民法ゼロから民法#41

94条2項類推適用

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第1章 民法総則 ㉝/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

気づいたら、登記の名義が変わっていた

自分の土地の登記がいつの間にか他人名義になっており、その名義人から土地を買った人が現れる問いかけ板

Aさんの土地の登記を見たら、いつの間にか、Bさんの名前になっていました。Aさんは、名義を移した覚えがありません。ところが、そこへCさんが現れます。Bさんの名前を信じて、その土地を買おうとしている人です。先に答えを言うと、Aさんに、嘘の登記について責められるだけの関わりがあれば、Cさんが守られることがあります。その関わり方の測り方を、今日、順番に見ていきます。

思い出してください

前回までに確認した登記に公信力が無いという原則と94条2項が使える3つの条件を空欄のまま並べる想起板

まず、これまでの前提を、確認しておきます。不動産の登記には、公信力がありません。だから、Cさんが、Bさんの登記だけを信じて買っても、それだけでは守られません。94条2項が使える条件を、3つ、思い出せますか。ええと……当事者と、その包括承継人以外の人であること。嘘の外形をもとにして、新しく独立した法律上の利害関係を持ったこと。そして、善意であれば足りること……だったと思います。包括承継人というのは、相続人のように、当事者の立場をまるごと引き継ぐ人のことです。新しく独立した利害関係というのは、たとえばCさんのように、その土地を買ったり、土地に抵当権の設定を受けたりすることです。今日は、この条文の力が、どこまで届くのかを見ていきます。

なぜ、そのまま使えないのか

94条1項2項の全文カードと相手方と通じてしたという文言が今回の場面に無いことを示す弁別板

もう一度、94条を読んでみましょう。

条文民法94条(再掲)

民法 第94条(虚偽表示) 1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。 2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

そこが、今日いちばん大事なところです。通じて——つまり、二人でしめし合わせて、嘘の外形を作ったことを指します。Aさんは、Bさん名義になっていることすら、知りませんでした。しめし合わせが、ありません。条文の言葉どおりに読めば、94条2項は、そのままでは使えません。1項の要件を満たさないので、2項も直接には出番がありません。そこで出てくるのが、類推適用です。通謀が無くても、同じ理屈が使える場面があるんです。

趣旨が及ぶなら、適用する

94条2項の趣旨を1文で示しその趣旨がこの場面にも及ぶかを問う3要件への橋渡し板 図:94条2項の趣旨を1文で示しその趣旨がこの場面にも及ぶかを問う3要件への橋渡し板

ここで、前に見た型を、思い出してください。条文の言葉がそのまま使えないとき、どうすればよかったでしょうか。たしか、その条文の趣旨を確かめて、その趣旨が今の場面にも及ぶなら、あてはめる……という流れでした。趣旨を言う。その趣旨が及ぶと言う。だから適用する。この型を、今日、実演します。まず、94条2項の趣旨です。嘘の外形を作った責任がある本人よりも、それを信じた第三者を保護する。これが、94条を最初に読んだ回で見た、権利外観法理です。では、問います。この趣旨は、通謀が無い場面にも及ぶでしょうか。

うーん……本人に、通謀と同じくらいの責任があるなら、及びそうな気がします。通謀そのものが要るのではなく、本人にどれだけ責任があるかが本質だったんです。そこから、3つの要件が導かれます。

論文で書く規範:94条2項類推適用の3要件 ① 虚偽の外観(典型例=本当の権利者と異なる名義の登記) ② 権利者の帰責性(本人が、その外観の発生にどう関わったか) ③ 第三者の信頼(外観を信じたこと) (権利外観法理から導かれる要件(94条2項の趣旨があてはまる範囲))

具体的に考えてみましょう。もし、Aさんが、外形の発生に何の関わりもなく、気づく手立てすら無かったとしたら、②の帰責性が認められず、類推適用はできません。逆に、Aさんに、外形の発生や存続について何らかの関わりがあれば、この先の場合分けで検討していきます。違うのは②です。直接適用なら「通じてした」で当然に認められた本人の責任を、通謀が無い場面では、別の形で確かめる必要があります。本人が、その嘘の外形に、どれだけ深く関わっていたか。そこを、これから3つに分けて見ていきます。

本人の関わり方で、3つに分かれる

本人がどれだけ深く外形作りに関わったかという1本の物差しの上に3つの類型を並べる山場板

通謀が無い場面は、本人の関わり方によって、大きく3つに分かれます。一つめは、本人が、自分自身の手で外形を作った場合。二つめは、他人が作った外形を、本人が知りながら認めた、または放置した場合。三つめは、本人が作った枠を、他人が勝手に超えてしまった場合です。順番に見ていきましょう。

自己作出型——自分の手で作った

本人が自ら他人名義で登記をした自己作出型の具体例を示す関係図と判例カードを並べる板

まず、自己作出型です。Aさんが、自分の意思で、他人名義の登記を作ってしまう場面を考えてみましょう。たとえば、Aさんが自分のお金で建物を新築したのに、税金の相談をしていた知人Bさんの名前を借りて、B名義で登記をしたとします。はい、実際にそうした事情で他人名義の登記をする例があります。その後、Bさんが、その建物をCさんに売ってしまいました。自分の手で作った以上、その外形について、本人の責任は当然に重い、と言えます。

判例最判昭41・3・18

判例(自己作出型・肯定例) 建物を新築した本人が、所有権を移す意思がないのに、他人の承諾を得てその他人名義の保存登記をした事案。通謀して仮装の移転登記をした場合と実質において異ならないとして、94条2項を類推適用し、本人は善意の第三者に対抗できないとした。

保存登記というのは、建物を新しく建てたときに、はじめて所有者の名前を登記簿に載せる登記のことです。この場面では、Aさんは自分で外形を作っているので、②の帰責性は、通謀した場合と変わらないくらい重いと言えます。

転得者の判例——名義人の承諾すら要らない

名義人の承諾を得ずに登記を得た自己作出型と転得者の判例を結び付ける回収板 図:名義人の承諾を得ずに登記を得た自己作出型と転得者の判例を結び付ける回収板

ここで、前回、結論だけを使った、転得者の判例の中身を見ます。あの判例は、まさに自己作出型でした。Aさんが、Bさんに権利を移す意思が無いのに、Bさんの承諾すら得ないまま、B名義で登記を得た、という事案です。Bさんが知らなくても、外形を作ったのはA自身なので、94条2項を類推適用できるとしました。誰が外形を作ったかが決め手で、名義人の承諾の有無は問いません。

判例最判昭45・7・24

判例(自己作出型・承諾不要/転得者保護) 本人が、名義人に権利を移す意思がないのに、名義人の承諾を得ないままその名義で登記を得た事案。名義人の承諾の有無にかかわらず94条2項を類推適用できるとし、さらに、名義人から取得した者が悪意でも、その先の善意の転得者は94条2項の第三者にあたるとした。

そして、この判決が、前回見た結論も出しています。名義人から買った人が悪意でも、そこからさらに買った善意の転得者は、第三者に含まれる、という結論です。理由は前回と同じです。悪意の買主を飛び越えて、転得者自身が、外形を信じて取引に入った善意の第三者かどうかを、その人ごとに判断するからです。はい、前回、仮装譲渡が続く場面のルールとして使ったのも正しい理解です。ただ、その判決の事案そのものは、通謀の無い、この自己作出型の場面でした。つまり、直接適用の場面でも、類推適用の場面でも、同じルールが働くということです。

他人作出・承認/放置型——気づいて、見過ごした

他人が勝手に作った外形を本人が知りながら認めたり放置したりする類型の具体例と判例を示す板

二つめは、他人作出・承認/放置型です。今度は、Aさんではなく、Bさんが勝手に、B名義の登記を作ってしまう場面です。作った時点では、関わっていません。でも、その後の対応で、話が変わります。たとえば、Bさんが無断でB名義の登記をし、Aさんが後からそれに気づいたとします。それでもAさんは、特に何もしませんでした。それどころか、その間、Aさんは、自分の借金の担保にするため、B名義のまま根抵当権を設定させてもいました。数年にわたって、その状態を、事実上、認めていたことになります。その後、Bさんが、Cさんに売ってしまいました。

判例最判昭45・9・22

判例(他人作出・承認/放置型) 他人が無断で所有権移転登記をし、本人がそれを知りながら数年にわたって放置し、その間、自己の債務を担保するためその名義のまま根抵当権を設定させていた事案。不実の登記が存続することを明示または黙示に承認していたと言えるときは、94条2項を類推適用できるとした。

判例は、不実の登記が存続することを、明示または黙示に承認していたと言えるときは、94条2項を類推適用できるとしました。ここが、今日、いちばん注意してほしいところです。

気づいたら、確認

単に知っていただけでは足りず承認または放置と評価できる事情が要ることを問う定着確認板

一つ、確認させてください。もし、Aさんが、B名義の登記に気づいただけで、担保に使うようなこともせず、放置とまで言える事情も無かったとしたら、②の帰責性は認められるでしょうか?「単に気づいていただけ」では、なぜ②の帰責性として足りないと思いますか。さっきの判例は、「明示または黙示に承認していた」という、もう一歩踏み込んだ事情が必要でしたよね。ただ知っていただけでは、その一歩に届かない気がします。単に知っていただけでは、足りません。承認したと言える事情、あるいは、放置したと評価できるだけの事情が必要です。

さっきの判例で言えば、長期間の放置に加えて、自分の借金の担保にまで使っていた、という積極的な関わりが決め手になっています。なぜ、そこまで必要なのでしょうか。理由は、94条2項の趣旨に戻ります。趣旨は、本人の帰責性が、通謀と同じくらい重いと言える場合に、責任を認める考え方でした。ただ気づいただけでは、その重さに届きません。たとえば、Aさんが登記に気づいた直後に、すぐBさんへ抗議して、訂正を求める内容証明を送っていれば、承認にも放置にもあたりません。逆に、何年も何もせず、そのうえ自分の借金の担保にまで使えば、承認したと評価されます。ここまでの2つの類型は、どちらも、通謀した場合と同じくらい重い帰責性がある、と評価されました。残る一つは、本人の関わり方が、少しだけ軽くなる場面です。

非対応型——渡した枠を、勝手に超えられた

本人が作った第1の外形を土台に他人が第2の外形を勝手に作り出す非対応型の具体例と判例を示す板

三つめは、意思外形非対応型です。Aさんが、B名義の仮登記を、自分の意思で入れたとします。本登記の前段階として、順位だけを確保しておく登記のことです。Aさんは、Bさんの信用を外から見えるように大きく見せる目的で、この仮登記を入れました。ここまでは、Aさんが、自分の意思で作った外形です。ところが、Bさんは、その仮登記を勝手に利用して、無断で、本登記まで備えてしまいました。Aさんが作った第1の外形は、仮登記です。Bさんは、その枠を超えて、第2の外形——本登記を、勝手に作り出しました。ここが、前の2類型との違いです。Aさんの意思が及んでいるのは、仮登記までで、本登記は、Bさんが勝手に超えた部分です。

判例最判昭43・10・17

判例(意思外形非対応型) 他人から信用を得るために名義を貸してほしいと頼まれた本人が、その他人と通じて売買予約を仮装し、他人名義の仮登記をしたところ、その他人が仮登記を奇貨としてほしいままに本登記をし、不動産が第三者に移った事案。94条2項・110条の法意に照らし、本人は本登記の無効を善意無過失の第三者に対抗できないとした。

判例は、本人が仮装した仮登記を足がかりに本登記がされた場合、94条2項と110条の法意に照らして、善意無過失の第三者には本登記の無効を主張できない、としました。今日の場面は、Bさんが、その仮登記を奇貨として本登記まで作った、という関係にあります。だから、Aさんの帰責性は、本登記にまでつながっています。そこが、この先で、効いてきます。

平18判決の位置づけ——重くても、非対応型

不動産事務を広く任されていた他人が無断で登記まで作り出した平18判決の事案を非対応型の追加例として示す板

もう一つ、この非対応型に位置づけられる判例を見ておきます。Aさんが、不動産の賃貸の事務や、別の土地の登記手続を、Bさんに任せていた場面です。不動産の賃貸に関する事務と、別の土地の所有権移転登記の手続きです。そのBさんが、無断で売買契約書を作成しました。Aさんは、Bさんに言われるまま、中身を確かめずにその契約書へ署名押印していました。登記済証も理由なく預けたままにし、印鑑登録証明書も渡していました。そして最後に、実印をBさんに渡し、Bさんが目の前で登記申請書に押すのを、ただ見ていたんです。でも判決は、こうしたAさんの余りにも不注意な行為があったから登記が作れた、として、自分で外形作りに積極的に関わった場合や、知りながらあえて放置した場合と同じくらい重い、と評価しました。

判例最判平18・2・23

判例(非対応型・重い帰責性の例) 本人が、不動産の賃貸の事務や別の土地についての所有権移転登記の手続を他人に任せていたところ、登記済証を理由なく預けて放置し、印鑑登録証明書を交付し、内容を確かめずに売買契約書へ署名押印し、さらに実印を渡して登記申請書への押捺を漫然と見ていたため、その他人が本人から自己への所有権移転登記をし、第三者に売却した事案。本人の帰責性は、自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重いとして、善意無過失の第三者に対し、94条2項・110条の類推適用により所有権の不取得を主張できないとした。

本人が直接手を下してはいない、という点では、非対応型の枠に入ります。でも、関与の重さそのものは、自己作出型と同じくらいまで評価されうる、というのが、この判決の位置づけです。非対応型のなかでも、事情によって、帰責性の重さには幅があります。

なぜ110条が出てくるのか

110条の枠を超えた代理人と非対応型の枠を超えた第2の外形を左右に並べる構造比較板

ここまでの2つの判例には、94条2項と並んで、代理の条文である110条が出てきます。前の判例は、「94条2項、110条の法意に照らし」という言い方をしています。法意とは、条文の背後にある考え方のことです。なぜ、代理の条文が、ここで出てくるのでしょうか。110条を、一度、読んでみましょう。

条文民法110条

民法第百十条(権限外の行為の表見代理) 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

条文民法109条1項本文

民法第百九条第一項本文(代理権授与の表示による表見代理等) 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。

110条は、本人が与えた枠——代理権——を、代理人が勝手に超えて行動したとき、それを信じた相手方を、正当な理由があれば守る、という条文です。この構造を、今日の非対応型と、並べてみてください。110条=本人が与えた代理権の枠を、代理人が超えた。非対応型=本人が作った第1の外形の枠を、他人が超えた。どちらも、「本人が与えた枠を相手が超えて、それを信じた人を、落ち度が無ければ守る」という、同じ構造なんです。玄関の鍵だけを預けたのに、それを足がかりに、裏口の鍵まで勝手に作られてしまった、というイメージです。

もっとも、110条そのものを直接使うわけではありません。94条2項と110条、両方の法意を併せて類推適用する、というのが、判例の言い方です。110条の要件そのもの——基本代理権や正当な理由の細かい中身——は、代理の回でじっくり扱います。今日は、構造の借用だけ押さえてください。

善意か、善意無過失か

対応型は善意で足りるが非対応型は善意無過失が要るという帰責性の重さと第三者への要求の釣り合い板

ここで、第三者に何が求められるかを、3つの類型でまとめて確認します。物差しは、前々回と同じです。自己作出型と、他人作出・承認/放置型は、本人の帰責性が、通謀と同じくらい重い類型でした。この2つでは、第三者は善意で足りるとされています。無過失までは要りません。ところが、非対応型は、本人が与えた枠を他人が超えた分、帰責性が、その2つよりやや軽くなります。非対応型では、第三者は善意に加えて、無過失であることが必要とされています。判例も、94条2項・110条の法意として、無過失を要求しています。

天秤の喩えが、まさにぴったりです。本人の落ち度が軽くなった分だけ、第三者に求める注意の重さが、上乗せされます。関わりの重さに幅はあっても、最後の登記を作ったのは本人ではなく他人です。枠を超えたのが他人である以上、非対応型の枠のまま、第三者には無過失まで求めます。ここで、一つ、誤解しやすい点を、正しておきます。「類推適用なら、いつも無過失まで要る」というわけではありません。そうではないんです。対応型——自己作出型と他人作出・承認/放置型——では、類推適用でも、善意で足ります。無過失が要るのは、非対応型に限られます

決め手は、類推か直接適用かではなく、本人がどう関わったかです。自分で外形を作ったのか、渡した枠を他人に超えられたのか、で分かれます。

登記は、要るのか

名義人は前主にすぎず対抗関係に立たないため登記が不要とされる理由を示す板 図:名義人は前主にすぎず対抗関係に立たないため登記が不要とされる理由を示す板

最後に、もう一つ確認します。Cさんは、権利を主張するのに、登記を備えている必要があるでしょうか。前に、同じ土地が二人に売られたときは、先に登記を備えたほうが勝つ、と習いました。でも、あの場面と、今日の場面は、構造が違います。あのときの2人は、どちらも、同じ本当の権利者から、対等な立場で権利を取得しようとしていました。今日のAさんは、Cさんと対等に取得を争う関係ではありません。むしろ、Aさんは、Cさんにとって、前の持ち主のような立場に立ちます。

判例最判昭44・5・27

判例(登記不要) 94条2項の類推適用の場面において、権利を主張する第三者は、対抗要件としての登記を備えている必要はないとした。

加えて、本人の帰責性が大きいことも、登記を不要とする理由に挙げられます。なお、これに対して、登記を備えていることを保護の条件とすべきだ、という有力な見解もあります。今日は、判例の立場が「登記不要」だという点だけ、押さえておいてください。

3類型を、1枚の表に

3類型を本人の関与条文操作第三者に要るものの3列で整理したまとめ表 図:3類型を本人の関与条文操作第三者に要るものの3列で整理したまとめ表

ここまでの3つの類型を、1枚の表に整理します。自己作出型と他人作出・承認/放置型、この2つは対応型と呼ばれ、帰責性の重さが通謀と同程度でしたね。そして、登記は、3つとも共通して不要です。では、確認です。Aさんが、Bさんの信用を上げる目的で仮登記を入れ、Bさんが無断でその仮登記を利用して本登記まで備えた場合、Cさんが保護されるには、善意で足りますか、それとも無過失まで必要ですか。それは、非対応型なので、善意に加えて、無過失が必要です。よく整理できています。

今日の到達点

通謀のない登記の名義変更でも本人の帰責性が重ければ94条2項が類推適用されるという到達点を示す締め板

冒頭のAさんの話に、戻りましょう。登記に公信力は無いので、Cさんは、登記を信じただけでは守られません。通謀が無くても、Aさんに、嘘の登記について責められるだけの関わりがあれば、94条2項が類推適用されます。自分で作ったか、知りながら認めたか、渡した枠を超えられたか。この関わり方の違いが、類推できるかどうかと、Cさんに何が求められるかの、両方を決めていました。今日は、通謀の無い場面での94条2項の広がりを見てきました。次は、通謀そのものが問題にならない、別の意思表示の場面に進みます。

参照条文

  • 民法94条(再掲)
  • 民法110条
  • 民法109条1項本文

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