賠償額の予定と過失相殺・代償請求権
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第4章 債権総論 #163/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
実損より多くても、約束の額か
図:冒頭の関係図
- 注文者Sが、請負人Tに、店舗の内装工事を頼んだ
- 「完成が遅れたら、1日あたり10万円」と、前もって決めていた
- Tは20日遅れた
- 問い=Sの実際の損害が50万円でも、500万円でも、Sは200万円を請求できるか
Sさんが、Tさんに、店舗の内装工事を頼みました。契約のとき、完成が1日遅れるごとに10万円を払う、と決めていました。ところが、Tさんは、20日遅れてしまいました。10万円に20日で、200万円です。今日の問いは、そこです。Sさんの実際の損害が、50万円だったとします。あるいは、500万円だったとします。どちらの場合でも、Sさんは、200万円を請求できるのでしょうか。答えは、最後に出します。前の回で、賠償の額を、いつの時点の値段で見るかが決まりました。ただ、値段の見積もりには、まだ続きがありました。見積もった額が、あとから動く場面です。そして、賠償を済ませたあとに、物や権利がどこへ行くのか、という問いも残っています。今日は、その2つを見ます。
賠償額の予定(420条)
図:立ち止まる問いの板
- 前の回の復習
- 履行不能の賠償額は、原則として、いつの時点の時価で見るか。
入る前に、前の回の要点を1問。履行不能の賠償額は、原則として、いつの時点の時価で見るでしょうか?不能にした時の時価です。では、本題です。
図:賠償額の予定
- 意義=債務不履行があったときに払う額を、当事者が前もって合意する
- 趣旨=損害の立証の困難を除く
- 効果=債権者は債務不履行の事実を示せば、実損の大小にかかわらず予定額で決まる
- 415条の責任の要件(帰責事由など)は予定があっても必要
そもそも、なぜ、額を前もって決めておくんですか。損害の立証が、難しいからです。工事が遅れて、店の開店が遅れたとき、失った売上がいくらか、証明するのは骨が折れます。前もって額を決めておけば、その争いを避けられます。その約束を認めるのが、420条です。条文を見ます。
条文民法420条
民法第420条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。 2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。 3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
1項です。債務不履行があったときに払う額を、当事者が前もって決めておけます。冒頭の、1日10万円が、まさにこれです。趣旨は、先ほどの、立証の困難を除くことです。効果です。債権者のSさんは、Tさんの債務不履行の事実を示せば、実損が50万円でも500万円でも、予定額の200万円で決まります。実損を証明する必要がありません。債務者のTさんのほうも、実損は小さかったと言って、額を下げようとすることはできません。額は、約束で決まるのです。払う責任があれば、です。415条の責任の要件は、予定があっても必要です。たとえば、遅れた原因が、Sさんの指示の誤りだけにあって、Tさんに帰責事由が無い、つまり、415条1項ただし書の、責めに帰することができない事由による、といった場面では、Tさんは免責されて、予定額も払いません。予定するのは、額だけです。払う責任そのものは、415条で決まります。2項です。予定があっても、履行の請求や解除はできます。予定額は、賠償の額の取り決めにすぎません。履行を求める権利や、解除する権利を、消すものではないからです。3項です。違約金は、賠償額の予定と推定されます。違約罰、つまり、賠償とは別の制裁として定めた、と言えるなら別ですが、そう言える事情が無ければ、予定として扱います。
図:420条の旧新対比
- 旧1項=「当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」→現行1項=「当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。」(後段は2017年の改正で削除。2項・3項は旧新とも同じ)
- 予定額が原則であることは、新旧で同じ
ここは、2017年の改正で変わりました。改正前の1項には、後段がありました。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない、というものです。現行では、この後段がありません。改正の後も、予定額が原則です。この点は、新旧で同じです。ここで押さえるのは、削除の意味です。暴利行為のように、公序良俗、つまり、公の秩序や善良の風俗に反する予定は、そうした法律行為を無効とする90条で制約される、という点は、改正前から争われていませんでした。後段があると、裁判所による救済が、一切閉ざされているかのように読める。そこで、条文から外して、その余地を隠さないようにした、と説明されています。結果として、現行では、著しく過大な予定は、公序良俗違反などを理由に、一部が無効になる余地があります。たとえば、冒頭の工事で、1日500万円と決めていたら、20日で1億円です。工事の規模に比べて、極端に過大なら、その一部が無効と判断されることがあります。ただし、減額を認める新しい規定が、置かれたわけではありません。90条などの一般の条文に委ねる形です。整理します。予定額が原則。極端に過大なときだけ、90条などで一部が無効になる余地がある。この2段で持ってください。
419条2項は、金銭債務の遅延について、法律が決めた扱いで、利息の回で見ました。420条は、当事者の合意で決める予定です。決める主体が、法律か、合意か、という違いです。もう1つ。利息の回で、利息制限法4条を見ました。消費貸借の遅延賠償の予定は、元本に対して、利息制限法1条の上限利率の、1.46倍までです。あの回では、賠償額の予定の本体は後で、と送っていました。その本体が、今日の420条です。利息制限法は、違約金を賠償額の予定と、みなします。420条3項は、予定と推定するだけです。みなす場合は覆せず、推定する場合は、反対の事情を示せば覆せます。この違いだけ、持って帰ってください。
過失相殺(418条)
図:過失相殺
- 418条
- 債権者にも落ち度があったとき、裁判所は、責任と額の両方を定めるときに考慮する。趣旨=損害の公平な分担。改正=旧「債務の不履行に関して」→現行「債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して」。
予定の額を離れて、ふつうに損害を賠償する場面に戻ります。債権者にも落ち度があったとき、額は、どう動くのでしょうか。条文です。
条文民法418条
民法第418条 債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
事例で見ます。Tさんが、Sさんの工場に、機械を納める契約でした。Tさんの納品が遅れて、Sさんの生産ラインが止まりました。ところが、Sさんは、遅れを知った時点で、代わりの機械を借りれば、停止を3日に抑えられました。それなのに、何もせず、2週間止めてしまったとします。遅れたこと自体は、Tさんの債務不履行です。ただ、損害が、大きくなったことには、債権者のSさんの過失が関わっています。418条は、そのとき、裁判所が、これを考慮して、賠償の責任と額を定める、と言います。2週間分の損害を、全部Tさんに負わせず、Sさんが防げた分を、減らします。趣旨は、損害を、公平に分けることです。改正で、文言が増えました。改正前は、債務の不履行に関して債権者に過失があったとき、まででした。現行は、これによる損害の発生、若しくは拡大に関して、が入っています。損害が大きくなったことに対する債権者の過失も、条文に書かれました。今の機械の例が、その場面です。
責任まで、と書いてありますが、額を減らすだけではないんですか。そこが、条文のポイントです。責任及びその額、です。たとえば、Tさんにも、出荷の前に届け先を確かめなかった落ち度はあった。ただ、遅れの主な原因は、Sさんが届け先を間違えて指示したことにあった、とします。先ほどの420条の例のように、原因がSさんの指示だけで、Tさんに帰責事由が無ければ、そもそも415条で責任を負いません。ここは、Tさんにも落ち度がある場面です。それでも、債権者の過失が大きければ、額を減らすだけでなく、責任そのものが否定されることもあります。
図:418条と722条2項の対比表
- 債務不履行(418条)=考慮の仕方は「定める」(必ず考慮する)/効果は責任をなくすことも、額を減らすこともできる
- 不法行為(722条2項)=考慮の仕方は「定めることができる」(考慮するかは裁判所の判断)/効果は額を減らすことだけ
不法行為の過失相殺と、並べます。不法行為の722条2項は、被害者に過失があったとき、裁判所が、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる、という形です。表のとおり、違いが2つあります。1つめは、考慮の仕方です。418条は、定める。つまり、債権者の過失があれば、必ず考慮します。722条2項は、定めることができる。考慮するかどうかは、裁判所が決めます。2つめは、効果です。418条は、責任そのものをなくすことも、額を減らすこともできます。722条2項は、額を減らすことだけです。不法行為のほうは、被害者の救済が重く見られるため、と説明されています。不法行為の過失相殺は、第6章で詳しく見ます。今日は、この違いだけ持っておいてください。ここで1問です。債務不履行の過失相殺は、責任そのものを否定できるでしょうか?
できます。418条は、責任及びその額を定める、と書いてあるからです。ここは、論文で論点になりうる部分です。債権者の落ち度を、どの条文で、どの効果として主張するか、という場面で出てきます。
損益相殺と中間利息の控除(417条の2)
図:損益相殺
- 条文は無い
- 損害の原因によって、債権者が、損害と同時に利益も受けたとき、その利益分を賠償額から差し引く
- 根拠=公平
- 設例=開店が遅れた間、払わずに済んだ食材費・人件費を差し引く
まず、損益相殺から見ます。冒頭の内装工事が、遅れたとします。Sさんの飲食店の開店が、遅れました。失った売上の見込みは、月500万円です。ただ、開店が遅れた間、Sさんは、食材費や、従業員の人件費を払わずに済んでいました。その分が、月300万円だったとします。請求できる損害は、売上ではなく、払わずに済んだ費用を引いた、利益の分です。つまり、200万円です。これを、損益相殺と言います。同じ原因で、損害と利益が同時に生じたとき、その利益を賠償から差し引きます。根拠は、公平です。条文は無く、解釈で認められます。何を差し引くかの、個別の判断は、不法行為の判例が中心です。第6章で見ます。今日は、差し引く考え方だけです。
図:立ち止まる問いの板(前の回の復習)。法定利率は、何年ごとに見直される変動制か。
次の話の前に、利息の回の要点を1問。法定利率は、何年ごとに見直される変動制でしたか?3年を1期として、基準割合が1%以上動いたときに変わります。では、中間利息の控除です。
図:中間利息の控除
- 将来得られるはずの利益(逸失利益)・将来負担する費用を、今まとめて受け取るとき、受け取るまでの利息に当たる分を引く
- 設例=毎年400万円を20年分=総額8000万円
- 年3%で現在の価値に直すと約5950万円
別の場面です。Sさんは、Tさんの会社で働いていました。Tさんの安全配慮義務違反で、働けなくなり、今後20年、毎年400万円の収入を失ったとします。ただし、額面の合計を、そのまま賠償額にはしません。ここに落とし穴があります。もし20年分を、今、まとめて受け取るなら、本来、20年かけて受け取るはずだった分の、利息に当たる額を、先に受け取ってしまいます。受け取った額を、銀行などで運用すれば、利息がつくからです。そこで、その分を引きます。これが、中間利息の控除です。1年ずつ見ます。まず、1年後の400万円は、今、約388万円あれば、年3%で1年運用して、400万円になります。20年後の400万円なら、今は約221万円で足ります。こうして20年分を、1年ずつ今の額に割り戻して足すと、8000万円より少なくなって、約5950万円です。
先の年の分ほど、今の額は小さくなるんです。条文です。
条文民法417条の2
民法第417条の2 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。 2 将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。
1項は将来の利益、2項は将来の費用です。たとえば、介護費用です。どちらも、基準は同じです。損害賠償の請求権が生じた時点の法定利率です。利率そのものは変わっていきます。ただ、中間利息の控除では、請求権が生じた時点の率で、固定されます。その後、法定利率が動いても、この計算には影響しません。従来、判例は、逸失利益の中間利息の割合を、民事法定利率によるとしていました。その考え方を条文にしたのが、新設の417条の2です。不法行為にも、同じ規定が準用されますが、それは第6章で見ます。
図:時点の並び
- 404条=利息が生じた最初の時点の法定利率/419条=遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率/417条の2=損害賠償の請求権が生じた時点の法定利率
- どれも、時点を決めて、その時点の率で固定する
利息の回で見た、法定利率の基準時と、並べます。404条は、利息が生じた最初の時点。419条は、遅滞の責任を負った最初の時点。そして、417条の2は、賠償請求権が生じた時点です。この3つは、どれも、時点を決めて、その時点の法定利率で固定する、という形です。
賠償者代位(422条)

ここから、賠償が済んだあとの話です。事例です。Tさんが、Sさんから、撮影用のアンティークカメラを借りました。賃貸借です。ところが、現場で、カメラが盗まれました。Tさんの管理に不備があったので、返せません。履行不能です。Tさんは、Sさんに、カメラの時価の全額を賠償しました。ところが、後日、盗んだUさんの手元で、カメラが見つかりました。カメラは、誰のものとして扱うのでしょうか。条文です。
条文民法422条
民法第422条 債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。
代位とは、債権者の立場に代わって入る、ということです。債権者のSさんが、損害賠償として、カメラの価額の全部の支払を受けました。そのとき、債務者のTさんは、カメラについて、当然に、Sさんの立場に代わって入ります。意思表示も、対抗要件も要りません。だから、Tさんが、カメラについての権利を取得し、Uさんに返還を求められます。債権者のSさんが、時価の全額を賠償で受け取ったうえに、カメラまで戻ってきたら、二重に得をしてしまいます。それを避けるためです。条文にも、価額の全部、とあります。全部を受け取ったときに移る、という形です。価額の一部の支払では、代位は生じません。
代償請求権(422条の2)

逆向きの場面です。Sさんが、Tさんから、中古のヨットを買いました。引渡しの前に、隣のマリーナで火災が起きて、ヨットが全焼しました。Tさんに、落ち度はありません。引き渡せなくなったので、履行不能です。ところが、Tさんは、そのヨットにかけていた、火災保険の保険金を受け取りました。損害賠償の請求は、ここではできません。415条1項のただし書のとおり、責めに帰することができない事由による不履行なら、Tさんは損害賠償を負いません。ただ、保険金は、焼けたヨットの代わりに、Tさんの手元に入ったものです。そのヨットを受け取るはずだったのは、Sさんです。そこで、賠償とは別の道として、代わりに入ったものを債権者に回させるのが、422条の2です。条文です。
条文民法422条の2
民法第422条の2 債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。
要件は、条文のとおり3つです。履行が不能になったこと。その不能と、同一の原因によること。そして、債務者が、目的物の代償である権利や利益を取得したこと。ヨットの例では、火災が、不能の原因であり、保険金が、その代償です。効果は、債権者は、受けた損害の額の限度で、その権利の移転、または、その利益の償還を請求できる、です。保険金のような利益なら、償還、つまり、渡してもらうこと。もし、第三者のUさんがヨットを壊したなら、TさんがUさんに持つ損害賠償請求権の移転を、求めます。趣旨は、当事者間の公平です。Tさんは、ヨットが焼けたのに、保険金を手にしている。Sさんは、代金の義務は別にして、ヨットも保険金も得られない。それなら、代償のほうを、債権者に回すのが公平だ、という考えです。実益は、Tさんに落ち度が無くて、損害賠償を求められない場面でも、使えることです。代金をどうするかは、危険負担の問題で、第5章で見ます。この規定は、2017年の改正で、新しくできました。ただ、考え方は、それより前から、判例が認めていました。焼失した建物の火災保険金の事案です。判決を見てください。
判例最判昭41・12・23 民集20巻10号2211頁
履行不能と同一の原因によって債務者が取得した代償 履行不能が生じたのと同一の原因によつて、債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には、債権者は、右履行不能により受けた損害を限度として、債務者に対し、右利益の償還を求める権利があると解するのが相当である。
これは判決の要旨です。言葉は、少し違いますが、中身は、先ほどの条文と同じです。履行不能を生じさせたのと同じ原因で、債務者が、目的物の代償と考えられる利益を得たなら、債権者は、受けた損害を限度に、その利益の償還を求められる。理由は、公平の観念です。2017年の改正で、この判例の考え方が、422条の2として、明文になりました。
図:向きの違い
- 賠償者代位(422条)=賠償した債務者が、物・権利を取得する
- 向き=債権者→債務者
- 代償請求権(422条の2)=債務者が得た代償を、債権者が受け取る
- 向き=債務者→債権者
- 物上代位(物権)=担保物権の効力が保険金の請求権に及び、担保物権者が優先して弁済を受ける(差押えが要る)
取り違えを避ける手がかりは、向きです。422条は、賠償をした債務者が、物や権利を取る向きです。債権者から、債務者へ動きます。422条の2は、債務者が得た代償を、債権者が受け取る向きです。債務者から、債権者へ動きます。向きが、逆です。2つ、名前の区別を。物上代位は、担保物権の回で見ました。担保物権の効力が、火災保険金の請求権にまで及んで、担保物権者が、そこから優先して弁済を受けられる。物権の効力で、差押えが必要でした。代償請求権は、債権者が債務者に求める、債権の請求です。別の仕組みです。もう1つ、前の回で一言触れた、訴訟上の代償請求は、訴訟の上で、履行に代わる賠償をあらかじめ求めておくことで、422条の2とは、別のものです。
冒頭の答えと、まとめ
図:まとめ板
- 冒頭の答え=予定額で決まる
- 1日10万円×20日=200万円
- 実損が50万円でも500万円でも、Sは200万円を請求できる(損害の証明は要らない)
- ただし、極端に過大な予定は、公序良俗違反などで一部が無効になる余地がある
冒頭の答えを、言い切ります。Sさんは、実損が50万円でも、500万円でも、200万円を請求できます。予定額で決まるからです。損害の証明は要りません。ただし、極端に過大な予定なら、公序良俗違反などで、一部が無効になる余地があります。
図:まとめ板
- 続き
- ①420条=予定額が原則。2017年の改正で旧後段(増減できない)を削除。公序良俗で一部無効の余地②418条=債権者の過失を必ず考慮。責任も否定できる(722条2項は額だけ)。損益相殺。417条の2=請求権が生じた時点の法定利率③422条=賠償した債務者が物を取る。422条の2=債務者の得た代償を、債権者が受け取る。
整理します。1つめ、420条です。予定額が原則です。2017年の改正で、旧後段が削除されましたが、90条などで、極端に過大な予定が一部無効になる余地がある、という点は、変わりません。2つめ、418条は、債権者の過失を必ず考慮して、責任まで否定できます。不法行為の722条2項は、額だけです。損益相殺は、同じ原因で得た利益を引きます。中間利息は、請求権が生じた時点の法定利率で引きます。422条は、賠償した債務者が物を取る向き。422条の2は、債務者の得た代償を、債権者が受け取る向きです。債務不履行による損害賠償は、ここまでです。次の回は、債権者が受け取らない場面、受領遅滞を見ます。
参照条文
- 民法420条
- 民法418条
- 民法417条の2
- 民法422条
- 民法422条の2