判断過程審査②前(処分・計画・契約への広がり)
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第5章 行政裁量 #65/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
受刑者の手紙と、村の入札——裁判所は同じ質問をした
図:今日の問い
- 刑務所の受刑者が新聞社に宛てた手紙の不許可
- 山あいの村の入札で長年の業者が指名されなくなった措置
- まるで別の話なのに裁判所は同じ質問をした=何を考えて決めたのか・何を考えなかったのか
- 違うのは、考慮すべき事項の出どころ
入口に、2件の事件を並べます。1件目は、受刑者が新聞社に宛てた手紙を出したいと求めたのに、刑務所の所長が許さなかった事件。2件目は、山あいの村の公共工事の入札で、長年参加してきた建設業者が、ある年度から全く指名されなくなった事件です。刑務所の手紙と、建設業者の入札。分野がまるで別です。別です。ところが裁判所は、どちらの事件でも同じ質問をしました。何を考えて決めたのか。そして、何を考えていなかったのか。道筋を見る審査は、処分だけでなく、基準の改定や計画や契約にまで広がっています。今日の問いは、この広がりです。何が場面を越えて同じで、何が場面ごとに違うのか。先に言うと、違うのは、考慮すべき事項の出どころです。
図:統制の手法の地図
- 結果を見る=実体的な違法を類型化する〔すでに扱った〕
- 過程を見る=判断過程審査〔前々回と前回に型と下位基準・今日は広がり〕
- 手続を見る=手続的審査〔次回〕
地図を1枚だけ。行政裁量を統制する見方は、結果、過程、手続の三方向でした。結果の側は、もう見ました。過程の側は、前々回と前回で、型と下位基準を見ました。今日は、その過程の見方が、どこまで広がるかを見ます。
図:今日の持ち帰り
- 1 広がり=処分・基準の改定・計画・契約
- 2 生活扶助基準の判決で違法とされた理由
- 3 取り違えやすい点=差戻しは違法の確定でない・準則に違反しても当然違法ではない・国家賠償の違法と取消訴訟の違法は別
持ち帰りは三点です。一点目、処分や基準の改定や計画や契約への広がり。二点目、生活扶助基準の判決で、違法とされた理由。三点目、差戻しや準則違反や国家賠償をめぐる、取り違えやすい点です。下位基準は、他事考慮と、評価の明白な合理性欠如と、考慮不尽でした。この3つは、前回、学校施設の判決の結論の文を割って作った下位基準です。今日は、この3つを物差しにして、いろいろな判決を読み分けます。
処分への広がり——受刑者の手紙と、海岸の占用
図:信書の事案の関係図
- A=受刑者
- B=刑務所長
- C=新聞社
- AがBに新聞社あての手紙の発信許可を求める→Bが不許可→AはCに手紙を出せない
- Aは国に国家賠償を請求
1件目の事件です。受刑者Aが、新聞社Cに宛てた手紙を出したいと、所長Bに許可を求めました。中身は、Aが国会議員に送った請願書と、検察庁に送った告訴告発状について、取材と報道を求めるものです。Bは、権利救済や不服申立てのための手紙とは認められず、必要性もない、として不許可にしました。Aが求めたのは、不許可の取消しではなく国家賠償です。原審は請求を退け、最高裁が1万円の慰謝料を認めました。国家賠償の場面でも、同じ道筋の審査が使われる、ということです。当時の法律では、受刑者が手紙を出すには所長の許可が要りました。監獄法46条2項は、文言のうえでは、受刑者が親族でない人と手紙をやり取りするのは、特に必要があると認められる場合に限って許す、と読めました。今は法律が変わっていますので、判決が条文をどう読んだか、という考え方だけを見ます。所長Bは、この文言のとおりに、特に必要があるかだけを見ました。ところが最高裁は、条文を、憲法21条の趣旨から読み直します。
判例最判平18・3・23 集民219号947頁
受刑者の信書の発受と、その制限 表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨,目的にかんがみると,受刑者のその親族でない者との間の信書の発受は,受刑者の性向,行状,監獄内の管理,保安の状況,当該信書の内容その他の具体的事情の下で,これを許すことにより,監獄内の規律及び秩序の維持,受刑者の身柄の確保,受刑者の改善,更生の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当のがい然性があると認められる場合に限って,これを制限することが許されるものというべきであり,その場合においても,その制限の程度は,上記の障害の発生防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。
制限できるのは、具体的な事情の下で、規律や秩序の維持、身柄の確保、改善更生の点で、放置できない障害が生じる、相当のがい然性がある場合だけです。制限の程度も、必要で合理的な範囲に限られます。がい然性とは、そうなる見込みの度合いです。対照的な手紙を並べます。他の受刑者への暴行を指示する手紙なら、放置できない障害が生じる見込みは高いと言えます。すでに国会議員に送った請願書の内容を新聞社に伝えて、取材を頼むだけの手紙なら、障害が生じる見込みは、ほとんど考えにくいです。この事件の手紙は、後者でした。判決は、所長Bが、障害が生じる相当のがい然性があるかを、そもそも考慮しないで不許可にしたことは明らかだ、と言いました。しかも手紙の内容からは、がい然性があるとも言えません。そこで、裁量権の逸脱又は濫用で、監獄法46条2項の適用上違法、国家賠償法1条1項の適用上も違法と結論し、所長に過失もある、と述べました。下位基準で読むと、考慮すべき事項を考慮しなかった、考慮不尽の型です。判決は名付けていません。講学上の読みです。新しいのは、考慮すべき事項の出どころで、条文の文言ではなく、憲法の保障から導かれています。前回見た出どころのうち、権利の性質に当たる例です。ここで1問です。この判決で、所長が考慮しなかったとされたのは、何でしょうか?
必要性があるかという物差しで見て、放置できない障害が生じる相当のがい然性があるかを、考えなかったことです。見るべき問いが違っていました。権利が絡むので、裁判所は、見るべき問いまで具体的に絞っています。濃い側の審査です。
図:海岸の事案の関係図
- A=採石業者
- B=海岸管理者〔知事から権限の委任を受けた側〕
- C=地元の町長と漁協
- AがBに桟橋のための占用許可を申請→Bが不許可
- Bは約600m離れた漁港の区域に桟橋を設けるよう繰り返し勧告
- Aが不許可の取消しなどを求める
2件目は、海岸の占用の不許可です。公物の回で、許可できない場合と、妨げないときでも裁量がある場合の二段だけを見た判決です。今日は、その裁量をどう点検したかまで読みます。採石業者Aが、国有の海岸の区域に、岩石を積み出す桟橋を設けたいと考え、海岸法37条の4の占用の許可を申請しました。知事から権限の委任を受けた海岸管理者Bは、不許可にしました。Aが取消しなどを求め、原審は不許可を違法とし、最高裁は上告を棄却しました。
図:海岸の占用を許すかの二段
- 第一段=行政財産の用途や目的を妨げる占用は許可できない
- 第二段=妨げないときでも必ず許可しなければならないのではなく海岸法の目的などを勘案した裁量判断
- 理由=地域の実情に即して決めるしかない
注目するのは、結論が同じなのに、最高裁が理由を入れ替えたことです。海岸法には、占用を許すかの要件が、明文では書かれていません。判決は二段に読みます。第一段、海岸は行政財産ですから、用途や目的を妨げる占用は許可できない。第二段、妨げないときでも、必ず許可しなければならないのではなく、海岸法の目的などを勘案した裁量判断として、許可しないことが相当なら、しないこともできる。用途を妨げない占用でも許可しないことができる、そこに裁量がある、ということです。判決は理由も述べています。占用を許すかは、その地域の自然や社会の条件、海岸環境、海岸の使われ方を勘案して、地域の実情に即して決めるしかない。だから、その性質上、海岸管理者に任せるのでなければ適切な結果を期待できない、というのです。
図:原審と最高裁の読み方の違い
- 原審=規則の各号の1つに当たり用途も妨げないなら許可しなければならない
- 最高裁=この読み方を認めない・準則に違背しても裁量権の範囲内にとどまる限り当然に違法となるわけではない
原審との違いです。原審は、県の規則の各号の1つに当たり、用途も妨げないなら、許可しなければならないと読んで、違法としました。最高裁は、この読み方を認めません。行政庁が裁量に任された事項について定めた準則に違背しても、裁量権の範囲内にとどまる限り、当然に違法となるわけではない、と述べ、裁量の逸脱や濫用を理由に結論を支持しました。準則とは、裁量をどう使うかについて行政が定めた決まりで、ここでは県の規則がそれに当たります。準則と裁量審査の関係は、この章の後のほうの、裁量基準と裁量審査の回で詳しく見ます。
図:不許可を違法とした4つの事情
- 1 町長の反対意見などを重視して認可が拒否され取り消された経緯
- 2 漁協の同意書を取り直させ関係市町村長の同意がないことも理由にした
- 3 桟橋がなければ採石業が相当に困難
- 4 採石場から約600m離れた漁港の区域への桟橋を繰り返し勧告
逸脱をどう見たか。桟橋は用途や目的を妨げません。そのうえで、4つの事情があります。1つ目、以前、この業者の採石計画の認可が、地元の町長の反対意見などを重視するあまり、不認可の事由がないのに拒否されたとして、取り消された経緯。2つ目、管理者が、漁協の同意書を取り直させ、関係市町村長の同意がないことも理由の1つにしたこと。3つ目、桟橋がなければ、採石業が相当に困難になること。4つ目、環境や交通に格別の影響が見えないのに、約600メートル離れた漁港の区域に桟橋を設けるよう、実現の困難な手段を繰り返し勧告したこと。結論の文です。カードの上告人は、海岸管理者の側です。
判例最判平19・12・7 民集61巻9号3290頁
海岸の占用の不許可と、裁量権の逸脱・濫用 これらの事情を考慮すると,本件海岸の占用の許可をしないものとした上告人の判断は,考慮すべきでない事項を考慮し,他方,当然考慮すべき事項を十分考慮しておらず,その結果,社会通念に照らし著しく妥当性を欠いたものということができ,本件不許可処分は,裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるものというべきである。
図:4つの事情の読みと出どころ
- 2つ目=考慮すべきでない事項に近い
- 3つ目・4つ目=当然考慮すべき事項を十分考慮しなかった点に近い
- 1つ目=地元の意見を重視する拒否の姿勢が前にも咎められていた経緯
- 出どころ=手紙は憲法・海岸は海岸法の目的と地域の実情
前回の学校施設の判決の結論の文と、よく似た形です。判決は名指ししていません。読みですが、2つ目は考慮すべきでない事項に近く、3つ目と4つ目は、当然考慮すべき事項を十分考慮しなかった点に近いと読めます。1つ目は、地元の意見を重視するあまり拒否する姿勢が、前にも咎められていた経緯です。出どころも見ておきます。手紙の判決は憲法でした。海岸の判決は、海岸法の目的と地域の実情です。
基準の改定——生活扶助基準の判決
図:今日の位置
- 型①=専門機関の検討をたどる〔老齢加算の廃止は専門委員会の検討を経て適法〕
- 今日=大臣による基準の改定〔専門家の部会の意見を聴いていない部分がある〕
- 分かれ目=専門家に聴いたかでなく、専門的知見との整合性を説明できるか
ここで1問です。前々回に見た、老齢加算の廃止の判決を思い出してください。あの改定は、専門委員会の検討を経ていましたが、結論は適法でしたか、違法でしたか?適法でした。専門委員会の検討が、統計の数値や専門的な知見と合っていて、大臣もその意見に沿って判断していたので、過程に過誤はない、とされました。今日は、その延長に当たる判決です。専門家の部会の意見を聴いていない部分が、出てきます。これまでの回で何度か、最近の最高裁が生活扶助の基準の改定を違法とした、と触れてきました。その判決を、今日、正面から読みます。
図:生活扶助基準の改定の関係図
- A=厚生労働大臣
- B=専門家の部会
- C=生活扶助の受給者
- ゆがみ調整=Bの検証結果をAが2分の1だけ反映〔Bの意見は聴いていない〕
- デフレ調整=物価変動率のみを直接の指標にAが基準生活費を一律に減額
- Cが保護変更決定の取消しと国家賠償を求めた
事案です。生活扶助の基準は、厚生労働大臣Aが告示で定めます。Aは、この基準を引き下げる改定を行いました。改定は二本立てです。一本目はゆがみ調整。年齢や世帯の人数、住む地域によって、基準額の間にずれがあるのを直す調整で、専門家の部会Bの検証結果をもとにしますが、Aは、その結果の2分の1だけを反映させました。二本目はデフレ調整。物価の下落率を指標にして、基準生活費を一律に減らしました。受給者Cらは、この改定に基づく保護の変更決定の取消しと、国家賠償を求めました。審査の枠です。カードを2枚に分けて読みます。前提を一言。最低限度の生活は抽象的で相対的な概念で、基準に具体化するには、国の財政事情を含めた、高度の専門技術的な考察と、それに基づく政策的判断が必要です。そこで判決は、こう言います。
判例最判令7・6・27 民集79巻4号1640頁
生活扶助基準の改定と、大臣の裁量 そうすると、厚生労働大臣は、生活扶助基準を改定するに当たり、それにより基準生活費を減額されることとなる被保護者の期待的利益についての配慮の要否等を含め、上記のような専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権を有しているものというべきであり、本件改定は、その判断に上記見地からの裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある場合に、生活保護法3条、8条2項に違反して違法となるものと解される。
大臣には、専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権があり、改定は、その判断に逸脱や濫用がある場合に、生活保護法の3条と8条2項に違反して違法になります。続きは、裁判所が何を見るか、です。
判例最判令7・6・27 民集79巻4号1640頁
生活扶助基準の改定と、審理の観点 そして、生活扶助基準の改定の要否の判断の前提となる最低限度の生活の需要に係る評価や被保護者の期待的利益についての配慮は、上記のような専門技術的な考察に基づいた政策的判断であるところ、これまでも生活扶助基準の改定に際しては、専門家により構成される合議制の機関等により、各種の統計や資料等に基づく専門技術的な検討がされてきたところである。これらの経緯等に鑑みると、厚生労働大臣の上記の裁量判断の適否に係る裁判所の審理においては、主として本件改定に至る判断の過程及び手続に過誤、欠落があるか否か等の観点から、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性の有無等について審査されるべきものと解される。
これまでも専門家による合議制の機関が検討をしてきたので、裁判所は、主として、改定に至る判断の過程と手続に過誤や欠落があるかを見ます。統計などの数値との合理的関連性と、専門的知見との整合性を審査する。前々回の判決と同じ枠です。
図:二本の調整の違いの比較
- ゆがみ調整=部会の検証結果を2分の1だけ反映・2分の1処理について部会の意見は聴いていない→適法〔法令は部会の審議を求めず・意見は大臣を拘束しない考慮要素の一つ〕
- デフレ調整=物価変動率のみを直接の指標にして一律に減額→専門的知見との整合性を欠き、過程及び手続に過誤、欠落があった=違法
老齢加算のときは専門委員会の検討がありましたけど、今回は、専門家の部会の意見を聴いていない部分があるんですよね。聴いていないなら、それだけで違法になるんですか。そこが、いちばんのつまずきどころです。結論から言うと、違います。判決は、二本の調整を別々に判断しました。ゆがみ調整の2分の1処理は、適法でした。部会の検証結果に問題はなく、児童のいる世帯への影響に配慮して、反映する割合を限ることには合理性がある、と判断しています。大臣は、この2分の1処理について、部会の専門家の意見を聴いていませんでした。しかし判決は、法令は部会の審議を経ることを求めておらず、意見を経ても大臣を法的に拘束せず、考慮要素の一つにとどまるから、聴かなかったことをもって過誤や欠落があったとは言えない、と述べました。意見を聴かなかったこと自体は、過誤とされていません。
図:デフレ調整が違法とされた筋道
- 1 改定の指標を何にするかは法令に定めが無く大臣の裁量判断
- 2 最低限度の生活の需要を満たす=生活扶助では最低限度の消費水準の保障・水準均衡方式も一般国民の消費の動きを踏まえる方式
- 3 物価は消費に影響する要素の一つ・物価のみでは消費実態の指標として限界
- 4 物価変動率のみを直接の指標とするには、物価と最低限度の消費水準の関係や従来方式との連続性について専門的知見に基づく十分な説明が必要
- 5 国の説明=以前の専門委員会の中間取りまとめに物価指数の伸びも指標の一つと記されていた等を挙げるのみ→十分でない
違法とされたのはデフレ調整です。デフレ調整は、平成20年度から24年度まで基準の見直しが行われないまま、物価も賃金も家計の消費も下がり、基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じた、それを正すための調整でした。判決は、不均衡が生じたという大臣の判断そのものは、問題にしていません。問われたのは、正すときの物差しです。筋道を追います。まず、改定の指標を何にするかは、法令に定めがなく、大臣の裁量判断に委ねられます。次に、最低限度の生活の需要を満たすとは、生活扶助では、最低限度の消費水準を保障することと理解されてきました。長く使われてきた水準均衡方式も、一般国民の消費の動きを踏まえる方式です。さらに、物価は、消費に影響する要素の一つにすぎず、動けば同じだけ消費水準が動くとは言えません。物価変動率だけでは、消費実態を把握する指標として限界があります。だから、物価変動率のみを直接の指標とするには、物価と最低限度の消費水準の関係や、従来の方式との連続性を含めて、その合理性について、専門的知見に基づく十分な説明が必要です。ところが国は、以前の専門委員会の中間取りまとめに、物価指数の伸びも指標の一つとして考えられると書かれていた、といったことを挙げるだけで、十分な説明をしていません。結論のカードです。
判例最判令7・6・27 民集79巻4号1640頁
デフレ調整と、専門的知見との整合性 そうすると、デフレ調整における改定率の設定については、上記不均衡を是正するために物価変動率のみを直接の指標として用いたことに、専門的知見との整合性を欠くところがあり、この点において、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったものというべきである。
物価変動率のみを直接の指標としたことに、専門的知見との整合性を欠き、その点で、判断の過程と手続に過誤や欠落があった、という結論です。ここで1問です。デフレ調整が違法とされたのは、専門家の意見を聴かなかったからでしょうか?違います。物価変動率だけを指標にすることの合理性について、専門的知見に基づく十分な説明がされなかったからです。分かれ目は、専門家に聴いたかどうかではなく、専門的知見との整合性を説明できるかどうかです。専門機関の検討があれば、それをたどって整合性を確かめやすい。検討が無い部分では、大臣自身の判断を、専門的知見との整合性で点検します。検討を経ていないことは、裏づけが無いと見る事情の一つにはなります。型①の延長です。専門技術的で政策的な広い裁量を認める場面でも、道筋の点検は及び、違法になりうる、ということです。たとえば、町が、家計の食費の目安額を、スーパーの値札の平均が下がったから、という一点だけを根拠に、一律で下げたとします。値札が下がっても、人が食べる量や買い方が、同じだけ動くとは限りません。値札だけを指標にするなら、値札と食費の関係を説明できる、専門的な裏づけが要ります。判決の指摘と、同じ形です。反対に、食費の実態の統計も見て、値札の動きは、その一部として使ったのなら、説明の負担はずっと軽くなります。境目は、使った指標が、消費実態との関係で説明できるかどうかです。
⭐ 論文で書く規範:解釈(判例):生活扶助基準の改定は、大臣の専門技術的かつ政策的な裁量に属し、主として、改定に至る判断の過程及び手続に過誤、欠落があるか否かの観点から、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性の有無等を審査する。ゆがみ調整の2分の1処理では、専門家の意見を聴取しなかったことは過誤、欠落に当たらない。デフレ調整では、物価変動率のみを直接の指標とする合理性につき、専門的知見に基づく十分な説明を欠いた点が、過誤、欠落に当たる (短答・論文共通)
図:国家賠償は別の物差し
- 取消しの請求=認められた
- 国家賠償の請求=改定が違法でも直ちに違法にはならず、大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさず漫然と改定をしたと認められる事情がある場合に限る→本件はその事情が無く否定
もう一点、国家賠償です。判決は、改定が違法でも、そこから直ちに国家賠償法1条1項の違法になるわけではなく、大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさず、漫然と改定をしたと認められるような事情がある場合に限る、としました。本件ではその事情は無いとして、国家賠償は認めませんでした。取消しの請求は認められ、国家賠償の請求は認められなかった、ということです。公定力の限界を見た回で、国家賠償の違法は、公務員が職務上の法的義務に違反したかで見る、と触れました。処分そのものの違法を問う取消訴訟とは、問いが違うのです。詳しくは、国家賠償法の回で見ます。
計画と契約への広がり——公園の区域と、指名競争入札
図:計画の判断の特徴
- 都市施設の規模・配置を決める基準は抽象的
- 諸般の事情を総合考慮し政策的・技術的な見地から判断することが不可欠
- だから決める行政庁の広範な裁量に委ねられる
- それでも違法になる場合の言い方がある
次は計画です。都市計画の判決は、前に、事実の基礎を欠く場合の言い方を比べた回で、重要な事実の基礎を欠く、という形と、結論が適法だったことだけ見ました。今日は、その審査の言い方を一つ取り出します。都市施設の規模や配置を決める基準は、法律では抽象的にしか書かれていません。諸般の事情を総合的に考慮して、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠なので、判断は行政庁の広範な裁量に委ねられる、というのが判決の出発点です。広範な裁量でも、裁判所が口を出せないわけではありません。違法になる場合の言い方があります。整理して示します。
⭐ 論文で書く規範:解釈(判例):都市施設に関する都市計画の決定・変更は、行政庁の広範な裁量にゆだねられる。違法となるのは、基礎とされた重要な事実の誤認等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等により、その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限る (短答・論文共通)
読み分けます。一つ目は、重要な事実の基礎を欠く場合。二つ目は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、つまり評価の明白な合理性欠如と、判断の過程で考慮すべき事情を考慮しないこと、つまり考慮不尽です。他事考慮の語はありませんが、末尾に「等」が付いています。「等」は、挙げたものに限らない、という印です。ですから、考慮すべきでない事情を考慮した場合も、この枠から外れない、と読めます。広範な裁量を認めながら、道筋の点検の言葉を使っている点が特徴です。計画の中身を順に読む作業は、都市計画の回で行いますので、今日は言い方だけ持ち帰ってください。たとえば、町が新しい図書館の建設地を、いくつかの候補地から選ぶ場面です。どこが最適かは、広い裁量に属します。裁判所は、別の候補地のほうが良かった、とは言いません。ただし、選んだ土地は駅から歩いて5分、という前提が、実は川に阻まれて迂回に40分かかる、という事実の誤りの上に立っていたなら、重要な事実の基礎を欠きます。選び方の広さと、土台の確かさは、別の問題です。
図:公園の区域の事案の関係図
- A=建設大臣〔国〕
- B=民有地の所有者ら
- 民有地の隣に国有地〔公務員宿舎の敷地〕
- AがBの民有地を南門と区道の接続部分として公園の区域に含める都市計画決定→事業認可
- Bが事業認可の取消しを求めた
- 最高裁=破棄差戻し
1件目の事件は、公園の区域です。旧林業試験場の跡地に公園を造る都市計画で、南門と区道をつなぐ部分として、民有地が区域に含まれました。隣には、国有地、つまり公務員宿舎の敷地があります。建設大臣Aの事業認可に対し、民有地の所有者Bらが取消しを求め、原審は請求を棄却しました。原審は、林業試験場には貴重な樹木が多く、保全のため南門の位置は現状のままになる、それなら民有地を区域にしたことは合理性に欠けない、と考えました。最高裁は、原審の判決を破棄して、審理をやり直させるために差し戻しました。
判例最判平18・9・4 集民221号5頁
都市施設の区域と、公有地の利用 都市施設は,その性質上,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定めなければならないものであるから,都市施設の区域は,当該都市施設が適切な規模で必要な位置に配置されたものとなるような合理性をもって定められるべきものである。この場合において,民有地に代えて公有地を利用することができるときには,そのことも上記の合理性を判断する一つの考慮要素となり得ると解すべきである。
都市施設の区域は、適切な規模で必要な位置に配置されたものになる合理性をもって定められるべきで、民有地に代えて公有地を使えるなら、そのことも、合理性を判断する考慮要素になりうる、と言っています。判決は、民有地を使えるのは公有地では足りないときに限る、とは言っていません。それでも、公有地が使えるかは考慮要素になる。この考慮要素は、旧都市計画法に書かれておらず、都市施設の性質から導かれています。なぜ効くのか。民有地を区域に入れると、その所有者は、区域の中で建物を建てることを制限されるなど、重い負担を負います。同じ働きを隣の公有地で果たせるなら、あえて民有地を選んだことの合理性が問われる、という読みです。原審は、樹木保全のために南門は現状のままが望ましい、という大臣の判断が合理性を欠くかを判断するに足りる、具体的な事実を確定していませんでした。国有地を使うと樹木に悪影響が出るのか。出るとして、植え替えなどで避けられないのか。更に審理を尽くさせるため、差し戻したのです。
最高裁は、民有地を公園の区域に入れた都市計画を、違法とは判断していません。最高裁は、法律の解釈を示す裁判所で、事実を自分で確かめ直すことはしません。事実が確かめられていないまま、違法と決めることもできない。差戻しの段階では、違法とも適法とも決まっておらず、違法の確定ではありません。ただし筋道は示しています。南門を現状のままとする判断が合理性を欠くと言える場合には、さらに、民有地と国有地の利用の現状や将来の見通しなどを勘案して、民有地を区域とした判断が合理性を欠くかを見る。欠くなら、他に特段の事情がない限り、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとして、違法になります。場合を分けて並べます。同じ目的を果たせる公有地が隣にあるのに、理由を示さず民有地ばかりを区域に入れたなら、考慮要素を考えていない疑いが濃くなります。公有地では広さが足りず目的を果たせないなら、民有地を使うことに問題はありません。決め手は、公有地の利用可能性という考慮要素を、きちんと秤にのせたかどうかです。
図:入札の事案の関係図
- A=建設業者
- B=村〔村長〕
- AはBの指名競争入札に長年参加して工事を受注→Bが村外業者に当たるとして、ある年度以降は全く指名しない→Aが国家賠償を請求
- 最高裁=一部破棄差戻し〔反対意見あり〕
2件目は、契約の場面です。徳島県の山あいの旧村が、公共工事を指名競争入札で発注していました。指名競争入札は、役所があらかじめ選んで指名した業者だけが加われる入札です。誰でも加われる一般競争入札と違って、指名されなければ、入札に参加することさえできません。建設業者Aは、長年その入札に参加して受注していましたが、村Bは、ある年度以降、Aは主たる営業所が村内に無い村外業者だとして、全く指名しなくなりました。Aは国家賠償を求め、原審は適法としましたが、最高裁は一部を破棄して差し戻しました。反対意見も付いています。
処分ではありませんが、公共工事の契約相手を選ぶ場面でも、同じ型の審査が使われました。争い方は国家賠償です。まず、地方自治法234条です。
条文地方自治法234条1項・2項
地方自治法第234条第1項・第2項 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。 2 前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。
図:指名競争入札と法令の趣旨
- 条文の骨格=契約は四つの方法のどれかで結び指名競争入札などは政令が定める場合に限る
- 判決の読み=一般競争入札が原則・ほかは例外
- 法令の狙い=機会均等・公正性・透明性・経済性
- 出どころ=法令の趣旨
骨格は、契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りのどれかで結び、指名競争入札などは、政令が定める場合に限って使える、です。判決は、経費が住民の税金で賄われることから、機会均等の理念に最も適合して公正で、価格の有利性も確保できる一般競争入札を原則にして、ほかを例外にする定め、と読みました。公共工事の入札と契約の適正化を促す法律とも合わせて、法令は、機会均等、公正性、透明性、経済性を確保しようとしている、とまとめます。考慮すべき事項の出どころが、法令の趣旨になる例です。
図:地元優先の指名の合理性と限界
- 合理性=現場に近く確実な履行・地元経済の活性化
- 限界=村内業者だけを指名する運用が常に合理的とは言えない
- この村=運用基準が明定されず判定基準も不明確
- この業者=長年の実績があり判定も微妙
そのうえで判決は、地元企業を優先する指名自体には、合理性を認めました。現場に近く契約の確実な履行が期待できること、地元の経済の活性化にも寄与することです。しかし、村内業者では対応できない工事以外は村内業者だけを指名する運用が、常に合理的とは言えません。村内業者と同じ条件を満たす村外業者もありえますし、競争性の低下を防ぐ観点もあります。しかもこの村では、運用基準が明定されず、村内業者かどうかの判定基準も不明確で、恣意的な運用が可能になり、法令の趣旨にも反する、と言います。一方この業者は、長年、村内業者として指名と受注の実績があり、判定も微妙でした。結論の部分を読みます。カードの上告人は、業者のことです。
判例最判平18・10・26 集民221号627頁
指名競争入札で、村外業者を指名しない措置 このような上告人につき,上記のような法令の趣旨に反する運用基準の下で,主たる営業所が村内にないなどの事情から形式的に村外業者に当たると判断し,そのことのみを理由として,他の条件いかんにかかわらず,およそ一切の工事につき平成12年度以降全く上告人を指名せず指名競争入札に参加させない措置を採ったとすれば,それは,考慮すべき事項を十分考慮することなく,一つの考慮要素にとどまる村外業者であることのみを重視している点において,極めて不合理であり,社会通念上著しく妥当性を欠くものといわざるを得ず,そのような措置に裁量権の逸脱又は濫用があったとまではいえないと判断することはできない。
図:村外業者を指名しない措置の読み
- 措置=形式的に村外業者に当たるとしてそのことのみを理由におよそ一切の工事で全く指名しない
- 判決=一つの考慮要素にとどまる事情のみを重視した点で極めて不合理
- 結論=仮定形・違法の確定ではなく差戻し
- 読み=他事考慮と考慮不尽の両方に近い
形式的に村外業者に当たると判断し、そのことのみを理由に、およそ一切の工事で全く指名しない措置を採ったとすれば、一つの考慮要素にとどまる事情のみを重視した点で、極めて不合理で、社会通念上著しく妥当性を欠く、と言います。なぜ、そこまで言えるのか。村外業者かどうかは、現場への近さや履行の確実さを測る目安の一つにすぎません。その目安を、長年の実績も工事の中身も見ずに、すべての工事から外す唯一の理由にした。目安の一つを結論そのものにしてしまった点が、極めて不合理とされたのです。仮定形に注意してください。最高裁は違法を確定したのではなく、他の事情を含めて審理を尽くさせるため、差し戻しました。下位基準では、他事考慮と考慮不尽の両方に近いと読めます。ただし判決が名付けたわけではなく、読みです。ここで1問です。入札の判決は、村外業者であることを考慮に入れること自体を、違法としたでしょうか?
違います。地元企業を優先する合理性は肯定されていて、問題にされたのは、それだけを重視して、ほかの条件を全く見なかった点です。考慮してはいけないのではなく、それだけを重視したことが問題でした。
図:広がりの一覧と、考慮要素の出どころの比較
- 場面と考慮要素の出どころ
- 処分=受刑者の手紙の不許可〔憲法21条の趣旨〕→違法・国家賠償も認める
- 処分=海岸の占用の不許可〔海岸法の目的と地域の実情〕→違法
- 基準の改定=生活扶助基準〔専門的知見との整合性〕→デフレ調整は違法・ゆがみ調整は適法・国家賠償は否定
- 計画=公園の区域〔都市施設の性質〕→破棄差戻し
- 契約=指名競争入札〔地方自治法等の趣旨〕→一部破棄差戻し
- 計画=都市計画の定式〔広範な裁量〕→適法
一覧にします。処分、基準の改定、計画、契約。場面は違っても、見る問いは同じです。何を考慮すべきだったか。その出どころはどこか。そして、考慮しなかったか、重く見すぎたか。前回、出どころの主なものを、根拠法令の趣旨と目的、権利や利益の性質、従前の経緯の3つに整理しました。手紙は権利の性質、海岸と入札は法令の趣旨と目的に当たり、海岸の1つ目の事情は経緯にも当たります。専門的知見と都市施設の性質は、その3つの外にも出どころがあることを示す例です。この型が、分野を越えて使える道具になっています。
今日の地図(保存版)
図:今日の整理
- 広がり=処分・基準の改定・計画・契約
- 同じ質問=何を考えて決めたか・何を考えなかったか
- 違うのは考慮すべき事項の出どころ=憲法・法令の趣旨・専門的知見・都市施設の性質
- 生活扶助基準の判決=専門家に聴いたかでなく専門的知見との整合性
- 取り違えやすい点=差戻し・準則違反・国家賠償
冒頭の問いに答えます。受刑者の手紙の不許可と、村の入札で長年の業者を指名しなくなった措置。まるで別の話ですが、裁判所は、どちらでも、何を考えて決めたのか、何を考えていなかったのかを点検しました。手紙の件では、放置できない障害が生じる相当のがい然性を、考慮していませんでした。入札の件では、村外業者であることだけを重視した、と読める措置でした。同じ質問ができるのは、どうしてなんでしょうか。裁量に任せるといっても、行政庁が秤にのせるべき物は、根拠になる憲法や法令の趣旨から決まっているからです。手紙では憲法の保障が、入札では法令の趣旨が、その出どころでした。違うのは出どころで、質問は同じです。持ち帰りを確認します。一点目は広がりです。道筋を見る審査は、処分と、基準の改定と、計画と、契約にまで広がりました。考慮すべき事項の出どころは、憲法、法令の趣旨、専門的知見、都市施設の性質と、場面ごとに違いました。二点目は、生活扶助基準の判決です。違法の理由は、専門家の意見を聴かなかったことではなく、物価変動率のみを指標とする合理性について、専門的知見に基づく十分な説明が無かったことでした。三点目は取り違えやすい点で、差戻しは違法の確定ではなく、準則に違背しても裁量内なら当然には違法にならず、国家賠償の違法は取消訴訟の違法と別です。
図:今日の短答の誤り肢
- 最近の生活扶助基準の判決は専門家の意見を聴かなかったことを理由に改定を違法とした〔誤り〕
- 生活扶助基準の判決は改定を違法としたので国家賠償も認めた〔誤り〕
- 公園の区域の判決は民有地を含めた都市計画決定を違法とした〔誤り〕
- 入札の判決は村外業者であることを考慮することを許さないとした〔誤り〕
- 海岸の判決は規則の各号に当たり用途を妨げないなら許可しなければならないとした〔誤り〕
- 都市計画の判決は広範な裁量があるので道筋の点検は及ばないとした〔誤り〕
最後に、短答の誤り肢です。最近の生活扶助基準の判決は、専門家の意見を聴かなかったことを理由に、改定を違法とした、は誤りです。違法の理由は、物価変動率のみを直接の指標とする合理性について、専門的知見に基づく説明が無かった点です。生活扶助基準の判決は、改定を違法としたので、国家賠償も認めた、も誤りです。取消しは認められましたが、大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかった事情は無いとして、国家賠償は認められませんでした。公園の区域の判決は、民有地を含めた都市計画の決定を違法とした、も誤りです。破棄差戻しで、違法の確定ではありません。入札の判決は、村外業者であることを考慮することを許さないとした、も誤りです。地元優先には合理性があり、それだけを重視した点が問題とされました。海岸の判決は、規則の各号に当たり用途を妨げないなら許可しなければならないとした、も誤りです。裁量を認め、裁量の逸脱や濫用を理由に違法としました。都市計画の判決は、広範な裁量があるので、道筋の点検は及ばないとした、も誤りです。広範な裁量を認めながら、重要な事実の基礎を欠くことや、考慮すべき事情を考慮しないことを、違法の場合として挙げています。
参照条文
- 地方自治法234条1項・2項