横領罪の二重売買・横領後の横領・横領後の詐欺
印刷のコツ
プリンターでは次の設定がおすすめです。
- 用紙:A4 / 向き:縦
- 拡大縮小:「実際のサイズ」(フィット縮小しない)
- 両面印刷:オン、とじ方は「長辺をとじる」(左綴じ)
- モノクロ印刷OK(強調は色でなく太字なので白黒でも読めます)
第16章 個人的法益⑤|財産に対する罪②(詐欺・恐喝・横領・背任・盗品・毀棄) ⑬/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
同じ別荘を二人に売った画廊の主人
図:同じ別荘を、友人にも投資家にも売った
前回までで、ひとつの物についての単発の横領は決まりました。今日は、横領が「重なる」場面を見ます。設例です。画廊の主人のAさんが、別荘を友人のBさんに売る約束をして、代金も受け取りました。ただ、登記はまだAさんの名義のままです。そこへ、高値を出す投資家のCさんが現れます。Aさんは同じ別荘をCさんにも売って、登記まで移しました。ここで一度止めて考えてください。Aさんは誰に対して何の罪になりそうか。そして、あとから買ったCさんは無罪でしょうか。答えを先に言うと、Aさんは最初の買主Bさんに対する横領罪です。Cさんに対する詐欺罪は成立しません。そしてCさん自身は、事情を知っていただけなら罪になりません。ただし、ある場合には共犯になります。その線引きまで、今日で言えるようになります。
二重売買で問われる3つのこと
図:民法では先に登記した者が勝つ
刑法の話に入る前に、民法の前提を確認します。二重売買で、別荘は結局だれのものになるのでしょうか。
条文民法176条
民法176条(物権の設定及び移転) 物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
条文民法177条
民法177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件) 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
176条は、売買契約を結べば、それだけで所有権が買主に移るとしています。ですから、AさんとBさんが契約した時点で、別荘の所有権はBさんに移ります。ただし177条により、登記がなければ「第三者」には対抗できません。対抗できない、というのは、自分が所有者だと主張しても負ける、という意味です。あとから来たCさんが先に登記を備えれば、Cさんが所有権を主張でき、Bさんは負けます。民法はこうして、Cさんを勝たせて話を終えます。ところが刑法は、民法とは別に、売主と買主の責任を問います。問われるのは3つです。
図:刑法で問われる3つ
1つ目は、売主Aさんは、最初の買主Bさんに対して横領罪になるか。2つ目は、売主Aさんは、あとの買主Cさんに対して詐欺罪になるか。3つ目は、Cさん自身は、Aさんの横領の共同正犯になるか。この順に見ます。
売主は第1買主に対して横領罪
図:売った後の別荘は、Aにとって他人の物
1つ目です。横領罪の条文を、もう一度出します。
条文刑法252条1項
刑法252条1項(横領) 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
客体は「他人の物」、行為者は、その物を「自己の占有する」立場の人、でした。この設例に当てはめます。まず他人の物かどうか。先ほどの176条で、AさんがBさんと契約した時点で、別荘の所有権はBさんに移っています。だから、Cさんに売ろうとしたとき、別荘はAさんにとって他人の物です。占有は、手で持っている場合だけではありません。横領罪の1回目に、占有の話で見たとおり、法律上の支配も含みます。不動産では、登記簿に名前が載っている人がこれにあたります。登記簿に名前がある人は、ほかの誰の協力もなく、一人で売却の手続きを進められます。この、一人で所有権を動かせる立場が、法律上の支配です。
名義が残っていることが、そのまま占有になるんです。判例も、そう考えています。
判例最高裁判所第三小法廷判決(昭和30年12月26日)・刑集9巻14号3053頁
不動産の二重売買と横領罪 不動産の所有権が売買によつて買主に移転した場合、登記簿上の所有名義がなお売主にあるときは、売主はその不動産を占有するものと解すべく、従つていわゆる二重売買においては横領罪の成立が認められるとする趣旨は、大審院当時くりかえし判例として示されたところであり、この見解は今なお支持せられるべきものである
この事案は、山林をAに売った被告人が、登記簿上はまだ自分の名義であるのをいいことに、同じ山林をさらにBにも売った、というものです。判例が直接言っているのは、登記名義が売主にあれば売主は占有していることになり、二重売買では横領罪が成立する、という点です。「契約で所有権が買主に移る」という前提は、判旨の冒頭にあるとおり、民法の考え方です。Bさんは、名義がAさんのままでも、Aさんが信義を守って動かさないはずだと任せています。その信頼を裏切ったのが、横領です。逆の場合を見ると輪郭がはっきりします。AさんがBさんに売って、登記もBさんの名義に移していたとします。すると、名義はもうBさんですから、Aさんは別荘を占有する者ではありません。この場合は、横領罪の問題ではなくなります。名義が売主に残っていることが、線を引く決め手です。既遂の時期は、前回の受けです。同じ不動産を2人に売る場合は、登記の完了をもって発現行為とみて、既遂とする整理でした。契約を結んだだけでは、Bさんが所有権を失う危険が、まだ具体的になっていないからです。この設例なら、Cさんへの移転登記が完了したときです。
売主は第2買主に対して詐欺罪にならない
図:だまされた形なのに、Cに損害がない
2つ目です。AさんはCさんに、Bさんに売った事情を隠して売りました。Cさんが何も知らなかったとします。Cさんは、だまされたと言えるでしょうか。
条文刑法246条
刑法246条(詐欺) 1項:人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。 2項:前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
事情を知らない買主が被害者に見える、という感覚は自然です。ただ、詐欺罪は財産を守る財産犯なので、だまされて財産を失うという財産的損害が要ります。詳しくは詐欺罪の回で見ました。ここでCさんが手に入れたのは、登記を備えた別荘の所有権です。民法上、Cさんは所有者として主張できます。払った代金には、その別荘という対価が返ってきています。Cさんは、Bさんとの契約を知らなかっただけで、損をしていません。損害がない以上、詐欺罪は成立しません。ここで被害を受けたのはBさんで、それはさっきの横領罪で評価されています。
第2買主の責任は悪意の質で分かれる
図:単純悪意者と背信的悪意者
その前に、1問です。横領罪の主体は、他人の物を占有する者に限られる身分犯でした。占有していないCさんが、共犯になれるのはなぜでしたか?共犯には、身分のない人にも身分犯の共犯を認める条文があったと思います。あとで条文を出します。まず3つ目の問いです。Cさんが、Bさんに先に売られていると知って買った場合、Aさんの横領の共同正犯になるでしょうか。ここは、事情を知っていた度合いで結論が分かれます。ひとつは、単純悪意者です。先に別の人に売る約束があることを知っていたが、相場の値段を示して買っただけの人です。もうひとつは、背信的悪意者です。二重売買になると知りながら、あえて何度も執拗に働きかけて、Aさんに売らせたような人です。
図:単純悪意者は、共同正犯にならない
事情を知っていた点は共通でも、結論は違います。単純悪意者には共同正犯は成立せず、背信的悪意者には成立する、というのが通説の立て方です。理由は民法にあります。先ほどの177条の「第三者」に、単純悪意者は含まれます。177条の条文は、第三者が事情を知らないことを求めていません。売買は競争なので、先の約束を知っていても、よりよい条件を示して先に登記を備えるのは、自由競争のうちだと民法は考えます。だから、知っていても、登記を先に備えれば所有権を主張でき、勝てる立場です。民法で正当に勝てる立場にある人を、刑法だけが罰するのでは、法秩序として食い違います。刑法も、この自由競争の範囲内の行為は罰しない、と考えるわけです。
図:背信的悪意者は、共同正犯になる
背信的悪意者は、民法でも177条の「第三者」から除かれます。登記を備えても、所有権を主張できません。先に買った人に登記がないのにつけ込んで、信義に反するやり方で奪い取る人は、もう自由競争に参加しているとは言えません。そういう人にまで「相手には登記がない」と言い立てさせる必要はない、というのが民法の判例の考え方です。民法で保護されない人なので、刑法でも共犯として処罰できる、という整合になります。
図:単純悪意者と背信的悪意者
よく似た2つの場面で確かめます。Cさんが、Bさんへの売却を知っていたが、相場より少し高い値段を示しただけなら、単純悪意者で、不成立です。Cさんが、Bさんに売るのをやめさせようと、Aさんの家に何度も押しかけて、Bさんとの契約を破るようしつこく迫ったなら、自由競争を超える働きかけで、背信的悪意者にあたります。ちなみに、Bさんへの売却を全く知らないCさんは、そもそも関与がありません。背信的悪意者を共同正犯とした例は、高裁の裁判例にあります。二重売買になると知りながら、あえて執拗に働きかけて売買契約に至らせた買主に、横領罪の共同正犯を認めたものです。ただ、これは下級審の裁判例で、最高裁の判例ではありません。単純悪意と背信的悪意の線引きは、下級審と通説の立て方だと、区別して覚えてください。
条文刑法65条
刑法65条(身分犯の共犯) 1項:犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。 2項:身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
冒頭の問いに戻ります。横領罪の主体は他人の物の占有者で、これは身分です。共犯と身分の回で見た65条です。横領罪は、占有者でなければそもそも成立しない真正身分犯なので、1項の場面です。占有者でないCさんも、65条1項で、占有者Aさんの横領に加功すれば、共犯になります。ここでは、名前と結論だけ押さえてください。
⭐ 論文で書く規範:【論文で書く規範】第2買主の共同正犯 第2買主が単純悪意者の場合は、民法177条の第三者に含まれ自由競争の範囲内にあるから、横領罪の共同正犯は成立しない。背信的悪意者の場合は、同条の第三者から除かれるから、横領罪の共同正犯(65条1項)が成立する。 (規範(他の法領域との整合・下級審と通説)——判例ではない)
ここは論文で論点になりうるところです。ひとまず、二重売買の3つの結論を並べておきます。
図:二重売買の三者切り分け
この表の3行を言えれば、二重売買は押さえたことになります。
二重抵当は横領ではない
図:売る場合と、抵当権を設定する場合の違い
同じ形の場面で、間違えやすいものを置いておきます。AさんがBさんからお金を借りて、その担保として自分の土地に抵当権を設定し、さらにCさんにも同じ土地に抵当権を設定した、二重抵当です。前回の抵当権設定は、他人の物にした場合の話です。二重抵当は違います。抵当権を設定しても、土地は依然として設定者自身の物のままです。横領罪の252条は、客体を「他人の物」としています。自分の物には、横領罪は成立しません。二重売買では、売った時点で別荘が他人の物になっていました。二重抵当では、土地は自分の物のままです。この違いが、横領か、そうでないかを分けます。二重抵当は、背任罪の問題で、なぜそうなるかは背任罪の回で扱います。
横領した物を、もう一度横領できるか
図:管理人が、まず担保に入れ、次に売った
その前に、罪数の回の1問です。不可罰的事後行為になるのは、先行する犯罪の何の範囲内にとどまる行為のときでしたか?先行する犯罪が予定する法益の射程内、つまり法益侵害の範囲内、だったと思います。この物差しを使います。設例です。別荘の管理を任されて、登記名義人になっているAさんがいます。Aさんはまず、自分の借金の担保として、勝手に別荘に抵当権を設定して登記しました。これは、先に見た内容で、横領罪です。そのあとで、Aさんは別荘をDさんに売却して、登記も移しました。この売却に、別の横領罪が成立するでしょうか。
一度横領した物は重ねて横領できない、という考え方は、かつての判例の立場でした。
図:横領後の横領——否定説と肯定説
かつての判例は、否定説でした。抵当権設定で横領罪が成立する以上、その後の所有権移転は、別に横領罪を構成しない、と述べていました。後の学説の言葉でいえば、先の横領の不可罰的事後行為にあたる扱いでした。現在の判例は、これを変更しました。大法廷の判決です。
判例最高裁判所大法廷判決(平成15年4月23日)・刑集57巻4号467頁
横領後の横領 委託を受けて他人の不動産を占有する者が,これにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了した後においても,その不動産は他人の物であり,受託者がこれを占有していることに変わりはなく,受託者が,その後,その不動産につき,ほしいままに売却等による所有権移転行為を行いその旨の登記を了したときは,委託の任務に背いて,その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をしたものにほかならない。したがって,売却等による所有権移転行為について,横領罪の成立自体は,これを肯定することができるというべきであり,先行の抵当権設定行為が存在することは,後行の所有権移転行為について犯罪の成立自体を妨げる事情にはならないと解するのが相当である。
事案は、宗教法人の責任役員が、法人所有の土地に抵当権を設定して登記したあとで、その土地を売却して登記した、業務上横領のものです。この一般論は、単純な横領にも通じます。判決文の理由を、順に読みます。判決文の「ほしいままに」は、勝手に、という意味です。抵当権を設定しても、不動産は他人の物のままで、受託者が占有している事情も変わりません。その状態で売却して登記すれば、それは任務に背いて、権限がないのに所有者でなければできない処分をしたことにほかならない。だから、先の抵当権設定が、後の売却の成立を妨げない、という筋です。
もう一つ、答案で使いやすい説明があります。これは判決文の言葉ではなく、学説の説明です。抵当権設定と売却では、所有権を侵害する程度が違う、というものです。預かった車を、勝手に担保に入れる場合を考えてください。車の所有権は持ち主に残り、被害は担保の分にとどまります。しかし、勝手に売って名義まで移すと、持ち主は所有権そのものを脅かされ、車を取り戻すのが難しくなります。担保に入れた行為で、この最後の侵害まで済んだとは言えません。罪数の回の物差しに戻すと、不可罰的事後行為は、先行の犯罪の法益侵害の範囲内にとどまる行為でした。売却は、その範囲を超えた新しい侵害です。だから、別に横領罪が成立します。
⭐ 論文で書く規範:【論文で書く規範】横領後の横領 先行の抵当権設定行為が存在することは、後行の所有権移転行為について犯罪の成立自体を妨げる事情にはならない。学説は、売却は抵当権設定よりも所有権を奪う度合いが重く、先の行為では評価しきれない新しい侵害だと説明する。 (規範(判例の結論+学説の説明)——前半は判旨、後半は学説の説明)
ここも、論文で論点になりうるところです。
横領した物の返還を、嘘で免れたら
図:預かった絵画を売り、持ち主に嘘をついた
最後の場面です。設例です。画廊のAさんが、Bさんから預かった絵画を、勝手に売りました。そのあと、Bさんから絵画の返還を求められ、「倉庫が浸水して駄目になった」と嘘をついて、返還を免れました。問題は、この嘘に詐欺罪が別に成立するか、です。詐欺の条文は先ほど出した246条で、2項の「財産上の利益」、つまり返還する債務を免れた利益にあたるかが入口になります。
図:横領後の詐欺——肯定説と否定説
肯定説は、2項詐欺の要件を充たすのだから、成立すると考えます。通説は否定説で、この嘘は横領罪の不可罰的事後行為であり、詐欺罪は別に成立しないと考えます。決め手は法定刑です。詐欺罪は10年以下、横領罪は5年以下と、横領罪のほうが軽く定められています。理由は、横領罪が「自己の占有する物」を対象にしているからです。手元に預かった物があると、つい手を出したくなります。この誘惑的な事情があるぶん、非難の程度が軽いと見て、法定刑を軽くしたわけです。そこで、横領した物の返還を免れるための嘘に、重い詐欺罪を別に認めたらどうなるでしょうか。横領を軽く定めた趣旨が、意味を失ってしまいます。これを、趣旨を没却する、と言います。だから通説は認めません。もう一つ、侵害の中身も見てください。絵画を売られた時点で、Bさんの受けた侵害は出そろっています。嘘で返還を免れても、Bさんが新しく失うものはありません。担保に入れたあとで売った、さっきの別荘とは、ここが違います。
⭐ 論文で書く規範:【論文で書く規範】横領後の詐欺 横領の被害者本人を相手に、横領した物を手元に確保する目的でうそをついても、横領罪で評価しつくされた不可罰的事後行為にとどまり、詐欺罪は別途成立しない。 (規範(体系解釈・法定刑の趣旨)——通説)
ここも、論文で論点になりうるところです。ただし、否定されるのは、この規範のとおりの範囲だけです。
図:「詐欺は成立しない」が2か所に出てくる
今日「詐欺は成立しない」が2回出てきました。混ぜないでください。二重売買の売主が第2買主に詐欺にならないのは、財産的損害がないから。被害者は、横領の被害者とは別の人です。横領後の詐欺が成立しないのは、被害者が横領の被害者本人で、新しい侵害がなく、法定刑の趣旨を没却するから。理由が違います。罪数の回で見た、窃盗で通帳を盗み、銀行をだまして払戻しを受けたら、詐欺が別に成立するという結論が、その例です。被害者が新しい人だからです。物差しは2段で読みます。被害者が新しい人なら、別に罪が成立します。同じ被害者でも、担保のあとの売却のように、失うものが増える新しい侵害があれば、やはり成立します。同じ被害者で、新しい侵害もないときだけ、先の罪で評価し尽くされます。罪数の回の言葉で言えば、前の2つは、どちらも先の罪の法益の射程の外に出た場合です。
今日の地図(保存版)
図:今日の地図(保存版)
覚えるポイント — 今日の地図(保存版)
- 二重売買=売主は第1買主に対して横領罪(売却後は他人の物・登記名義で占有)、既遂は登記完了とする見解が有力
- 売主→第2買主=財産的損害がなく詐欺罪は不成立
- 第2買主=単純悪意は共同正犯不成立・背信的悪意は共同正犯成立(下級審・通説)
- 二重抵当=自分の物のままなので横領でなく背任
- 横領後の横領=売却は新たな侵害で成立
- 横領後の詐欺=同一被害者への欺罔は詐欺罪が別に成立しない(通説)
まとめます。冒頭の問いの答えは、Aさんは第1買主Bさんに対する横領罪、Cさんに対する詐欺罪は成立せず、Cさん自身は事情を知っていただけなら罪にならない、ただし背信的悪意者なら共同正犯になる、でした。3つの場面を貫く物差しは、その行為の被害者は誰か、先の行為で済まされていない新しい侵害があるか、です。二重売買では、失うのは第1買主で、第2買主は損害がありません。横領後の横領は、売却が新しい侵害だから成立します。横領後の詐欺は、同じ被害者に新しい侵害がないから成立しません。二重抵当は、抵当権を設定しても自分の物のままなので、横領ではなく背任へ回る、という位置づけも一緒に持っておいてください。
参照条文
- 民法176条
- 民法177条
- 刑法252条1項
- 刑法246条
- 刑法65条