民訴ゼロから民訴#46

不変期間と訴訟行為の追完

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第2章 訴訟の審理 ㊻/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

控訴期間はもう過ぎている。もう終わりなのか

冒頭事案の関係図(一審で敗訴したAが勝訴したBに対し判決から2週間以内に控訴状を出さなければならない・Aの地域で大規模な災害が発生し通信網が途絶える・気づいたときには控訴期間の2週間がとうに過ぎている) 図:冒頭事案の関係図

事案を1つ出します。Aさんが、一審でBさんに敗訴しました。判決から2週間以内に、控訴状を出さなければなりません。ところが、Aさんの住む地域で大きな災害が起きて、通信網が途絶えてしまいました。外部と連絡が取れない状態が、しばらく続きます。気づいたときには、控訴期間の2週間は、とうに過ぎていました。ここで、今日いちばん最初の問いです。Aさんは、もう控訴をあきらめるしかないのでしょうか。先に、結論だけ言っておきます。Aさんには、まだ手が残っています。なぜ残っているのか、どういう形で残っているのかは、今日の後半で出します。前回、当事者は裁判所の進行に対して、求める武器と、争う武器を持っている、という話をしました。

ただ、あの2つの武器にも、及ばない領域があります。それが、今日のテーマです。当事者は、いつまでに何かをやらなければならないか、についてはどこまで自由が利くのか。期間を守れなかったとき、手続はどうなるのか。そして、手続そのものが止まってしまう場面もある。前回の最後に、そう予告しました。今日は、「いつ会うか」の次の話、「いつまでにやるべきか」を見ていきます。

期間の2つの分類軸

期間の分類板(目的による分類=行為期間・一定の訴訟行為を求める期間対猶予期間・準備熟慮または効力発生までの据え置き期間/長さの決め方による分類=法定期間・法律があらかじめ日数を決める対裁定期間・裁判所が事案ごとに裁判で長さを決める/期間の計算は民法による95条1項) 図:期間の分類板

  • 目的による分類=行為期間・一定の訴訟行為を求める期間対猶予期間・準備熟慮または効力発生までの据え置き期間
  • 長さの決め方による分類=法定期間・法律があらかじめ日数を決める対裁定期間・裁判所が事案ごとに裁判で長さを決める
  • 期間の計算は民法による95条1項

まず「期間」という言葉を、ひとまとまりに覚えないでください。2つの軸で分けると、整理がつきます。1つ目の軸は、その期間が何のためにあるか、という目的です。一定の訴訟行為をすることを求める期間、これを行為期間と呼びます。冒頭のAさんの控訴期間は、まさにこれです。控訴状を出す、という行為を、2週間以内にすることが求められています。行為を求めない期間もあるんですか。あります。猶予期間です。準備や熟慮のため、あるいは、効力が発生するまでの据え置きのための期間です。たとえば、公示送達という知らせ方があります。相手方の所在が分からないときに使う特別な送達方法ですが、この送達は、掲示を始めてすぐには効力が生じません。一定の期間が経ってから、初めて効力が生じます。この据え置きの期間が、猶予期間の一例です。

そして、行為期間は、さらに2つに分かれます。当事者に求める固有の期間と、裁判所に求める職務期間です。控訴期間は当事者が動く固有の期間、判決の言渡しまでの期間などは裁判所が動く職務期間です。2つ目の軸は、その期間の長さを誰が決めるか、です。控訴期間の2週間のように、法律があらかじめ日数を決めているものを、法定期間と呼びます。これに対して、裁判所が事案ごとに、裁判で長さを決めるものを、裁定期間と呼びます。たとえば、訴訟費用の担保を立てなさいと命じられたときに、その担保を立てるまでの期間は、裁判所が事案ごとに決めます。これが裁定期間の例です。

なお、期間の具体的な計算のしかた、たとえば初日を算入するかどうかといった細かいルールは、民法によります。この2つの軸を頭に入れたうえで、次に進みます。法定期間の中に、とくに重要な一群があります。

不変期間——動かせない期間、動かせる期間

不変期間の位置づけの板(不変期間=条文が裁判所は伸縮してはいけないと特別に線を引いた法定期間・控訴期間上告期間などの例/不変期間以外の通常期間と裁定期間は原則として裁判所が伸縮できる=職権裁量事項・当事者に申立権も不服申立てもない) 図:不変期間の位置づけの板

  • 不変期間=条文が裁判所は伸縮してはいけないと特別に線を引いた法定期間・控訴期間上告期間などの例
  • 不変期間以外の通常期間と裁定期間は原則として裁判所が伸縮できる=職権裁量事項・当事者に申立権も不服申立てもない

法定期間のうち、条文が「これは裁判所が自由に伸縮してはいけない」と特別に定めた期間があります。これを不変期間と呼びます。控訴期間や上告期間が、その代表です。なぜ、この期間だけ裁判所が動かせないんですか。判決が確定する時期が、事件ごとにバラバラになってしまうからです。控訴期間は、その期間が経過すれば判決が確定する、という区切りの期間です。ここを裁判所が事案ごとに伸ばせるとすると、勝った側は、いつまでたっても「この判決はもう動かない」と信じることができません。だから、確定の時期に直結する期間だけは、法律が決めた数字で固定し、裁判所の裁量から外しているのです。

ここで、前回学んだことを思い出してください。裁判所には、進行を決める裁量が広く認められていましたね。では、不変期間ではない、ふつうの法定期間、つまり通常期間や、裁判所が長さを決める裁定期間は、どうでしょうか。これらは、原則として、裁判所が伸ばしたり縮めたりできます。不変期間との違いは何ですか。ここが、前回の続きになる部分です。通常期間・裁定期間の伸縮は、裁判所の職権裁量事項です。つまり、当事者には、伸ばしてほしいと求める申立権も、裁判所の判断が気に入らないときの不服申立ても、認められていません。

申立権があれば裁判所に応答義務が生じる、というのが前回の話でした。ですが、通常期間・裁定期間の伸縮は、そもそも申立権が及ばない領域です。当事者が「期間を延ばしてください」とお願いすることはできますが、それは単なる職権発動を促す申出にとどまり、裁判所に応答義務は生じません。前回の武器が届かない場所がある、ということです。ここで、条文を確認します。

条文民事訴訟法96条

民事訴訟法96条(期間の伸縮及び付加期間) 裁判所は、法定の期間又はその定めた期間を伸長し、又は短縮することができる。ただし、不変期間については、この限りでない。 2 不変期間については、裁判所は、遠隔の地に住所又は居所を有する者のために付加期間を定めることができる。

1項の本文で、裁判所は期間を伸縮できる、と定めていますが、ただし書で、不変期間はその限りでない、としています。不変期間は伸縮できない、通常期間・裁定期間は伸縮できる、この線引きが1項の中身です。不変期間についても、どうしようもないわけではありません。動かないのは「裁判所が自由に伸縮する」という手段だけです。不変期間そのものを補う、別の手段が2つ用意されています。1つ目が、今見た96条2項です。

付加期間——あらかじめ足しておく調整

付加期間の板(96条2項=不変期間について裁判所は遠隔の地に住所または居所を有する者のために付加期間を定めることができる・本来の期間に付加期間を足したものがまとめて不変期間になる・あらかじめ定めておく事前の調整) 図:付加期間の板

96条2項です。不変期間について、裁判所は、遠隔の地に住所または居所を持つ者のために、付加期間を定めることができます。たとえば、控訴状を書留や電子的な方法でやり取りするにしても、遠隔地に住む当事者は、近くに住む当事者より手続に時間がかかりがちです。そこで、あらかじめ、本来の期間に日数を足しておく。本来の期間と、この付加期間を合わせたものが、まとめて不変期間になります。事が起きる前の、あらかじめの備えです。ここが、次に見る仕組みとの、いちばん大きな違いです。付加期間は、裁判所が裁判の際にあらかじめ定めておくものであって、期間が過ぎたあとから、事後的に使えるものではありません。

付加期間は、あらかじめ定めていなければ意味がありません。では、Aさんのような、事後の事情には、本当に打つ手がないのでしょうか。

訴訟行為の追完——新しい1週間の枠

追完の位置づけの板(97条=当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を守れなかった場合の事後の救済・付加期間96条2項との違い=あらかじめの調整ではなく事が起きたあとの救済) 図:追完の位置づけの板

ここから、今日の本体です。打つ手は、あります。97条の、訴訟行為の追完です。文字どおり、あとから完成させる、という意味です。本来すべきだった訴訟行為を、期間が過ぎたあとで、追いかけて完成させることを認める仕組みです。条文を見てみましょう。

条文民事訴訟法97条

民事訴訟法97条(訴訟行為の追完) 当事者が裁判所の使用に係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後一週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる。ただし、外国に在る当事者については、この期間は、二月とする。 2 前項の期間については、前条第一項本文の規定は、適用しない。

要件は、当事者が、裁判所の使用する電子計算機の故障、その他、自分の責めに帰することができない事由によって、不変期間を守れなかったこと。効果は、その事由が消滅した後、1週間以内に限って、本来すべきだった訴訟行為を追完できる、というものです。外国にいる当事者は、2か月です。電子計算機の故障とは、裁判所のシステムの障害のことです。今は、訴状や控訴状をオンラインで出すことが前提になってきています。そこで、出そうとしたのに裁判所側のシステムが落ちていて出せなかった、という場合を、条文が正面から例として書き込んでいます。責めに帰することができない事由の、いちばん分かりやすい一例だと思ってください。

「責めに帰することができない事由」というのは、具体的にどういうものですか。ここが、いちばん大事な規範です。

論文で書く規範:責めに帰することができない事由(97条) その訴訟を追行する立場の人として通常求められる注意を尽くしても、なお避けようがなかったといえる事由 (通説で立てられる規範。判例集積の裏づけあり)

通常の人が、通常の注意を払っていたとしても、避けられなかったと言える事情、という意味です。自分に落ち度があれば、当然この規範には当たりません。2つ、代表的な例を見ます。1つ目は、大きな震災によって、通信手段が途絶えてしまった場合です。これは、古くから判例が認めてきた事由です。電話も郵便も使えず、外部と一切連絡が取れない状況では、通常の注意を払っていても、控訴状を出すことはできません。2つ目は、公示送達という制度が悪用され、自分が訴えられていること自体を、過失なく知らなかった場合です。公示送達は、相手の所在が分からないときに使う特別な送達方法でしたね。以前、送達の回で扱いました。もし、実際には所在が分かっているのに、わざと分からないふりをして公示送達の手続を取られてしまうと、訴えられた側は、訴訟が起きていること自体に気づけません。判例は、こうした場合も、責めに帰することができない事由に当たるとしています。

逆に、当たらない例も考えてみましょう。単に、体調が悪くて郵便局に行くのが億劫だった、というのでは、通常の注意を払えば避けられた事情ですから、この規範には当たりません。境目は、本人の意思や注意でどうにかできたかどうか、です。

具体例の境界の板(該当する例=大震災による通信の途絶・公示送達を悪用され訴訟提起を過失なく知らなかった場合/該当しない例=体調不良で郵便局に行くのが億劫だった等・本人の注意で避けられた事情) 図:具体例の境界の板

  • 該当する例=大震災による通信の途絶・公示送達を悪用され訴訟提起を過失なく知らなかった場合
  • 該当しない例=体調不良で郵便局に行くのが億劫だった等・本人の注意で避けられた事情

ここで、いちばん大事な注意点があります。追完が認められたとき、何が復活するのか、という点です。期間の続きが、また動き出すんじゃないんですか。そこが、最大の誤解ポイントです。追完は、不変期間の残り日数を復活させる制度ではありません。控訴期間が2週間のうち、たとえ残り10日を残して止まっていたとしても、事由が消滅したあとに使えるのは、常に新しい1週間です。10日ではありません。ここを取り違えると、答案でも誤った期間計算をしてしまいます。事由が消滅した日を起点に、あらためて1週間、という新しい枠だと覚えてください。

新しい1週間になるのは、97条が、残った期間を後ろにずらす規定ではなく、事由が消滅した日を起点にして、別の期間を新しく起こす規定だからです。条文も「その事由が消滅した後一週間以内に限り」と書いていて、元の期間の残りには一言も触れていません。2週間の期間を落とした人に、1週間しかないのは短くないですか。そこが、この制度の勘どころです。相手方から見れば、控訴期間が過ぎた時点で、判決はもう確定したはずでした。その相手の立場をいつまでもひっくり返せるとすると、今度は勝った側が落ち着けません。本人の落ち度でない人を救う必要と、確定を信じた相手を守る必要。この2つを釣り合わせた結果が、事由が消えてからきっかり1週間、という短い枠なのです。

控訴や上告の期間徒過が事案で問われたとき、この規範に当てはめる場面は、論文でも論点になりえます。

冒頭事案回収のフロー(Aの地域で通信途絶が発生・通信が回復する=事由の消滅・その日から1週間以内に控訴状を提出すれば97条の追完として適法) 図:冒頭事案回収のフロー

では、冒頭のAさんの事案に戻りましょう。Aさんの地域で、通信網が途絶えました。この間、Aさんは、通常の注意を払っていても控訴状を出しようがありません。責めに帰することができない事由に当たります。通信が回復した日が、事由が消滅した日です。Aさんは、その日から1週間以内に控訴状を提出すれば、97条の追完として、適法に扱われます。控訴期間はもう過ぎている、でも終わりではない。これが、冒頭の問いへの答えです。付加期間は事前の備え、追完は事後の救済。この2つが、不変期間を補う両輪です。

訴訟手続の停止——なぜ止めるのか

手続停止の定義と趣旨の板(定義=裁判所に事件が係属している間にある事由が起きて法律上手続を先に進められなくなる状態・趣旨=双方審尋主義の現れ・手続を追えない状態の当事者にも言い分を述べる機会を実質的に確保する) 図:手続停止の定義と趣旨の板

ここから、期間の外側の話に移ります。今まで見てきたのは、当事者が「いつまでにやるべきか」という期間の話でした。ここからは、手続そのものが「止まってしまう」場面です。訴訟手続の停止とは、裁判所に事件が係属している間に、ある事由が起きて、法律上、手続を先に進められなくなる状態をいいます。趣旨は、以前に詳しく見た、双方審尋主義にあります。当事者双方に、平等に主張と証拠を出す機会を保障する、という原則でしたね。訴訟を追行できない状況にある当事者を放置したまま手続を進めてしまうと、その当事者は、自分の言い分を述べる機会を実質的に奪われてしまいます。だから、そういう状況になったときは、いったん手続を止めて、関与の機会を確保するのです。

停止でないものの板(欠席で事実上進行が止まっている場合・和解のための休止・期日は追って指定という実務運用はいずれも法律上の停止ではない) 図:停止でないものの板

ここで、1つ弁別しておきます。以前、当事者が期日に出てこない、不熱心な訴訟追行の場面を扱いました。あれは、事実上、手続の進行が停滞して見えることはありますが、法律上の「停止」ではありません。当事者が任意に欠席しているだけで、手続関与の機会自体は保障されているからです。同じように、和解のために手続を一時休止する運用や、次の期日を決めずに「期日は追って指定」とする実務上の扱いも、法律上の停止とは別物です。今日見ている停止は、法律が定めた事由の発生によって、当然に、あるいは決定によって生じる、もっと厳格な仕組みです。

「進んでいないように見える」ことと、「法律上止まっている」ことは、別なんです。では、その法律上の停止には、どんな種類があるのか。ここからが、今日最後のテーマです。

中断と中止——原因の所在で見分ける

中断の板(定義=法定の中断事由の発生で当然に停止する・事由の例=当事者の死亡・法人の合併による消滅など124条1項各号・相続人や存続会社などが受継する) 図:中断の板

停止には、大きく2つの種類があります。中断と中止です。まず、中断から見ます。中断は、法律が定めた中断事由が発生すると、当然に手続が停止する場面です。代表的な事由は、当事者が死亡した場合や、当事者である法人が合併によって消滅した場合です。これらは124条1項の各号に列挙されています。なぜ、死亡すると手続が止まるんですか。手続を進めるべき当の本人がいなくなってしまうからです。訴訟の当事者としての地位を、誰かが引き継がなければ、手続を続けようがありません。この引き継ぎの手続を、受継と呼びます。相続人や、合併で存続する会社などが、受継によって、新しい当事者として手続に入ってきます。

中断は、まさにその議長交代のイメージです。誰かが倒れて、代わりの人が来るまで、議事そのものを進められない。ただし、受継の具体的な手続や、死亡による訴訟承継の詳しい中身は、別の回でじっくり扱います。今日は、中断が「人の入れ替えを要する場面」だという、一般論までにとどめます。

中止の板(定義=裁判所または当事者が訴訟行為をすることを不可能にする事由が発生した場合にその事由が止むまで停止する・事由の例=天災その他の事由で裁判所が職務を行えない場合130条・止めば当然に手続が続行される) 図:中止の板

次に、中止です。中止は、裁判所または当事者が、訴訟行為をすることを不可能にする外的な障害が発生した場合に、その障害が止むまで手続が停止する場面です。条文を見てみましょう。

条文民事訴訟法130条

民事訴訟法130条(裁判所の職務執行不能による中止) 天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。

天災その他の事由で、裁判所が職務を行えなくなったときは、その事由が消滅するまで、手続は中止します。停電で会議室の照明が落ちてしまった場面を思い浮かべてください。誰の落ち度でもなく、物理的に会議を続けられません。そして、電気が復旧すれば、誰も特別な手続をしなくても、当然に会議が再開されます。中止は、これと同じです。障害が止めば、当然に、手続が続行されます。中断のように、誰かが受継の手続を取る必要はありません。

中断と中止の対比板(事由の所在=当事者側の事情対裁判所側または不可抗力の外的障害/再開のしかた=中断は受継が要る対中止は当然に続行される) 図:中断と中止の対比板

  • 事由の所在=当事者側の事情対裁判所側または不可抗力の外的障害
  • 再開のしかた=中断は受継が要る対中止は当然に続行される

この対比が、今日いちばんの整理です。中断と中止を分けるのは、止まる原因が、誰の側にあるかです。中断は、当事者側の事情で、手続を進めるべき人が入れ替わる必要がある場面。中止は、裁判所側、あるいは天災のような不可抗力で、物理的に進められない場面。そして、原因が違えば、再開のしかたも違います。中断は、受継という人の手続を経て再開しますが、中止は、障害が消えれば、当然に再開します。名前ではなく、この2軸で覚えてください。

今日の地図(保存版)

今日の全体像の板(期間=目的による分類対長さの決め方による分類・不変期間は動かせないが付加期間96条2項と追完97条という2つの緩和策がある・追完は残り日数の復活ではなく事由消滅後の新しい1週間/手続の停止=中断は当事者側で受継が要る対中止は裁判所側不可抗力で当然に続行) 図:今日の全体像の板

  • 期間=目的による分類対長さの決め方による分類・不変期間は動かせないが付加期間96条2項と追完97条という2つの緩和策がある・追完は残り日数の復活ではなく事由消滅後の新しい1週間
  • 手続の停止=中断は当事者側で受継が要る対中止は裁判所側不可抗力で当然に続行

今日は、当事者が動かせない領域、期間と、手続そのものが止まる場面を見てきました。期間には、目的による分類と、長さの決め方による分類という、2つの軸がありましたね。そのうえで、不変期間は動かせませんが、あらかじめ足す付加期間と、事後に新しい1週間を与える追完という、2つの緩和策がありました。追完が与えるのは残り日数の復活ではなく新しい1週間の枠だ、という点が、いちばんの罠でした。そして、期間の外側では、手続そのものが止まる場面がありました。中断は当事者側の事情で人の入れ替えが要り、中止は裁判所側や不可抗力で、障害が消えれば当然に続行する。原因の所在で見分ける、という話でした。

これで、口頭弁論を軸にした一連の話は、ひとまずここで区切りになります。手続の進行、当事者の武器、期間、そして手続の停止。ここまでで、訴訟がどう動き、どう止まるかの基本が、一通りそろいました。ここまでは、手続がどう進むか、動かすための仕組みの話でした。

参照条文

  • 民事訴訟法96条
  • 民事訴訟法97条
  • 民事訴訟法130条

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