刑事訴訟法ゼロから刑事訴訟法#3

審理の構造

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骨格刑事裁判の「形」は、2つの問いで決まる

  • 1 2つの軸:①誰が訴え、誰が裁くか ②起訴の後、誰が審理を動かすか。別々の問いで、現行法は弾劾主義×当事者主義が原則(補充に職権)。
  • 2 軸①:糾問主義=二面(疑う人がそのまま裁く)/弾劾主義=三面(訴追者と裁判所を分ける)。分ける理由=裁判所の中立公平性。
  • 3 弾劾主義の帰結=不告不理:起訴が無ければ裁判は無い。裁けるのは起訴された事件と、検察官が指定した被告人だけ(378条3号参照・249条)。
  • 4 軸②:弾劾主義の中の区別。職権主義=裁判所が主導/当事者主義=検察官と被告人が主張・立証を主導。
  • 5 現行法:審判の対象の設定・変更(256条3項・312条1項)、争点(316条の17・19)、証拠調べの請求(298条1項)=当事者 → 当事者主義が原則。
    • 補充の職権:職権による証拠調べ(298条2項)・訴因変更命令(312条2項)。
  • 6 「職権」の2つの中身:進行=裁判所・裁判長が決める/探知=補充的。
    • 別に、職権調査:訴訟条件は原則として裁判所が自ら調べる(例外は土地管轄)。上訴にも職権調査の権限。

⚠ 弾劾主義=当事者主義ではない/当事者主義の「責任」は証明責任ではない(証明責任は検察官)/247条は「誰が訴えるか」の条文で、不告不理の手がかりは378条3号・249条

2つの軸で読む

刑事裁判の形は「誰が訴え、誰が裁くか」と「起訴の後、誰が審理を動かすか」の2軸で読みます。現行法は、弾劾主義で、当事者主義が原則です。

軸①\軸②職権主義(裁判所が主導)当事者主義(当事者が主導)
糾問主義(二面)この軸では問題にならない(訴える人と裁く人が同じ)同左
弾劾主義(三面)補充(298条2項・312条2項)原則(256条3項・312条1項・298条1項)
  • 2つの軸は別の問い:職権主義と当事者主義は、弾劾主義の中の区別です。どちらを基調にするかは、国や歴史で異なります。
    • 「糾問主義か弾劾主義か」の答えが分かっても、「職権主義か当事者主義か」の答えは決まりません。
    • 例:「検察官と裁判所が分かれていれば当事者主義」は誤りです。訴追者と裁判所を分けたうえで、審理は裁判所が証拠を集めて引っぱる形もありえます(弾劾主義×職権主義)。

軸①:糾問主義と弾劾主義

疑う役と裁く役を分ける(三面)のは、裁判所の中立公平性を担保するためです。

糾問主義弾劾主義
形二面:判断者(裁判所)と、判断される人だけ三面:判断者と訴追者を分け、裁判所の前で訴追者が主張し、被告人が防御する
訴える役と裁く役同じ1人に集まる分かれる
位置づけ歴史的に古い形近代に多くの国が移行した形。現行法
  • 糾問主義の姿:裁判官が自分で疑いをかけ、自分で取り調べ、そのまま判断まで下します。
    • 例:役人が自分で「怪しい」と目を付け、呼び出して問い詰め、そのまま罰を言い渡す → 疑う役と裁く役が1人=二面です。
  • 弾劾主義の裁判所:訴追者からも被告人からも独立した第三者として判断します。
    • 例:検察官が起訴し、被告人・弁護人が反論し、裁判所がどちらにも属さずに判断する → 三面です。
  • 分ける理由:訴追者と判断者を分けることで、裁判所の中立公平性を担保するためだと説明されます。
    • 問題は裁判官の能力ではなく構造だ、と考えると分かりやすくなります。自分で疑いをかけた人は、疑いを裏づける材料を重く見て、否定する材料を軽く見がちになるからです。
    • 例:試験問題を作った人が自分で採点すると、自分の模範解答に近い答案を高く評価しがちです。「糾問主義が不公平なのは、裁判官の資質が低かったから」ではなく、役割が重なる仕組みの問題です。

弾劾主義の帰結:不告不理の原則

起訴が無ければ裁判は始まらず、裁判所は起訴された事件・被告人の枠の中でしか裁けません。

  • 不告不理の原則:訴追者が訴えを提起しない限り、裁判は行われない、という原則です。弾劾主義から出てきます。
    • 訴える役目を訴追者に渡したので、裁判所が自分から事件を取り上げることはできません。
    • 例:大きく報道された事件で、裁判所もその事件を知っている。しかし検察官が起訴していない → 裁判所は自分から審理を始められません。
  • 裁く範囲:起訴があっても、裁判所が裁けるのは起訴の枠の中だけです。
    • ① 事件:裁判所は、検察官が起訴状を出して起訴した「事件」についてだけ、審理・判断できます(378条3号参照=審判の請求を受けない事件について判決をしたことは控訴理由)。
      • 量刑=刑の重さを決めること。情状=そのときに考える事情(性格・経歴・動機など)。
      • 例:窃盗1件で起訴された被告人について、起訴されていない別の窃盗を「それもやったのだから、その分も罰する」として刑を重くする(実質上処罰する趣旨で量刑に考慮する)→ 不告不理の原則に反するとされます(最高裁の判例)。これに対し、「盗みを繰り返す傾向がある」という被告人の性格などの情状を知る材料として考慮することは、必ずしも禁じられていません(ただし必要な限度にとどめ、実質的な処罰と混同しないよう注意が要る、とされます)。
    • ② 人:公訴の効力は、検察官が指定した被告人以外の者には及びません(249条)。
      • 例:検察官がAを起訴したが、審理の途中で真犯人はBだと分かった → 裁判所はBを有罪にできません。Aには無罪を言い渡し、Bを裁くには検察官がBを起訴し直します。
  • 247条(公訴は、検察官がこれを行う):「誰が訴えるか」の条文です。私人は起訴できない(国家訴追主義)、国家機関の中でも原則として検察官だけが起訴できる(起訴独占主義。例外は付審判と検察審査会の起訴議決)、という原則の根拠です。

軸②:職権主義と当事者主義

どちらも弾劾主義の中の区別で、起訴の後、審理を誰が主導するかの違いです。

職権主義当事者主義
考え方起訴の後、裁判所が事実の究明について主導権と責任を持つ起訴の後も、検察官と被告人が主張・立証を主導し、誤ったらその責任も当事者が負う
証人を法廷に呼ぶ場面裁判所が記録を読み、自分の判断で呼ぶ検察官や弁護人が請求し、裁判所が採否を決める
  • 弾劾主義の徹底:当事者主義は、弾劾主義の趣旨を公判審理まで徹底したもの、ともいわれます。
    • 起訴で役割を分けても、起訴の後に裁判所が自分で有罪の証拠を探しにいけば、また「疑う役」に近づいてしまいます。法廷での主張・立証も当事者に任せ、裁判所は判断に徹する、と理解できます。
  • 「責任」は証明責任ではない:当事者主義の「責任」は、主張・立証を主導した結果を当事者が引き受けるという意味です。
    • 例:「当事者主義だから、被告人も無罪を証明できなければ負ける」は誤りです。刑事裁判では証明責任は検察官にあるとされ、犯罪の証明が無ければ無罪です(336条)。
  • 民事の弁論主義・処分権主義と同じではない:当事者主義を原則とする現行法でも、1条の「事案の真相を明らかに」は目的の1つです。真相を明らかにすることも目的なので、刑訴法の立案者は、当事者の合意で事件を処分することを認めませんでした。
    • 民事の弁論主義=判断の材料(事実・証拠)は当事者が出したものに限り、当事者が争わない事実(自白)はそのまま判断の基礎にする。処分権主義=訴えるか・何を求めるか・和解などで終わらせるかを当事者が決める。
    • 違うのは、当事者の自白・合意で結論が決まる部分です。刑事では、民事の自白・和解のように、当事者の合意で有罪・無罪の結論を決める仕組みはとられていません。当事者主義は「当事者の合意で結論が決まる」という意味ではありません。
    • 例:民事で、被告が法廷で「お金を借りたのは事実です」と認めた → その事実は証明がいりません(民訴179条)。刑事で、被告人が法廷で「私がやりました」と認めた → それだけでは有罪にできず、ほかに裏付けの証拠が要ります(319条2項・3項。有罪の自認も含む)。

現行法:原則は当事者、補充に職権

審判の対象を決め・変え、争点を示し、証拠調べを請求するのは当事者です。裁判所の職権は補充として残ります。

場面原則:当事者が動かす補充:裁判所の職権
審判の対象(訴因)検察官が起訴状で設定する(256条3項)/変えるのも検察官の請求から(312条1項)裁判所の訴因変更命令(312条2項)
争点(公判前整理手続)当事者が主導して設定する(316条の17・316条の19等)
証拠調べ検察官・被告人・弁護人が請求する(298条1項)裁判所の職権による証拠調べ(298条2項)

(1) 原則を条文で確かめる

  • 256条3項:文言に「検察官」は出てきません。しかし起訴状を書いて出すのは検察官で、その書面に訴因の明示を求めています → 審判の対象となる事実(罪となるべき事実)を設定するのは検察官です。
    • 罰条(どの処罰規定を当てはめるか)は、訴因とは別に起訴状に示します(256条4項)。
    • 例:起訴状の公訴事実に「いつ・どこで・何を・どうやって盗んだか」を書くのは検察官 → 法廷で審理されるのは、その書かれた事実です。裁判所が別の日の別の盗みを持ち出して審理することはできません。

256条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第二章 公訴(247〜270条)3項:公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。

  • 312条1項:変更の起点は、検察官の請求です。
    • 公訴事実の同一性:変える前の訴因と後の訴因を見比べて、同じ機会・同じ物をめぐる話といえるほど重なっているか、という限界です。
    • 例:同じ日に同じ相手から同じ財布を手に入れた出来事を、窃盗で起訴したが、審理の結果、だまし取った(詐欺)方が実態に近いと分かった → 同じ日・同じ相手・同じ財布をめぐる話なので、検察官が訴因の変更を請求すれば、裁判所は許さなければなりません。裁判所が自分で詐欺に差し替えて有罪にするのではありません。
    • 例:別の日の別の盗みに差し替える → 重なりが無いので、訴因の変更ではできず、新たな起訴が要ります。

312条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第三章 公判 第一節 公判準備及び公判手続(271〜316条)1項:裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。2項:裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。

  • 公判前整理手続(法廷を開く前に、争点と証拠を整理する手続):検察官が先に証明予定事実(証拠で証明しようとする事実)を示します(316条の13)。被告人側は、予定する主張があれば明らかにし、その証拠の取調べを請求します(316条の17)。検察官は、その証拠を証拠とすることに同意するかなどの意見を明らかにします(316条の19)。
    • こうして双方の主張を突き合わせ、どこで食い違っているか(争点)が絞られます。
    • 例:検察官が「被告人が被害者を殴って怪我をさせた」と示し、被告人側が「殴ったのは認めるが、先に襲われたので正当防衛だ」と主張した → 争点は、殴ったかどうかではなく、正当防衛が成り立つかに絞られます。
  • 298条1項:並んでいるのは検察官・被告人・弁護人だけで、裁判所は書かれていません。

298条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第三章 公判 第一節 公判準備及び公判手続(271〜316条)1項:検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。2項:裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。

(2) 補充として残る職権

  • 裁判所の職権による証拠調べ(298条2項):裁判所が「必要と認める」ときに限り、補充として行います。
    • 原則:裁判所に、職権で証拠調べをする義務も、検察官に立証を促す義務もありません(判例)。
      • 例:「重要な証拠が法廷に出ていないなら、裁判所は必ず自分で調べなければならない」は誤りです。当事者のどちらも問題にしていない事柄について、裁判所が片端から証拠を集めにいくのも、補充という位置づけに合いません。
    • 例外:検察官の不注意による出し忘れが明白な事案では、少なくとも検察官に提出を促す義務があります(判例)。
      • 例:共犯者の事件では有罪の証拠になった調書を、検察官がこの被告人の事件には出し忘れたことが明白だった → 裁判所は、少なくとも検察官に提出を促さなければなりません。促さずに証拠不十分で無罪とすれば、審理不尽とされます(判例の事案)。
    • これを一般化して、証拠の存在が明らかで、取調べが容易で、取り調べないと著しく正義に反する結果になるおそれが顕著なときは、当事者に請求を促す義務がある、と説明されます。
  • 裁判所の訴因変更命令(312条2項):審理の経過に照らして適当と認めるとき、検察官に、訴因・罰条の追加・変更を命ずることができます。
    • 命じただけで訴因が変わるわけではありません(判例)。訴因が変わるのは、検察官が命令に応じて変更を請求し、裁判所がそれを許したときです。
    • 例:窃盗の訴因のまま審理してきたが、詐欺なら有罪にできそうだと裁判所が考えた → 検察官に変更を命ずることはできます。検察官が請求しなければ、訴因は窃盗のままで、裁判所はその窃盗について判断します。
  • なぜ残すのか:当事者の主張・立証の失敗を、そのまま誤った有罪・無罪に直結させないよう、裁判所が後見的に介入するための規定だと、しばしば説明されます。
    • これらを、職権主義の要素の表れと評価する見方もあります。
  • 公判中心主義とのつながり:捜査段階の供述調書に頼りきらず、法廷の証拠調べを通じて心証を形成します(公判中心主義)。その法廷に証拠を出すのは、原則として当事者です。
    • 捜査段階の書類が山ほどあっても、法廷に出されて初めて判断の材料になります。

「職権」の2つの中身:進行と探知

手続を進めるのは裁判所・裁判長です。判断の材料を集めるのは原則として当事者で、裁判所の探知は補充にとどまります。これとは別に、当事者の主張が無くても裁判所が自ら調べる事項(職権調査)があります。

  • 「職権」という語の関係:職権主義・当事者主義で主に問われるのは、審理の対象と判断の材料を誰が決めるか(探知の側)です。手続を前に進める役(進行)を裁判所が担うことは、当事者主義と両立すると整理できます。職権調査は、訴訟条件が備わっているか・控訴理由に当たる事由が無いか、といった決まった事項を、当事者の申立てを待たずに裁判所が自分で確かめることです。当事者の主張・請求の外へ審理の対象や材料を広げる探知とは、分けて考えると分かりやすいです(調査の中で職権で事実を取り調べることはあります)。
職権進行主義職権探知主義
意味手続を前に進める主導権が裁判所にある当事者が請求・提出した証拠に限らず、裁判所が自らの判断で審理の対象を広げたり証拠調べをしたりして、判断の材料・証拠を集める権能・責任を負う
条文の例公判期日の指定(273条・裁判長)=次の期日を決める/証拠調べの範囲・順序・方法(297条・裁判所が当事者の意見を聴いて定める)=証人尋問と書証のどちらを先に調べるか職権による証拠調べ(298条2項)=どちらの当事者も請求していない書類を裁判所が取り調べる
現行法裁判所の側が決める補充的(審判の対象=訴因を決めるのは検察官〔§5〕。裁判所に残るのは、主に職権による証拠調べ)

(1) 裁判所が自ら取り上げて調べる場面(職権調査)

  • 訴訟条件(公訴を提起して公判を維持するための条件。欠けると、有罪・無罪を判断せずに手続を打ち切る):原則として、裁判所に職権調査の義務があると解されています。訴訟条件の多くは手続を適法に進めるための公益にかかわる条件なので、当事者が言わなくても裁判所が確かめる、と説明されます。
    • 例:公訴時効が完成していた事件が起訴された → 被告人が何も言わなくても、裁判所が自ら調べて免訴にします(337条4号)。
    • 例外:土地管轄(331条1項):土地管轄=どの地域の裁判所が担当するか(犯罪地・被告人の住所・居所・現在地=2条1項)。担当でない裁判所は、管轄違いを言い渡して手続を打ち切ります(329条)。ただし土地管轄は、被告人の利益のための制度なので、被告人の申立てがなければ、裁判所の側から管轄違いを言い渡すことはできません。申立ては、証拠調べを始めた後はできません(331条2項)。
      • 例:犯罪地でも被告人の住所・居所・現在地でもない土地の裁判所に起訴された → 被告人が申し立てなければ、管轄違いにはできません。証拠調べが始まった後は、もう申し立てられません。

331条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第三章 公判 第五節 公判の裁判(329〜350条)1項:裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。2項:管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。

  • 上訴:不服がある側が「ここがおかしい」と書いて出すのが前提です。
    • 控訴(第一審→高等裁判所)では、控訴趣意書に不服の理由を書きます。控訴裁判所が必ず調べるのは、そこに書かれた事項です(392条1項)。
    • ① 控訴審(392条2項):趣意書に書かれていない事項でも、控訴理由に当たる事由(377〜382条・383条)なら、裁判所は職権で調べることができます。義務ではありません。
      • 例:弁護人が「刑が重すぎる」(量刑不当)とだけ書いて控訴した。控訴裁判所が記録を読むと、そもそも有罪の認定がおかしい(事実誤認)疑いがある → 趣意書に無くても職権で調べられ、判決に影響する事実誤認が認められれば、原判決は破棄されます(397条1項)。
    • ② 上告審(405条・411条):最高裁への上告は、理由が強く絞られています。405条が上告理由として認めるのは、憲法違反か判例違反だけです。量刑不当や事実誤認は上告理由になりません。
      • それでも411条は、405条の理由が無い場合でも次の事由があり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するときは、当事者の主張が上告理由に当たらなくても(主張が無くても)、最高裁が職権で破棄できるとしています:判決に影響する法令違反/刑の量定が甚しく不当/判決に影響する重大な事実誤認/再審事由がある/判決後に刑の廃止・変更・大赦があった。
      • 例:上告理由として「憲法違反」を主張したが、それは認められない。ところが記録を見ると、判決に影響する重大な事実誤認(冤罪の疑い)がある → 405条では救えませんが、破棄しなければ著しく正義に反すると認められれば、411条(3号)で破棄できます。
    • まとめ:控訴審は、趣意書に無くても、もともと控訴理由になる事由なら調べられます。上告審は、もともと上告理由にならない事由(事実誤認・量刑など)でも、著しく正義に反する重いものに限って破棄できます。どちらも、当事者の主張の書き方や上告理由の枠だけで、明らかにおかしい判決を確定させないための安全弁です。

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