審理の構造
刑事裁判の形を決める3つの構造原理——弾劾主義・当事者主義・国家訴追主義/起訴独占主義(247条)を整理する回。現行法がなぜこの形を採るのかを条文上の現れとあわせて押さえる。
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第1章 刑事訴訟法の基礎 ②/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
1. 弾劾主義(3面構造)
- 糾問主義(昔)=裁判官が訴追も裁判も兼ねる=2面構造(訴える人=裁く人)。公平を欠く。
- 弾劾主義(現行)=訴える検察官と裁く裁判所を分離。裁判官を頂点に検察官と被告人が対峙する3面構造。
- 訴追がなければ裁判は始まらない(不告不理)。※弾劾主義は明文1本でなく、247条・訴因制度(256③)・不告不理(378③)等から導く構造原理。
2. 当事者主義 vs 職権主義
- 当事者主義=主導権を当事者(検察官・被告人)に。証拠を出し合う。適正手続を守る。
- 職権主義=裁判所が主導して証拠を集める。真実発見を最優先。
- 現行法は当事者主義を基調としつつ、職権で補う。「純粋な当事者主義」ではない。
- 当事者主義の「現れ」(条文で確認):
- 【条文】刑訴298条1項
検察官、被告人又は弁護人は、証拠調べを請求することができる。
- 訴因の設定・変更(256条3項・312条1項)=何の罪で裁くかを決めるのは検察官(詳細は第3章 公訴)。
- 起訴状一本主義(256条6項)=予断排除。最初は起訴状だけ出し、証拠は後で(裁判官に先入観を与えない=公平な裁判所と接続。詳細は第4章 公判)。
- 補充の職権主義=裁判所の職権証拠調べ(298条2項)。
- 【条文】刑訴298条1項
3. 国家訴追主義・起訴独占主義
- 【条文】刑事訴訟法247条
公訴は、検察官がこれを行う。
- 国家訴追主義=私人訴追を排し国家が公訴を行う/起訴独占主義=公訴提起権を検察官が独占。
- 弾劾主義の「訴えがあって初めて裁判が動く」と接続。
- 例外:付審判請求(準起訴手続・262条=刑法193〜196条の公務員職権濫用の罪等に限定)/検察審査会の起訴議決(強制起訴)。
短答ひっかけ
- 今の裁判の形 → 弾劾主義(3面構造)。
- 現行法の主導権 → 当事者主義が基調(職権主義が補充)。
- 訴えるのは → 検察官だけ(247・国家訴追/起訴独占)。
- 起訴状一本主義(256⑥) → 予断排除(公平な裁判所を守る)。
📝 論文の型
- 該当なし(概念整理)。
→ 次回:第1章③ 訴訟の主体(裁判所・検察官・被告人・弁護人)。
参照条文
- 刑訴298条1項
- 刑事訴訟法247条