刑法ゼロから刑法#9

犯罪の分類

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問い:犯罪は、どの要素に着目すると、どう分かれるか。分かれ目は条文のどこに表れ、何は分かれ目にならないか。

骨組み

  1. 1結果犯/挙動犯:結果の発生を構成要件(条文が罪の成立に要るものとして書いている型)の要素にしているか。刑法の多くは結果犯(殺人)/挙動犯(単純行為犯)=の「侵入し」は行為だけ
  2. 2結果的加重犯:故意の基本犯から、その故意を超える重い結果が生じ、刑が重くなる(=基本犯は暴行罪ないし傷害罪と説明される)。「よって」の文言が使われることが多いが、文言だけでは決めない。重い結果に故意があれば殺人罪。論点は重い結果に過失が要るか
  3. 3「よって」の無い型:(強盗致死傷)。判定は文言でなく構造。は、故意のある場合(強盗殺人・強盗傷害)も同じ条文に含むのが通説(その部分は結果的加重犯ではない)
  4. 4侵害犯/危険犯:保護法益の現実の侵害が要るか、侵害の危険で足りるか。内乱罪()は必然的に危険犯(重いからではない)
  5. 5具体的/抽象的危険犯:危険の現実の発生を要件にしているか。放火罪では条文の「公共の危険」の語で分かれる:=「公共の危険」あり=具体的/=なし=抽象的。罪の重さでは決まらない
  6. 6結果と法益侵害は別の軸:通常は侵害犯=結果犯。でもは「焼損」が結果なのに法益は侵害されない=結果犯でありつつ危険犯
  7. 7即成犯/状態犯:どちらも構成要件的結果の発生で法益侵害が生じ、既遂(その罪が完成すること)。その後、法益侵害状態が行為者の関与なしに続く=即成犯(殺人)/行為者の行為によって続く=状態犯(窃盗)=ここで採る定義。区別=犯罪成立後の行為者の新たな行為が、その犯罪の中に予定されているか=ここで採る区別の仕方(即成犯を法益の消滅で定義する説明もある)
  8. 8不可罰的事後行為(共罰的事後行為):状態犯で予定された後の行為(盗品の損壊)は、状態犯の構成要件で評価し尽くされ、原則別罪にならない。新たな法益を侵害すれば別罪
  9. 9継続犯:既遂後も犯罪行為を続ける間、法益侵害状態も続き、実行行為(犯罪)が続く(監禁=)。実益=既遂後の共犯・公訴時効は犯罪行為が終わった時から
  10. 10故意犯/過失犯:本文=故意犯が原則/ただし書=過失犯は法律に特別の規定がある場合だけ
着目する要素分かれ方条文の手がかり
構成要件的結果結果犯/挙動犯(結果犯の特殊な形=結果的加重犯)「侵入し」・「よって」
保護法益の侵害侵害犯/危険犯(危険犯の内訳=具体的/抽象的)「公共の危険」・
既遂の後に何が続くか即成犯/状態犯/継続犯条文の目印は無い(が継続犯の典型)
主観故意犯(原則)/過失犯(例外)本文・ただし書

色の札は出どころ:条文 判例 学説。条文番号は押すと条文、丸い札(出題)は押すと過去問の肢と正答が出ます。着目する要素は4つ(表の4行)。どの軸も、分ける基準は条文の要素であって、罪の重さや悪質さではない(結果的加重犯は刑が重くなる型だが、分ける基準は重い結果が構成要件に入っているか)。

1結果犯/挙動犯学説

  • 結果犯=一定の結果の発生を構成要件(条文が罪の成立に要るものとして書いている型)の要素にしている犯罪。刑法の犯罪の多くはこれ(殺人罪=人の死亡という結果が要る)。
  • 挙動犯(単純行為犯)=結果の発生を要せず、行為者の一定の身体的動静だけが要素になっている犯罪。
  • :正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。→ 前段(住居侵入)は「侵入」という行為を求めるだけで、侵入した結果どうなったかを書いていない=挙動犯。後段(不退去)も挙動犯の例とされる。
  • 分ける基準は、条文が結果を要件にしているか。

玄関の鍵が開いていた家に勝手に上がり込み、何も取らず何も壊さずに数秒で出た → それでも前段は成立しうる(条文が結果を書いていない)。

2結果的加重犯:学説

  • 定義:故意の基本犯から、その故意を超える重い結果が生じたことを構成要件にし、基本犯より重い刑を定めた犯罪。結果犯の特殊な形。
  • :身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。→ 典型。故意に基づき暴行罪ないし傷害罪を犯し、その故意を超える死亡が生じた場合の規定と説明される(基本犯は傷害だけではない)。
  • 「よって」の文言が使われることが多い:・・・。ただし文言だけでは決めない(「よって」の無い結果的加重犯=項目3/110条1項の「よって」=項目5)。
  • 重い結果に故意(認識・認容)があれば、結果的加重犯ではなく、端的にその故意の罪(死亡なら殺人罪=)。傷害致死と殺人は、死亡についての故意の有無で区別する。
  • 論点として立つのは「重い結果について行為者の過失が必要か」。「故意が要るか」ではない(故意があれば別の罪になる=上の行)。この論点の中身はここでは扱わない。
殴って、相手が死亡した死亡について故意があったか死ぬと認識し、それでも構わないと認容殺人罪199条はいいいえ(殴るつもりだけ)傷害致死(205条)結果的加重犯=故意を超える重い結果
結果的加重犯は、重い結果に故意が無い場面の罪。重い結果に過失が要るかは、ここから先の別の論点。

殴ったら相手が倒れて頭を打ち死亡 → 死なせるつもりが無ければ傷害致死(基本犯は暴行でよい)。「死んでも構わない」と思って殴っていたなら、ではなく殺人罪の問題。

出題保護責任者遺棄等致死罪は結果的加重犯であり、死亡結果について故意がある場合は含まれない(○)判例は基本犯と加重結果との間に(①)があれば足りるとしていると解されるが、(②)の点から疑問があり、加重結果の発生について行為者に(③)がなければ結果的加重犯の成立を認めることは許されない、とする見解(学生B)(正答:①因果関係・②責任主義・③過失)

×にされやすい形
  • 「結果的加重犯の論点は、重い結果について故意が必要か、である」(論点は過失が必要か。重い結果に故意があれば結果的加重犯ではない)
  • 「の基本犯は傷害罪に限られ、暴行の故意しかない場合は含まれない」(基本犯は暴行罪ないし傷害罪)

3「よって」の無い型:学説

  • :強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。→ 条文に「よって」は無い。
  • それでも、強盗(基本犯)から故意を超える負傷・死亡が生じ、刑が重くなっている場面は結果的加重犯(強盗致傷・強盗致死)=「よって」が無い結果的加重犯もある。
  • 判定は「よって」の文言ではなく、基本犯に故意を超える重い結果が加わって刑が加重されているかという構造で。
  • ただしは、1つの条文で、負傷・死亡に故意が無い場合(強盗致傷・強盗致死=結果的加重犯)と、故意がある場合(強盗傷害・強盗殺人)の両方を定めていると解するのが通説。
  • 結果的加重犯にあたるのは故意の無い場合だけ=その点は項目2(重い結果に故意があれば結果的加重犯ではない)と同じ。が例外的なのは、故意のある場合も同じ条文の中に入っていること(なら、故意のある場合は別の条文=殺人罪)。 → 「は全体が結果的加重犯」と言い切らない。
負傷・死亡に故意なし負傷・死亡に故意あり
負傷(前段)強盗致傷(結果的加重犯)強盗傷害
死亡(後段)強盗致死(結果的加重犯)強盗殺人

強盗の際、被害者を突き飛ばし、負傷させるつもりは無かったが骨折させた → 前段(強盗致傷)。最初から殺すつもりで殺した場合も、後段(強盗殺人)で処理される。

×にされやすい形
  • 「条文に『よって』の文言が無いので、は結果的加重犯を含まない」
  • 「は結果的加重犯なので、負傷・死亡に故意がある場合は含まれない」(故意のある場合も含むのが通説)

4侵害犯/危険犯学説

  • 着目するのは保護法益(法が守る利益)。
  • 侵害犯(実害犯)=保護法益の現実の侵害を要素にする犯罪(殺人罪=生命が実際に失われる)。
  • 危険犯=保護法益を現実に侵害する必要はなく、保護法益が侵害される危険を生じさせたことを要素にする犯罪。その危険が現実に発生したことまで要件にするかは、危険犯の中でさらに分かれる(項目5)。
  • 内乱罪():「……統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者」=壊乱が実際に起きることは要件ではない。
  • 内乱罪が危険犯なのは重いからではない。国家の存立が現実に侵害されたら、内乱を罰する国家そのものが無くなる → 侵害犯としては作りようがなく、必然的に危険犯。

殺人罪は生命が実際に失われて初めて既遂(その罪が完成すること・侵害犯)。内乱罪は暴動をした時点で成立し、政府が実際に倒れることは要らない(危険犯)。

5具体的危険犯/抽象的危険犯学説

  • 危険犯を、法益侵害の危険が現実に発生したことを要件にしているかで、さらに2つに分ける。
  • 具体的危険犯=危険の現実の発生を要件にする。:放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
  • 抽象的危険犯=危険の現実の発生を要件にしない。:放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。→ 「公共の危険」の語が無い=焼損したという事実だけで成立し、公共の危険が実際に発生したことは要件にされていない。
  • 放火罪では、条文が「公共の危険」の発生を要件にしているかで決まる。罪の重さでは決まらない(死刑もあるが抽象的、軽いが具体的)。
  • にも「よって」があるが、ここの「よって」は、焼損したことと公共の危険の発生とをつなぐ言葉。この分かれ方の判定に使うのは「公共の危険」の語のほう。
  • 同じ型の条文:(自己所有の非現住建造物等)はただし書で「公共の危険を生じなかったときは、罰しない」。
(建造物等以外放火)(現住建造物等放火)
「公共の危険」の語あるない
分類具体的危険犯抽象的危険犯
法定刑1年以上10年以下の拘禁刑死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑

人の住む家に火をつけて焼損させた → は、近所に家が無くても、公共の危険が発生したことを立証する必要は無い。

出題建造物等以外放火罪は、抽象的危険犯である(×)他人所有の自動車に放火して焼損させたが、公共の危険は発生しなかった場合でも、建造物等以外放火罪が成立する(×)

×にされやすい形
  • 「は死刑もある重い罪なので、具体的危険犯である」(向きが逆。=抽象的、=具体的)
  • 「建造物等以外放火罪は、抽象的危険犯である」(は「公共の危険」の発生を要件にする具体的危険犯)

6結果と法益侵害は別の軸:学説

  • 侵害犯では、法益侵害が構成要件的結果として規定されるのが通常=通常、侵害犯は結果犯(殺人罪:結果=死亡=生命の侵害)。しかし常にイコールではない。
  • の構成要件的結果は「焼損」。保護法益は不特定または多数人の生命・身体・財産の安全。
  • 1つの建物を焼損しても、その安全が実際に侵害されるわけではなく、侵害は危険の段階にとどまる。それでも焼損という結果だけで成立し、危険が実際に発生したことも要件にされていない(抽象的危険犯=項目5) → 結果犯でありつつ危険犯。
  • =「結果」の軸(項目1)と「法益侵害」の軸(項目4)は独立している。
殺人罪
構成要件的結果人の死亡焼損
保護法益生命不特定または多数人の生命・身体・財産の安全
法益の現実の侵害ある(結果=侵害)ない(侵害は危険の段階にとどまる)
分類結果犯・侵害犯結果犯・危険犯

山の中の一軒家(人が住む)を焼損させたが、周りに誰もおらず燃え広がる可能性もなかった → それでもは成立する。結果(焼損)はあるが、法益の現実の侵害は無い。

×にされやすい形
  • 「結果犯は、すべて侵害犯である」(は結果犯でありつつ危険犯)

7即成犯/状態犯学説

  • 即成犯=構成要件的結果の発生によって法益侵害が発生し、犯罪も既遂(その罪が完成すること)となるが、その後、行為者の関与なしに法益侵害状態が継続する犯罪(殺人罪)。
  • 状態犯=同じく結果の発生で法益侵害が発生し既遂となるが、その後、行為者の行為によって法益侵害状態が継続する犯罪(窃盗罪)。
  • 状態犯と継続犯の違い:状態犯は既遂で犯罪(実行行為)が終わり、続くのは法益侵害の状態だけ。継続犯は、犯罪行為を続けている間、実行行為ないし犯罪そのものが続く(項目9)。
  • 上の2つは、ここで採る定義(基本書の1つの立て方)。この定義では、即成犯でも既遂の後に法益侵害の状態は続く(死亡という状態)。
  • 他方、即成犯を「犯罪成立と同時に法益が消滅する犯罪」と定義する説明もある。また、出題では、状態犯を「法益侵害の発生と同時に犯罪が終了するが、その後も法益侵害状態が残存する犯罪」とする見解が出ている(司法R4-12・予備R4-3 の学生A。傷害罪を状態犯の典型とする)。どちらの定義で書かれた肢かを読んで判断する。
  • 区別(ここで採る区別の仕方):犯罪成立後の行為者の新たな行為が、その犯罪の中に予定されているか。即成犯=予定されていない → 後の新たな行為は別の罪。状態犯=予定されている → その行為は状態犯の構成要件で評価し尽くされる(項目8)。上のとおり定義の立て方が違う説明もある=唯一の基準と言い切らない。
  • 比べるのは、同じ客体への後の行為(殺した人の死体/盗んだ物)。別の人・別の物への新たな侵害は、前の罪が即成犯か状態犯かと関係なく別の罪の問題。
  • この分類も罪の重さ・悪質さの話ではない(窃盗が軽いから状態犯、ではない)。
即成犯状態犯継続犯
典型殺人罪窃盗罪監禁罪
既遂の後に続くもの法益侵害状態(行為者の関与なしに)法益侵害状態(行為者の行為によって)法益侵害状態+犯罪行為そのもの
犯罪(実行行為)既遂で終わる既遂で終わる続く(項目9)
同じ客体への後の行為予定されていない → 別の罪の問題になる予定されている → 原則別罪にならない—

人を殺した後、発覚を恐れて死体を山に埋めた → 殺人罪とは別に死体遺棄罪()。殺人罪には死体の後始末が予定されていない。

出題殺人罪は即成犯であり、(③)は(①)である(正答:③窃盗罪・①状態犯)住居侵入罪を(状態犯・継続犯)と解する立場は、反対説によると侵入後の現場滞留にも住居侵入罪が成立し、不退去罪が規定されている意味が失われる、と批判する(正答:状態犯)傷害罪の犯罪の終了時期と既遂時期は、被害者が一旦負傷した後に傷害が悪化し続けることがあるので、(常に一致する・一致するとは限らない)(学生Bの見解)(正答:一致するとは限らない)

×にされやすい形
  • 「人を殺した後、逃げる途中で隣家の窓ガラスを割ると器物損壊罪が別に成立するのは、殺人罪が即成犯だからである」(別の物への新たな侵害は、前の罪が即成犯か状態犯かと関係なく別の罪の問題)

8不可罰的事後行為(共罰的事後行為)学説

  • 状態犯では、犯罪が成立した後の行為者の新たな行為(窃取した財物の損壊など)が予定されている → 状態犯の構成要件で評価し尽くされ、原則として別の罪にならない。この行為を不可罰的事後行為(共罰的事後行為)という。
  • 範囲=犯罪の完成後の違法状態の中に通常含まれている行為。盗品を壊しても器物損壊罪は成立せず、盗品を売っても横領罪は成立しない(窃盗で評価し尽くされている)。
  • 限界:新たな法益を侵害する行為は評価し尽くされない → 別の罪。例=盗んだ預金通帳で払戻しを受ける → 別に詐欺罪。
窃盗の既遂後、盗んだ物について行為者がした行為新たな法益を侵害するか例:盗んだ預金通帳で払戻しを受ける別の罪例では詐欺罪はいいいえ(違法状態に通常含まれる)不可罰的事後行為窃盗で評価し尽くされる(盗品を壊す等)
不可罰的事後行為になるのは、状態犯に予定された、違法状態の中に通常含まれる行為だけ。盗んだ物をどう扱っても別の罪にならない、ではない。

盗んだ傘を自分で使い、壊れたので捨てた → 器物損壊罪は成立しない(窃盗で評価し尽くされている)。

出題転売目的で盗んだバッグを、転売先が見付からないので焼却した場合、窃盗罪と器物損壊罪が成立し、両罪は併合罪となる(×)盗んだ絵画を、売却先が見付からないので破り捨てた場合、窃盗罪と器物損壊罪が成立し、両罪は併合罪となる(×)自動車を盗み、これを売却した場合、成立する犯罪は牽連犯の関係にある(×)

×にされやすい形
  • 「盗んだ物をどう扱うかは、すべて窃盗罪の評価に含まれるので、別の罪が成立することはない」(新たな法益を侵害すれば別の罪)

9継続犯:学説

  • 継続犯=構成要件的結果の発生とともに法益侵害も生じて既遂となるが、その後も犯罪行為を続けている間、法益侵害の状態も続き、実行行為ないし犯罪の継続が認められる犯罪。
  • 何が続くことで継続犯と見るかには、実行行為(構成要件に当たる行為)の継続を基準にする考え方と、法益侵害の継続を基準にする考え方がある(監禁した後に行為者が眠り込んだ場合、どちらも継続犯とするが、理由づけが分かれる)。
  • :不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。→ 監禁罪が典型。
  • 実益①:既遂の後でも、続いている実行行為に加わることができる → 既遂後に加功した者にも共犯が成立しうる。
  • 実益②:公訴時効(一定の期間が過ぎると起訴できなくなる制度。期間は刑事訴訟法250条以下)の起算。刑事訴訟法253条1項「時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。」→ 監禁が続いている限り、公訴時効は進行を始めない。

AがBを部屋に閉じ込めて3日目に、事情を知ったCが見張りを引き受けた → 監禁は続いているので、Cにも監禁罪の共犯が成立しうる(共同正犯か幇助かは役割しだい)。

監禁が10年続いた → 公訴時効は、閉じ込めた日ではなく、解放した日から進行する。

出題殺人罪は即成犯であり、(④)は(②)である(正答:④監禁罪・②継続犯)状態犯か継続犯かの区別は、(⑤)の起算時期や(⑥)の成立範囲に影響がある(正答:⑤公訴時効・⑥共犯)継続犯は(構成要件該当行為・構成要件的結果)が継続する犯罪である(学生Cの見解)(正答:構成要件該当行為)継続犯には、監禁罪や(保護責任者不保護罪・窃盗罪)が当たる(正答:保護責任者不保護罪)監禁後に行為者が眠った事例を、法益侵害を基準にする考え方は(⑦)を理由に継続犯とする(正答:被害者の移動の自由が刻々と侵害されていること)実行行為を基準にする考え方は、傷害罪を一般的な態様では状態犯とするが、(⑧)のような特別な態様では継続犯とする(正答:身体を動かすたびに傷害を負うよう被害者をきつく縄で縛り、継続的に傷害を与えた事例)

×にされやすい形
  • 「継続犯では、公訴時効は既遂になった時から進行する」(犯罪行為が終わった時から)
  • 「既遂になった後に加わった者には、共犯は成立しない」(継続犯では実行行為が続いているので成立しうる)
  • 「窃盗罪は継続犯である」(窃盗罪は状態犯)

10故意犯/過失犯:条文

  • :罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
  • 「罪を犯す意思」=故意(この条の見出しは「故意」)。
  • 本文 → 故意犯が原則。ただし書 → 過失犯は例外で、処罰されるのは法律に特別の規定がある罪だけ。
  • 原則・例外の配置を決めているのは、本文とただし書という条文の形そのもの。

うっかり他人の花瓶を割っても、刑法上は罪にならない(器物損壊=に過失を罰する規定が無い)。うっかり人にけがをさせれば過失傷害罪()がある。

×にされやすい形
  • 「過失犯も、故意犯と同じく原則として処罰される」(過失犯は特別の規定がある場合だけ)

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