行政法ゼロから行政法#26

省・委員会・庁

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第2章 行政組織法 ㉖/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

法務省の周りの5つの名前

法務省の周りの5つの名前(A=法務省/B=公安調査庁/C=検察庁/D=司法試験委員会/E=東京法務局/表にもう1つ=刑務所/A→B・C・D・E=箱は何か/どれも法務省の仲間だが国家行政組織法は同じ箱に入れていない) 図:法務省の周りの5つの名前

  • A=法務省
  • B=公安調査庁
  • C=検察庁
  • D=司法試験委員会
  • E=東京法務局
  • 表にもう1つ=刑務所
  • A→B・C・D・E=箱は何か
  • どれも法務省の仲間だが国家行政組織法は同じ箱に入れていない

司法試験を受ける人なら、見覚えのある名前を5つ並べます。公安調査庁。検察庁。司法試験委員会。東京法務局。そして、刑務所。どれも、法務省の仲間です。ところが、国家行政組織法は、この5つを、同じ箱には入れていません。今日の最初の問いは、これです。5つの名前は、それぞれ、どの箱に入るのか。法務省の下にあるなら、全部、同じ「法務省の一部」じゃないんですか。そう考えたくなります。「庁」と付けば庁、「委員会」と付けば委員会だ、と名前で決めたくもなります。けれども、箱は名前では決まりません。決めるのは、条文です。前の動画で、内閣府とデジタル庁は、国家行政組織法の外にあると見ました。今日は、その内側です。あのとき、宿題を3つ残しました。外局は、省の内部の局と、どこが違うのか。デジタル庁は、国家行政組織法の庁と、どう違うのか。内閣府設置法が定める外局の中身。今日、この3つを回収します。

今日の3つの問い(①国家行政組織法は国の行政機関をどんな箱に分けるか=箱は名前でなく条文で決まる/②省と外局〔委員会・庁〕と内部部局はどう違うか/③各省設置法は何を決めているか/5つの名前の答えは順に1つずつ出して最後に全部を板に並べる) 図:今日の3つの問い

  • ①国家行政組織法は国の行政機関をどんな箱に分けるか=箱は名前でなく条文で決まる
  • ②省と外局〔委員会・庁〕と内部部局はどう違うか
  • ③各省設置法は何を決めているか/5つの名前の答えは順に1つずつ出して最後に全部を板に並べる

問いは3つです。1つ目、国家行政組織法は、国の行政機関を、どんな箱に分けるのか。2つ目、省と、外局である委員会や庁と、省の内部の局は、どう違うのか。3つ目、各省の設置法は、何を決めているのか。5つの名前の答えは、このあと、1つずつ出していきます。最後に、全部を1枚の板に並べます。

国家行政組織法が用意する箱

国家行政組織法の5つの箱(3条機関=省・委員会・庁〔3条2項・設置廃止は法律・別表第一〕/8条機関=審議会等〔8条・法律か政令〕/施設等機関〔8条の2〕/特別の機関〔8条の3〕/地方支分部局〔9条〕/入れ子=省の中に官房・局・部・課/省の外に外局〔委員会・庁〕/対象外=内閣府・デジタル庁〔11月2日から防災庁も〕) 図:国家行政組織法の5つの箱

  • 3条機関=省・委員会・庁〔3条2項・設置廃止は法律・別表第一〕
  • 8条機関=審議会等〔8条・法律か政令〕
  • 施設等機関〔8条の2〕
  • 特別の機関〔8条の3〕
  • 地方支分部局〔9条〕
  • 入れ子=省の中に官房・局・部・課
  • 省の外に外局〔委員会・庁〕
  • 対象外=内閣府・デジタル庁〔11月2日から防災庁も〕

本編の前に、復習を1問。国家行政組織法の対象にならない、内閣の統轄の下の機関は、何でしたか?内閣府と、デジタル庁です。1条は前の動画で読んだので、今日は読みません。ひとつだけ足します。前の動画で言ったとおり、11月2日から、防災庁が内閣に置かれます。これも、国家行政組織法の外です。その内側に、国家行政組織法が用意している箱を、板に並べます。5つあります。まず、省と、委員会と、庁。2つ目は、審議会などの合議制の機関。3つ目は、試験研究機関のような施設。4つ目は、特別の機関。5つ目は、国の出先にあたる地方支分部局です。それぞれの条文は、順番に読みます。今は、箱が5つある、とだけ覚えてください。1つ目の箱から見ます。省と、委員会と、庁は、国家行政組織法の3条2項に書かれています。この条文は、行政機関という言葉の意味を見た動画で、一度読みました。ここで、呼び名を決めます。国家行政組織法3条2項の、省と、委員会と、庁を、3条機関と呼びます。設置と廃止は、法律で決めます。

国家行政組織法の別表第一に、並んでいます。板に、現物を出します。

別表第一に掲げる省(総務省/法務省/外務省/財務省/文部科学省/厚生労働省/農林水産省/経済産業省/国土交通省/環境省/防衛省〔11省〕/委員会・庁は各省の外局として別表第一に掲げられる=例:法務省の外局は公安調査庁・出入国在留管理庁・公安審査委員会/財務省の外局は国税庁) 図:別表第一に掲げる省

  • 総務省
  • 法務省
  • 外務省
  • 財務省
  • 文部科学省
  • 厚生労働省
  • 農林水産省
  • 経済産業省
  • 国土交通省
  • 環境省
  • 防衛省〔11省〕
  • 委員会・庁は各省の外局として別表第一に掲げられる=例:法務省の外局は公安調査庁・出入国在留管理庁・公安審査委員会
  • 財務省の外局は国税庁

省は、現在、11あります。委員会と庁も、省ごとに別表第一に並んでいます。覚えるのは、3条機関は、この別表に載っている、ということです。次に、3条3項を読みます。省と、委員会と庁の関係が、書いてあります。

条文国家行政組織法3条3項

国家行政組織法第3条第3項 省は、内閣の統轄の下に第五条第一項の規定により各省大臣の分担管理する行政事務及び同条第二項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

骨格は、省は、内閣の統轄の下で、大臣が分担管理する事務と、大臣が掌理する事務をつかさどる。委員会と庁は、省に、外局として置かれる、です。「掌理」は、受け持って取り仕切る、という意味です。後半の、大臣が掌理する事務は、次の節で見ます。注目するのは、あとの半分です。委員会と庁は、省に、外局として置かれる。つまり、国家行政組織法の委員会と庁は、どこかの省にぶら下がっています。ぶら下がり方は、あとで詳しく見ます。名前に「庁」と付いていれば、この3条機関の庁なんですか。違います。ここが、今日いちばん大事な、つまずきです。前に、委員会と名前が付いていても、行政庁になる委員会がある、と見ました。それと同じ型の話です。たとえば、検察庁は、庁と付いていますが、3条機関の庁ではありません。法務省の別の箱に入っています。どの箱かは、このあと見ます。名前で決めない。どの条文に置かれた箱かで決める。今日は、この軸で通します。

省の組み立て

省の姿(長=各省大臣〔5条1項〕/大臣を助ける政治の側=副大臣・大臣政務官〔16条・17条〕・必要なら大臣補佐官〔17条の2〕/事務の組織=内部部局〔官房・局・部・課〕/省は二本立て=分担管理する事務+内閣の重要政策に関する総合調整) 図:省の姿

  • 長=各省大臣〔5条1項〕
  • 大臣を助ける政治の側=副大臣・大臣政務官〔16条・17条〕・必要なら大臣補佐官〔17条の2〕
  • 事務の組織=内部部局〔官房・局・部・課〕
  • 省は二本立て=分担管理する事務+内閣の重要政策に関する総合調整

省の中を見ます。省は、3段で組み立てられています。一番上が、長の各省大臣。前の動画で見た、主任の大臣です。2段目が、大臣を助ける、政治の側の人たち。副大臣と、大臣政務官です。必要なら、大臣補佐官も置かれます。3段目が、実際に事務を進める組織、内部部局です。政治の側で大臣を支える人たちです。副大臣は、大臣を助けて省の仕事をまとめ、大臣が不在のときは、職務を代わって行います。大臣政務官は、大臣を助けて、特定の政策に加わります。副大臣の任免は、大臣の申出により内閣が行い、天皇が認証します。16条5項です。会社でいえば、取締役の下の、役員補佐のようなものです。

大臣の権限を条文順に(10条=事務の統括・職員の服務の統督/11条=法律・政令の案を閣議に求める/12条=省令を発する/14条=告示・訓令通達〔前に全文を読んだ〕/15条=関係機関に資料の提出・説明を求める/暗記しない=骨格の地図/省令の中身は別の回) 図:大臣の権限を条文順に

  • 10条=事務の統括・職員の服務の統督
  • 11条=法律・政令の案を閣議に求める
  • 12条=省令を発する
  • 14条=告示・訓令通達〔前に全文を読んだ〕
  • 15条=関係機関に資料の提出・説明を求める
  • 暗記しない=骨格の地図
  • 省令の中身は別の回

大臣の権限を、条文の順に並べます。暗記はしません。骨格の地図として見てください。10条。事務を統括し、職員の服務を統督する。11条。法律や政令の案を、閣議に求める。12条。省令を発する。14条。告示と、訓令や通達を出す。15条。関係する機関に、資料の提出や説明を求める。読むのは、10条と12条1項です。14条は、機関どうしの関係の動画で、全文を読みました。まず、10条です。

条文国家行政組織法10条

国家行政組織法第10条 各省大臣、各委員会の委員長及び各庁の長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。

内閣府設置法で見た、総理の統括と統督と同じ型です。省だけでなく、外局の長にも、同じ定めがあります。次は、12条1項です。

条文国家行政組織法12条1項

国家行政組織法第12条第1項 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。

骨格は、各省大臣は、法律や政令を施行するため、または特別の委任に基づいて、その機関の命令として、省令を出せる、です。省令の効力や、罰則の限界は、法形式の回で扱います。ここでは、省令は、大臣が出す命令の名前、と押さえてください。ここで、前の動画で、内閣府に二本立てがあると言ったことを、思い出してください。実は、省にも、二本立てがあります。5条2項です。前の動画では、読みませんでした。

条文国家行政組織法5条2項

国家行政組織法第5条第2項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。

骨格は、各省大臣は、自分の省の分担管理のほかに、その分野に関連する内閣の重要政策について、施策の統一のための企画立案と総合調整の事務も受け持つ、です。つまり、省は、自分の事務を分担管理する顔と、内閣の重要政策を助ける顔の、二本立てです。内閣府と同じ型です。この総合調整のために、関係機関に資料を求めたり、勧告したりする権限が、15条の2にあります。省の事務は、分担管理だけではありません。条文には、もう1本あります。同じ型だと分かると、内閣府の二本立ても、見分けやすくなります。

内部部局(官房・局=7条1項/部=7条2項〔特に必要な場合〕/官房・局・部の設置と所掌事務の範囲は政令〔7条4項〕/課・室=その下/官房と局の総数には法律上の上限がある〔23条〕/個々の省の編成=各省組織令〔政令〕例=法務省組織令) 図:内部部局

  • 官房・局=7条1項
  • 部=7条2項〔特に必要な場合〕
  • 官房・局・部の設置と所掌事務の範囲は政令〔7条4項〕
  • 課・室=その下
  • 官房と局の総数には法律上の上限がある〔23条〕
  • 個々の省の編成=各省組織令〔政令〕例=法務省組織令

3段目の内部部局に移ります。7条です。

条文国家行政組織法7条

国家行政組織法第7条 省には、その所掌事務を遂行するため、官房及び局を置く。 2 前項の官房又は局には、特に必要がある場合においては、部を置くことができる。 4 官房、局及び部の設置及び所掌事務の範囲は、政令でこれを定める。

骨格は、省には官房と局を置き、特に必要なら部を置ける。官房、局、部の設置と所掌事務の範囲は、政令で定める、です。その下に、課と室が置かれます。これも政令です。振り分けは、行政機関の動画で見た、省は法律、官房や局は政令、のとおりです。手直しのたびに国会の議決が要るのでは、組織が追いつかないからでした。ただし、野放しではありません。官房と局の総数には、法律で上限があります。数字は覚えなくて構いません。個々の省の内部の編成は、各省の組織令という政令が定めます。法務省なら、法務省組織令です。名前だけ知っておいてください。練習です。答えは、条文から導けます。1つ目。副大臣は、誰が任免しますか。

大臣の申出により、内閣が行います。天皇の認証も要ります。2つ目。省の課を新しく作るときと、法務局を新しく作るときは、それぞれ、どんな形式でしょうか。課は政令、でいいです。法務局は、今は予告だけにします。国の出先機関のところで、答え合わせをします。3つ目。官房と局の数は、自由に増やせますか。法律に上限があるので、自由には増やせません。省は、大臣と、政務の人たちと、内部部局。内部部局の設置は政令。そして、二本立て。これが、省の形です。

外局=委員会と庁

外局の独立3点(①長が別=委員会は委員長・庁は長官〔6条〕/②規則その他の特別の命令を法律が認めれば自ら発することができる〔13条1項〕/③設置と廃止は法律〔3条2項〕/外局の長は省令を自分では出せず大臣に求める〔12条2項〕/内部部局の長は規則を出せない) 図:外局の独立3点

  • ①長が別=委員会は委員長・庁は長官〔6条〕
  • ②規則その他の特別の命令を法律が認めれば自ら発することができる〔13条1項〕
  • ③設置と廃止は法律〔3条2項〕/外局の長は省令を自分では出せず大臣に求める〔12条2項〕/内部部局の長は規則を出せない

ここから、外局です。前の動画の宿題の、1つ目。その前に、復習を1問。前の動画で、統轄と所轄は何が違うと言いましたか?統轄は、総合調整しながら指揮監督すること。所轄は、形式上の所属を示すだけで、職権行使への指揮監督は含みません。この所轄という言葉が、このあと出てきます。外局とは、前の動画で言ったとおり、省に属しながら、省の内部の局とは別に、ある程度独立して仕事をする組織です。今日は、どこが独立なのかを、3点に分けます。板のとおりです。1点目。長が別です。内部の局の長は、局長です。外局は、委員会なら委員長、庁なら長官が、長になります。6条です。

条文国家行政組織法6条

国家行政組織法第6条 委員会の長は、委員長とし、庁の長は、長官とする。

骨格は、委員会の長は委員長、庁の長は長官、です。2点目。規則その他の特別の命令を、法律が認めれば、自分で出せます。3点目。設置と廃止が、法律で決まります。これは、3条2項でした。2点目を条文で見ます。13条1項です。

条文国家行政組織法13条1項

国家行政組織法第13条第1項 各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。

省の局長には、このような権限は、法律上ありません。外局の長が、自分の名前で、命令を出せる。これが、独立の中身です。それなら、外局の長も、省令を出せるんですか。出せません。条文で確認します。12条2項です。

条文国家行政組織法12条2項

国家行政組織法第12条第2項 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。

骨格は、外局の長は、自分の事務について、案を付けて、主任の大臣に、省令を発することを求められる、です。自分で出すのではなく、大臣に求める、という形にしています。省令は、あくまで大臣の命令です。外局の長は、規則などの特別の命令は法律が認めれば自分で出し、省令は大臣に求める。ここは、短答で聞かれます。会社でいえば、事業部の中に置かれた、独立性の高い部門です。部門長がいて、会社のルールが認めた範囲で、部門の規則を自分で出せます。事業部の中の普通の部長には、それがありません。けれども、事業部としての規程は、担当の取締役に出してもらいます。部門長が外局の長、担当の取締役が大臣、事業部としての規程が省令にあたります。委員会と庁の違いも、押さえます。委員会は、委員長と委員で構成する、合議体です。庁は、長官が長で、1人の長が率います。委員会の設置法には、独立して職権を行う、と定めるものがあります。たとえば、公正取引委員会は独占禁止法の28条、原子力規制委員会は、原子力規制委員会設置法の5条です。独立性が高いので、政治の影響を受けにくい。そのかわり、一人の大臣の指揮では動きません。行政委員会の趣旨や、行政審判は、別の回で扱います。最初の問いを、1つ回収します。法務省の外局は、板のとおり、公安調査庁と、出入国在留管理庁と、公安審査委員会です。つまり、公安調査庁は、答えが出ました。省の外局の庁で、3条機関です。

内閣府の外局(内閣府設置法49条1項=内閣府には外局として委員会及び庁を置くことができる/3項=設置及び廃止は法律で定める/64条の表に外局が並ぶ=例:公正取引委員会・国家公安委員会・個人情報保護委員会・金融庁・消費者庁・こども家庭庁ほか/所掌は載せない/国家行政組織法の外だが同じ型の外局を内閣府設置法が自分で用意) 図:内閣府の外局

  • 内閣府設置法49条1項=内閣府には外局として委員会及び庁を置くことができる
  • 3項=設置及び廃止は法律で定める
  • 64条の表に外局が並ぶ=例:公正取引委員会・国家公安委員会・個人情報保護委員会・金融庁・消費者庁・こども家庭庁ほか
  • 所掌は載せない
  • 国家行政組織法の外だが同じ型の外局を内閣府設置法が自分で用意

次は、宿題の3つ目です。内閣府設置法が定める外局です。前の動画で、内閣府設置法は、外局の組織の基準も自分で定めている、と言いました。49条です。

条文内閣府設置法49条

内閣府設置法第49条 内閣府には、その外局として、委員会及び庁を置くことができる。 3 前二項の委員会及び庁(以下それぞれ「委員会」及び「庁」という。)の設置及び廃止は、法律で定める。

国家行政組織法の3条とそっくりです。内閣府は国家行政組織法の外にありますが、同じ型の外局を、内閣府設置法が、自分で用意しています。どんな外局があるかは、64条の表に並んでいます。公正取引委員会。国家公安委員会。個人情報保護委員会。金融庁。消費者庁。こども家庭庁。ほかにもあります。名前だけ、見覚えを作ってください。ここで、所轄が出てきます。公正取引委員会は、独占禁止法の27条2項で、内閣総理大臣の所轄に属します。所轄は、形式上の所属、でした。つまり、公正取引委員会は、内閣府の外局として置かれつつ、職権の行使は、総理の指揮監督を受けずに行います。

外局の長は、必ず委員長か長官なんですか。大臣が長の外局はありませんか。あります。国家公安委員会です。警察法6条1項で、委員長は、国務大臣をもって充てるとされています。長が国務大臣である、内閣府の外局です。長が、いつも官僚とは限りません。

庁の置かれ方3通り(①省の外局の庁=国税庁・公安調査庁〔国家行政組織法3条2項・別表第一〕/②内閣府の外局の庁=消費者庁・こども家庭庁・金融庁〔内閣府設置法49条・64条〕/③内閣に置かれる庁=デジタル庁〔デジタル庁設置法2条・国家行政組織法の庁ではない〕・11月2日から防災庁/名前は同じ庁でも根拠・長・命令の名前が違う) 図:庁の置かれ方3通り

  • ①省の外局の庁=国税庁・公安調査庁〔国家行政組織法3条2項・別表第一〕
  • ②内閣府の外局の庁=消費者庁・こども家庭庁・金融庁〔内閣府設置法49条・64条〕
  • ③内閣に置かれる庁=デジタル庁〔デジタル庁設置法2条・国家行政組織法の庁ではない〕・11月2日から防災庁/名前は同じ庁でも根拠・長・命令の名前が違う

宿題の2つ目、庁の違いです。庁には、置かれ方が3通りあります。板のとおりです。1つ目。省の外局の庁です。国税庁は財務省の、公安調査庁は法務省の外局で、国家行政組織法の3条と、別表第一が根拠です。2つ目。内閣府の外局の庁です。消費者庁、こども家庭庁、金融庁。内閣府設置法の49条と64条が根拠です。3つ目。内閣に置かれる庁です。デジタル庁は、デジタル庁設置法の2条で、内閣に置かれます。国家行政組織法の庁ではありません。11月2日からは、防災庁も、この3つ目の仲間になります。庁という名前は同じでも、置く根拠、長、使う命令の名前が違います。デジタル庁の長は総理で、命令はデジタル庁令でした。国税庁の長官は、法律が認めれば、規則などの特別の命令を自ら発することができます。名前で決めない、が、ここにも効きます。練習です。国税庁と、消費者庁と、デジタル庁は、それぞれ、どの法律に設置の根拠がありますか。条番号は、いりません。

ひとまとめにします。外局は、省または内閣府に置かれても、長と、規則を出す権限と、設置の法律が、内部の局とは別です。庁は、置き方が3通り。

8条機関・施設等機関・特別の機関

3条機関と8条機関の比較(設置=3条機関は法律〔3条2項〕/8条機関は法律か政令〔8条〕/性格=3条機関は行政事務をつかさどり重い権限を持つことが多い/8条機関は調査審議・不服審査など合議制で処理する事務〔諮問機関が多い〕/区別が効く場面=①設置の形式②意見を述べる側か処分をする側か③条文の「省・委員会・庁」と「審議会等」の指す先) 図:3条機関と8条機関の比較

  • 設置=3条機関は法律〔3条2項〕
  • 8条機関は法律か政令〔8条〕
  • 性格=3条機関は行政事務をつかさどり重い権限を持つことが多い
  • 8条機関は調査審議・不服審査など合議制で処理する事務〔諮問機関が多い〕
  • 区別が効く場面=①設置の形式②意見を述べる側か処分をする側か③条文の「省・委員会・庁」と「審議会等」の指す先

2つ目の箱に移ります。8条の審議会等です。これを、8条機関と呼びます。8条は、行政機関の動画で全文を読みました。法律または政令の定めで、重要事項の調査審議や不服審査などをする、合議制の機関を置ける、でした。3条機関と8条機関の違いを、表にします。設置の形式。3条機関は、法律でなければ置けません。8条機関は、法律か政令で置けます。性格。3条機関は、行政事務をつかさどり、省令や処分のような重い権限を持つことが多い。8条機関は、調査審議や不服審査のように、合議制で処理する事務を持ち、諮問機関であることが多い。会社でいえば、3条機関は、組織図に載る事業部と、その中の独立性の高い部門です。8条機関は、そこに置かれる会議体です。会議体でも、実際の仕事を任されることがあります。このあと、身近な例で見ます。

3条機関と8条機関を分けると、3つの場面で効きます。1つ目、設置の形式です。審議会を置くのに、法律の改正が要るか、政令でよいか。2つ目、意見を述べる側か、処分をする側かです。行政庁、補助機関、諮問機関という、前に見た分類につながります。最後に3つ目、条文の読み方です。条文に、省と、委員会と、庁、と書いてあるのか、審議会等、と書いてあるのかで、指す先が違います。ここで、受験生に身近な例を見ます。司法試験委員会です。法務省設置法の5条は、司法試験委員会を、審議会等として置いています。名前に委員会と付いても、3条の委員会ではありません。置いている条文が審議会等なので、8条機関です。

8条を、もう一度見ます。

条文国家行政組織法8条

国家行政組織法第8条 第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。

審議会等は意見を述べるだけ、と覚えてしまうと、足をすくわれます。8条は、調査審議と不服審査のほかに、学識経験のある人たちの合議で処理するのがふさわしい事務、とも書いています。試験を行う事務も、学識経験のある人たちの合議で処理するのがふさわしい事務の1つです。8条の枠に収まるので、司法試験委員会に、試験を行う事務も持たせることができます。実際に、司法試験法12条2項は、持たせています。審議会等は、意見を言うだけとは限りません。8条機関は諮問だけ、と覚えないでください。もうひとつ。行政機関の動画で見た、議決や同意で行政庁を拘束する参与機関も、審議会等として置かれることがあります。8条機関には、諮問機関も、参与機関も入ります。ここまでで、司法試験委員会の答えが出ました。8条機関です。

施設等機関と特別の機関(8条の2=法律の定める所掌事務の範囲内で法律又は政令により置く=試験研究機関・検査検定機関・文教研修施設・医療更生施設・矯正収容施設・作業施設/8条の3=特に必要がある場合に法律で置く/法務省の例=刑務所・少年院ほか〔法務省設置法8条1項・施設等機関〕・検察庁〔14条1項・特別の機関〕/「庁」と付いても3条の庁ではない) 図:施設等機関と特別の機関

  • 8条の2=法律の定める所掌事務の範囲内で法律又は政令により置く=試験研究機関・検査検定機関・文教研修施設・医療更生施設・矯正収容施設・作業施設
  • 8条の3=特に必要がある場合に法律で置く
  • 法務省の例=刑務所・少年院ほか〔法務省設置法8条1項・施設等機関〕・検察庁〔14条1項・特別の機関〕
  • 「庁」と付いても3条の庁ではない

3つ目と4つ目の箱です。8条の2と、8条の3を読みます。まず、8条の2です。

条文国家行政組織法8条の2

国家行政組織法第8条の2 第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設(これらに類する機関及び施設を含む。)、医療更生施設、矯正収容施設及び作業施設を置くことができる。

骨格は、3条機関には、法律または政令の定めるところにより、施設を置ける、です。試験研究、検査検定、文教研修、医療更生、矯正収容、作業の施設が並びます。これを、施設等機関と呼びます。法務省なら、刑務所や少年院などの、矯正収容施設です。法務省設置法の8条1項に書かれています。刑務所の答えが出ました。施設等機関です。次は、8条の3です。

条文国家行政組織法8条の3

国家行政組織法第8条の3 第三条の国の行政機関には、特に必要がある場合においては、前二条に規定するもののほか、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律の定めるところにより、特別の機関を置くことができる。

骨格は、特に必要がある場合に、8条と8条の2のほかに、法律の定めるところにより、特別の機関を置ける、です。法務省の特別の機関は、検察庁です。法務省設置法14条1項に、書かれています。検察庁は、庁と付いても、3条の庁ではありません。法務省の、特別の機関です。最初に言った、検察庁のつまずきの答えです。法律や政令に根拠のない、私的諮問機関は、並びの末尾に、名前だけ置きます。行政機関の動画で見ました。国家行政組織法の箱には入りません。練習です。検察庁、司法試験委員会、刑務所を、それぞれ、国家行政組織法のどの箱か、答えてください。

5つの名前のうち、4つが埋まりました。残りは、東京法務局です。次に見ます。

地方支分部局

地方支分部局(国家行政組織法9条=3条の国の行政機関が所掌事務を分掌させる必要がある場合に法律の定めるところにより置く/国の出先機関〔例=法務局・国税局〕/法務局の名称・位置・管轄区域は政令〔法務省設置法18条〕/税務署は国税局の下) 図:地方支分部局

  • 国家行政組織法9条=3条の国の行政機関が所掌事務を分掌させる必要がある場合に法律の定めるところにより置く
  • 国の出先機関〔例=法務局・国税局〕
  • 法務局の名称・位置・管轄区域は政令〔法務省設置法18条〕
  • 税務署は国税局の下

5つ目の箱、地方支分部局です。その前に、復習を1問。機関どうしの関係の動画で、権限の委任には、何が必要だと言いましたか?法律の根拠が必要です。大臣の権限を、地方支分部局の長に委任する形もあります。委任そのものは、その動画で済んでいます。今日は、地方支分部局の箱だけを見ます。9条です。

条文国家行政組織法9条

国家行政組織法第9条 第三条の国の行政機関には、その所掌事務を分掌させる必要がある場合においては、法律の定めるところにより、地方支分部局を置くことができる。

分掌は、仕事を分けて受け持たせる、という意味です。つまり、国の出先機関です。本社が地方に置く、支店のようなものです。法務省なら、法務局です。法務省設置法15条に書かれています。名称や位置、管轄区域は、同じ法律の18条に基づいて、政令で定められます。最初の問いの答え、東京法務局は、地方支分部局です。財務省の外局の国税庁なら、国税局。税務署は、国税局の下に置かれる、と押さえておけば足ります。県庁の中にある保健所とかも、国の出先機関ですか。ここが、つまずきです。都道府県にも、出先機関があります。けれども、それは、国の地方支分部局とは別です。地方自治法の156条1項を読みます。

条文地方自治法156条1項

地方自治法第156条第1項 普通地方公共団体の長は、前条第一項に定めるものを除くほか、法律又は条例で定めるところにより、保健所、警察署その他の行政機関を設けるものとする。

これは、地方公共団体の機関です。国の機関ではありません。国と地方は、別の行政主体でした。国の地方支分部局が、地方公共団体の組織の中に入ることはありません。見分ける基準は、名前でも、所在地でもありません。設置の根拠法です。国家行政組織法9条なら国、地方自治法156条なら地方です。もうひとつ、4項です。

条文地方自治法156条4項

地方自治法第156条第4項 国の地方行政機関(駐在機関を含む。以下この項において同じ。)は、国会の承認を経なければ、設けてはならない。国の地方行政機関の設置及び運営に要する経費は、国において負担しなければならない。

国が出先を作るときは、国会の承認が要り、費用は国が持ちます。地方に押し付けられない、という形になっています。練習です。法務局、県の保健所、県内の警察署のうち、国の機関はどれですか。法務局だけです。保健所と警察署は、条文に書いてあるとおり、県の機関です。さきほど予告した、法務局の答え合わせも済みました。法務局は、法務省設置法という法律で置かれています。地方支分部局は、法律で置く、でした。これで、5つの名前が、全部埋まります。次は、3つ目の問い、各省設置法の中身です。

各省設置法の構造

国家行政組織法と設置法の分担(国家行政組織法=国の行政機関の共通の基準〔箱と組み立て〕/各省設置法=その省の設置・任務・所掌事務〔3条2項と4条を受ける〕/組織令・組織規則=内部部局の編成〔7条を受ける・政令・省令〕/所掌事務=その役所がやる仕事の範囲) 図:国家行政組織法と設置法の分担

  • 国家行政組織法=国の行政機関の共通の基準〔箱と組み立て〕
  • 各省設置法=その省の設置・任務・所掌事務〔3条2項と4条を受ける〕
  • 組織令・組織規則=内部部局の編成〔7条を受ける・政令・省令〕
  • 所掌事務=その役所がやる仕事の範囲

最後の問い、各省設置法です。まず、役割分担を見ます。国家行政組織法は、国の行政機関に共通の基準です。箱と、組み立てを決めます。各省設置法は、その省の設置と、任務と、所掌事務を決めます。所掌事務とは、その役所がやる仕事の範囲です。内部部局の編成は、さらに下の、組織令や組織規則が決めます。たとえるなら、マンション全体の管理規約が国家行政組織法で、各部屋の使い方を決める入居契約が、各省の設置法です。共通のルールの上に、個別の決まりが乗っています。国家行政組織法の側にも、この関係を書いた条文があります。4条です。

条文国家行政組織法4条

国家行政組織法第4条 前条の国の行政機関の任務及びこれを達成するため必要となる所掌事務の範囲は、別に法律でこれを定める。

この、別の法律が、各省設置法です。3条2項は、省を置くのは法律、と言い、4条は、任務と所掌事務は別の法律、と言っています。この2つを受けて、設置法が、設置、任務、所掌事務の順に書いてあります。

法務省設置法を1つ読む(2条1項=国家行政組織法3条2項に基づき法務省を設置→3条1項=任務→4条1項=所掌事務〔柱書+4号=司法試験に関すること〕→5条=審議会等〔司法試験委員会〕→8条=施設等機関→14条=特別の機関〔検察庁〕→15条=地方支分部局〔法務局〕/対応=国組法3条2項↔2条・4条↔3条と4条・8条↔5条・8条の2↔8条・8条の3↔14条・9条↔15条) 図:法務省設置法を1つ読む

  • 2条1項=国家行政組織法3条2項に基づき法務省を設置→3条1項=任務→4条1項=所掌事務〔柱書+4号=司法試験に関すること〕→5条=審議会等〔司法試験委員会〕→8条=施設等機関→14条=特別の機関〔検察庁〕→15条=地方支分部局〔法務局〕
  • 対応=国組法3条2項↔2条・4条↔3条と4条・8条↔5条・8条の2↔8条・8条の3↔14条・9条↔15条

法務省設置法を、実際に1つ読みます。2条1項です。

条文法務省設置法2条1項

法務省設置法第2条第1項 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、法務省を設置する。

設置法の最初は、設置の宣言です。次は、任務です。3条1項です。

条文法務省設置法3条1項

法務省設置法第3条第1項 法務省は、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の利害に関係のある争訟の統一的かつ適正な処理並びに出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とする。

骨格は、基本法制の維持と整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の争訟の統一的な処理、出入国と在留の公正な管理を図る、です。任務は、その役所の大きな目的です。3条2項は、内閣の重要政策に関する、内閣の事務を助ける任務です。省の組み立てで見た、二本立ての、もう1本が、設置法にも書いてあります。次が、所掌事務、4条1項です。

条文法務省設置法4条1項

法務省設置法第4条第1項 法務省は、前条第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。 … 四 司法試験に関すること。

骨格は、法務省は、任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる、です。ほかの号は読みません。4号だけ見ます。司法試験に関すること。受験生にとっては、自分の試験が、条文に載っている瞬間です。ここから、最初の5つの名前が、全部、設置法に載っています。5条が審議会等の司法試験委員会。8条が刑務所などの施設等機関。14条1項が特別の機関で、検察庁。そして、15条が地方支分部局です。14条1項と、15条を、確認します。

条文法務省設置法14条1項

法務省設置法第14条第1項 別に法律で定めるところにより法務省に置かれる特別の機関で本省に置かれるものは、検察庁とする。

条文法務省設置法15条

法務省設置法第15条 本省に、次の地方支分部局を置く。

15条の列挙には、法務局と地方法務局が並んでいます。板で、国家行政組織法の条と、設置法の条の対応を見てください。3条2項は2条。4条は3条と4条。8条は5条。8条の2は8条。8条の3は14条。9条は15条。条番号は、暗記しません。対応の形を見てください。設置法に「司法試験に関すること」と書いてあるなら、法務省は、司法試験について、何でも決められるんじゃないんですか。そこが、設置法のいちばん大事な注意です。設置法は、組織の規範です。その役所に、どんな仕事を割り振るかを決める法律です。ところが、受験資格や、試験の方法や、合格の決め方は、司法試験法という、別の法律に書いてあります。さきほどの、試験を行う委員会の事務も、司法試験法12条2項でした。所掌事務に書いてあることは、国民の権利義務を決める根拠ではありません。第1章で見た、組織規範と根拠規範の区別です。組織規範は、事務を割り振るだけです。相手に義務を課す力を与えるのは、根拠規範のほうです。係の名簿に名前が載っても、人の荷物を預かってよいことにはならない、でした。練習です。ある省の所掌事務に、「〜に関すること」と書いてあるとします。それだけで、国民に許可を取らせる義務を課せますか。

課せません。許可を取らせるには、権限を与える根拠規範が要ります。設置法に書いてあるのは、役所の仕事の範囲です。国民に義務を課す根拠は、別に必要です。

5つの名前の答えとまとめ

5つの名前の仕分け(公安調査庁=省の外局の庁〔3条機関〕/検察庁=特別の機関〔8条の3〕/司法試験委員会=審議会等〔8条機関〕/東京法務局=地方支分部局〔9条〕/刑務所=施設等機関〔8条の2〕/同じ法務省でも箱が5つ) 図:5つの名前の仕分け

  • 公安調査庁=省の外局の庁〔3条機関〕
  • 検察庁=特別の機関〔8条の3〕
  • 司法試験委員会=審議会等〔8条機関〕
  • 東京法務局=地方支分部局〔9条〕
  • 刑務所=施設等機関〔8条の2〕
  • 同じ法務省でも箱が5つ

最初の問いに戻ります。5つの名前を、1枚の板に並べました。公安調査庁は、省の外局の庁で、3条機関です。検察庁は、法務省の特別の機関で、8条の3の箱です。司法試験委員会は、審議会等で、8条機関です。東京法務局は、地方支分部局で、9条の箱です。刑務所は、施設等機関で、8条の2の箱です。同じ法務省の周りでも、箱は5つに分かれていました。検察庁は、庁と付いても、3条の庁ではありませんでした。司法試験委員会は、審議会等でも、試験を行う事務を持っていました。名前では決まらない。どの条文に置かれた箱か。これが、今日の答えです。

今日のまとめ(①箱は名前でなく条文で決まる=3条機関〔省・委員会・庁・設置は法律〕と8条機関〔審議会等・法律か政令〕/施設等機関・特別の機関・地方支分部局/②省・外局・内部部局・地方支分部局の位置関係=外局は長・規則を出す権限・設置の法律が内部部局と別/庁は3通り/③設置法は組織規範=設置→任務→所掌事務・処分の根拠は別の法律) 図:今日のまとめ

  • ①箱は名前でなく条文で決まる=3条機関〔省・委員会・庁・設置は法律〕と8条機関〔審議会等・法律か政令〕/施設等機関・特別の機関・地方支分部局
  • ②省・外局・内部部局・地方支分部局の位置関係=外局は長・規則を出す権限・設置の法律が内部部局と別/庁は3通り
  • ③設置法は組織規範=設置→任務→所掌事務・処分の根拠は別の法律

持ち帰りは、3つです。1つ目。箱は、名前ではなく、条文で決まります。省と、委員会と、庁は3条機関で、設置は法律。審議会等は8条機関で、法律か政令。ほかに、施設等機関と、特別の機関と、地方支分部局があります。2つ目。省は、大臣と、政務の人たちと、内部部局で組み立てられ、分担管理と総合調整の二本立てです。外局は、長と、規則を出す権限と、設置の法律が、内部部局とは別です。庁の置かれ方は、3通りあります。国の地方支分部局は、都道府県の出先機関とは別です。3つ目。各省設置法は、国家行政組織法の共通の基準を受けて、設置、任務、所掌事務を定めます。ただし、組織の規範で、国民の権利義務を決める根拠ではありません。次の動画から、国の組織を離れて、地方公共団体の組織に入ります。国と地方は別の行政主体でした。今日の最後に見た、国の出先機関と県の出先機関の区別は、次の動画の入口になります。

参照条文

  • 国家行政組織法3条3項
  • 国家行政組織法10条
  • 国家行政組織法12条1項
  • 国家行政組織法5条2項
  • 国家行政組織法7条
  • 国家行政組織法6条
  • 国家行政組織法13条1項
  • 国家行政組織法12条2項
  • 内閣府設置法49条
  • 国家行政組織法8条
  • 国家行政組織法8条の2
  • 国家行政組織法8条の3
  • 国家行政組織法9条
  • 地方自治法156条1項
  • 地方自治法156条4項
  • 国家行政組織法4条
  • 法務省設置法2条1項
  • 法務省設置法3条1項
  • 法務省設置法4条1項
  • 法務省設置法14条1項
  • 法務省設置法15条

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