民法ゼロから民法#39

強迫と消費者契約法——96条③

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第1章 民法総則 ㊲/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

強迫とは何か

強迫の要件4つの板(①強迫行為の違法性②畏怖との因果関係③意思表示との因果関係④強迫者の故意の二重性) 図:強迫の要件4つの板

相手を違法なやり方でこわがらせて、そのせいで意思表示をさせてしまう。これが強迫です。畏怖とは、怖いと感じることだ、と考えてください。刑法にも似た言葉があって、あちらは「脅迫」と書きます。民法は「強迫」です。字が違うだけ覚えておいてください。中身までは踏み込みません。要件は4つあります。1つめ、強迫する行為に違法性があること。2つめ、それによって畏怖したこと。3つめ、畏怖に基づいて意思表示をしたこと。4つめ、強迫した人に、畏怖させる故意と、それによって意思表示をさせる故意の、二重の故意があることです。

2つめと3つめは、因果関係が二段になっています。行為があって、それが心の状態を動かして、その心の状態が意思表示を生む——だますときの、欺く→勘違いする→意思表示をする、という形と、まったく同じです。詐欺で作った型が、ここでもそのまま使えます。意思表示は、本人が自分の頭で決めて、それを外に表すものです。ところが、違法に恐怖を与えられて動いた場合、その判断は、もう本人自身のものとは言えなくなっています。だから、法はその意思表示を取り消せる道を、用意しているんです。

違法性の物差し

手段/目的の二軸マトリクス(手段=告発を告げること自体は正当/目的=不当な利益を得ようとすると不当=違法) 図:手段/目的の二軸マトリクス

  • 手段=告発を告げること自体は正当
  • 目的=不当な利益を得ようとすると不当=違法

具体的に考えてみます。「あなたの昔の不倫を、周りにばらす」と告げること自体は、事実を告げる自由の範囲内で、正当な手段になりえます。ですが、それを使って「土地を安く売れ」という、不当な利益を得ようとするなら、話は変わります。手段そのものは正当でも、目的が不当なら、全体として違法になります。詐欺のときは、許される駆け引きの範囲かどうかを、いろいろな事情を積み重ねて、総合的に見ましたね。強迫では、手段と目的という二つの軸に整理して測ります。同じ「違法かどうか」でも、物差しの立て方が違います。

畏怖の程度と無効の段差板(畏怖させる程度なら取消し/完全に意思の自由を奪えば無効) 図:畏怖の程度と無効の段差板

  • 畏怖させる程度なら取消し
  • 完全に意思の自由を奪えば無効

どのくらい怖がらされたかにも、段差があります。畏怖させる程度であれば、取消しの対象です。ですが、恐怖のあまり、完全に意思の自由を奪われてしまった場合は、話が変わります。

判例最判昭和33年7月1日 民集12巻11号1601頁

完全に意思の自由を奪われた場合 表意者が畏怖の結果、完全に選択の自由を失ったとまでは言えなくても、強迫による意思表示は成立するとした判決。裏を返せば、完全に選択の自由を失った場合は、意思表示そのものが存在せず、無効となる。

取消しは、主張しなければ、いったん有効なままです。無効は、はじめから効力がありません。意思表示が「あったけれど、歪んでいた」のか、「そもそも無かった」のか——その違いです。畏怖させられた程度なら、意思表示はあった。完全に自由を奪われたなら、意思表示そのものが無かった、と考えるんです。

山場——なぜ強迫にだけ第三者保護がないのか

96条を読み比べる問い板(1項は詐欺・強迫の違いなく並記/3項では、どちらの言葉が消えているか) 図:96条を読み比べる問い板

  • 1項は詐欺・強迫の違いなく並記
  • 3項では、どちらの言葉が消えているか

条文民法96条

民法 第九十六条(詐欺又は強迫) 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。 3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

ここで、条文を実際に読んでみます。1項です。「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる」。ここまでは、詐欺も強迫も、並んで書かれています。では、3項を見てください。「前二項の規定による、詐欺による意思表示の取消しは」とあります。3項からは「強迫」の二文字が消えています。3項は、詐欺による取消しにしか適用されない、と書いてあります。強迫による取消しには、この第三者保護の規定が、そもそも及びません。強迫による取消しは、善意無過失の第三者にも、対抗できるということです。冒頭の土地の話に戻ると、脅された人は、事情を知らない買主が現れても、土地を取り戻せます。

だまされた人は、嘘を信じたとはいえ、自分で判断して、自分の意思で動いています。おどされた人は、恐怖によって動かされていて、自分の意思で動いたとは言いにくい。落ち度を問える余地が、ほとんどありません。取引の安全よりも、本人の救済を優先してよい、ということです。2項でも、同じことが起きています。2項は「相手方に対する意思表示について、第三者が詐欺を行った場合」に限っています。ここにも、強迫という言葉がありません。第三者が脅した場合は、相手方が何を知っていたかにかかわらず、無条件で取り消せます。詐欺のときは、相手方の善意・悪意を見ましたが、強迫では見ません。2項も3項も、同じ物差しで動いているんです。

6つの制度を並べて比較する板(心裡留保→通謀虚偽表示→錯誤→詐欺→強迫→制限行為能力、落ち度が小さくなる順) 図:6つの制度を並べて比較する板

論文で書く規範:第三者保護の横断比較——落ち度が小さくなる順の勾配 心裡留保(93条2項)=善意の第三者を保護。通謀虚偽表示(94条2項)=善意の第三者を保護。錯誤(95条4項)=善意無過失の第三者を保護。詐欺(96条3項)=善意無過失の第三者を保護。強迫=第三者保護なし。制限行為能力=第三者保護なし。 (上から下へ、本人の落ち度が小さくなるほど、第三者の要件は厳しくなり、最後は保護そのものが消える)

ここで、これまでの回で扱ってきた制度を、一枚の板に並べてみます。心裡留保、通謀虚偽表示、錯誤、詐欺、強迫、制限行為能力です。ただ、今日は並べ方を変えます。上から下へ、本人の落ち度が小さくなる順に並べます。心裡留保は、自分で嘘をついた人です。落ち度は最大です。通謀虚偽表示は、相手と示し合わせて仕組んだ人。錯誤は、うっかり勘違いした人。詐欺は、だまされた人。強迫は、おどされた人。制限行為能力は、そもそも判断力が未熟なために保護されている人です。そして、それに合わせて、第三者の保護の条件も、厳しくなっていきます。心裡留保と通謀虚偽表示は、善意でよい。錯誤と詐欺は、善意無過失が必要。強迫と制限行為能力になると、第三者保護そのものが、消えます。

落ち度が小さくなるほど、本人の救済が優先され、第三者は守られにくくなる——この一本の勾配で、6つの制度をまとめて説明できます。だまされた人は、事情を知らない第三者が現れると、土地を取り戻せませんでした。おどされた人は、同じように事情を知らない第三者が現れても、土地を取り戻せます。同じ「事情を知らない第三者」でも、本人がだまされたのか、おどされたのかで、勝敗が入れ替わるんです。それぞれの中身は、各回で見たとおりなので、今日は位置づけだけ持ち帰ってください。

取消し後の第三者は、強迫でも同じ

前後の段差板(取消し「前」=強迫が最強/取消し「後」=詐欺と横並びで登記の勝負) 図:前後の段差板(取消し「前」=強迫が最強/取消し「後」=詐欺と横並びで登記の勝負)

ここまでは、取消し「前」に現れた第三者の話でした。取消しの「後」に現れた第三者は、話が変わります。取消しのあとに、その土地を買った人が現れた場合は、詐欺のときと、まったく同じ処理になります。先に登記を備えたほうが勝つ、という話です。動産なら、引渡しです。同じ理屈が、そのまま強迫にも当てはまります。今日は骨格だけ、もう一度なぞっておきます。取消しの前と後で強さが変わるところが、今日いちばん誤解されやすい点です。取消し「前」は、強迫が最強でした。ところが、取消し「後」になると、詐欺と横並びに落ちます。

弱くなったわけではなく、土俵が変わったんです。96条3項の話は、もう終わっています。取消しによって権利がいったん本人に戻ったあと、その権利を、また誰が手に入れるか、という「取り合い」の問題に切り替わるんです。取り合いになるのは、取消しで権利が本人に戻る、その戻り自体が、一つの権利の移動だからです。相手から土地を買った人と、権利が戻ってきた本人と、二本の線が同じ相手から出ている形になります。詐欺の回で見た、二重譲渡と同じ形です。だから、あとは登記を先に備えたほうが勝つ、という決着になるんです。しかも、この処理は、強迫に限りません。錯誤でも、詐欺でも、強迫でも、制限行為能力でも、取消し「後」に現れた人の扱いは、全部同じです。取消し「前」は制度ごとにバラバラでしたが、取消し「後」は、全部同じ土俵に乗ります。

民法が届かない売り方

民法が届かない売り方の板(だました・おどしたと言い切れない売り方/断定・不告知・帰らせない/民法は対等な個人を想定) 図:民法が届かない売り方の板

  • だました・おどしたと言い切れない売り方
  • 断定・不告知・帰らせない
  • 民法は対等な個人を想定

ここまでは、だます、おどす、という民法の物差しで話してきました。ここから、少し違う話に移ります。だました、おどした、と言い切れなければ、民法では取り消せません。ですが、現実には、嘘とまでは言えない断定や、黙っていただけのこと、帰らせてもらえなかったこと、そういう売り方で契約させられることがあります。そういう売り方は、詐欺にも強迫にも当てはまりにくいんです。だから、民法だけでは、その人を守れません。民法は、対等な個人どうしの契約を想定しています。ですが、事業者と消費者とでは、持っている情報の量も、交渉する力も、まるで違います。同じ土俵として扱うほうが、かえって不公平になるんです。

これが、消費者契約法です。落ち度があるかどうかではなく、そもそも土俵が対等でないという理由で、保護を広げた制度だと考えてください。さっきまでの、落ち度の大小で強さが決まるという話とは、少し違う軸が出てきます。

消費者契約法の枠組み

消費者契約法が適用される関係の板(消費者=商売と関係なく契約した個人/事業者=法人+商売で契約する個人) 図:消費者契約法が適用される関係の板

  • 消費者=商売と関係なく契約した個人
  • 事業者=法人+商売で契約する個人

条文消費者契約法2条1項・2項

消費者契約法 第二条(定義)第一項・第二項 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。 2 この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。

まず、誰と誰の間の契約に、この法律が適用されるかを確認します。消費者とは、商売とは関係なく契約の当事者になった個人のことです。法人は、どれだけ小さな会社でも、消費者には入りません。事業者とは、法人その他の団体と、商売として契約する個人のことです。法人が同じ売り方をされたときは、この法律ではなく、前半で見た民法の詐欺や強迫で争うことになります。同じ人でも、場面によって立場は変わります。たとえば、八百屋さんが、自宅で使う冷蔵庫を買えば、消費者です。ですが、お店で使う業務用の冷蔵庫を買えば、事業者になります。

山場——取消原因の5類型

5類型を開く前の板(民法では届かない場面に、何が用意されているか) 図:5類型を開く前の板(民法では届かない場面に、何が用意されているか)

論文で書く規範:取消原因5類型の一覧——3つの塊で見る 勘違いさせた=①不実告知 ②断定的判断の提供 ③不利益事実の不告知。逃がさなかった=④困惑。明らかに多すぎる=⑤過量販売。 (消費者契約法4条)

消費者契約法が取消しを認める場面は、5つあります。ただ、5つを別々に覚えるのは大変なので、まず3つの塊で見てください。「勘違いさせた」塊が3つ、「逃がさなかった」塊が1つ、「明らかに多すぎる」塊が1つです。1つずつ開いていきます。

条文消費者契約法4条1項1号(不実告知)

消費者契約法 第四条第一項第一号 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 一 重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認

1つめ、不実告知です。重要な事項について、事実と違うことを告げて、消費者が誤認した場合です。事故で修理歴のある中古車を、「事故歴はありません」と言って売った、という場面です。事業者に、だます故意は要りません。ここが、詐欺との決定的な違いです。事実と違うことを告げて、それを信じて契約した、という事実さえあれば足ります。故意という高いハードルを外したぶん、間口が広くなっています。

条文消費者契約法4条1項2号(断定的判断の提供)

消費者契約法 第四条第一項第二号 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

2つめ、断定的判断の提供です。将来どうなるか分からないことを、断定して告げた場合です。「この金融商品は、絶対に値上がりします」と言って売る場合です。事業者が本当に値上がりすると信じていた、という場合もあるでしょう。ですが、信じていたかどうかは、問われません。ここも故意は不要です。不確実なことを「絶対」と言い切った時点でアウトです。あとで本当に値上がりしたとしても、関係ありません。

条文消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)

消費者契約法 第四条第二項 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実……を故意又は重大な過失によって告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

3つめ、不利益事実の不告知です。利益になることは告げておきながら、不利益になる事実を、故意または重大な過失で告げなかった場合です。ここだけ、主観の要件があります。①と②は、告げるという「作為」を責めているので、故意はいりません。③は、告げなかったという「不作為」を責めています。何も言わなかったこと自体を責めるには、分かっていて黙っていた、あるいは重大な不注意で気づかなかった、という事情が必要になるんです。

条文消費者契約法4条3項1号・2号(困惑)

消費者契約法 第四条第三項第一号・第二号 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。 二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。

4つめ、困惑です。ここまでの3つとは、性質が違います。誤認させたのではなく、困らせて契約させる類型です。代表的なのは2つです。1つは、帰ってほしいと伝えたのに、事業者が帰らない場合。もう1つは、帰りたいと伝えたのに、帰らせてもらえない場合です。困惑を理由にした取消しは、ほかにも類型があります。ただ、今日は代表の2つに絞ります。

条文消費者契約法4条4項(過量販売)

消費者契約法 第四条第四項 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの分量、回数又は期間……が当該消費者にとっての通常の分量等……を著しく超えるものであることを知っていた場合において、その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

5つめ、過量販売です。その人にとって、明らかに多すぎると知りながら売った場合です。一人暮らしの高齢者に、布団を何組も売りつけるような場面です。すでに持っている分と合わせて、多すぎると分かっていれば、それも含めて考慮されます。

取消しの効果と、その弱さ

強迫と消費者契約法を並べる板(強迫=間口が狭く最強/消費者契約法=間口が広く第三者に対抗できない) 図:強迫と消費者契約法を並べる板

  • 強迫=間口が狭く最強
  • 消費者契約法=間口が広く第三者に対抗できない

条文消費者契約法4条6項

消費者契約法 第四条第六項 第一項から第四項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもって善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

ここまでの5つの取消しには、共通する弱点があります。取り消せることは取り消せますが、善意無過失の第三者には対抗できません。強迫は、間口が狭い代わりに、第三者にも勝てる最強の取消しでした。消費者契約法は、間口を広げた代わりに、第三者には勝てません。広げたぶんだけ、効き目を抑えてある——これが、今日の背骨です。

条文消費者契約法7条1項

消費者契約法 第七条(取消権の行使期間等)第一項 第四条第一項から第四項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間……行わないときは、時効によって消滅する。当該消費者契約の締結の時から五年……を経過したときも、同様とする。

取り消せる期間にも違いがあります。追認できる時から1年、契約の時から5年です。比べる相手は、取消権をいつまで使えるかを定めた民法126条です。126条は、追認できる時から5年、行為の時から20年でした。消費者契約法は、そのどちらよりも、ずっと短くなっています。126条の細かい中身は、また別の回で扱いますが、数字だけ比べておいてください。期間を短くしているのは、事業者の側を、いつまでも不安定な立場に置けないからです。消費者を守る間口は広げつつ、取引の安全とも折り合いをつけている、というわけです。一部の類型だけは例外です。いわゆる霊感商法のようなケースは、3年、10年に伸びます。数字が伸びる型がある、とだけ覚えておいてください。

到達点

到達点の板(同じ「取り消せる」でも強さは一律ではない/落ち度が小さいほど強い/土俵が対等でないほど広いが弱い) 図:到達点の板

  • 同じ「取り消せる」でも強さは一律ではない
  • 落ち度が小さいほど強い
  • 土俵が対等でないほど広いが弱い

今日の話を、一本にまとめます。同じ「取り消せる」でも、その強さは一律ではありません。おどされた人は、事情を知らない第三者にも勝てます。落ち度を問いようがないからです。消費者契約法は、だましにも脅しにも届かない売り方にまで、手を伸ばしました。その代わり、第三者には勝てず、期限も短い。その人がどれだけ守られるべきかと、取引の安全をどこまで削ってよいかの、綱引きで決まります。今日組み立てたこの物差しを、そのまま持ち帰ってください。

参照条文

  • 民法96条
  • 消費者契約法2条1項・2項
  • 消費者契約法4条1項1号(不実告知)
  • 消費者契約法4条1項2号(断定的判断の提供)
  • 消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)
  • 消費者契約法4条3項1号・2号(困惑)
  • 消費者契約法4条4項(過量販売)
  • 消費者契約法4条6項
  • 消費者契約法7条1項

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