刑法 ゼロから刑法#47

脅迫罪・強要罪——「訴えるぞ」は脅迫になるか

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第10章 自由・私生活の平穏に対する罪 ②/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

保護法益——意思決定の自由(+抽象的危険犯) 〔短答・論文共通〕

保護法益=個人の意思決定の自由(通説)。#46の身体活動の自由(動く自由)に対し、本回は「何をするか自分で決める自由」。※私生活の平穏・安全感を重視する有力説もある(論者名は措く)。法的性質=抽象的危険犯(現実に畏怖した=意思の自由が現実に侵害された、は不要)。告知が一般人を畏怖させるに足りる程度であれば、相手が動じなくても既遂。強要罪(侵害犯=結果が必要)との最大の違い。たとえ=自分のハンドルから手を離させようとした時点でアウト(離したかは問わない)。

まず保護法益。脅迫罪が守るのは、個人の意思決定の自由です。前回の身体活動の自由が「動く自由」なら、今回は「決める自由」。なお、私生活の平穏を重視する有力説もありますが、中身で押さえます。ここで大事な性質。脅迫罪は抽象的危険犯です。現実に侵害された結果は要らない。危険があれば成立する罪です。つまり、相手が実際に怖がったかは問わない。たとえで言いますね。意思決定の自由を、ハンドルだと思って。脅迫罪は、そのハンドルから手を離させようとした時点でアウト。そこです。怖がらせようとした、その告知で既遂。これが抽象的危険犯。後で出る強要罪は、実際にハンドルを奪って曲げさせる。結果が要る。

「脅迫」の意義——畏怖させる害悪の告知 〔短答・論文共通〕

「脅迫」=一般人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知。相手方が告知を認識すれば足り、現実に畏怖したことは不要(大判明43・11・15)。畏怖させうる程度か=告知内容+相手の性別・年齢・周囲の状況を総合考慮。同じ文言でも、相手・状況しだいで「脅迫」になったりならなかったり。〔判例〕火事がないのに「出火お見舞い申し上げます」の葉書を対立相手に郵送→対立抗争下では放火を畏怖させる=脅迫罪成立(最判昭35・3・18・後でcase)。自前例=火の気のない家のポストに「次は燃えるかもね」と書いた紙を投函。

では「脅迫」とは何か。定義をしっかり押さえます。「脅迫」とは、一般人を畏怖させるに足りる程度の、害悪の告知です。ここでも、相手が告知を認識すれば足りる。では、怖がらせる程度かどうか、どう判断するか。告知の内容に加えて、相手の性別・年齢、周囲の状況を総合考慮します。そこが面白い所。例えば、火の気もない家のポストに紙を入れる。「次は燃えるかもね」。これだけでも、状況しだいで脅迫になりうる。実は有名な判例があります。後でカードで見せますね。

告知する害悪の条件——①支配しうる害悪/②制限列挙 〔短答頻出〕

告知する害悪の条件。①支配しうる将来の害悪=告知者が左右しうる害悪に限る。×「天罰が下るぞ」=自分で起こせない/○「お前の車に火をつけるぞ」=起こせる。※支配を装えば足りる。②加害対象は制限列挙=本人・親族の生命/身体/自由/名誉/財産。×「お前の恋人を痛めつけるぞ」=恋人は親族でない→脅迫罪不成立。※友人・内縁も同様に対象外。①は「自分で実現できると思わせるか」、②は「条文の列挙に入るか」。恋人への加害告知が脅迫罪にならないのは直感に反する所。

「脅迫」なら何でもいいわけではない。害悪に二つの条件があります。一つ目。告知する害悪は、告知者が支配しうる将来の害悪に限る。例えば「天罰が下るぞ」。これは脅迫になりません。一方「お前の車に火をつけるぞ」は、自分で起こせる。ただし、実際に支配していなくても、支配を装えば足ります。二つ目の条件。加害の対象は制限列挙です。本人または親族の、生命・身体・自由・名誉・財産だけ。それが、脅迫罪になりません。恋人は親族ではないからです。条文の列挙に入らない。そこが短答の引っかけ所。友人や内縁の相手も、同じく対象外です。

🔴山場①——「告訴するぞ」は脅迫か(権利行使と脅迫の限界) 〔論文の骨格〕

🔴山場① 「告訴するぞ」は脅迫か。二段構えで考える。STEP①一般人を畏怖させうる告知か→適法行為の告知でも人を畏怖させることは可能→∴Yes=「脅迫」に該当する(構成要件該当)。STEP②その告知は権利の行使として正当といえるか→正当の範囲内(Yes)=例「払わなければ法的手続をとります」→正当行為(35条)で違法性阻却→脅迫罪は不成立/正当の範囲を逸脱(No)=真に告訴意思なく畏怖目的・手段が不正・目的と関連性なし→脅迫罪が成立。

さあ山場①。冒頭の「告訴するぞ」の問題です。これは二段構えで考えると、すっきり腑に落ちます。まずSTEP①。その告知は、一般人を畏怖させうるか。適法行為の告知であっても、人を畏怖させることは可能です。だから「脅迫」には該当する。ここまでが構成要件該当性。当たります。でもここで終わりではない。STEP②があります。STEP②。その告知は、権利の行使として正当といえるか。正当なら、正当行為、35条で違法性が阻却される。脅迫罪は不成立。例えば「払わなければ法的手続をとります」。これは正当の範囲内。でも、正当の範囲を逸脱すると、35条で阻却されず脅迫が残る。真に告訴する気もなく、ただ怖がらせる目的だったり、手段が不正だったり。畏怖させうる以上「脅迫」に該当、but正当なら35条阻却。では、逸脱の例を関係図で具体的に見ましょう。

山場①の自前設例。甲(債権者)が乙(債務者)に対し、①「金を返さないと、お前の浮気を会社中にバラすぞ」、②畏怖させる目的(権利行使を装う口実)、③暴露は債権回収と無関係=手段が不正・目的と無関連。畏怖させうる以上「脅迫」に該当。だが権利行使として正当でない(手段が不正)→35条で阻却されず脅迫罪が成立。

甲は乙にお金を貸している債権者。返済を迫りたい。でも甲は「返さないと、お前の浮気を会社中にバラすぞ」と告げた。浮気の暴露は、借金の取立てとは無関係。手段が不正です。畏怖させうる以上「脅迫」に該当。そして権利行使として正当でないから、35条では阻却されない。なお、お金を出させる財産目的に発展すると恐喝罪の問題。それは後の回、恐喝罪で詳しくやります。

🔴山場②——法人に脅迫罪は成立するか 〔短答・論文の骨格〕

🔴山場② 法人に脅迫罪は成立するか(「人」に法人は含まれるか)。法人自体への脅迫罪=✗:「人」に法人は含まれない(通説)。∵意思決定の自由を享受しうるのは自然人に限られる→法人自体への脅迫罪は不成立。but自然人への脅迫罪=○:A社宛の脅迫文でも、それを読んだ社長個人(自然人)が畏怖すれば→社長個人への脅迫罪が成立。客体はあくまで自然人。通説は否定(少数の有力説は、法人も機関を通じ意思決定しうるとして肯定)。実務の落とし穴=法人を脅しても、現実に畏怖した自然人がいれば、その自然人への脅迫罪は別途成立。

山場②。会社を脅したら、会社への脅迫罪になるか。条文の「人」に、法人は含まれないと考えるのが通説です。保護法益は意思決定の自由。それを享受できるのは自然人だけだから。だから法人自体に対する脅迫罪は成立しません。あります。法人も機関を通じて意思決定しうる、という有力説です。でも通説は否定。ここで実務の落とし穴を一つ。会社宛に脅迫文を送ったとします。会社自体には脅迫罪は成立しない。でも、その文を読んだ社長個人が現実に怖がったら。社長個人に対する脅迫罪は、別途成立する余地がある。そこが核心です。法人不成立と、自然人への成立を、混同しないこと。

告知の方法・故意 〔短答〕

告知の方法/故意(短答)。①告知の方法=制限なし。文書・口頭・態度・メール、いずれでもよい。例=凶器を示して「金を出せ」=態度による脅迫も成立。②故意=告知内容の認識+相手が認識することの予見で足りる→告知した害悪を実現する意思の有無は問わない。例=本気で殴る気がなくても「殴るぞ」と言えば、脅迫罪の故意あり。ここは直感に反する=「本気じゃなくても成立」を押さえる(短答頻出)。実現意思まで要らないのは、保護法益が「畏怖させない=意思決定の自由」だから。

短答向けに、告知の方法と故意を整理します。まず方法。告知の方法に制限はありません。文書・口頭・態度・メール、何でもよい。なります。例えば、凶器を見せて「金を出せ」。これは態度による脅迫。次に故意。ここが引っかけ所です。故意は、告知内容の認識と、相手が認識する予見で足ります。いりません。実現する意思の有無は問わない。「殴るぞ」と言えば、脅迫罪の故意があります。なぜか。守るのは、怖がらせない自由、意思決定の自由だから。

脅迫概念の3段階——広義・狭義・最狭義 〔短答頻出〕

脅迫概念の3段階。同じ「脅迫」でも罪によって厳しさが違う。広義=加害の対象・程度を問わない(人を畏怖させる害悪の告知一般)=公務執行妨害罪95・威力業務妨害罪234・騒乱罪。狭義★本回=本人・親族の生命・身体・自由・名誉・財産への加害の告知に限定=脅迫罪222・強要罪223。最狭義=相手方の反抗を抑圧する/著しく困難にする程度(最も厳しい脅し)=強盗罪236・強制性交等罪177。本回の脅迫罪・強要罪は狭義(対象は本人・親族に限定)。強盗・強制性交等の最狭義は#56・#49で別途。

もう一つ短答頻出。脅迫概念の3段階です。同じ「脅迫」でも、罪によって、必要な脅しの厳しさが違うんです。一番ゆるいのが広義。加害の対象も程度も問わない。公務執行妨害罪や、威力業務妨害罪、騒乱罪などです。真ん中が狭義。これが本回、脅迫罪と強要罪。対象が本人・親族の五つの利益に限定される。一番厳しいのが最狭義。相手の反抗を抑圧する程度の脅し。強盗罪や強制性交等罪。これは#56や#49で別途やります。

強要罪(223条)——脅迫罪の加重類型 〔短答・論文共通〕

強要罪(223条)=脅迫罪の加重類型。保護法益=意思決定の自由(脅迫罪と同じ)+意思実現(強制)まで侵害する点が重い。法的性質=侵害犯(脅迫罪=抽象的危険犯と対比)。結果の発生が必要。行為=狭義の脅迫または広義の暴行(身体に直接向けなくてよい不法な有形力。暴行罪208の狭義の暴行とは違う)。結果=①義務のないことを行わせ(土下座・謝罪文)/②権利の行使を妨害(被害届の取下げ・告訴中止)。因果関係=脅迫・暴行→現実に畏怖→強制。畏怖せず哀れみ等で行えば未遂。未遂処罰あり(223③)。

では強要罪。脅迫罪の加重類型です。保護法益は同じ意思決定の自由。でも一歩踏み込む。怖がらせるだけでなく、意思の実現、強制まで侵害する。だから法的性質は侵害犯。結果の発生が必要です。そこが核心の対比です。行為は、狭義の脅迫または広義の暴行。違います。身体に直接向けなくてよい、不法な有形力です。そして結果が二つの類型に分かれます。図で見ましょう。一つ目は、義務のないことを行わせた。土下座させる、謝罪文を書かせる、退職届を書かせる。二つ目は、権利の行使を妨害した。被害届の取下げを強いる、告訴を中止させる、など。因果関係も大事。脅迫・暴行から、現実に畏怖して、強制に至る。だから、怖がらず哀れみなどで行えば、因果関係を欠いて未遂。します。223条3項。脅迫罪に未遂処罰がない点と、はっきり対比です。

脅迫罪 vs 強要罪 対比 〔短答・論文共通〕

🔴脅迫罪 vs 強要罪 対比(6つの軸)。①保護法益=脅迫罪:個人の意思決定の自由/強要罪:意思決定の自由+意思実現(強制)。②法的性質=脅迫罪:抽象的危険犯(畏怖は不要)/強要罪:侵害犯(結果の発生が必要)。③行為=脅迫罪:狭義の脅迫のみ/強要罪:狭義の脅迫+広義の暴行。④畏怖の要否=脅迫罪:不要(告知すれば既遂)/強要罪:必要(現実に畏怖→強制)。⑤未遂処罰=脅迫罪:なし/強要罪:あり(223条3項)。⑥法定刑=脅迫罪:2年以下の拘禁刑or30万円以下の罰金/強要罪:3年以下の拘禁刑。分かれ目は②=抽象的危険犯か侵害犯か。

ここで、脅迫罪と強要罪を一枚の表で対比します。軸は六つ。保護法益、法的性質、行為、畏怖の要否、未遂処罰、法定刑。でも分かれ目は一点。②の法的性質です。脅迫罪は怖がらせた段階で成立、強要罪はやらせて初めて成立。だから行為も、強要罪は脅迫に加えて暴行も含む。未遂処罰も、強要罪だけにある。223条3項でしたね。この一枚で、二つの罪の違いが全部見渡せます。

条文を確認——222条・223条 〔約束③(条文全文)〕

刑法222条(脅迫)①生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。②親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

では核心の条文を全文で確認します。まず222条、脅迫罪。害を加える旨を告知して人を脅迫した者、二年以下の拘禁刑または罰金。列挙されているのは、生命・身体・自由・名誉・財産。だから恋人や友人は、ここに入らない。条文どおりです。

刑法223条(強要)①生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の拘禁刑に処する。②親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。③前二項の罪の未遂は、罰する。

次に223条、強要罪。条文も少し長くなります。脅迫し、または暴行を用いて、義務のないことを行わせ、または権利行使を妨害。法定刑は三年以下の拘禁刑。脅迫罪より重い。そして三項。前二項の罪の未遂は、罰する。そこが大事。脅迫罪にはこの未遂規定がありません。

短答ひっかけ

ここはひっかかる(短答まとめ)。①保護法益=意思決定の自由(通説)。脅迫罪=抽象的危険犯(現実の畏怖不要)。②「脅迫」=一般人を畏怖させる害悪の告知(総合考慮)。告知は支配しうる害悪に限る→天罰・バチは脅迫でない(自分で起こせない)。支配を装えば足りる。③加害対象は制限列挙=本人・親族の生命/身体/自由/名誉/財産(恋人・友人×)。④山場①「告訴するぞ」=畏怖させうる以上脅迫に該当→but権利行使として正当なら35条阻却。⑤山場②法人には脅迫罪が成立しない(通説)。but自然人を畏怖させれば自然人に成立。⑥故意=実現意思不要/⑦強要罪=侵害犯・未遂処罰あり(223③・脅迫罪はなし)。

短答でひっかかる所を整理します。①保護法益は意思決定の自由。②「脅迫」は畏怖させる害悪の告知。支配しうる害悪に限る。③加害対象は制限列挙。恋人・友人は対象外。④山場①、「告訴するぞ」は脅迫に該当、but正当なら35条阻却。⑤山場②、法人自体は不成立、but自然人を怖がらせれば自然人に成立。⑥故意は実現意思不要。⑦強要罪は侵害犯で、未遂処罰あり。この七つで、脅迫・強要の短答はかなり戦えます。

📝 論文の型

論文の型|適法行為の告知が「脅迫」にあたるか(権利行使と脅迫の限界)。★コア規範(逐語で覚えるのはここだけ)=「脅迫」とは、一般人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知をいう。適法行為の告知によっても人を畏怖させることは可能である以上、適法行為の告知も「脅迫」に該当する。もっとも、その告知が権利の行使として正当といえる場合には、正当行為(35条)として違法性が阻却される。復元キー=①「脅迫」=一般人を畏怖させる害悪の告知②適法行為の告知でも人を畏怖させうる③∴構成要件該当性は肯定④but権利行使として正当なら35条で違法性阻却⑤正当の範囲を逸脱すれば脅迫が残る。

ここから論文の型です。山場①を、答案で書ける形に落とします。逐語で覚えるのは、太字のキーワードだけ。あとは趣旨から復元します。核心はこう。「脅迫」とは、一般人を畏怖させる害悪の告知。適法行為の告知でも人を畏怖させうる以上、それも「脅迫」に該当する。もっとも、権利行使として正当なら、35条で違法性が阻却される。復元の鎖はこう。まず「脅迫」の定義を置く。次に、適法行為でも人を畏怖させうる、と理由を述べる。butとして、権利行使として正当なら35条阻却、と限定する。最後に、正当の範囲を逸脱すれば脅迫が残る、と帰結を示す。

答案の型|適法行為の告知が「脅迫」にあたるか。【事例】甲が乙に「金を返さなければ告訴するぞ」と告げ、さらに私生活上の秘密を会社に暴露する旨を加えて畏怖させた。【問題提起】告訴は適法な権利行使。このような適法行為の告知が「脅迫」にあたり脅迫罪が成立するか。【規範】畏怖させうる以上「脅迫」に該当。但し権利行使として正当なら35条で違法性阻却。【あてはめ】告訴の告知は適法行為だが一般人を畏怖させうる以上「脅迫」に該当。もっとも本件は債権回収と無関係な暴露を手段とし専ら畏怖させる目的でなされ、正当の範囲を逸脱→35条阻却なし→脅迫罪が成立。

答案の型で、流れを実演します。事例は山場①の話。まず問題提起。適法行為の告知が「脅迫」にあたり脅迫罪が成立するか。次に規範。畏怖させうる以上「脅迫」に該当、but正当なら35条阻却。最後にあてはめ。本件は債権回収と無関係な暴露を手段にしている。だから35条で阻却されず、脅迫罪が成立する。

今日の地図(保存版)

#47 今日のまとめ。脅迫罪・強要罪=意思決定の自由を侵す罪(#46の身体活動の自由と種類が違う)。脅迫罪(222)=抽象的危険犯。一般人を畏怖させる害悪の告知をすれば既遂(畏怖不要)。加害=支配しうる害悪(天罰×)/対象は制限列挙(本人・親族/恋人×)。山場①「告訴するぞ」=畏怖させうる以上脅迫に該当→but権利行使として正当なら35条阻却。山場②法人自体に脅迫罪は不成立(通説)/but自然人を畏怖させれば自然人に成立。強要罪(223)=脅迫罪の加重類型。侵害犯=義務なきこと/権利妨害の結果が必要・未遂処罰あり。次回#48=略取・誘拐の罪へ。

まとめます。脅迫罪・強要罪は、意思決定の自由を侵す罪。前回の身体活動の自由とは、守る自由の種類が違いました。脅迫罪は抽象的危険犯。怖がらせる告知をすれば既遂。山場①、「告訴するぞ」は脅迫に該当、but正当なら35条阻却。山場②、法人自体は不成立、but自然人を怖がらせれば自然人に成立。抽象的危険犯か侵害犯か、この一点で二罪が分かれました。第10章のつづき、移動・拘束の自由へ進みます。

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