刑法ゼロから刑法 論文

日常的な行為による幇助の書き方

通常の営業として携帯電話を貸した甲と丙について、恐喝罪の幇助犯が成立するかを答案に書き切る回(幇助犯の後編)。事例は、乙が知人Vを脅して50万円を出させ、その電話に、駅前のレンタル携帯電話店を営む甲と丙から借りた端末を使ったというもの。甲は乙から恐喝に使うと聞いたうえで貸し、丙は出張の連絡用と言われて通常どおり貸した。規範は、日常の取引は犯罪に使われる一般的可能性が常にあるので、その認識・認容だけで幇助とすると取引が萎縮するとして、一般的可能性を超える具体的な利用状況とその認識・認容がある場合に限るとする(最決平23・12・19 の枠組み)=①現に行われようとしている具体的な犯罪を認識・認容して提供した場合、または②例外的とはいえない範囲の者が犯罪に利用する蓋然性が高く、それを認識・認容して提供した場合。甲は①にあたり恐喝罪の幇助犯(63条で必要的に減軽)。丙は、客の相当数が悪用していた客観面は否定できないが、悪用の一般的可能性を認識していたにとどまり、②の主観面を欠くので幇助の故意がなく不成立。乙は恐喝罪。

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ゼロから刑法 論文/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

事例

甲・乙・丙と、Vと、2台の端末 図:甲・乙・丙と、Vと、2台の端末

この事例は、普通に営業している店が、犯人に物を貸した事例です。答案の最後まで書き切ります。貸したのは、どちらもレンタルの携帯電話です。同じ貸し携帯なのに、幇助犯になる店と、ならない店が出てきます。その分かれ目を、事実で書き分けるのが、この事例の中心です。乙は、勤務先の経費を私的に流用していた知人Vの不正を知りました。そこで、会社に知らせると脅して、現金を出させようと考えます。ただ、自分の電話番号から足がつくのは避けたいので、携帯電話を借りて使うことにしました。乙は、駅前でレンタル携帯電話店を営む甲の店を訪れます。そして、こう話しました。「今日これから、知人に電話をかけて、会社にばらすぞと脅して金を出させる。足がつかない電話がほしい。」端末を1台借りたい、という申し込みです。甲は、乙が恐喝に使うつもりだと分かりました。そのうえで、「本来は3日以上の契約だが、1日だけでいい。料金は倍になる」と言い、所定の契約手続を済ませて、通常の日額の倍の料金で端末を貸しました。乙は、念のため、別の駅前でレンタル携帯電話店を営む丙の店でも、端末を1台借りています。こちらでは、「出張の間の連絡用に」と言いました。丙の店は、出張者や旅行者が主な客で、乙は、通常の日額料金を払い、通常の契約手続で借りました。丙は、レンタル携帯が犯罪に使われた例があると報じられていることは知っていました。「借りた客の中には、悪用する者もいるのかもしれない」とは思っています。ただ、乙に不審な点は感じませんでしたし、自分の店の客について、悪用を疑わせる事情に気づいたこともありませんでした。

乙が2台の端末を使った順序 図:乙が2台の端末を使った順序

乙は、甲から借りた端末でVに電話をかけ、会社に知らせると告げて、現金の交付を求めました。続けて、丙から借りた端末で、現金50万円を封筒に入れて、宅配便で乙の借りている部屋に送るよう指示します。Vは畏怖して、指示どおり50万円を送り、乙はこれを受け取りました。後日の捜査で、丙の店から端末を借りた客の相当数が、実際には、他人を脅して金を出させる電話に使っていたことが分かりました。丙は、そのことを知りませんでした。問いは、これだけです。甲、乙及び丙の罪責は。

検討の順番

検討の順番、正犯から関与者へ 図:検討の順番、正犯から関与者へ

検討は、乙、甲、丙の順に進めます。乙を先にするのは、甲と丙が、自分では脅していないからです。幇助は、正犯の犯罪を手助けすることです。手助けされる正犯の実行が無ければ、手助けも成り立ちません。そのため、幇助犯が成立するかは、正犯が実行に出たことを前提に決まります。だから、先に正犯の罪責を固めます。関与者の中では、甲を先にします。甲は、規範がそのまま当たる人です。丙は、規範の線の反対側が出る人です。甲で規範を立てて、丙で線の向こう側を確かめる順にします。

乙の罪責

刑法249条1項 図:刑法249条1項

乙から見ます。条文です。

条文刑法249条1項

刑法249条1項(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

乙は、Vに対して、会社に知らせると告げ、現金の交付を求めました。これで畏怖したVから、50万円の交付を受けています。人を恐喝して財物を交付させたといえますから、恐喝罪の構成要件に該当します。乙は、恐喝していると分かっていたので、故意があります。違法性を否定する事情も、責任を否定する事情もありません。乙には恐喝罪が成立します。ここは争点にしません。甲と丙は、自分では脅していません。そこで、2人について、乙の恐喝を幇助したといえるかを見ていきます。

甲の問題提起

幇助犯の4つの要素、甲の事実 図:幇助犯の4つの要素、甲の事実

甲に入る前に、一問です。前編(幇助の因果関係と片面的幇助の書き方)でも当てた幇助の故意は、何を認識して、どうする意思があれば足りるのでしたか?正犯が犯罪の実行をすることを認識して、それを容易にする意思があれば足りる、でしたね。この回の規範では、この故意を、認識、認容、と言います。分かったうえで、それでもいいと受け入れて提供する、ということです。この認識、認容の中身が、この回の主役になります。では、甲です。まず、条文を確認します。

条文刑法62条1項

刑法62条1項(幇助)
正犯を幇助した者は、従犯とする。

条文の文言は、正犯を幇助した者、です。幇助した、を割った4つの要素を、一つずつ確かめます。客観面が、1つ目の幇助行為、2つ目の正犯の実行行為、3つ目の正犯の結果。主観面が、4つ目の幇助の故意です。2つ目と3つ目は、すぐ決まります。乙は恐喝の実行に出て、50万円を受け取り、既遂に至っています。1つ目の幇助行為も、まず形は整っています。甲は端末を貸し、乙はその端末で実際にVに電話をかけました。前編で見た促進の物差しでいえば、端末が実際の脅しの電話に使われていますから、物理的に促進しています。実行行為以外の方法で、乙の恐喝を容易にしています。4つ目の幇助の故意も、甲は乙が恐喝に使うと聞いて貸していますから、あるように見えます。ところが、端末のレンタルは、甲が通常の営業としておこなっている取引です。それ自体は、適法な行為です。甲の側からは、通常の営業として貸しただけだ、という反論が立ちます。

問題提起、通常の営業として行われた事実を入れる 図:問題提起、通常の営業として行われた事実を入れる

問題提起の文は、板に出しました。書き方を見てください。甲の貸与が、通常の営業として行われた取引で、それ自体は適法だ、という事実を、文の中に入れています。問題の所在を一言で済ませると、なぜ問題になるのかが、答案から見えません。犯行を聞いて貸したのなら、すぐ幇助だ、と思う人もいるでしょう。それでも立ち止まるのは、通常の営業という事実があるからです。この事実を文に入れると、読む人が、疑問の出どころを同じ場所で共有できます。ここで一問です。同じ貸し携帯でも、犯行を聞いて貸した場合と、悪用する客もいるかもしれないと思っていただけの場合があります。幇助になるかどうかの分かれ目は、何だと思いますか?

答えの方向は、貸した人が、何をどこまで知っていたか、です。どこまで知っていれば足りるのか。その線を、これから規範で引きます。

規範・日常的な行為による幇助

規範は、取引を萎縮させない線から出てくる 図:規範は、取引を萎縮させない線から出てくる

規範も、道筋で作ります。出発点は、幇助犯の成立の仕方です。幇助犯は、他人の犯罪を容易にする行為を、それと認識、認容しつつ行い、実際に正犯行為が行われることによって成立します。では、日常の取引に、これをそのまま当てるとどうなるか。レンタルでも、販売でも、貸したり売ったりする相手が、いつか悪いことに使う可能性は、どんな店にも、常にあります。これを、一般的可能性と呼びます。たしかに、悪用の可能性を頭に置いていれば、手助けの形は取っています。ただ、その可能性を思っただけで幇助になるとしたら、どうでしょう。貸し会議室の受付が、借りに来た人の腹の内を一人ひとり疑って、少しでも不安なら断る。そうしないと、自分が罰せられるかもしれない。これでは、商売になりません。日常の取引が、過度に萎縮します。ですから、一般的可能性の認識だけでは、足りないと考えます。必要なのは、その一般的可能性を超える具体的な利用状況です。そして、提供者が、その状況を認識、認容していることです。具体的には、2つの場合です。1つ目は、提供者が、現に行われようとしている具体的な犯罪を認識、認容しながら提供し、実際にその犯罪が行われた場合です。2つ目は、提供するものの性質、客観的な利用状況、提供方法などに照らして、これを入手する者のうち、例外的とはいえない範囲の者が、犯罪に利用する蓋然性が高いと認められ、提供者も、そのことを認識、認容しながら提供し、実際にその犯罪が行われた場合です。

1つ目は、特定の犯行を知っているかどうかです。2つ目は、特定の犯行は知らなくても、客のうち、ごく一部の例外ではなく、無視できない範囲の人が犯罪に使う見込みが高い状況があって、それを分かって提供しているかどうかです。蓋然性が高い、というのは、この、見込みが高い、ということです。客の中に、たまたま悪用する人がいる、という程度では、2つ目にはなりません。一点だけ、使い方の区切りを言っておきます。この枠組みは、幇助犯の成立要件を学んだ回(幇助犯の成立要件——もう燃えている火をあおる者は、どう罰せられるのか)で見た最高裁の判断から来ています。ファイルを共有できるソフトを開発して公開した人が、利用者の一部による著作権侵害の幇助犯にあたるかが争われた事件です。最高裁が直接判断したのは、このソフトの提供についてです。答案では、その枠組みを、日常の取引一般に及ぼして書きます。ソフトも、貸し携帯も、不特定の多くの人に向けて出され、適法にも違法にも使え、どう使うかは一人ひとりの利用者に委ねられています。その一部の悪用まで、ありうると知っていただけで提供者に負わせると、取引そのものが止まってしまいます。この限定の理由が、そのまま当てはまるからです。

規範カード|日常的な行為による幇助 図:規範カード|日常的な行為による幇助

カードの全文です。

⭐ 論文で書く規範:日常的な行為による幇助
この点、幇助犯は、他人の犯罪を容易にする行為を、それと認識、認容しつつ行い、実際に正犯行為が行われることによって成立する。
もっとも、通常の営業として行われる物やサービスの提供は、犯罪に利用される一般的可能性が常にあるから、その可能性を提供者が認識、認容しているだけで、直ちに幇助行為にあたるとすると、日常の取引が過度に萎縮する。
そこで、一般的可能性を超える具体的な利用状況があり、提供者もそのことを認識、認容している場合に限り、幇助行為にあたると解する。すなわち、①提供者が、現に行われようとしている具体的な犯罪を認識、認容しながら提供し、実際にその犯罪が行われた場合、または、②提供する物やサービスの性質、客観的な利用状況、提供方法などに照らし、これを入手する者のうち例外的とはいえない範囲の者が犯罪に利用する蓋然性が高いと認められる場合で、提供者もそのことを認識、認容しながら提供し、実際にその犯罪が行われた場合である。
(規範(最決平23・12・19の枠組み))

あてはめでは、客観面の利用の状況と、主観面の認識、認容を、別々に拾います。4つの要素でいうと、利用の状況は1つ目の幇助行為の中で、認識、認容は4つ目の幇助の故意の中で拾います。ですから、主観面が欠ければ、4つ目の幇助の故意を欠く、という結論になります。まず、規範がそのまま当たる甲からです。

甲のあてはめ

甲のあてはめ、利用の状況と認識・認容と実際に行われたこと 図:甲のあてはめ、利用の状況と認識・認容と実際に行われたこと

規範の①の場合にあたるかを、3つの事実で拾います。1つ目は、客観面の、利用の状況です。乙は、今日これから、知人に電話をかけて、会社にばらすぞと脅して金を出させる、と甲に話して借りています。悪用されるかもしれない、という一般的な可能性を、はっきり超えています。現に行われようとしている、具体的な恐喝がありました。2つ目は、主観面の、認識、認容です。甲は、乙の話を聞いて、乙が恐喝に使うと分かっています。そのうえで、通常は3日以上の契約を、特別に1日で、倍の料金で貸しました。具体的な犯罪を、認識し、認容して提供しています。3つ目は、実際に行われたかです。乙は、借りた端末でVを脅して、50万円を得ました。実際に恐喝が行われています。

関係の仕方を、分けて考えます。特別な短期契約と倍の料金は、犯行に合わせた特別な提供だった、という客観面の事実として拾えます。ただ、規範の①の場合が成り立つために、割増は要りません。決め手は、具体的な犯罪を聞いて、認識、認容して貸したことです。通常の料金で貸していても、結論は変わりません。3つの事実がそろいましたから、甲の貸与は、規範の①の場合にあたります。幇助行為にあたり、4つ目の幇助の故意も認められます。

甲の結論

甲の結論、恐喝罪の幇助犯 図:甲の結論、恐喝罪の幇助犯

結論です。1つ目の幇助行為、2つ目の正犯の実行行為、3つ目の正犯の結果、4つ目の幇助の故意が、そろいました。甲には、恐喝罪の幇助犯、62条1項、249条1項が成立します。従犯の刑は、次の63条で減軽されます。幇助犯は、自分では実行せず、正犯の実行を手助けしたにとどまり、犯罪への関わりが正犯より小さいからです。この減軽は、裁判所が選ぶものではなく、必ずおこなわれます。

条文刑法63条

刑法63条(従犯減軽)
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

丙の問題提起

幇助犯の4つの要素、丙の事実 図:幇助犯の4つの要素、丙の事実

丙です。丙にも、4つの要素を当てます。2つ目と3つ目は、乙の恐喝が既遂に至っていますから、すぐ決まります。1つ目の幇助行為も、形は整っています。丙も端末を貸し、乙は、その端末でVに現金の送付先を指示しました。乙の恐喝を容易にしています。ところが、4つ目です。丙の貸与も、通常の営業として行われた取引です。しかも丙は、甲と違って、乙の犯行を聞いていません。乙は、出張の間の連絡用に、と説明しています。丙が思っていたのは、借りた客の中には悪用する者もいるのかもしれない、ということだけです。

問題提起、丙が思っていたことを入れる 図:問題提起、丙が思っていたことを入れる

問題提起の文は、板に出しました。ここでは、丙が思っていたことを、文に入れます。悪用する客もいるかもしれないと思っていた、しかし、乙の犯行は聞いていない。この2つを書くから、この認識で足りるのか、という問いが立ちます。規範は、甲で立てたものを、そのまま使います。ここで一問です。丙は、悪用する客もいるかもしれない、と思っていました。これは、規範の①と②のどちらにあたるでしょうか?具体的な犯罪の認識が要る①の場合は、丙には当たりません。ここまでは確かです。②の場合にあたるかは、客観面と主観面を、別々に確かめないと決まりません。順に見ます。

丙のあてはめ

丙のあてはめ、規範の①と②に当てる 図:丙のあてはめ、規範の①と②に当てる

まず、規範の①の場合です。乙は、丙に、出張の間の連絡用に、と説明しています。丙は、現に行われようとしている具体的な恐喝を、認識していません。①の場合にはあたりません。次に、②の場合を、客観面から見ます。丙の店から端末を借りた客の相当数が、実際には、他人を脅して金を出させる電話に使っていました。提供の方法は、通常の料金で、通常の手続でした。それでも、客観的な利用の状況は、例外的とはいえない範囲の者が犯罪に利用する蓋然性が高い状況の下での提供だった、といえます。この客観面は、否定できません。規範の②は、客観面だけでは成り立ちません。提供者も、そのことを認識、認容していたことが要ります。そこで、主観面です。丙が知っていたのは、レンタル携帯が犯罪に使われた例があると報じられていること、そして、悪用する客もいるのかもしれない、という漠然とした可能性です。自分の店の客の相当数が犯罪に使っていることは、知りませんでした。客や乙に不審を感じたことも、ありません。これは、悪用される一般的可能性を認識していたにとどまります。例外的とはいえない範囲の者が犯罪に使う、高い蓋然性があることまで、認識、認容していたとはいえません。ですから、②の場合の主観面を欠きます。丙は、①の場合にも、②の場合にもあたりません。丙は、幇助の故意を欠き、恐喝罪の幇助犯は成立しません。

丙を罰しない結論に、引っかかりを覚えるのは分かります。ただ、刑法は、故意が無ければ罰しません。しかも、過失による幇助を処罰する規定はありません。丙が、気づくべきだったかどうかは、ここでは問われないのです。問われるのは、丙が実際に何を認識、認容していたか、だけです。線の反対側も、示しておきます。もし丙が、警察から、あなたの店の客の相当数が犯罪に使っている、と注意を受けていたとします。それでも、同じように貸していたなら、②の場合の主観面がそろいます。そのときは、成立します。客観面が同じでも、認識、認容の中身が変わるだけで、結論が裏返ります。

結論

結論、甲・乙・丙の罪責 図:結論、甲・乙・丙の罪責

結論です。乙は、恐喝罪、249条1項の罪責を負います。甲は、恐喝罪の幇助犯、62条1項、249条1項の罪責を負い、その刑は、63条で減軽されます。丙は、幇助の故意を欠くので、罪責を負いません。

甲と丙の比較 図:甲と丙の比較

甲と丙を、並べます。提供の仕方は、甲が特別な短期契約と倍の料金、丙が通常の料金と通常の手続で、違いがあります。ただ、これは決め手ではありません。丙の客観面も、客の相当数が悪用していたのですから、甲に劣らず厳しい状況です。分かれ目は、認識、認容の中身です。甲は、具体的な犯罪を聞いて貸しました。丙は、悪用の一般的な可能性を思っていただけです。同じ種類の取引で、客観的な利用の状況が重くても、提供者が何をどこまで認識、認容していたかで、幇助になるかどうかが決まります。

完成答案

完成答案:第1 乙の罪責、第2 甲の罪責①問題の所在 図:完成答案:第1 乙の罪責、第2 甲の罪責①問題の所在

完成答案です。1枚目は、乙の罪責と、甲の問題の所在までです。乙を先に確定するのは、甲の幇助が、乙の実行を前提にするからです。問題の所在には、通常の営業として貸した、という事実を入れています。これがあるから、犯行を聞いて貸しても、すぐには幇助と言えない、という問いが立ちます。

完成答案:第2 甲の罪責②規範、③あてはめ 図:完成答案:第2 甲の罪責②規範、③あてはめ

甲の規範とあてはめです。規範は、悪用の一般的可能性だけで幇助にすると取引が萎縮するから、具体的な利用状況と、その認識、認容がある場合に限る、という順で書いています。あてはめでは、利用の状況、認識、認容、実際に行われたことを別々に書き、乙から具体的な恐喝を聞いて貸したことを決め手に、①の場合にあたる、としています。

完成答案:第2 甲の罪責④結論、第3 丙の罪責①問題の所在、②規範、③あてはめ(1) 図:完成答案:第2 甲の罪責④結論、第3 丙の罪責①問題の所在、②規範、③あてはめ(1)

丙の問題の所在と、規範です。問題の所在には、丙が思っていたことを入れています。規範は、前述のとおりとして、①と②の場合を書いています。丙は犯行を聞いていないので、②の場合まで書いておかないと、あてはめで当てる物差しがありません。

完成答案:第3 丙の罪責③あてはめ(2)(3)、④結論、第4 結論 図:完成答案:第3 丙の罪責③あてはめ(2)(3)、④結論、第4 結論

丙のあてはめと、全体の結論です。客観面は否定できないが、主観面を欠く、という運びで書いています。客の相当数が悪用していた事実を先に認めておくから、丙が知っていたのは一般的な可能性だけだ、という主観面の否定が、決め手として立ちます。最後に、3人の罪責と、63条の減軽をまとめています。

参照条文

  • 刑法62条1項
  • 刑法63条
  • 刑法249条1項

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