制度です。

賄賂罪については、没収と同じく追徴も必要的とされています。この中身は、賄賂罪を扱う回で見ます。

今日の地図(保存版)

6種類の刑罰を、条文のまま並べ直す 図:6種類の刑罰を、条文のまま並べ直す

今日を振り返ります。9条は、刑罰を6種類に分けました。死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料が主刑、没収が付加刑です。いちばんの山場は、懲役と禁錮が拘禁刑に統合されたことでした。有期は1か月以上20年以下、そして作業や指導は義務ではなく、個別に判断される仕組みに変わりました。罰金は1万円以上、科料は千円以上1万円未満で、完納できないと労役場に留め置かれます。没収は、19条1項の4類型に当たり、かつ裁判の時に現存し、犯人以外の者に属していない物が対象です。没収できないときは、その価額を追徴します。懲役3年、禁錮1年は、今の条文ではどちらも拘禁刑3年、拘禁刑1年です。作業をさせるかどうかという違いは、もう罪名では決まりません。個別の判断に委ねられています。ここまでで、刑罰という箱の中身がそろいました。この先は、その箱の中からどの刑をどれだけ科すのかという、刑の組み立ての話に入っていきます。

参照条文

  • 刑法9条
  • 刑法11条
  • 刑法12条
  • 刑法16条
  • 刑法15条
  • 刑法17条
  • 刑法19条1項
  • 刑法19条2項
  • 刑法19条の2

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