簡易な手続(簡易公判・即決裁判・略式)
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第7章 裁判 ⑤/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
導入
図:今日の問い2つ
- ①スーパーで数千円分の食品を盗んだ
- 前科はなく、全部認めている
- この事件でも、法廷を開き、証人を呼び、何回も期日を重ねるのか
- ②ある日、簡易裁判所から書面が届き、罰金の支払いを命じられた
- 法廷に行った覚えはない
- それでも有罪の裁判を受けたことになるのか
- 納得できないときはどうするのか
前回までは、争って、証拠を調べて、刑を決める、通常の公判を見てきました。では、争いのない事件でも、同じ道のりを歩くのでしょうか。問いは2つあります。1つ目。スーパーで、数千円分の食品を盗みました。前科はなく、全部認めています。この事件でも、法廷を開いて証人を呼び、何回も期日を重ねなければならないのでしょうか。2つ目。ある日、簡易裁判所から書面が届きました。罰金を支払うように、という内容です。法廷には一度も行っていません。それでも、有罪の裁判を受けたことになるのでしょうか。納得できないときは、どうすればよいのでしょうか。
2つ目は、ちょっと怖いです。知らないうちに有罪になるなんて、あるんですか。あります。ただし、それには、ちゃんと仕組みがあります。先に、答えの形だけ言っておきます。1つ目。手続は簡単にできます。ただし、有罪を証明する水準は下がりません。2つ目は、書面の罰金でも、期限内なら正式な裁判を求められます。何もしないと、確定した判決と同じ効力を持ちます。なお、2つ目は、交通違反の反則金とは別の話です。違いは、あとで言います。
図:今日の地図は4歩
今日の地図です。1歩目は、なぜ簡単にするのか、そして簡単にしても下がらないものは何か。2歩目は、公判の中で簡単にする、簡易公判手続。3歩目は、捜査の段階から早く終える、即決裁判手続。4歩目は、公判を開かない、略式手続です。
なぜ簡単にするか・下がらないもの

- 簡略化されるもの/下がらないもの
- 左=手続の負担(被告人・裁判所・検察官・弁護人)・訴訟経済
- 右=有罪の認定に要る合理的な疑いを超える証明・補強証拠(憲法38条3項・刑訴319条2項・3項)
- 有罪答弁制度=有罪と答弁したら証拠による認定を省いて量刑へ進む制度→日本は採らない
まず、なぜ簡単にするのか。世の中の事件の多くは、重大ではなく、被告人も事実を争いません。それを全部、通常の公判にすると、関わる全員の負担が重くなります。訴訟経済にも反します。速く終わることは、迅速な裁判を求める憲法37条1項にも沿います。ただし、簡単にしてよいのは手続です。有罪を認定する水準は、下がりません。合理的な疑いを超える証明がないのに、有罪にしてよいわけではありません。ここで、前に見た補強法則を思い出してください。被告人が法廷で、有罪です、と認めただけで、有罪にできるでしょうか?できません。有罪であることの自認も自白に含まれて、自白だけでは有罪にできないので、補強証拠が要ります。刑事訴訟法319条3項が、有罪の自認も自白に含めています。同2項が、自白だけが唯一の証拠なら有罪にしない、としています。外国には、有罪答弁制度があります。被告人が有罪と答弁したら、証拠による有罪の認定を省いて、すぐ刑を決める制度です。日本は、この制度を採っていません。認めても、証拠による認定は残ります。今日の3つの手続も、全部この前提の上にあります。
近道にたとえます。近道を通る代わりに、通行証、同行者、速度制限、引き返せる分岐を付けます。それでも、目的地に着く基準は変わりません。省くのは道のりであって、基準ではありません。通行証は本人の同意。同行者は弁護人。速度制限は刑の枠。引き返せる分岐は、撤回や正式な裁判の請求です。もう1点。3つとも被告人が争わないことが前提ですが、条文上の入口は同じではありません。簡易公判と即決裁判は、有罪である旨の陳述が入口です。略式は、略式手続によることに異議がないこと、が入口です。条文は、略式に有罪の陳述を要件にしていません。
3つの入口の地図
図:3つの入口
- 簡易公判=公判請求(普通の起訴)→冒頭手続で被告人が有罪と陳述→意見を聴いて決定=公判の途中で切り替わる(最初から選べない)/即決裁判=捜査段階で被疑者の同意→起訴と同時に検察官が書面で申立て=起訴の時点で選ぶ/略式=捜査段階で被疑者に異議がないことを確かめる→起訴と同時に書面で請求=起訴の時点で選ぶ
- 公判を開くか=簡易公判・即決は開く/略式は開かない
3つを分ける軸は2本です。入口の時期と、公判を開くかどうか。簡易公判は、普通に起訴されて、公判が始まってから切り替わります。冒頭手続で被告人が有罪と陳述して、裁判所が決定します。最初から選べません。即決裁判と略式は、起訴の時点で選びます。捜査の段階で、被疑者の同意、または異議がないことを確かめて、起訴と同時に、検察官が書面で申し立て、あるいは請求します。起訴の形は、前に見たとおり、公判請求、略式命令の請求、即決裁判手続の申立ての3つがあります。もう1本の軸が、公判を開くか。簡易公判と即決裁判は、公判を開きます。略式は開きません。書面だけで審理します。
簡易公判手続
図:簡易公判手続
- 入口=冒頭手続(291条5項)で、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述→検察官・被告人・弁護人の意見を聴く→有罪の陳述のあった訴因に限り決定(することができる=裁量)
- 対象外=死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる事件
- 省くもの=伝聞法則(320条2項)・証拠調べの方式(307条の3)
- 省けないもの=捜査・公訴提起・公判準備は通常どおり/補強証拠(319条2項・3項)/実刑も可/決定後に、できない・相当でないと認めたら取消し(291条の3)
簡易公判手続から見ます。入口は、冒頭手続です。冒頭手続は前に見ました。罪状認否の場面で、被告人が、起訴状に書かれた訴因について、有罪です、と陳述したときです。
条文刑事訴訟法第291条の2
刑事訴訟法第291条の2 被告人が、前条第五項の手続に際し、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期一年以上の拘禁刑に当たる事件については、この限りでない。
順に読みます。有罪である旨の陳述があると、裁判所は、検察官、被告人、弁護人の意見を聴きます。そして決定を、することができる。できる、ですから、裁判所の裁量です。決定は、有罪の陳述のあった訴因に限ります。ただし書きに注意してください。死刑、または無期、もしくは短期1年以上の拘禁刑に当たる事件は対象外です。たとえば強盗罪は、短期が5年の拘禁刑ですから対象外です。軽い事件だけの手続、ということです。手続を簡単にして、何が省かれるんですか。2つあります。1つ目は、前に見た伝聞法則です。法廷の外の話を証拠にしない、という原則でした。
条文刑事訴訟法第320条第2項
刑事訴訟法第320条第2項 第二百九十一条の二の決定があつた事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。
前項とは、伝聞証拠を原則として証拠にしない、という320条1項です。簡易公判の決定があった事件では、この原則が適用されません。ただし、検察官、被告人、弁護人が、証拠にすることに異議を述べた証拠は別です。なぜ外してよいのか。法廷の外の話を締め出すのは、反対尋問などで確かめられないからでした。被告人が有罪を認めて争っていない事件では、確かめる必要が小さい、と説明されます。それでも争いたい証拠には、異議を述べれば、原則に戻せます。2つ目は、証拠調べの方式です。
条文刑事訴訟法第307条の3
刑事訴訟法第307条の3 第二百九十一条の二の決定があつた事件については、第二百九十六条、第二百九十七条、第三百条から第三百二条まで及び第三百四条から前条までの規定は、これを適用せず、証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができる。
冒頭陳述や、証拠調べの範囲と順序と方法の決定、証人尋問の方式、書面の朗読といった規定が適用されません。証拠調べは、公判期日に、適当と認める方法でできます。では、省けないものは何か。まず、捜査も、起訴も、公判の準備も通常どおりです。入口が公判の冒頭だからです。次に、補強証拠も要ります。そして、実刑も言い渡せます。決定のあとで、簡易公判によることができない、または相当でないと認めたときは、決定を取り消します。291条の3です。簡易公判は、実務であまり使われていません。証拠調べが簡略になる以外は、正式な公判と大きく変わらないのです。そこで、入口をもっと早くする仕組みが作られました。次の、即決裁判手続です。
即決裁判手続①入口と流れ
図:即決裁判手続の流れ
- 起訴の前=事案が明白で軽微・証拠調べが速やかに終わる見込み→検察官が公訴の提起と同時に書面で申立て(350条の16第1項)/被疑者の同意(2項)/書面で確認を求め、通常の規定に従って審判を受けられる旨を告げる(3項)
- 起訴の後=できる限り早い時期の公判期日(350条の21。規則222条の21=できる限り公訴提起の日から14日以内)→冒頭手続で有罪の陳述→即決裁判手続によって審判をする旨の決定(しなければならない=350条の22)→適当と認める方法での証拠調べ(350条の24)→伝聞法則の適用除外(350条の27)→できる限り即日判決(350条の28)
即決裁判手続です。流れを、起訴の前と後に分けて見ます。起訴の前。検察官が、事案が明白で軽微で、証拠調べが速やかに終わる見込みがあるなどの事情から、相当と認めるとき、公訴の提起と同時に、書面で申し立てます。
条文刑事訴訟法第350条の16第1項
刑事訴訟法第350条の16第1項 検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期一年以上の拘禁刑に当たる事件については、この限りでない。
ただし書きは、簡易公判と同じです。そして申立ての前に、被疑者の同意が要ります。同意を求めるときは、書面で、手続を理解するのに必要な事項を説明します。弁護人を選任できることも含まれます。さらに、通常の規定に従って審判を受けられる旨を告げます。起訴のあと。裁判長は、できる限り早い時期の公判期日を定めます。目安は、公訴の提起の日から14日以内です。冒頭手続で被告人が有罪と陳述すると、裁判所は、即決裁判手続によって審判をする旨の決定を、しなければなりません。簡易公判は裁量。即決は、原則として義務です。例外は4つあります。同意が撤回されたとき。弁護人の同意が得られないとき。即決裁判手続によることができない事件のとき。相当でないとき。この4つを除いて、決定をします。決定のあとは、証拠調べを、適当と認める方法で簡略に行います。伝聞法則も、異議のある証拠を除いて適用されません。そして判決は、できる限り即日に言い渡します。起訴の前に同意を取り、起訴から14日を目安に期日を開き、できる限りその日に判決。これが、即決の速さです。
即決裁判手続②被告人を守る4つの歯止め
図:4つの歯止め
- ①申立ての前=被疑者の同意に加え、弁護人があるときは弁護人の同意か意見の留保(350条の16第4項)
- ②同意するかどうか決める助言のために=貧困などで弁護人を選任できない被疑者に、請求により裁判官が弁護人を付す(350条の17)
- 申立て後に弁護人がなければ、裁判長が職権で付す(350条の18)
- ③開廷の条件=弁護人がなければ公判期日を開けない(350条の23・必要的弁護)
- ④やめたいとき=判決の言渡し前なら、同意を撤回、有罪の陳述を撤回→決定は取り消され、通常の公判に戻る(350条の25第1項1号・2号)
即決は、速い代わりに、被告人を守る歯止めが4つあります。時点で並べます。1つ目は、申立ての前です。被疑者の同意に加えて、弁護人がいるときは、弁護人の同意か意見の留保が要ります。弁護人がはっきり反対しているなら、申し立てられません。350条の16第4項です。2つ目は、同意するかどうかを決めるときの助言です。貧困などで弁護人を選任できない被疑者には、請求により、裁判官が弁護人を付けます。350条の17です。同意するかどうかを決めるための助言をする、国選弁護人です。3つ目の前に、1問です。前に見た必要的弁護の話です。どんな事件では、弁護人がいなければ開廷できないのでしたか?
死刑や無期、長期3年を超える拘禁刑に当たる事件です。289条1項です。即決裁判手続は、この範囲に入らない事件でも必要的弁護です。これが3つ目の歯止めです。350条の23。弁護人がいなければ、公判期日を開くことができません。4つ目は、やめたいときの逃げ道です。
条文刑事訴訟法第350条の25第1項
刑事訴訟法第350条の25第1項 裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。 一 判決の言渡し前に、被告人又は弁護人が即決裁判手続によることについての同意を撤回したとき。 二 判決の言渡し前に、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述を撤回したとき。 ……
判決の言渡しの前なら、被告人か弁護人が同意を撤回できます。被告人は、有罪の陳述も撤回できます。すると決定は取り消されて、通常の公判に戻ります。3号と4号は、裁判所が、この事件は即決によることができない、または相当でない、と認めた場合です。4つをまとめると、同意は捜査段階、助言は国選、開廷は弁護人がいるとき、やめたいときは判決の前まで。近道の喩えなら、通行証、同行者、そして引き返せる分岐です。
即決裁判手続③代償と上訴の制限
図:2つの代償
- ①科刑の制限=拘禁刑の言渡しをする場合は必ず刑の全部の執行猶予(350条の29)
- 罰金は実刑でよい(条文は拘禁刑の場合だけ)
- ②上訴の制限=判決で示された罪となるべき事実の誤認(382条)を理由とする控訴はできない(403条の2第1項)/控訴裁判所もその理由では破棄できない(同2項)/上告審も411条3号を理由に破棄できない(413条の2)
- 制限されるのは事実の誤認だけ=量刑不当・法令違反などは制限外
即決の山場です。速くする代わりに、被告人は何を得て、何を手放すのか。得るものは、実刑にならないことです。
条文刑事訴訟法第350条の29
刑事訴訟法第350条の29 即決裁判手続において拘禁刑の言渡しをする場合には、その刑の全部の執行猶予の言渡しをしなければならない。
拘禁刑を言い渡すなら、必ず全部執行猶予を付けます。拘禁刑で実刑を受けることはありません。ただし、条文は拘禁刑の場合だけです。罰金は、実刑でかまいません。手放すものは、事実の誤認を理由とする上訴です。
条文刑事訴訟法第403条の2第1項
刑事訴訟法第403条の2第1項 即決裁判手続においてされた判決に対する控訴の申立ては、第三百八十四条の規定にかかわらず、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第三百八十二条に規定する事由があることを理由としては、これをすることができない。
判決に書かれた罪となるべき事実について、事実の誤認があることを理由にした控訴は、できません。2項で、控訴裁判所も、その理由では原判決を破棄できません。上告審も同じです。上告審は、上告の理由がなくても、判決に影響する重大な事実の誤認があれば、職権で原判決を破棄できます。411条3号です。ところが、第一審が即決でした判決は、この理由では破棄できません。413条の2です。控訴が、全部できなくなるんですか。違います。制限されるのは事実の誤認だけです。量刑が重すぎる、法令に違反している、といった理由での控訴は、条文上、制限されていません。罪となるべき事実は争えない。でも、実刑にはならない。これが即決の代償の組み合わせです。冒頭の、スーパーで数千円分の食品を盗んだ事件で確かめます。即決裁判で拘禁刑1年を言い渡すなら、必ず執行猶予が付きます。罰金30万円なら、執行猶予を付けなくてもかまいません。判決のあとで、実は盗んでいない、と事実を争う控訴はできません。刑が重すぎる、という控訴はできます。
節目のミニ事例
図:節目のミニ事例
節目のミニ事例です。1つ目。即決裁判手続で罰金を言い渡す場合も、必ず執行猶予を付けなければならない。正しいでしょうか。2つ目。即決裁判手続の判決に対して、量刑が重すぎることを理由に控訴できる。3つ目。即決裁判手続の決定が出たあとでも、判決の言渡しの前なら、被告人は有罪の陳述を撤回できる。弁別の軸は、何が制限されて、何が残るか、です。
判例・即決裁判手続の上訴制限
図:判例の事案と問い
- 業務上横領被告事件
- 弁護人の主張=①事実誤認の上訴を制限する403条の2第1項は、裁判を受ける権利を保障した憲法32条に違反する
- ②即決は必ず執行猶予というしくみのせいで虚偽の自白を誘発しやすく、憲法38条2項に違反する→最高裁は上告棄却(合憲)
- 判旨の構造=手続保障(自由意思による選択・撤回できる・弁護人の助言)+科刑の制限(実刑を科せない)→上訴制限には合理的な理由がある
上訴を制限して、憲法違反にならないのか。最高裁が答えました。業務上横領の事件です。弁護人は、2つのことを主張しました。1つ目。事実誤認の上訴を制限するのは、裁判を受ける権利を保障した憲法32条に違反する。2つ目。必ず執行猶予が付くしくみは、虚偽の自白を誘発しやすく、強制や脅迫による自白は証拠にできないとした憲法38条2項に違反する。最高裁は、どちらも退けて、上告を棄却しました。1つ目の判断から読みます。
判例最判平21・7・14 刑集63巻6号623頁
即決裁判手続の上訴制限と憲法32条 審級制度については、憲法81条に規定するところを除いては、憲法はこれを法律の定めるところにゆだねており、事件の類型によって一般の事件と異なる上訴制限を定めても、それが合理的な理由に基づくものであれば憲法32条に違反するものではないとするのが当裁判所の判例とするところである …… 同手続による判決に対し、犯罪事実の誤認を理由とする上訴ができるものとすると、そのような上訴に備えて、必要以上に証拠調べが行われることになりかねず、同手続の趣旨が損なわれるおそれがある
読み取ります。まず枠組みです。審級制度は法律にゆだねられている。事件の類型によって、一般と違う上訴制限を設けても、合理的な理由があれば憲法32条に違反しない。では、合理的な理由は何か。まず1つ目は、制度の趣旨です。事実誤認の上訴を認めると、上訴に備えて必要以上に証拠調べが行われかねず、簡易迅速という趣旨が損なわれます。ただし、趣旨だけでは足りません。判決は、被告人側の守りも見ています。続きを読みます。
判例最判平21・7・14 刑集63巻6号623頁
即決裁判手続の上訴制限と手続保障・科刑の制限 即決裁判手続によることは、被告人の自由意思による選択に基づくものであるということができる …… 被告人は、手続の過程を通して、即決裁判手続に同意するか否かにつき弁護人の助言を得る機会が保障されている …… 即決裁判手続による判決では、懲役又は禁錮の実刑を科すことができないものとされている …… 刑訴法403条の2第1項は、上記のような即決裁判手続の制度を実効あらしめるため、被告人に対する手続保障と科刑の制限を前提に、同手続による判決において示された罪となるべき事実の誤認を理由とする控訴の申立てを制限しているものと解されるから、同規定については、相応の合理的な理由があるというべきである
自由意思による選択であること。弁護人の助言を得る機会が保障されていること。そして、実刑を科せないこと。この手続保障と科刑の制限を前提に上訴を制限しているから、合理的な理由がある、と結論しました。判決にある、懲役又は禁錮は、当時の刑名です。現在の拘禁刑に当たる部分と読んでください。2つ目の判断です。
判例最判平21・7・14 刑集63巻6号623頁
即決裁判手続と憲法38条2項 前記のような被告人に対する手続保障の内容に照らすと、即決裁判手続の制度自体が所論のような自白を誘発するものとはいえないから、憲法38条2項違反をいう所論は前提を欠く
先ほどの手続保障を見れば、制度自体が自白を誘発するとはいえない。だから、憲法38条2項違反の主張は前提を欠く、という判断です。虚偽の自白を誘発するという主張に、判決は手続保障で答えています。自由意思による選択であること。弁護人の助言があること。判決の前まで撤回できること。この仕組みがあるから、制度自体が自白を誘発するとはいえない、という判断です。覚え方の軸は1本です。上訴制限が許されるのは、手続保障と、必ず執行猶予という代償があるから。ここまでの歯止めと代償を、判例がまとめて評価した、ということです。逆に、この判決が判断したのは、即決裁判手続での、事実誤認を理由とする上訴の制限だけです。その理由づけも、手続保障と、実刑を科せないことを前提にしています。即決の上訴制限が憲法32条に違反しないか、は、論文でも論点になりえます。
即決裁判が伸びなかった理由と350条の26
図:即決裁判が伸びなかった理由として挙げられるもの
- ①あらかじめ執行猶予が付くと予測できるため、反省の機会(感銘力)が十分与えられない
- ②同意や有罪の陳述を後で撤回されると通常の公判に移るため、検察官は「念のため捜査」をせざるをえず、省力化にならない
- 導入の動機=裁判員裁判に資源を回すため、争いのない事件を効率よく進める
即決裁判手続は、裁判員裁判の対象事件に資源を大きく回すために、争いのない事件を効率よく進める目的で導入されました。導入の経緯は、のちの回で見ます。ところが、利用は伸びなかった、とされます。理由として挙げられるものが2つあります。1つ目。あらかじめ執行猶予が付くと、被告人側から予測できます。そのため、反省の機会、感銘力が十分に与えられない、という指摘です。2つ目。同意や有罪の陳述をあとから撤回されると、通常の公判に移ります。すると検察官は、通常の公判になる場合に備えて、念のため裏づけの捜査をしておかなければなりません。これが、念のため捜査です。それでは省力化になりません。そこで改正がありました。平成28年の改正です。検察官が、念のため捜査をしなくてもよいようにするための道具です。その前に、原則を確認します。公訴の取消しです。
条文刑事訴訟法第340条
刑事訴訟法第340条 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。
公訴を取り消して、公訴棄却の決定が確定したら、再起訴できるのは、取消しのあとに新しい重要な証拠を発見した場合に限ります。違反して再起訴すると、338条2号で公訴棄却になります。これは前に見ました。350条の26は、この原則の例外です。
条文刑事訴訟法第350条の26第1項
刑事訴訟法第350条の26第1項 即決裁判手続の申立てを却下する決定(第三百五十条の二十二第三号又は第四号に掲げる場合に該当することを理由とするものを除く。)があつた事件について、当該決定後、証拠調べが行われることなく公訴が取り消された場合において、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定したときは、第三百四十条の規定にかかわらず、同一事件について更に公訴を提起することができる。
これは、即決の申立てが却下された場合です。却下の決定があって、その後、証拠調べが行われることなく公訴が取り消され、棄却決定が確定したとき。340条にかかわらず、同じ事件について更に公訴を提起できます。ただし、できない事件や、相当でない、という理由での却下は除かれます。それは、裁判所が、この事件は即決に向かない、と判断した場合です。残るのは、同意が撤回されるなど、同意が欠けて即決が崩れた場合です。念のため捜査を要らなくしたいのは、まさにこの場面です。
図:340条の原則と350条の26の例外
- 原則=公訴の取消し→公訴棄却の決定が確定→新しい重要な証拠を発見した場合に限り再起訴できる(340条)
- 例外=①即決裁判手続の申立てを却下する決定があった事件で、証拠調べが行われることなく公訴取消し→棄却決定が確定→再起訴できる
- ②即決裁判手続の決定が取り消された事件(同意の撤回・有罪の陳述の撤回など。できない事件を理由とする取消しは除く)で、証拠調べが行われることなく公訴取消し→棄却決定が確定→再起訴できる(350条の26)
- 要件=証拠調べが行われることなく
同じ例外が、もう1つあります。即決裁判手続の決定が、同意の撤回や有罪の陳述の撤回などで取り消された場合です。ただし、できない事件だから、という理由での取消しは含まれません。その後、証拠調べが行われることなく公訴が取り消された。この場合も、再起訴できます。効果は、こうです。検察官は、被告人が否認に転じたら、いったん取り消して、あらためて捜査をして、再び起訴できます。だから、最初から念のため捜査をしておく必要が少なくなります。ただし、証拠調べが始まってしまったあとは、例外は使えません。原則に戻って、再起訴できるのは、新しい重要な証拠を発見した場合に限ります。350条の26は、証拠調べに入る前に限って、その例外を認めます。この、証拠調べが行われることなく、という要件は、問われやすい点です。
略式手続①入口と内容
図:略式手続
- 簡易裁判所が、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前に、略式命令で100万円以下の罰金又は科料を科す(461条)
- 執行猶予・没収・付随の処分も可
- 公判を開かず書面審理
- 入口=検察官が被疑者に手続を説明し、通常の規定に従い審判を受けられる旨を告げ、略式手続によることに異議がないかを確かめる(461条の2第1項)
- 請求は公訴の提起と同時に書面で(462条1項)
- 裁判所が略式不相当と思料したら通常の審判(463条1項)
- 請求から4か月以内に略式命令が告知されなければ公訴の提起は効力を失う(463条の2)
4歩目、略式手続です。冒頭の問い2に、いよいよ入ります。
条文刑事訴訟法第461条
刑事訴訟法第461条 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。
簡易裁判所が、検察官の請求により、公判を開く前に、略式命令で、100万円以下の罰金か科料を科す手続です。執行猶予や没収も付けられます。公判を開かず、書面で審理します。実際に、罰金のほとんどは略式で言い渡されています。冒頭の問い2の書面は、この略式命令です。刑事裁判の一種です。交通違反の反則金とは違います。反則金は、納めれば、その違反について起訴されない、と法律で決まっています。道路交通法128条2項です。裁判にならないのです。略式命令は、罰金刑の裁判です。勝手にはできません。入口に条件があります。
条文刑事訴訟法第461条の2第1項
刑事訴訟法第461条の2第1項 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
検察官は、請求する前に、被疑者に略式手続の内容を説明します。通常の規定に従って審判を受けられることも告げます。そのうえで、略式手続によることに異議がないかを確かめなければなりません。異議がないとき、被疑者は書面でその旨を明らかにします。請求は、公訴の提起と同時に、書面でします。通常は起訴状だけを裁判所に出す起訴状一本主義でしたが、略式では、請求と同時に、略式命令に必要な書類と証拠物も裁判所に出します。起訴状一本主義の例外です。裁判所が、略式命令をすることが相当でないと考えたときは、通常の審判をします。463条です。また、請求から4か月以内に略式命令が告知されないと、公訴の提起はさかのぼって効力を失います。463条の2です。名前の似た、別の制度にも一言触れます。交通事件即決裁判手続法という別の法律があります。道路交通法の罪にあたる事件について、簡易裁判所が、検察官の請求で、公判前に、50万円以下の罰金か科料を科せます。被告人に異議があるときはできません。宣告から14日以内に、正式裁判を請求できます。刑事訴訟法の即決裁判手続とは別物です。
略式手続②書面審理の代償と確定
図:書面審理の代償
- 失われるおそれのあるもの=裁判の公開(憲法82条1項・37条1項)・証人審問権(憲法37条2項)→代わりに①被疑者に異議がないときに限る(461条の2)②略式命令の告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求できる(465条1項・書面で略式命令をした裁判所に)
- 請求なし=期間経過で確定判決と同一の効力(470条)/請求あり=通常の規定に従い審判・略式命令に拘束されない(468条)・判決をしたとき略式命令は効力を失う(469条)
- 請求は第一審判決があるまで取下げ可(466条)
- 数字の区別=14日(請求期間)/4か月(略式命令の告知期限)
書面審理だと、失われるおそれのあるものがあります。裁判の公開と、被告人が証人に尋問する権利です。憲法82条1項、37条1項、37条2項です。代わりに、2つの守りがあります。1つ目は、先ほどの、異議がないときに限る、という入口です。2つ目が、正式裁判の請求です。
条文刑事訴訟法第465条第1項
刑事訴訟法第465条第1項 略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。
略式命令を受けた者、または検察官は、告知を受けた日から14日以内に、正式裁判を請求できます。請求は、略式命令をした裁判所に、書面でします。命令には、正式裁判を請求できる旨も示されます。請求は、第一審の判決があるまで取り下げられます。請求が適法なら、裁判所は通常の規定に従って審判します。略式命令には拘束されません。正式裁判の判決をしたときは、略式命令は効力を失います。では、請求しないまま14日が過ぎたら。
条文刑事訴訟法第470条
刑事訴訟法第470条 略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも、同様である。
確定判決と同一の効力を生じます。効力の中身は次の回で見ます。冒頭の問い2の答えの骨格です。書面で罰金を言い渡されても、14日以内なら正式な裁判を求められます。何もしないで期間が過ぎると、確定判決と同じ効力を持ちます。確認です。略式命令の告知を受けてから、正式裁判を請求できるのは何日以内ですか。また、誰が請求できますか?14日以内です。略式命令を受けた者、または検察官が請求できます。ここで数字を混ぜないでください。14日は、請求できる期間です。先ほど出た4か月は、請求から略式命令が告知されるまでの期限です。別の数字です。
略式手続と被告人の特定
図:前に見た問題
- 起訴状の氏名と、実際に手続に立った人物が違うとき、誰が被告人か
- 人物=A(名前を使われた人=書面上の氏名)・B(名乗って手続を受けた人)
- 表示説・意思説・行動説・実質的表示説
略式の最後に、被告人の特定の話を薄く見ます。以前に、起訴状の氏名と実際に手続に立った人物が食い違う場合を扱いました。復習です。起訴状の氏名と、実際に手続に立った人物が違うとき、通説や判例は誰を被告人とするのでしたか?実質的表示説です。表示説を基本にしつつ、意思説や行動説も加味して、実質的に確定します。表示説は起訴状に書かれた者を、意思説は検察官が起訴しようとした者を、行動説は実際に被告人として行動した者を、被告人とする考え方でした。人物は前と同じ記号で呼びます。Aは名前を使われた人。Bは名乗って手続を受けた人です。以前に見たのは、公判を経て、Bが執行猶予付きの有罪判決を受けた場合でした。最高裁は、その前提として、判決の効力は手続を受けたBに及ぶ、としました。ただし、誰を被告人とするかの基準を正面から述べた判例ではなく、実質的表示説と整合する、と位置づけられるものでした。略式の場合は、どうなるのか。
図:略式と被告人の特定
- A(名前を使われた人)/B(名乗って手続を受けた人)
- Bが、Aの氏名を使って被疑者として行動し、裁判所でA名義の略式命令の謄本を受け取り、その日に罰金を仮納付した→略式命令の効力はBに生じない
- 公判を経た場合(公判の人定質問・Bの行動)=効力はBに及ぶ/書面審理だけの略式(人定質問の場面がない)=書面上の氏名が基準、という整理(判決の言葉ではない)
事案です。Bが、Aの氏名を使って被疑者として行動しました。裁判所でA名義の略式命令の謄本を受け取り、その日のうちに罰金を仮納付しました。確定を待たずに、先に納めたということです。こうした事案で、最高裁は次のように述べました。
判例最決昭50・5・30 刑集29巻5号360頁
略式命令と被告人の特定 なお、原判示の事実関係のもとで被告人が他人の氏名を冒用して交付を受けた略式命令は冒用者である被告人に効力を生じないとした原判決の判断は、正当である
最高裁は、他人の氏名を冒用して交付を受けた略式命令は冒用者に効力を生じない、とした原判決の判断を、正当としました。この事案でいえば、Bには略式命令の効力が生じません。判決は、誰が被告人かを正面から述べてはいません。ここからは、判決の言葉ではなく整理です。分かれ目になるのは、公判を経たかどうかです。公判を開くなら、冒頭の人定質問で、裁判長が目の前の人物を確かめます。そのうえでBが被告人として振る舞い続ければ、行動の事情も加味して、実際に手続を受けたBが裁かれた、と見られます。書面審理だけの略式には、人定質問も、Bが法廷で振る舞う場面もありません。加味する事情がないので、裁判所は、書面に書かれたAの氏名の者を被告人と扱うほかありません。この結論は、表示説を徹底した考え方と整合する、と整理されます。実質的表示説を捨てて別の立場に移るのではありません。表示を基本にする同じ考え方で、加味する事情がない場面だ、と押さえてください。公判を経た場合と書面だけの場合で、効力が及ぶ相手が逆になります。なお、Bが逮捕や勾留をされて、被疑者として手続に現れていたような場合は、扱いが違う、という見方もあります。
3つの手続の比較表
図:3つの手続の比較。行=簡易公判/即決裁判/略式。列=入口の時期:公判の途中で切替/起訴と同時に選ぶ/起訴と同時に選ぶ。公判を開くか:開く/開く/開かない。入口の条件:有罪の陳述+意見聴取(決定は裁量)/有罪の陳述+同意(決定は義務)・弁護人の同意か意見の留保/異議なし。弁護人:通常どおり(289条の事件なら必要)/必ず必要(350条の23)/不要(公判を開かない)。刑の枠:死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑に当たる事件は対象外・実刑も可/拘禁刑なら必ず全部執行猶予・死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑に当たる事件は対象外/100万円以下の罰金・科料。やり直しと不服:制限なし/判決前まで撤回可・事実誤認の上訴は不可/告知から14日以内に正式裁判の請求可
3つを1枚の表で比べます。軸は6本です。入口の時期、公判を開くか、入口の条件、弁護人、刑の枠、やり直しと不服。簡易公判は、公判の途中で切り替わり、公判を開きます。入口の条件は、有罪の陳述と意見聴取で、決定は裁量です。弁護人は、この手続だから必要になる、という決まりはありません。通常どおり、289条の事件なら必要です。刑は、ただし書きの対象外の事件を除けば、実刑も可です。やり直しや不服に、特別な制限はありません。即決裁判は、起訴と同時に選び、公判を開きます。入口は、有罪の陳述と同意で、決定は義務です。弁護人は必要的です。拘禁刑なら、必ず全部執行猶予です。判決の前までは撤回できますが、事実誤認を理由とする上訴はできません。略式は、起訴と同時に選び、公判を開きません。入口は、異議がないことです。刑は、100万円以下の罰金か科料です。告知から14日以内に、正式裁判を請求できます。
図:省くものと代わりに守るもの
- 簡易公判=伝聞法則・証拠調べの方式を省く/補強証拠は残る
- 即決=伝聞法則・証拠調べの方式を省く/弁護人(必要的)と刑の枠(必ず全部執行猶予)で守る
- 略式=公判を省く/正式裁判の請求で代償
最後に、何を省いて、代わりに、どの仕組みで守るか。簡易公判は、伝聞法則と証拠調べの方式を省きますが、補強証拠は残ります。即決は、弁護人と刑の枠で守り、上訴の制限を代償にします。略式は、公判を省く代わりに、正式裁判の請求があります。
今日の地図(保存版)
図:まとめの地図
- 問い①=争いのない軽い事件は手続を簡単にできる
- ただし有罪の証明の水準は下がらない(有罪答弁制度は採らない)
- 簡略化と引き換えの保障=同意(異議なし)・弁護人・刑の枠(必ず執行猶予)・やり直し(撤回・正式裁判の請求)
- 問い②=書面で罰金を言い渡されても、14日以内なら正式裁判を請求できる/何もしないと確定判決と同一の効力
今日のまとめです。冒頭の問い1の答えです。争いのない軽い事件なら、手続を簡単にできます。簡易公判、即決裁判、略式の3つがありました。ただし、有罪を証明する水準は下がりません。日本は、有罪答弁制度を採らないからです。簡略化と引き換えに、被告人には4つの保障があります。同意、または異議がないこと。弁護人。刑の枠。そして、やり直し、つまり撤回や正式裁判の請求です。即決では、手続保障と、必ず執行猶予という代償があるから、事実誤認の上訴を制限しても憲法32条に違反しない、と最高裁は判断しました。問い2の答えです。書面で罰金を言い渡されても、14日以内なら、正式な裁判を求められます。何もしないで期間が過ぎると、確定した判決と同じ効力を持ちます。では、裁判が確定すると、何が起きるのか。次は、確定と一事不再理を見ます。
参照条文
- 刑事訴訟法第291条の2
- 刑事訴訟法第320条第2項
- 刑事訴訟法第307条の3
- 刑事訴訟法第350条の16第1項
- 刑事訴訟法第350条の25第1項
- 刑事訴訟法第350条の29
- 刑事訴訟法第403条の2第1項
- 刑事訴訟法第340条
- 刑事訴訟法第350条の26第1項
- 刑事訴訟法第461条
- 刑事訴訟法第461条の2第1項
- 刑事訴訟法第465条第1項
- 刑事訴訟法第470条