憲法ゼロから憲法#45

居住・移転と海外渡航の自由

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目的二分論(前提と限界)

目的二分論

定義目的二分論とは、規制の目的を2つの箱に分け、目的で違憲審査の物差しを決める考え方です。

  • 消極目的規制:国民の生命や健康を守るため、危険を防ぐ規制です。
  • 積極目的規制:社会的に弱い立場の人を守るなど、社会経済政策のための規制です。

結論目的ごとに、使う物差しが決まります。

  • 消極目的規制:厳格な合理性の基準です。より緩やかな手段で目的を達成できるなら、違憲です。
  • 積極目的規制:明白の原則です。著しく不合理であることが明白でない限り、違憲にできません。

注意2つの基準の分かれ目は、手段の代わりを探させるかどうかです。

二分論の限界

結論規制の目的が、2つの箱のどちらにも入らないことがあります。

二分論という考え方そのものも、どこまで持つかが問われます。

理由次の3点が見えてきたからです。

  • 目的が動く:同じ規制でも、目的の読み方が時代とともに動きます(第2節)。
  • 第三の目的:どちらの箱にも入らない目的が出てきます(第3節)。
  • 判決文:よく読むと、二つの箱で分けていたとは言えません(第5節)。

注意いまは、目的を手がかりの1つに下げます。

人権の性質と規制の態様も、一緒に見ます(第6節)。

公衆浴場の距離制限(目的の認定が動く)

目的二分論では、規制の目的を読めば物差しが決まります。
では、同じ規制の目的の読み方が、判決ごとに違ったらどうなるのでしょうか。

3つの判決

事案公衆浴場(銭湯)を新しく開くには、都道府県知事の許可が必要でした。

既存の公衆浴場から一定の距離を置くことが、許可の条件です(距離制限)。

結論この距離制限について、最高裁は30年の間に3つの判断を出しました。

3つとも合憲ですが、目的の読み方がそれぞれ違います。

最初の判決(大法廷)

結論目的は、国民保健及び環境衛生を守ることだとされ、合憲です。

理由公衆浴場は「多分に公共性を伴う厚生施設」です。

乱立すると環境衛生が保てなくなるので、「出来る限り防止することが望ましい」とされました。

注意危険を防ぐための規制、つまり消極目的規制と解される認定です。

公衆浴場距離制限事件最高裁判所大法廷判決消極目的と解される認定「公衆浴場は、多数の国民の日常生活に必要欠くべからざる、多分に公共性を伴う厚生施設である。……国民保健及び環境衛生の上から、出来る限り防止することが望ましいことであり、……公共の福祉に反するものであつて、この理由により公衆浴場の経営の許可を与えないことができる旨の規定を設けることは、憲法二二条に違反するものとは認められない。」

次の判決(第二小法廷)

結論目的は、積極的、社会経済政策的な規制目的だとされました。

明白の原則を使って、合憲としています。

  • 目的の中身:経営が苦しい業者が廃業や転業をしないで済むよう、健全で安定した経営ができるようにすることです。

約1か月後の判決(第三小法廷)

結論積極・消極という言葉をあえて使わずに、両方の目的を認定し、合憲としました。

  • 目的①:「国民保健及び環境衛生の確保」です。
  • 目的②:既存業者の経営を安定させ、自家風呂を持たない国民に「必要不可欠な厚生施設である公衆浴場自体を確保しようとすること」です。

公衆浴場距離制限事件最高裁判所判決両目的の併有「国民保健及び環境衛生の確保にあるとともに、……既存公衆浴場業者の経営の安定を図ることにより、自家風呂を持たない国民にとつて必要不可欠な厚生施設である公衆浴場自体を確保しようとすることも、その目的としている」

目的は裁判所が認定するもの

結論規制の目的は、事件の中にあらかじめ書かれているものではありません。

裁判所がその都度認定するものです。

注意「目的で物差しが決まる」という言い方は、実はあまり多くを決めていません。

目的をどう読むかを決めた時点で、実質的に結論も決まっているからです。

なぜ目的の認定が動いたか

結論世の中の変化で説明できます。

理由自家風呂の普及で、銭湯の位置づけが変わったからです。

  • 昔:自家風呂のある家庭は少数で、銭湯が減ると体を洗う場所を失う人が増えました。環境衛生の危険という説明がなじみました。
  • いま:自家風呂が当たり前になり、自家風呂がない人のための大事な施設、という顔が前に出てきました。

判例変更ではない

結論3つの判断の違いは、判例変更ではありません。

事情の変化を踏まえて、同じ規制の目的を別に認定し直したものです。

理由最初の判決は大法廷、後の2つは小法廷が出したものだからです。

  • 大法廷:裁判官全員が加わる、いちばん重い審理体制です。
  • 小法廷:大法廷が示した判断を、変更することができません(裁判所法10条3号)。

注意後の2つの判決も、互いに「変更」の関係ではありません。

約1か月違いで、別の小法廷が別の書き方をしただけです。

酒類販売免許制事件(財政目的)

公衆浴場の距離制限では、同じ規制の目的の認定が動きました。
では、消極・積極のどちらの箱にも入らない目的が出てきたら、どうなるのでしょうか。

事案と判断

事案酒類の販売業を営むには、免許が必要とされていました。

ある会社が免許の交付を拒否され、免許制そのものが22条1項に違反しないかを争いました。

結論合憲です。

  • 目的:「租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的」と認定しました。
  • 基準:立法府の判断が「政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り」、22条1項に違反しないとしました。

酒類販売免許制事件最高裁判所第三小法廷判決財政目的の認定「……租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的のための職業の許可制による規制については、その必要性と合理性についての立法府の判断が、右の政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り、これを憲法二二条一項の規定に違反するものということはできない。」

第三の目的(財政目的)

結論財政目的は、消極目的にも積極目的にも入らない第三の目的です。

理由国民の生命・健康を守る話でも、社会的に弱い立場の人を守る社会経済政策でもありません。

国の財布を守るための規制です。

目盛りの間の基準

結論この基準を、学説は明白の原則よりは、やや厳格な基準と位置づけます。

理由「著しく不合理なものでない限り」とは述べています。

しかし、「明白である」場合に限る、とまでは言っていないからです。

注意厳格な合理性の基準とも明白の原則とも違い、2つの物差しの目盛りの間に位置します。

無理に、どちらかの名前で呼ばないようにします。

二分論からのはみ出し

結論目的の側からも、基準の側からも、二分論ははみ出しています。

  • 目的:消極でも積極でもない、財政目的が現れました。
  • 基準:2つの物差しの目盛りの間に位置しています。

目的二分論への批判(理屈の側から)

判例の側では、二分論からはみ出す場面が出てきました。
では、理屈の面から見ると、二分論にはどのような批判があるのでしょうか。

批判1:重さの逆転

結論命や健康という最も重要な利益を守る規制の方が、かえって違憲になりやすいのはおかしい、という批判です。

具体例守ろうとしているものの重さで比べると、扱いが逆転しています。

  • 薬局の距離制限:命や健康を守る規制ですが、厳しく審査され、違憲になりました。
  • 小売市場の距離制限:既存業者の経営を守る規制ですが、緩やかに審査されました。

注意この批判は、判例の展開とは独立に成り立ちます。

批判2:きれいに分けられない

結論規制の目的は、きれいに2つに分けられるとは限りません。

具体例次の2つです。

  • 併有:公衆浴場の第三小法廷の判決は、危険を防ぐ目的と経営を守る目的の両方を認めました。
  • 振り分け不能:酒類販売免許制の財政目的は、どちらにも入りません。

薬局距離制限事件の読み直し(最高裁は二分論に立っていなかった)

二分論には、判例の面からも理屈の面からも無理があります。
では、二分論の判決と呼ばれてきた薬局距離制限事件は、本当に目的だけを見ていたのでしょうか。

判決の続きの段

結論薬局距離制限事件の判決は、合理的裁量の範囲を、次のように決めるとしています。

  • 尊重:規制措置の必要性と合理性は、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、尊重すべきものです。
  • 広狭:合理的裁量の範囲には、「事の性質上おのずから広狭がありうる」とされています。
  • 決め方:裁判所は、「具体的な規制の目的、対象、方法等の性質と内容に照らして、これを決すべき」とされています。

注意目的だけでなく、対象・方法・性質・内容まで、全部を照らし合わせて決めます。

薬局距離制限事件最高裁判所大法廷判決合理的裁量の範囲を決するもの「規制措置の具体的内容及びその必要性と合理性については、立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまるかぎり、立法政策上の問題としてその判断を尊重すべきものである。」「合理的裁量の範囲については、事の性質上おのずから広狭がありうるのであつて、裁判所は、具体的な規制の目的、対象、方法等の性質と内容に照らして、これを決すべきものといわなければならない。」

総合的に考える立場

結論この判決は、最初から目的だけを見ていたわけではありません。

目的・対象・方法・性質・内容をまとめて見る、総合的に考える立場を取っていた、と読むのがいまでは有力です。

  • 答え:最高裁は、二分論の物差しを使わなかったのではありません。目的だけを見る物差しを、そもそも持っていなかったのです。

注意判決自身が「二分論ではない」と言っているわけではありません。

後から判決を読む側が「目的で分けている」というラベルを貼った、と見るのが学説の読み方です。

二分論の知識の使い方

結論目的二分論は、判例の展開を整理するラベルとしては、いまでも使えます。

理由消極目的なら厳しく、積極目的なら緩やかに、という対応は、多くの判例で見られる傾向だからです。

注意答案で「目的が積極だから、この基準」と機械的に直結させるのは危険です。

目的は大事な手がかりの1つですが、唯一の手がかりではありません。

違憲審査基準を選ぶ3つの手がかり(段階理論)

目的は、基準を選ぶ唯一の手がかりではありません。
では、目的のほかに、何を手がかりに違憲審査基準を選ぶのでしょうか。

3つの手がかり

結論違憲審査基準を選ぶときは、次の3つを総合的に見ます。

  • 人権の性質・重要性:どの側面への制約かを見ます。精神的自由か経済的自由かで物差しの厳しさを変える、二重の基準論と同じ発想です。
  • 規制の態様・程度:規制の強さの目盛り(段階理論)で測ります。
  • 立法の目的:3つのうちの1つに下がり、決め手にはしません。

注意事情を総合考慮して審査の密度を決める、という考え方は、平等でも働いています。

段階理論

段階理論の梯子(許可制>届出制/客観的条件〈最強〉→主観的条件→事後規制〈最弱〉の順に規制が弱くなる)

定義段階理論とは、規制の強さを次のように並べる学説の見解です。

  • 許可制と届出制:許可制の方が、届出制よりも強い規制です。
  • 客観的条件:本人の努力ではどうにもならない条件(世襲制・距離制限など)を課すものです。いちばん強い規制です。
  • 主観的条件:本人の努力で満たせる条件(資格・衛生基準など)を課すものです。次に強い規制です。
  • 事後規制:始めた後で規制をかけるものです。いちばん弱い規制です。

理由規制の強さは、本人にコントロールできるかどうかで測れるからです。

具体例試験に受かればできる、という条件は、努力で越えられます。

生まれた場所や家で決まる条件は、努力ではどうにもならず、より強く人を縛ります。

注意三段階審査(保障・制約・正当性の順に見る枠組み)とは別の話です。

段階理論は、規制する側の強さの並びです。

目的が読めない規制への使い方

結論人権の性質と規制の態様も一緒に見れば、目的が読みにくい規制でも、審査の厳しさを判断できます。

具体例酒類販売免許制は、目的の箱が決まりませんでした。

しかし、免許がなければ始められない事前規制だということは、目的とは別に読めます。

注意「積極目的」「消極目的」というラベルは、書くとしても、それだけで結論を決めません。

居住・移転の自由(3つの側面)

3つの手がかりのうち、人権の性質は、どの側面への制約かで審査の厳しさを変えます。
では、22条1項の居住・移転の自由は、どのような性質を持つのでしょうか。

3つの側面

結論居住・移転の自由は、経済的自由・人身の自由・精神的自由の3つの側面を持ちます。

理由それぞれ次の理由によります。

  • 経済的自由:沿革は、好きな場所へ行って商売をする自由だからです。
  • 人身の自由:自由に移動できることは、体を自由に動かせることでもあるからです。
  • 精神的自由:広く知的な接触の機会を得るためにも、移動は欠かせないからです。

注意どの側面への制約なのかによって、審査の厳しさは変わりえます。

22条|第三章 国民の権利及び義務(10〜40条)1項:何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

職業選択の自由との違い

結論違いは、人身の自由の側面が入るかどうかです。

  • 職業選択の自由:経済的自由(沿革)と精神的自由(人格的な価値)の2つの側面です。
  • 居住・移転の自由:人身の自由(体が動く自由)を加えた3つの側面です。

理由居住・移転は、体そのものが動く自由だからです。

暴力団員市営住宅明渡し事件

居住・移転の自由は、3つの側面を持ちます。
では、市営住宅の入居者が暴力団員だと分かったとき、市は明渡しを求めることができるのでしょうか。

事案と判断

暴力団員市営住宅明渡し事件の事案の構造(A=入居者が市営住宅に入居→後に暴力団員と判明→B=市が明渡しを請求)

事案ある市の条例は、入居者が暴力団員だと分かったときは、住宅の明渡しを求めることができると定めていました。

入居後に暴力団員だと分かった場合について、この条例が憲法に違反しないかが争われました。

結論居住の制限は「公共の福祉による必要かつ合理的なものであることが明らか」とされました。

条例は、22条1項に違反しません(合憲)。

理由次の2点が考慮されています。

  • 生活の平穏:暴力団員が入居し続けると、他の入居者等の「生活の平穏が害されるおそれを否定することはできない」とされました。
  • 脱退の可能性:暴力団からは、抜けようと思えば抜けることができます。

暴力団員市営住宅明渡し事件最高裁判所第二小法廷判決居住制限の合憲性「暴力団員が市営住宅に入居し続ける場合には,当該市営住宅の他の入居者等の生活の平穏が害されるおそれを否定することはできない。」「本件規定による居住の制限は,公共の福祉による必要かつ合理的なものであることが明らかである。したがって,本件規定は,憲法22条1項に違反しない。」

3つの手がかりへの当てはめ

結論人権の性質・規制の態様・目的の3つを合わせて見て、必要かつ合理的と判断しています。

  • 人権の性質:制限されるのは、3つの側面を持つ居住の自由です。
  • 規制の態様:暴力団員であることは、本人が変えられる事情です。
  • 目的:他の入居者の平穏な暮らしを守ることです。

注意効いたのは、抜けようと思えば抜けられる、という点です。

生まれなど、自分では変えようのない事情を理由にした明渡しまで、同じ理屈で通るわけではありません。

平等原則との関係

結論この事件では、14条1項(法の下の平等)も争われましたが、違反しないとされました。

14条|第三章 国民の権利及び義務(10〜40条)1項:すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

海外渡航の自由(22条2項前段)

居住・移転の自由は、22条1項が保障しています。
では、海外に行く自由は、22条のどこで保障されるのでしょうか。

1項と2項の切り分け

結論22条は、1項が国内の関係、2項が海外の関係、という切り分けで読みます。

  • 国内旅行の自由:1項の居住・移転の自由に含まれます。
  • 海外渡航の自由:1項ではなく、2項前段の「外国に移住する自由」によって保障されます。

注意海外渡航の自由は、海外旅行の自由と呼ばれることもあります。

22条|第三章 国民の権利及び義務(10〜40条)2項:何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

帆足計事件

事案国際経済会議に出席するため旅券の発給を申請した人が、発給を拒否されたことを争いました。

結論22条2項の「外国に移住する自由」には、「外国へ一時旅行する自由をも含む」とされました。

  • 制限:外国旅行の自由も無制限ではなく、「公共の福祉のために合理的な制限に服する」とされました。
  • 旅券法:当時の旅券法13条1項5号は合理的な制限を定めたもので、「漠然たる基準を示す無効のもの」ではないとして、合憲とされました。

理由文字どおりに読めば、「移住」は一時的な旅行とは違います。

しかし、住む場所を海外に移す自由が保障されているのに、一時的に行く自由が保障されないのは不自然だからです。

注意判決文にあった5号の規定は、現在は13条1項7号にあたります。

号の番号は動いていますが、中身は実質的に受け継がれています。

帆足計事件最高裁判所大法廷判決外国旅行の自由の位置づけ「憲法二二条二項の『外国に移住する自由』には外国へ一時旅行する自由をも含むものと解すべきであるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服するものと解すべきである。」「旅券法一三条一項五号が『著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者』と規定したのは、外国旅行の自由に対し、公共の福祉のために合理的な制限を定めたものとみることができ、……漠然たる基準を示す無効のものであるということはできない。」

13条|旅券法1項:外務大臣又は領事官は、一般旅券の発給又は渡航先の追加を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、一般旅券の発給又は渡航先の追加をしないことができる。七 前各号に掲げる者を除くほか、外務大臣において、著しく、かつ、直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

学説の批判

結論輪郭のはっきりしない条文で海外渡航の自由を制限するのは問題だ、とする見解が有力です。

理由海外渡航の自由は、精神的自由の側面も持つからです。

法律の文言ははっきりしていなければならない、という明確性の原則が、ここでも効いてきます。

外国人の入国との区別

注意ここでの話は、日本国民が外国へ出ていく自由です。

外国人が日本に入ってくる場面とは別で、外国人の日本に入る自由そのものは、憲法では守られていません。

国籍離脱の自由(22条2項後段)

海外渡航の自由は、22条2項前段が保障しています。
では、2項後段の国籍離脱の自由は、どこまで認められるのでしょうか。

無国籍になる自由は含まれない

結論日本国籍を自分の意思で離脱することはできますが、無国籍者になる自由までは含まれていません。

条文国籍法13条1項は、「外国の国籍を有する日本国民」が届け出ることで離脱できると定めています。

外国籍を持っていない人は、この条文で日本国籍を離脱できません。

理由国籍は、その人をどこの国が保護するかを決めるものです。

無国籍になる自由を認めると、どの国からも保護されない人が生まれてしまいます。

注意自由を認めることが、かえってその人を守れなくすることがある、という自由の限界の型です。

離脱と喪失

定義日本国籍を離れる場面は2つあり、区別します。

  • 離脱:本人の届出によって、日本国籍を離れます(国籍法13条1項)。
  • 喪失:自分の意思で外国籍を取得したときに、自動的に日本国籍を失います。

13条|国籍法1項:外国の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を離脱することができる。2項:前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を失う。

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