事後収賄罪とあっせん収賄罪
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第18章 国家的法益|国家の存立・国交・国家の作用 ㉓/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
退職後と口ききの二場面
図:場面一 退職後の受け取り
今日は、二つの場面から入ります。まず、一つ目です。市役所の道路課で、道路の占用許可を担当している職員Aがいます。工事業者Bが、Aに頼みました。基準を満たしていない私の申請に、許可を出してください。Aは引き受けて、許可を出しました。その後、Aは退職します。退職から2か月たって、Bは、退職祝いとして、Aに10万円を渡しました。Aは、受け取りました。
図:場面二 口ききの報酬
二つ目の場面です。Aは、在職中の道路課の職員です。Bは、基準を満たしていない自分の会社を、市の工事を受けられる指名の業者に、入れてほしいと考えました。決めるのは、契約課の係長Cです。そこで、Bは、Aに頼みました。Aは、契約課の仕事にはまったく関わっていません。それでも引き受けて、道路課の職員として、Cに、Bの会社を入れるよう口をきき、お礼として、Bから10万円を受け取りました。Cは、応じませんでした。今日の問いは、この二つの場面を、どの罪で処罰できるのか、です。答えを先に言います。場面一は事後収賄罪、場面二はあっせん収賄罪です。前に作った類型の地図を思い出してください。基本形は、単純収賄罪でした。公務員が、その職務に関し、賄賂を受け取る罪で、197条1項です。そこに事情を足す型と、どこかを変える型がありました。今日の二つは、どちらも変える型です。主体を、公務員であった者に変えたのが、事後収賄罪です。職務を、他の公務員へのあっせんに変えたのが、あっせん収賄罪です。どちらも、197条1項の言葉の外側にあり、刑は、基本形と同じ、五年以下の拘禁刑です。
図:今日の流れ
今日の流れです。まず、事後収賄罪の条文を読み、判例で、退職後の顧問料が賄賂になるかを確かめます。次に、あっせん収賄罪の条文を分解します。続いて、判例を二つ見ます。最後に、場面を五つ並べて罪名を選び、冒頭の二つの場面に答えを出します。
事後収賄罪
図:事後収賄の要件
場面一に戻ります。受け取ったのは、辞めたあとでした。在職中の不正の礼を、辞めてから受け取れば罪にならない、というのでは、受け取る時期をずらすだけで逃げられてしまいます。この穴をふさぐのが、197条の3の第3項です。条文を読みます。
条文刑法197条の3第3項
刑法197条の3第3項(事後収賄) 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
条文を四つに切ります。一つ目は、公務員であった者が、です。今は公務員ではない人のことです。二つ目は、その在職中に請託を受けて、です。請託は、公務員に一定の職務行為を頼むことで、請託を受けるとは、それを引き受けることでした。三つ目は、職務上不正な行為をしたこと、又は相当の行為をしなかったことに関し、です。在職中にした不正のことです。四つ目は、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたとき、です。この受け取りは、公務員でなくなってから行われます。ここで一問です。場面一のAは、退職後に受け取りました。もし、在職中に出した許可が、基準どおりの正しいものだったら、事後収賄罪は成立するでしょうか?
成立しないと思います。四つの要件のうち、在職中に不正な行為をした、という三つ目が欠けるからです。四つは、全部そろわないと成立しません。成立する範囲の狭い罪です。在職中に頼まれていなければ、二つ目が欠けます。不正な行為をしていなければ、三つ目が欠けます。退職後に高い礼を受け取っても、どちらかが欠ければ、事後収賄罪にはなりません。在職中に受け取るのなら、頼まれていなくても、正しい職務への礼でも、単純収賄罪が成立するのでした。退職後の受け取りは、それより狭い範囲だけが処罰されます。
図:在職中と退職後の違い
ここで、前に見た転職前の職務の確認です。今も公務員のまま、別の課に異動した人が、前の課の仕事の礼を受け取ったら、判例は、収賄罪と事後収賄罪のどちらでしたか?収賄罪でした。公務員でなくなってから受け取った場合が、事後収賄罪でした。判例の理由は、受け取った当時に公務員である、という点でした。ですから、分かれ目は、受け取った時に公務員かどうかです。在職中に不正な行為をして、在職中に受け取ったなら、加重収賄罪です。収賄に不正な行為が足されて、刑が重くなる罪で、前回見ました。公務員でなくなってから受け取ったなら、事後収賄罪です。不正な行為は、職務に違反する行為を現にすることでした。相当の行為をしなかったとは、やるべき職務行為をしないことでした。
図:平成21年の決定の事実
事後収賄の判例を見ます。まず、決定が認定した事実です。国の機関の副本部長で、技官だった被告人が、在職中に、民間会社の幹部から、関連会社が国に返還すべき金額を、少なく確定してほしい、との請託を受けました。そして、その金額を少なく確定させました。これは、背任罪にも当たる、不正な行為です。被告人は退職し、その翌月、その会社の影響下にある別の会社の、非常勤の顧問に就任しました。約2年半のあいだに30回に分けて、顧問料として、合計538万5000円の供与を受けています。被告人の主張も、そこでした。顧問料は、退職者に慣例の正当な報酬で、職務も遂行していたから、賄賂ではない、というものです。決定は、これを退けました。カードを見ます。
判例最高裁判所第三小法廷決定(平成21年3月16日・刑集63巻3号81頁)
退職後の顧問料と対価関係 「被告人のこれらの行為は,いずれも被告人の前記調達実施本部契約原価計算第一担当副本部長等としての任務に背くものであり,背任罪を構成するとともに,職務上不正な行為に当たることが明らかである。(中略)このような事実からすれば,被告人に供与された前記金員については,被告人にG社の顧問としての実態が全くなかったとはいえないとしても,前記各不正な行為との間に対価関係があるというべきである。原判決がこれと同旨の判断に立ち,事後収賄罪の成立を認めたのは,正当である。」
決定が述べたことを分けます。一つ目は、被告人の行為が、任務に背く背任罪であり、職務上不正な行為に当たることが明らかだ、ということです。二つ目は、供与された金員、つまり顧問料と、在職中の各不正な行為との間に、対価関係がある、ということです。顧問としての実態が全くなかったとはいえない、つまり、顧問の仕事を何かしていたとしても、結論は変わらないと述べています。対価関係の材料は、不正な行為からまもない時期に、請託をした会社などが、世話になったという理由で、被告人の希望に応じる形で、当時の会社では異例な報酬の条件で、顧問に迎えたことです。言い切れる範囲を整理します。決定が述べたのは、顧問としての実態があっても、不正な行為との対価関係があれば、事後収賄罪が成立する、というこの事案への判断までです。顧問料は常に賄賂だ、とは言っていません。決定の理由に沿って整理すると、決め手は、名目ではなく、不正な行為との対価関係です。顧問料でも退職祝いでも、在職中の不正な行為の見返りと言えるなら、賄賂です。賄賂は、公務員の職務に対する対価としての、不正な報酬でした。その定義のとおりです。
場面一の答えは、あとでもう一度確かめます。
あっせん収賄罪の条文
図:場面二の関係図
場面二に戻ります。その前に、前に見た職務密接関連行為の確認です。職務そのものではなくても、本来の職務と密接な関係にある行為は、その職務にあたるのでしたか?あたるのでした。職務そのものではないけれど、密接な関係にある行為は、その職務に含めて考えるのでした。ところが、場面二のAが口をきいた先は、契約課の係長Cです。契約課の仕事は、Aの仕事の範囲に属しません。Aの本来の職務と密接な関係のある行為でもありません。前に見た場面のAは、予算案づくりを取りまとめる立場を背景に、契約担当の係長に働きかけたので、本来の職務と結びついていました。今日のAは、占用許可を担当しているだけで、その立場にありません。指名の業者を決める契約課の仕事は、Aの本来の職務と結びつきません。自分の職務とは関係のない公務員に働きかける場合は、あっせん収賄の問題になる、と前に触れました。197条1項の、その職務に関し、には、あたらないのです。
Aは、Cに働きかけて、報酬をもらっています。それが罪にならないのは、おかしくないでしょうか。そこが、この罪が置かれた理由です。公務員が、他の公務員への口ききで報酬を受け取るなら、お金で他の公務員の判断が動かされるのではないか、という疑いが生まれます。職務の公正と、これに対する社会一般の信頼を損なうおそれがあります。そこで、197条の4が、職務ではない行為、つまり、あっせんの報酬を、処罰します。賄賂の罪の中でも、特殊な型です。条文を読みます。
条文刑法197条の4
刑法197条の4(あっせん収賄) 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
図:あっせん収賄の要件
条文を四つに切ります。一つ目は、公務員が請託を受け、です。ここで頼まれるのは、自分の職務行為ではなく、他の公務員へのあっせんです。それを引き受けることです。二つ目は、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないように、です。三つ目は、あっせんをすること又はしたことの報酬として、です。四つ目は、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたとき、です。刑は、五年以下の拘禁刑です。あっせんとは、他の公務員との間に立って、紹介したり、仲介したり、働きかけたり、依頼したりすることです。あっせんの内容は、条文では二通りです。相手の公務員に、職務上不正な行為をさせるように。または、相手の公務員に、相当の行為をさせないように。どちらかを働きかけることです。逆に、正当な行為をさせるあっせんは、条文の言葉から、この罪の対象になりません。受託収賄罪の請託は、正しい仕事の依頼でもよいのでした。あっせん収賄罪は、条文が、あっせんの中身を、不正なものに限っています。あとで、五つの場面の四つ目で確かめます。もう一つ、大事な点です。条文は、不正な行為を、させるように、あっせんをすること又はしたことの報酬、と書いています。報酬の対象は、Aのあっせんで、Cの不正な行為そのものではありません。ですから、あっせんの内容が不正であれば足ります。事後収賄罪では、不正な行為をするのはA自身で、現にしたことが要件でした。あっせん収賄罪では、不正な行為をするのは、相手のCです。類型の地図で確認したとおり、Cが実際に不正な行為をしたことまでは、要りません。口ききの報酬を受け取れば、お金で他の公務員の判断が動かされるのではないか、という疑いは、Cが応じなくても生まれるからです。場面二でCが応じなくても、Aのあっせんは、すでにあります。
条文は、あっせんをすること又はしたことの報酬、と書いています。これから口をきくことの報酬も、すでに口をきいたことの報酬も、含まれます。
あっせん収賄罪と判例
図:立場の問い
条文の言葉を、判例で確かめます。まず、立場の問いです。あっせん収賄罪では、公務員が積極的に地位を利用することは必要でしょうか。それとも、公務員としての立場でさえあれば足りるでしょうか?決定を見ます。
判例最高裁判所第二小法廷決定(昭和43年10月15日・刑集22巻10号901頁)
あっせん収賄に必要な立場 「刑法一九七条ノ四の斡旋収賄罪が成立するためには、その要件として、公務員が積極的にその地位を利用して斡旋することは必要でないが、少なくとも公務員としての立場で斡旋することを必要とし、単なる私人としての行為は右の罪を構成しないものと解するのが相当である。」
決定が述べたのは、三点です。積極的に地位を利用してあっせんすることは、必要でない。少なくとも、公務員としての立場で、あっせんすることは必要。単なる私人としての行為は、この罪を構成しない。そのうえで決定は、問題のあっせんが、単なる私人としての行為ではなく、被告人が公務員としての立場でおこなったことが明らかだとして、あっせん収賄罪にあたるとした原判断を、結論において正当としました。決定は、その線引きの基準までは述べていません。そこで、条文に戻ります。197条の4の主語は、公務員が、です。ですから、見るのは、公務員として頼んだのか、一個人として頼んだのか、です。場面二のAは、道路課の職員として、同じ市役所の係長に口をきいています。公務員としての立場です。逆に、たとえば、親族や、先輩、後輩といった個人的な関係だけを頼りに、公務員であることを出さずに頼んだ場合は、一個人としての頼みごとで、この主語から外れます。このような場合が、私人としての行為の例とされています。決定の言葉は、立場が要る、私人としての行為は含まない、までです。
図:平成15年の決定の事案
次は、内容の問いです。どんな場合に、相当の行為をさせないあっせんにあたるのか。決定が前提にした事案を見ます。決定は、公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで調査中の審査事件について、同委員会の委員長に、告発しないように働きかける場合を、述べています。また、被告人両名の間で授受された1000万円の現金は、賄賂と認定されています。決定の理由を見ます。独占禁止法は、公正取引委員会が、違反の犯罪があると思料するとき、つまり、あると考えるときは、検事総長に告発しなければならない、と定めています。そして、独占禁止法89条から91条までの罪は、委員会の告発がなければ、裁判で問うことができない、とも定めています。告発は、委員会が、すべきときにはしなければならない行為です。カードです。
判例最高裁判所第二小法廷決定(平成15年1月14日・刑集57巻1号1頁)
告発しないよう働きかけた事案 「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律73条1項は,公正取引委員会は,同法違反の犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならないと定め,同法96条1項は,同法89条から91条までの罪は,同委員会の告発を待って,これを論ずると定めているところ,公務員が,請託を受けて,公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について,同委員会の委員長に対し,これを告発しないように働き掛けることは,同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし,適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから,平成7年法律第91号による改正前の刑法197条ノ4にいう「職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク」あっせんすることに当たると解すべきである。」
決定は、この事案について、告発しないよう働きかけることは、委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし、告発と調査の権限の行使をゆがめようとするものだから、相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク、あっせんすることにあたる、と述べました。注意が二点あります。一つ目。決定が適用したのは、改正前の197条ノ4です。その、相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク、は、今の、相当の行為をさせないように、と同じ内容です。二つ目。裁量判断への不当な影響、という言い方は、告発しないよう働きかけた、この事案での判断の理由です。あっせん全般の定義として、決定が述べたものではありません。
図:立場と内容の読み分け
二つの決定は、聞いている軸が違います。立場の問いは、誰として口をきいたか、です。先に見た決定が、公務員としての立場が要る、と答えました。内容の問いは、何をさせる口ききか、です。基準は、不正な行為をさせる、又は相当の行為をさせない、という条文の言葉です。あとに見た決定は、告発をさせない働きかけが、これにあたる、と判断しました。あっせん収賄罪は、論文で論点になりうる罪です。請託を受けて、あっせんをして、その内容が不正で、公務員としての立場でおこなった、という順に、要件を組み立てます。
五つの場面で選ぶ
図:五つの場面
最後に、場面ごとに罪名を選びます。基本形の単純収賄罪は、今の公務員が、自分の職務に関して受け取る罪でした。今日の二つは、その外側です。辞めたあとに受け取るのが事後収賄罪、他の公務員への口ききの報酬を受け取るのがあっせん収賄罪でした。罪名と、足りない要件を、混ぜて聞きます。軸は三つです。時間の軸は、受け取った時に公務員かどうか。内容の軸は、あっせんの中身が不正かどうか。立場の軸は、公務員として口をきいたかどうかです。問いを聞いたら、先に軸を選んでください。一つ目は、請託と不正あり、退職後に受領、です。冒頭の場面一です。在職中にBから頼まれて、不正な許可を出し、退職から2か月後に、礼として、10万円を受け取りました。
一つ目は、197条の3第3項の事後収賄罪です。二つ目は、請託も不正もなし、退職後に好意で受領、です。在職中の許可は適正で、頼まれた事実も、礼の話も、何もありません。退職後に、Bが好意で、10万円を渡しました。要件が欠け、事後収賄罪は成立しません。
図:五つの場面 口ききの三つ
三つ目は、担当外のCへ、基準外のB社を口きき、です。冒頭の場面二です。Aは、Bから頼まれて、契約課の係長Cに、基準を満たしていないB社を入れるよう口をきき、Bから10万円を受け取りました。197条の4のあっせん収賄罪です。Cが応じたかどうかは、問いません。四つ目は、三つ目と、設例だけ入れ替えます。担当外のCへ、基準どおりの案件を口きき、です。B社は基準を満たしていて、普通に手続を進めてよい案件を、順番どおりに受け付けるよう、Aが口をきき、10万円を受け取りました。基準どおりに進めてもらう口ききは、197条の4にあたりません。内容が不正かどうかで、三つ目と分かれます。内容の軸です。五つ目は、先輩だからと個人で頼む、職員の立場なし、です。Aは、Cが高校の先輩であることだけを頼りに、市職員の立場は一切出さず、個人として、基準を満たしていないB社を入れてくれと頼み、10万円を受け取りました。
五つ目は、職員の立場を出していない設定です。決定が、この罪を構成しないとした、私人としての行為にあたり、あっせん収賄罪は成立しません。ただし、どこからが私人としての行為か、線引きそのものは、決定が示していません。これで、冒頭の二つの場面にも答えが出ました。辞めたあとの受け取りは事後収賄罪、担当外への口ききはあっせん収賄罪です。
今日のまとめ
図:今日の整理
まとめます。
⭐ 論文で書く規範:今日の3点 「① 事後収賄罪は、公務員であった者が、在職中に請託を受けて不正な行為をした、又は相当の行為をしなかったことに関し、退職後に賄賂を受け取る罪で、五年以下の拘禁刑。四つの要件が全部そろわないと成立しない。決め手は、名目ではなく、不正な行為との対価関係。」 「② あっせん収賄罪は、請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんした報酬を受け取る罪で、五年以下の拘禁刑。公務員としての立場が要る。現に不正が行われたことは要らない。」 「③ 決定が述べたのは、顧問としての実態があっても対価関係があれば事後収賄罪が成立すること、積極的な地位の利用は不要で公務員としての立場は必要なこと、告発しないよう働きかけた事案での判断まで。現に不正が行われたことが要らない点は、条文の言葉から言える。」 (要点)
最初の二つの場面に答えます。場面一は、在職中に請託を受けて不正な行為をし、退職後に受け取ったので、事後収賄罪です。名目が退職祝いでも、決め手は、不正な行為との対価関係でした。場面二は、頼まれて、担当外の、他の公務員に、不正な行為をさせるよう口をきき、報酬を受け取ったので、あっせん収賄罪です。Cが応じなくても成立します。場面一は、197条1項の、公務員が、にあたらず、場面二は、同じく、その職務に関し、にあたりません。事後収賄罪とあっせん収賄罪の条文が、その外側をふさいでいます。
参照条文
- 刑法197条の3第3項
- 刑法197条の4