会社法ゼロから会社法#28

株主総会の招集

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第3章 機関 ㉘/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

同じ電話が、会社の型で意味を変える

同じ電話・2つの会社(A=株主3人の家具工房の会社/B=株主数万人の電機メーカー/C=「明日、総会をやるから来て」という電話/AからC=全員が集まれて準備もできる→成り立ちうる/BからC=出席も準備の機会も確保されない→手続違反/違いを決めるのは株主が出席して準備できたかという一つの物差し) 図:同じ電話・2つの会社

  • A=株主3人の家具工房の会社
  • B=株主数万人の電機メーカー
  • C=「明日、総会をやるから来て」という電話
  • AからC=全員が集まれて準備もできる→成り立ちうる
  • BからC=出席も準備の機会も確保されない→手続違反
  • 違いを決めるのは株主が出席して準備できたかという一つの物差し

株主が3人だけの、小さな家具工房の会社があります。ある日、社長が電話をかけました。明日、総会をやるから来てくれ。3人は集まり、決議をしました。次に、株主が数万人いる電機メーカーを考えてください。社長が同じように、電話で、明日、総会をやると呼びかけたら、どうなるでしょうか。数万人に電話は、さすがに無理そうです。でも、どちらも「総会をやる」と呼んだだけです。ところが、家具工房のほうは成り立ちえます。電機メーカーのほうは、手続違反です。分かれ目は、会社の大きさそのものではありません。先に答えを言います。株主が、出席できて、準備もできたかどうか。この一つの物差しです。

何が議題になるのかを知って、賛成か反対かを考える、その準備です。招集の手続は、この二つを株主に保証するためにあります。この回の筋は、こうです。招集手続の目的、誰が招集するか、何を決めて、いつ、どう知らせるか。次に、手続を省ける場合。最後に、準備の材料と、それをネットに置く仕組み。すべて、この物差しから説明できます。

招集手続は何のためにあるか

招集手続の意味(招集=総会を開くために株主に知らせる手続全体〔決定を含む〕/会社の意思を決める会議だと明確にする/実質の意味は2つ=①総会に出席する機会②議事・議決に参加する準備の機会/出席は権利であって義務ではない/株主が1人だけの会社=守る相手がいないので厳格な招集手続は無意味と解されている) 図:招集手続の意味

  • 招集=総会を開くために株主に知らせる手続全体〔決定を含む〕
  • 会社の意思を決める会議だと明確にする
  • 実質の意味は2つ=①総会に出席する機会②議事・議決に参加する準備の機会
  • 出席は権利であって義務ではない
  • 株主が1人だけの会社=守る相手がいないので厳格な招集手続は無意味と解されている

最初に、言葉を一つ決めます。招集とは、総会を開くために、株主に知らせる手続全体です。この回で、何度も出てきます。株主が何人か集まって何かを決めても、それが会社の意思決定なのかは、当然には分かりません。そこで会社法は、決まった手続で総会を開かせます。これは会社の意思を決める会議だ、と明確にするためです。その手続の実質的な意味が、先ほどの二つです。一つ目は、総会に出席する機会。二つ目は、議事と議決に参加する準備の機会です。出席は、株主の権利であって、義務ではありません。出席しなかった株主は、結果が意に沿わなくても、自分が議決権を使わなかった結果を受けるだけです。だから、守るべきなのは、出席できる機会のほうです。この物差しの、いちばん極端な例を一つ。株主が1人しかいない会社です。守る相手がいませんから、厳格な招集手続は意味がなく、手続なしに総会が成り立つと解されています。もう一つ、大事な見方があります。条文は、取締役が招集する、と書いています。でも実際は二段です。一段目が、招集の決定。日時や場所や議題を決めることです。二段目が、会社を代表する者による、その執行です。取締役会を置く会社では、一段目は取締役会の決議で、二段目は代表取締役が行います。取締役会を置かない会社は、前に見たとおり、取締役が決めます。取締役が2人以上なら、一段目は、その過半数で決めます。348条2項です。

そして、招集権者でない者が開いた総会は、原則として、総会の決議があったとは評価されません。後で見る例外が、全員出席総会です。

誰が招集するか——取締役と、株主が開く道

招集権者(原則=取締役〔296条3項〕・取締役会を置く会社は取締役会が決定し代表取締役が執行/例外=株主による招集〔297条〕/なぜ道を残すか=取締役が総会を開かないことが現実にある・総会は株主が取締役を選び替える場なので開かない自由を認めると株主の権限が空洞化する) 図:招集権者

  • 原則=取締役〔296条3項〕・取締役会を置く会社は取締役会が決定し代表取締役が執行
  • 例外=株主による招集〔297条〕
  • なぜ道を残すか=取締役が総会を開かないことが現実にある・総会は株主が取締役を選び替える場なので開かない自由を認めると株主の権限が空洞化する

ここで、少数株主権の回の復習を一つ。議決権や株の一定の割合を持つ株主だけが使える権利でした。公開会社で、総会の招集を請求できる株主は、議決権の何分の何を、いつから持っている必要があったでしょうか?100分の3以上を、6か月前から引き続き、です。定款で下げられました。非公開会社は、6か月の条件がありませんでした。では、誰が招集するのか。条文を読みます。

条文会社法296条3項

会社法第296条第3項 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。

原則は、取締役です。例外が、次条の4項、つまり株主が招集する場合です。理由があります。取締役が、総会を開かないことが、現実にあるのです。中小の会社で目立ちます。総会は、株主が取締役を選び、替えられる場です。取締役に、開かない自由を与えると、株主の権限が空洞になってしまいます。だから、株主に道を残してあります。

株主が招集するまでの三段(A=議決権の100分の3以上を持つ株主/B=取締役/C=裁判所/①AからB=目的事項と招集の理由を示して請求〔297条1項〕/②Bが動かない=請求の後遅滞なく手続が行われない、または請求の日から8週間以内の日を総会の日とする通知が発せられない〔4項〕/③AからC=許可を得る/④Aが自ら招集〔次の手続は取締役が招集する場合と同じ〕) 図:株主が招集するまでの三段

  • A=議決権の100分の3以上を持つ株主/B=取締役/C=裁判所
  • ①AからB=目的事項と招集の理由を示して請求〔297条1項〕
  • ②Bが動かない=請求の後遅滞なく手続が行われない、または請求の日から8週間以内の日を総会の日とする通知が発せられない〔4項〕
  • ③AからC=許可を得る
  • ④Aが自ら招集〔次の手続は取締役が招集する場合と同じ〕

流れは三段です。一段目は請求です。いま確認した、100分の3以上を6か月前から引き続き持つ、という条件を満たす株主が、取締役に対し、総会の目的である事項と、招集の理由を示して請求します。請求できる事項は、その株主が議決権を行使できる事項に限られます。二段目は、取締役が動かないときです。条文を読みます。

条文会社法297条4項

会社法第297条第4項 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合

請求の後、遅滞なく手続が行われないか、8週間以内の日を総会の日とする通知が出ないか。そのどちらかのとき、株主は、裁判所の許可を得て、自分で招集できます。これが三段目です。短答のひっかけは、ここです。株主が自分で招集するには、裁判所の許可が要ります。招集した株主が、日時や場所を決めます。ここから先の手続は、取締役が招集する場合と同じ規律に従います。具体例です。同族の非公開会社で、社長が何年も総会を開きません。議決権の2割を持つ株主が、議題を示して請求しました。社長は動きません。そこで株主は、裁判所の許可を得て、自分で招集します。非公開会社なので、6か月の保有期間は要りません。問いです。請求した株主は、取締役が応じなければ、許可なしで自ら招集できるでしょうか?

できません。裁判所の許可が要ります。

何を決めて招集するか——決定事項と議題・議案

招集のときに決める事項(298条1項=①日時・場所②総会の目的である事項〔議題〕があるときはその事項③書面で議決権を行使させるときはその旨〔書面投票〕④電磁的方法で行使させるときはその旨〔電子投票〕⑤法務省令で定める事項/③④を定めたかで後の手続が変わる〔期限・方法・省略・添付書類〕/取締役会を置く会社では決定は取締役会の決議〔4項〕/株主数1000人以上は③が必須〔2項〕) 図:招集のときに決める事項

  • 298条1項=①日時・場所②総会の目的である事項〔議題〕があるときはその事項③書面で議決権を行使させるときはその旨〔書面投票〕④電磁的方法で行使させるときはその旨〔電子投票〕⑤法務省令で定める事項
  • ③④を定めたかで後の手続が変わる〔期限・方法・省略・添付書類〕
  • 取締役会を置く会社では決定は取締役会の決議〔4項〕
  • 株主数1000人以上は③が必須〔2項〕

招集するとき、取締役は、何を決めなければならないのか。298条1項です。

条文会社法298条1項

会社法第298条第1項 1 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

一号は日時と場所。二号は、総会の目的である事項。三号と四号は、総会に出席しない株主に、書面やインターネットで議決権を使わせるかどうかです。書面投票、電子投票と呼びます。行使の中身は別の機会に見ます。ここでは、招集のときに決める、までを押さえてください。三号と四号を決めると、何か変わるんですか。大きく変わります。このあと出てくる、通知の期限、方法、手続を省けるかどうか、同封する書類。全部、この二つを定めたかどうかで分かれます。頭の片隅に置いておいてください。書面投票が義務になる会社もあります。

条文会社法298条2項

会社法第298条第2項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。

株主が1000人以上いる会社は、書面投票を定めなければなりません。会場に来られない株主が、それだけ多くいるはずだからです。例外は、上場会社のうち、株主全員に委任状の用紙を送って、議決権の代理行使を勧誘している会社です。委任状とは、他の人に議決権の行使を任せる書面のことです。取締役会を置く会社では、これらの決定は、取締役会の決議で行います。298条4項です。二号の「目的である事項」というのは、議題のことですか。議案とは違うんですか。違います。議題は、総会で決める課題です。たとえば、取締役選任の件、剰余金の配当の件。議案は、その課題に対する具体案です。Aさんを取締役にする、1株100円を配当する、というように、実際に賛否を問う提案です。招集のときに決めるのは、議題です。議案は、総会の場で出せるのが一般です。

書面投票や電子投票を認めるときは、議案を定めて、後で見る参考書類に載せる必要があります。議案が分からないと、会場に来ない株主は、賛否を示せないからです。物差しで考えます。前の回で見たとおり、取締役会を置く会社は、株主が日々の経営に関わらないことを想定した型でした。そういう株主は、議題を見て、出席するか、何を準備するかを決めます。だから、議題をあらかじめ決めさせ、通知に書かせるのです。取締役会を置かない会社は、株主が経営に関わっている前提です。議題を限らず、会場で臨機応変に決められます。この差は、次の条文で、決議できる範囲にまで効いてきます。

条文会社法309条5項

会社法第309条第5項 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。

取締役会を置く会社の総会は、議題として決めた事項以外は、決議できません。ただし書は、議題に無くても決められる例外です。総会に出された資料を調べる人や、株主が招集した総会で会社の業務と財産の状況を調べる人の選任と、会計監査人に出席を求めることです。議題を通知に書く意味は、ここで効いてきます。前の回で見た295条2項は、会社法と定款に書いた事項という、総会が決められる枠でした。309条5項は、その枠の中で、さらに、その総会の議題に絞ります。決議の成立や、手続違反の扱いは、別の機会に見ます。

いつまでに、どうやって知らせるか——招集通知

招集通知の型別表(行=公開会社〔取締役会を必ず置く〕:期限2週間前・定款で短縮不可・方法は書面〔承諾があれば電磁的方法〕・議題を記載/取締役会を置く非公開会社:期限1週間前・定款で短縮不可・書面・議題を記載/取締役会を置かない非公開会社:期限1週間前・定款でさらに短縮可・口頭でもよい・議題の記載義務なし/書面投票・電子投票を定めたとき〔どの型でも〕:2週間前・書面〔承諾があれば電磁的方法〕・議題等を記載) 図:招集通知の型別表

  • 行=公開会社〔取締役会を必ず置く〕:期限2週間前・定款で短縮不可・方法は書面〔承諾があれば電磁的方法〕・議題を記載
  • 取締役会を置く非公開会社:期限1週間前・定款で短縮不可・書面・議題を記載
  • 取締役会を置かない非公開会社:期限1週間前・定款でさらに短縮可・口頭でもよい・議題の記載義務なし
  • 書面投票・電子投票を定めたとき〔どの型でも〕:2週間前・書面〔承諾があれば電磁的方法〕・議題等を記載

いつまでに、どうやって知らせるか。299条です。

条文会社法299条1項・2項

会社法第299条第1項・第2項 1 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合

括弧が多くて読みにくいので、型ごとにほどきます。原則は、総会の日の2週間前までに、通知を発します。2週間は、株主が議案を検討するための期間です。公開会社は、これです。株の一部でも、譲るのに会社の承認が要らない会社でした。株主の顔ぶれは入れ替わり、会社から遠い株主も多くなります。そういう株主には、検討の期間を原則どおりとる必要がある、と整理できます。公開会社でない、つまり非公開会社は、1週間前までです。全部の株について、譲るのに会社の承認が要る会社です。株主の顔ぶれが限られ、会社に近いのが普通です。準備の期間が短くても困りにくい、という違いで、1週間で足りると説明できます。ただし、書面投票か電子投票を定めたときは、非公開会社でも2週間前に戻ります。さらに、取締役会を置かない会社は、定款で、1週間より短い期間を定められます。

括弧の中に、取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、とあります。短縮できるのは、取締役会を置かない会社だけです。方法は、2項です。書面投票か電子投票を定めた場合、または、取締役会を置く会社の場合、通知は書面でしなければなりません。株主の承諾があれば、メールなどの電磁的方法でもよいと、3項にあります。通知には、298条1項の事項、日時、場所、議題などを書きます。4項です。取締役会を置かない会社で、書面投票なども定めていなければ、方法の決まりはありません。口頭でもかまいません。会社の型で通知のルールがこれほど違う理由は、物差しで説明できます。株主が日々の経営に関わらない取締役会を置く会社では、適宜の方法に任せると、出席と準備の機会が確保される保証がありません。だから、書面で、議題まで知らせます。逆に、株主が少なく、経営にも関わっている会社なら、迅速さを優先して、口頭でも短い期間でも、株主は困りません。書面投票や電子投票を定める場合は、株主が会場に来ないまま賛否を決めます。だから、準備の期間の2週間と、書面を、いちばん厚く求めます。会社の型を問わず、同じです。

冒頭の二社への当てはめ(A=株主3人の家具工房の会社〔取締役会なし・書面投票なし〕→通知の方法の決まりなし=口頭も可・期間は定款で1週間より短くできる→電話の呼びかけも成り立ちうる/B=株主数万人の電機メーカー〔取締役会あり〕→書面で・議題を書いて・期限〔公開会社なら2週間前〕までに→電話で「明日」は手続違反/物差し=出席の機会と準備の機会) 図:冒頭の二社への当てはめ

  • A=株主3人の家具工房の会社〔取締役会なし・書面投票なし〕→通知の方法の決まりなし=口頭も可・期間は定款で1週間より短くできる→電話の呼びかけも成り立ちうる
  • B=株主数万人の電機メーカー〔取締役会あり〕→書面で・議題を書いて・期限〔公開会社なら2週間前〕までに→電話で「明日」は手続違反
  • 物差し=出席の機会と準備の機会

冒頭の二つの会社に戻ります。株主が数万人の電機メーカーは、取締役会を置いているのが普通です。通知は書面で、期限までに出さなければなりません。電話で、明日、では、そのどちらも満たさず、手続違反です。家具工房のように、取締役会を置かず、書面投票も定めていない会社なら、口頭でもよく、期間も定款で縮められます。電話の呼びかけが成り立ちうるのは、このためです。問いです。取締役会を置く非公開会社が、定款に、招集通知は総会の3日前までに出せばよい、と定めました。書面投票は認めていません。この定めは有効でしょうか?

取締役会を置いているので、短縮できないと思います。無効です。1週間を定款で縮められるのは、取締役会を置かない会社だけです。通知の相手も、確認しておきます。基準日を定めたときは、基準日の株主に出します。通知は、株主名簿の住所に出せば足りると、前に見ました。126条1項です。もう一つ。基準日を定めたとき、基準日株主が行使できる権利は、基準日から3か月以内に行使するものに限ると、前に見ました。124条2項です。定時総会での議決権も、その一つです。3月末が基準日の会社は、6月末までに総会を開くことになります。定時総会が、6月の終わりに集まりやすいのは、このためです。

手続を省ける場合——全員の同意

招集手続の省略(300条=株主の全員の同意があれば招集の手続を経ずに開催できる/出席は要らず同意だけでよい/ただし書=書面投票・電子投票を定めた場合は省略できない/なぜ省けるか=手続が守る相手の全員が要らないと言っている/別物=319条の書面決議は総会を開かずに決議があったものとみなす制度・300条は総会は開き招集手続だけを省く) 図:招集手続の省略

  • 300条=株主の全員の同意があれば招集の手続を経ずに開催できる
  • 出席は要らず同意だけでよい
  • ただし書=書面投票・電子投票を定めた場合は省略できない
  • なぜ省けるか=手続が守る相手の全員が要らないと言っている
  • 別物=319条の書面決議は総会を開かずに決議があったものとみなす制度・300条は総会は開き招集手続だけを省く

目的から逆算すると、手続を省ける場面が見えてきます。守られる相手の全員が、手続は要らない、と言っているときです。条文は300条です。

条文会社法300条

会社法第300条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

株主全員の同意があれば、招集の手続を経なくても、総会を開けます。出席は要りません。同意だけで足ります。家具工房の3人が、全員、招集の手続は要らないと同意すれば、通知なしで総会を開けます。当日、1人が来られなくても、同意さえしていれば構いません。書面投票や電子投票を定めた場合は、省けません。この仕組みは、招集の手続と一体で動く、と整理できます。書面投票なら、賛否を書き込む書面と参考書類は、招集の通知と一緒に渡す決まりです。後で読む301条です。通知を省けば、その書面が株主に届きません。会場に来ない株主のために定めた書面投票が、動かなくなります。全員の同意があっても、その仕組みは外せません。なお、総会そのものを開かずに、決議があったものとみなす制度が、別にあります。319条です。300条は、総会は開く。招集の手続だけを省く。別物です。問いです。書面投票を定めた総会で、株主全員が同意すれば、招集手続を省けるでしょうか?

省けません。300条のただし書です。

全員出席総会——代理人が出ても有効か

判例の構図(A=会社・株主10名/D=代表権のない取締役/C=委任状を出した株主の代理人/Dが招集〔招集権者ではない〕→Aの総会に株主全員が開催に同意して出席〔Cを含む〕→Dらを取締役に選任する決議→その取締役会がDを代表取締役に選定・Dの合意解約を追認/問い=追認が効くかは総会の決議が有効かにかかる=招集手続を欠いた総会の決議は有効か・代理人が出た場合も全員出席にあたるか/結論=決議は有効/注記=代理は目的事項の了知と決議が範囲内の条件つき) 図:判例の構図

  • A=会社・株主10名
  • D=代表権のない取締役
  • C=委任状を出した株主の代理人
  • Dが招集〔招集権者ではない〕→Aの総会に株主全員が開催に同意して出席〔Cを含む〕→Dらを取締役に選任する決議→その取締役会がDを代表取締役に選定・Dの合意解約を追認
  • 問い=追認が効くかは総会の決議が有効かにかかる=招集手続を欠いた総会の決議は有効か・代理人が出た場合も全員出席にあたるか
  • 結論=決議は有効
  • 注記=代理は目的事項の了知と決議が範囲内の条件つき

手続が全く無いのに、全員が集まって決議したらどうなるか。300条ができる前から、最高裁が答えを出していた論点です。事案を整理します。株主が10名の会社です。取締役の任期が切れても、後任が選ばれないまま、前の取締役らが仕事を続けていました。取締役の人数が欠けるときは、任期が切れた取締役も、後任が就くまで、取締役としての権利と義務を持ち続けるからです。346条1項です。詳しくは、後の回で見ます。そこで、代表権のない取締役Dが、役員の選任などを目的として総会を招集しました。Dは招集権者ではありません。それでも、株主10名全員が、開催に同意して出席しました。その中には、委任状を出して、目的を知っていた株主の代理人も含まれています。総会はDらを取締役に選び、その取締役会は、Dを代表取締役に選びました。

Dは、この総会より前に、代表権がないのに、会社の名前で、会社が借りていた土地建物の賃貸借を合意解約して、敷金の返還を求めていました。総会の後、そこで選ばれた取締役たちの取締役会が、Dを代表取締役に選び、さらに、Dのした合意解約と返還の請求を追認しました。この追認が効くかどうかは、その取締役会の土台、つまり、Dらを取締役に選んだ総会の決議が有効か、にかかります。これが争点です。結論は、上告棄却。決議は有効です。判旨を読みます。中身は、目的、全員出席総会、代理人の、三つに分かれています。判例は旧商法の時代のものですが、考え方は今も維持されています。

判例最高裁判所第二小法廷判決・昭和60年12月20日 民集39巻8号1869頁

全員出席総会と代理人の出席 「商法が、二三一条以下の規定により、株主総会を招集するためには招集権者による招集の手続を経ることが必要であるとしている趣旨は、全株主に対し、会議体としての機関である株主総会の開催と会議の目的たる事項を知らせることによつて、これに対する出席の機会を与えるとともにその議事及び議決に参加するための準備の機会を与えることを目的とするものであるから、招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であつても、株主全員がその開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項につき決議をしたときには、右決議は有効に成立するものというべきであり(最高裁昭和四三年(オ)第八二六号同四六年六月二四日第一小法廷判決・民集二五巻四号五九六頁参照)、また、株主の作成にかかる委任状に基づいて選任された代理人が出席することにより株主全員が出席したこととなる右総会において決議がされたときには、右株主が会議の目的たる事項を了知して委任状を作成したものであり、かつ、当該決議が右会議の目的たる事項の範囲内のものである限り、右決議は、有効に成立するものと解すべきである。」

その三つを、順に持ち帰ってください。一つ目は、目的です。招集手続が要求されるのは、全株主に総会の開催と目的事項を知らせて、出席の機会と、準備の機会を与えるため。この二つ、今日の冒頭の物差しそのものです。二つ目は、全員出席総会です。招集権者による招集の手続がなくても、株主全員が、その開催に同意して出席し、総会の権限に属する事項を決議したなら、決議は有効に成立します。三つ目は、代理人です。代理人が出席して株主全員が出席したことになる場合でも、条件が二つあります。株主が、会議の目的事項を知って委任状を作ったこと。そして、決議が、目的事項の範囲内であること。この二つを満たす限り、有効です。

手続の目的は、出席の機会と準備の機会の保障でした。全員が、開催に同意して出席したなら、その機会は、実際に与えられています。守る相手が、全員そろっていて、問題を感じていない。だから、手続を欠いたことを理由に、決議を否定する必要がありません。

300条と全員出席総会の比較(根拠=300条は明文/全員出席総会は判例〔旧商法下の判決・現行法下でも考え方は維持〕/必要なもの=300条は株主全員の同意/全員出席総会は全員が開催に同意して出席/出席の要否=300条は不要/全員出席総会は必要/書面投票・電子投票を定めたとき=300条は省略不可/全員出席総会は判決はその場合を判断していない/代理人=300条は規定なし/全員出席総会は目的事項の了知と範囲内の条件つきで含む/共通の筋=守る相手の全員が手続は要らないと言っている場合) 図:300条と全員出席総会の比較

  • 根拠=300条は明文
  • 全員出席総会は判例〔旧商法下の判決・現行法下でも考え方は維持〕
  • 必要なもの=300条は株主全員の同意
  • 全員出席総会は全員が開催に同意して出席
  • 出席の要否=300条は不要
  • 全員出席総会は必要
  • 書面投票・電子投票を定めたとき=300条は省略不可
  • 全員出席総会は判決はその場合を判断していない
  • 代理人=300条は規定なし
  • 全員出席総会は目的事項の了知と範囲内の条件つきで含む
  • 共通の筋=守る相手の全員が手続は要らないと言っている場合

300条と、全員出席総会の違いを整理します。300条は明文があり、必要なのは全員の同意だけで、出席は要りません。全員出席総会は判例で、全員が開催に同意して、出席することが要ります。代理人の出席も含みますが、条件つきです。ただ、筋は同じです。守る相手の全員が、手続は要らないと言っている場合だ、ということです。射程に注意してください。代理人の場合の有効性には、二つの条件がありました。条件を満たさない代理出席、たとえば、目的事項を知らないまま白紙で渡した場合は、この判決自体は、判断していません。また、総会の権限に属する事項、とありますので、権限の外の事項は別の話です。取締役会を置く会社の総会なら、その外とは、さきほど振り返った295条2項の枠、会社法と定款に書いた事項の外のことです。やさしい当てはめを一つ。家具工房の兄弟3人の会社で、代表取締役が退いた後、権限のない者が、総会を招集しました。3人は全員、議題を知っています。2人は本人が出席しました。もう1人の弟は、議題を知ったうえで委任状を書き、代理人が出席しました。この場合は、全員出席総会として、決議は有効です。問いです。では、弟が、議題を知らないまま白紙の委任状を代理人に渡していたら。ほかの2人は、本人で出席しています。全員出席総会として有効と、言い切れるでしょうか?

言い切れないと思います。目的事項を知って、委任状を作ったことが、条件でした。論文では、招集権者でない者の招集や、通知漏れなど、手続に瑕疵がある総会の決議を、全員出席総会として救えるか、を検討します。手続の瑕疵は、決議取消しの理由になる、という点は、別の機会に見ます。ここでは、株主全員が出席できて、準備もできたと言えなければ使えない、という点を押さえてください。

判断の材料——参考書類と議決権行使書面

招集通知と一緒に届く書類(書面投票を定めた場合=株主総会参考書類+議決権行使書面を交付〔301条1項〕/電子投票を定めた場合=株主総会参考書類を交付〔302条1項〕/承諾した株主には電磁的方法で提供できる・ただし株主の請求があれば書面で交付/意味=会場に来ない株主が議案を見て賛否を決める材料/取締役会を置く会社の定時総会では計算書類・事業報告も提供〔437条〕) 図:招集通知と一緒に届く書類

  • 書面投票を定めた場合=株主総会参考書類+議決権行使書面を交付〔301条1項〕
  • 電子投票を定めた場合=株主総会参考書類を交付〔302条1項〕
  • 承諾した株主には電磁的方法で提供できる・ただし株主の請求があれば書面で交付
  • 意味=会場に来ない株主が議案を見て賛否を決める材料
  • 取締役会を置く会社の定時総会では計算書類・事業報告も提供〔437条〕

会場に来ない株主は、何を見て賛否を決めるのか。その材料が、参考書類と議決権行使書面です。301条1項です。

条文会社法301条1項

会社法第301条第1項 1 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。

書面投票を定めた場合、招集通知と一緒に、二つを交付します。参考書類は、議案や提案の理由などを載せた書類。議決権行使書面は、株主が賛否を書き込む書面です。さきほどの、議案を定めて参考書類に載せる、というのは、これにつながります。302条1項で、株主総会参考書類を交付します。議決権行使書面は、交付ではなく、電磁的方法による提供になります。書面投票は参考書類と行使書面、電子投票は参考書類、と覚えてください。株主の承諾を得て電磁的方法で通知を出す株主には、参考書類なども電磁的方法で出せます。ただし、株主の請求があれば、書面で交付しなければなりません。ちなみに、取締役会を置く会社の定時総会では、計算書類と事業報告も、株主に提供します。437条です。中身は、計算書類の章で扱います。

資料をネットに置く——電子提供措置

電子提供措置の時間軸(開始=総会の日の3週間前の日と招集通知を発した日のいずれか早い日〔325条の3第1項〕→通知は総会の日の2週間前まで〔非公開会社でも・325条の4〕→総会の日→終了=総会の日後3か月を経過する日/脇に書面交付請求〔325条の5〕/定款の定めが前提〔325条の2〕/振替株式を発行する会社(上場会社の株式がその代表)は定款の定めが義務〔社債株式振替法159条の2〕) 図:電子提供措置の時間軸

  • 開始=総会の日の3週間前の日と招集通知を発した日のいずれか早い日〔325条の3第1項〕→通知は総会の日の2週間前まで〔非公開会社でも・325条の4〕→総会の日→終了=総会の日後3か月を経過する日
  • 脇に書面交付請求〔325条の5〕
  • 定款の定めが前提〔325条の2〕
  • 振替株式を発行する会社(上場会社の株式がその代表)は定款の定めが義務〔社債株式振替法159条の2〕

最後は、その資料を、ネットに置く仕組みです。電子提供措置といいます。これは、2022年9月1日に施行されて、現行の制度になっています。以前は、書類を電磁的方法で出すには、株主一人ひとりの承諾が必要でした。承諾を集めるのは大変で、実際は、紙で送るのが普通でした。印刷と郵送の負担が大きく、資料を早く出すこともできません。そこで、定款に定めれば、株主の個別の承諾なしに、ネットで提供できるようにしたのです。条文は、325条の2です。

条文会社法325条の2第1項

会社法第325条の2第1項 1 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類

電子提供措置とは、情報を、株主がネットで受け取れる状態に置くことです。定款には、電子提供措置をとる、と定めれば足ります。置く資料は、参考書類、議決権行使書面、計算書類と事業報告、連結計算書類です。いつからいつまで置くのか。325条の3第1項です。

条文会社法325条の3第1項

会社法第325条の3第1項(柱書) 1 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。

対象は、書面で通知が必要な場合、つまり、書面投票などを定めたか、取締役会を置く会社です。開始は、総会の日の3週間前の日と、招集通知を発した日の、いずれか早い日です。終了は、総会の日の後、3か月を経過する日です。通知は、電子提供措置をとる場合、非公開会社でも、2週間前です。325条の4です。さきほどの、1週間という特例が外れます。手元に届く通知は薄くなり、議案や参考書類は、株主が自分でネットに見に行きます。物差しで見ると、資料を自分で見に行く株主にこそ、準備の期間が要ります。通知には、日時、場所、議題などの基本の事項に加えて、電子提供措置をとっている旨と、掲載先を書けば足ります。参考書類などを、紙で送る必要はありません。冒頭の電機メーカーなら、総会の3週間前には、参考書類などを自社のサイトに載せます。株主に送るのは、掲載先などを書いた、薄い通知だけです。

ネットを使えない株主のための制度が、書面交付請求です。325条の5第1項です。

条文会社法325条の5第1項

会社法第325条の5第1項 1 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。

ネットに対応できない株主は、紙の書面を請求できます。ネットを使えない株主を守る仕組みなので、メールなどで通知を受け取ることを、自分で承諾した株主は、対象から外れています。ただし、請求から1年を経過したら、会社は、書面の交付を終える旨を通知できます。株主が期間内に異議を述べなければ、交付は終わります。異議があれば、交付は続きます。会社側の負担にも配慮した仕組みです。また、通信障害などで掲載が中断しても、止まった時間の合計が、掲載期間の10分の1を超えないことなどの条件を満たせば、効力に影響しない扱いもあります。振替株式を発行する会社には、さらに特則があります。

条文社債、株式等の振替に関する法律159条の2第1項

社債、株式等の振替に関する法律第159条の2第1項 1 振替株式を発行する会社は、電子提供措置(会社法第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をいう。)をとる旨を定款で定めなければならない。

振替株式、上場会社の株式がその代表ですが、その株式を発行する会社は、電子提供措置をとる旨の定款の定めが、義務です。上場会社では、この制度が事実上の標準になっています。

招集手続、もう一度

この回のまとめ(物差し=出席の機会と準備の機会/招集権者=取締役〔取締役会を置く会社は取締役会が決定〕・開かないとき株主は請求→裁判所の許可で自ら招集〔297条〕/決定事項=日時・場所・議題・書面投票・電子投票〔298条〕/通知=公開会社2週間・非公開会社1週間・書面投票等で2週間・短縮は取締役会を置かない会社だけ〔299条〕/省略=全員の同意・書面投票等は不可〔300条〕・全員出席総会は判例/参考書類〔301条・302条〕/電子提供措置=定款の定め・開始3週間前または通知発出日の早いほう・終了は総会後3か月・通知2週間・書面交付請求) 図:この回のまとめ

  • 物差し=出席の機会と準備の機会
  • 招集権者=取締役〔取締役会を置く会社は取締役会が決定〕・開かないとき株主は請求→裁判所の許可で自ら招集〔297条〕
  • 決定事項=日時・場所・議題・書面投票・電子投票〔298条〕
  • 通知=公開会社2週間・非公開会社1週間・書面投票等で2週間・短縮は取締役会を置かない会社だけ〔299条〕
  • 省略=全員の同意・書面投票等は不可〔300条〕・全員出席総会は判例
  • 参考書類〔301条・302条〕
  • 電子提供措置=定款の定め・開始3週間前または通知発出日の早いほう・終了は総会後3か月・通知2週間・書面交付請求

まとめです。一本の筋は、招集手続は、株主の出席の機会と準備の機会を守るためにある。だから、型ごとに厚さが変わり、守る相手の全員が要らないと言えば、省ける、でした。招集するのは、原則、取締役です。取締役会を置く会社では、取締役会が決めます。開かないときは、株主が請求して、裁判所の許可を得て、自ら招集できます。通知は、公開会社が2週間前、非公開会社が1週間前です。書面投票か電子投票を定めたら、どの型でも2週間前です。短縮できるのは、取締役会を置かない会社だけです。方法は、取締役会を置く会社と書面投票等を定めた会社が書面。取締役会を置かない会社は、口頭でもかまいません。全員の同意があれば、招集手続は省けます。ただし、書面投票等を定めたときは、省けません。招集手続がなくても、全員が開催に同意して出席した総会の決議は、有効です。代理人の出席も、目的事項の了知と範囲内、という条件つきで含まれます。電子提供措置は、定款に定めてネットで資料を出す仕組みで、振替株式を発行する会社、その代表である上場会社などは、定款の定めが義務です。

短答で問われやすいのは、次の四つです。招集期間と短縮の可否。300条のただし書。297条の要件と裁判所の許可。電子提供措置の期間です。論文では、招集手続に瑕疵がある総会の決議を、全員出席総会として救えるか、が論点になりえます。招集手続の瑕疵は、決議取消しの理由になる、という点は、別の回で扱います。

参照条文

  • 会社法296条3項
  • 会社法297条4項
  • 会社法298条1項
  • 会社法298条2項
  • 会社法309条5項
  • 会社法299条1項・2項
  • 会社法300条
  • 会社法301条1項
  • 会社法325条の2第1項
  • 会社法325条の3第1項
  • 会社法325条の5第1項
  • 社債、株式等の振替に関する法律159条の2第1項

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