抗告・準抗告の各論(通常/即時/特別抗告・捜査機関の処分への準抗告)
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第5章 裁判・救済 ⑤/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
抗告とは——3つの分類 〔短答・論文共通〕
抗告とは。決定や命令への、不服申立てです。判決と違い、口頭弁論を経ない簡易な判断が対象。

一つ、一般抗告。裁判所の決定が対象。行き先は、高等裁判所。一つ上の階です。もう争えない決定命令を、憲法違反などで。行き先は、最高裁判所。上告の、決定命令版です。これだけ特殊。次の比較のあと、深掘りします。まず一般抗告の中の、通常と即時から。
通常抗告 vs 即時抗告 〔短答知識〕
一般抗告には、2種類あります。性質は正反対。まず通常抗告。期間の制限が、ありません。取り消す実益がある限り、いつでも。421条。ただし、執行停止の効力はない。424条。一方、即時抗告。期間は、たった3日。でも、執行停止の効力がある。425条。見分け方は、条文の文言です。即時抗告ができる、と明記があれば即時抗告。
通常抗告の制限 〔短答知識〕
通常抗告には、できない場面もあります。一つ、再抗告。抗告審の決定に、さらに抗告。高裁や最高裁の決定には、通常抗告は不可。これ以上、通常のルートで上には行けません。管轄や訴訟手続に関する、判決前の決定。これには原則、抗告できません。いちいち争うと、審理が止まって進まない。だから、最後に判決が出た後で、まとめて争う。試合中のジャッジは、試合後にまとめて抗議。
特別抗告——行き止まりの扉 〔短答・論文共通〕

次に、特別抗告。これは特殊な制度です。本来、もう不服を申し立てられない決定や命令。それでも、405条の事由があれば。その場合に限り、最高裁へ申し立てられる。いわば、上告の決定命令版です。5日です。即時抗告の3日とは、別の数字。うまい表現です。それが特別抗告。
準抗告①——裁判官の裁判 〔短答・論文共通〕

さて、特殊な準抗告。まず裁判官の裁判から。裁判所という組織でなく、裁判官個人の命令が対象。忌避の却下、勾留や保釈、押収や還付。鑑定のための留置など。一人の裁判官が出すもの。ここが核心。上には行きません。簡裁裁判官の裁判なら、管轄の地方裁判所へ。その他の裁判官なら、その所属する裁判所へ。上訴というより、同格での是正なんです。
準抗告②——捜査機関の処分 〔短答・論文共通〕

もう一つの準抗告。捜査機関の処分が対象です。現場の処分も、裁判所にチェックさせる。代表が、接見指定。第15回でやった、39条3項です。それと、押収や、押収物の還付。これらに不服なら、準抗告で取消しを求められる。検察官の処分なら、対応する裁判所へ。司法警察職員の処分なら、職務執行地の地裁簡裁へ。そこが、ひっかけポイントです。
今日の地図(保存版)
まとめます。決定命令への不服が、抗告。鍵は、主体と行き先。3つに整理します。通常は期間なし執行停止なし、即時は3日で停止あり。特別抗告は、行き止まりの決定命令。最高裁へ。5日。上でなく、地裁簡裁へ。同格で是正する。主体が誰かで、行き先が決まる。これが全て。
刑事訴訟法シリーズ、完結 〔次回予告〕
これで、刑事訴訟法シリーズは完結です。捜査から始まり、公訴、公判、証拠法。そして裁判の確定と、確定後の救済まで。被疑者から被告人へ、そして判決の確定へ。国家の強い力を、適正手続で縛る。その全体像。お疲れさまでした。刑事訴訟法、これにて完結です。