刑事訴訟法ゼロから刑事訴訟法#55

弁護人選任権と私選弁護人の選び方

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問い:弁護人は、いつ・誰を・誰が・どうやって・何人まで選べるか。

骨組み

私選弁護人=本人やの者が自分で選ぶ弁護人。国選弁護人=裁判所(起訴前は裁判官)が付ける弁護人。この回は私選の選び方。

  1. 1根拠と時期:憲前段=抑留・拘禁の場面/憲=被告人。刑訴=被告人・被疑者は何時でも選任できる=身体拘束は要件でない
  2. 2捜査段階の弁護人の役割(解説書):①適正手続の監視・権利行使の支援 ②事実・法律上の主張と証拠収集(②の必要が高まった)
  3. 3誰を():弁護士に限るのが原則/簡裁・地裁は裁判所の許可で弁護士でない者(特別弁護人)。地裁は他に弁護士の弁護人がいる場合だけ
  4. 4起訴前の特別弁護人(最決平5・10・19):特別弁護人の選任が許可されるのは公訴が提起された後に限られる
  5. 5選ぶ入口:①委任契約+選任届 ②弁護士会に申出() ③逮捕・勾留中は弁護士・弁護士法人・弁護士会を指定して申出(の準用)
  6. 6選任の方式と効力:起訴前=方式の明文なし。弁護人と連署した書面を検察官・司法警察員に出せば第一審でも効力(規則17条・法)/起訴後=連署した書面で選任(規則18条)
  7. 7人数:被疑者=原則3人まで・裁判所が必要があり支障がないと認めて許可すれば超えられる(規則27条)/被告人=原則の上限なし・特別の事情があれば裁判所が3人までに制限できる(ただし書・規則26条)
  8. 83人を超える許可(最決平24・5・10):事案が複雑・頻繁な接見の必要など → 3人を超える必要があり、かつ支障が想定されないなら特別の事情あり → 原決定を取り消して差戻し(何人かは改めて検討)
  9. 9本人以外の選任権者():法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹は独立して選任できる。本人が後で選んでも先の弁護人は残る。解任は本人ができる(明文なし・解されている)。選んだ者は本人の意思に反しては解任できない(解説書。第三者のためにする法律行為と考える=民法537条参照)

色の札は出どころ:条文 判例 学説(同じ色の 解説書 は、解説書の著者自身の説明)。条文番号は押すと条文、丸い札(出題)は押すと過去問の肢と正答が出ます。刑事訴訟規則(規則)の番号は文字のままで、押しても開きません。規則27条は2026年10月20日施行の改正後の文言で書いています。

「選ぶ」の中身は4つに分けて覚える。いつ(1)・誰を(3・4)・どうやって(5・6)・何人まで(7・8)。そして本人以外の誰が選べるか(9)。

1根拠と時期条文

  • 憲前段:何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない=身体拘束の場面の権利。
  • 憲:刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。
  • 被疑者=起訴前(被疑者段階)、被告人=起訴後(被告人段階)。
  • 刑訴:被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
  • 「何時でも」=身体拘束を要件としない。解説書の例:①捜査機関から呼出しを受けた時点 ②周囲の者の事情聴取の内容から、自分に嫌疑がかかっていると判断できる時点 ③近い将来、被疑者として捜査の対象になると予想される時点。

任意の取調べに応じている在宅の被疑者も、で弁護人を選任できる(拘束を条件とする憲前段の文言には当たらない場面)。逮捕状が出るのを待つ必要は無い。

×にされやすい形
  • 「被疑者が弁護人を選任できるのは、逮捕・勾留されてからである」
  • 「まだ呼出しも受けていない者は、捜査の対象になると予想していても弁護人を選任できない」

2弁護人選任権が支えるもの・捜査段階の役割解説書

  • 弁護人の援助で期待できること(解説書が挙げる要素):無実の者が有罪とされないこと・不当な手続を法的に争えること・社会とのつなぎ(再犯の防止・被害の回復)・身体の自由その他の最小限の保障。
  • 捜査段階の役割は2つ:①適正手続の監視・権利行使の支援 ②被疑者の主張・弁解を踏まえた事実・法律上の主張と証拠収集。
  • 従来は①が中心。裁判員制度・公判前整理手続・被疑者国選弁護の導入に伴い、捜査段階から②の必要が高まった。
  • 具体的な活動(解説書):無実の者が処罰されないこと(最も重要=有利な証拠の収集、黙秘権の行使を含む取調べへの助言)/違法捜査の是正の働きかけ/示談(処分の軽減と被害者の救済)。解説書はこれらを①②に振り分けていない。

3誰を弁護人に選べるか条文

  • :弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。解説書:弁護人の機能を期待されるから弁護士に限る。
  • :簡易裁判所又は地方裁判所においては、裁判所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる(特別弁護人)。ただし、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る。
場面弁護士でない者(特別弁護人)
簡易裁判所に起訴された後裁判所の許可があれば選べる
地方裁判所に起訴された後許可+他に弁護士の弁護人がいる場合だけ
起訴前(捜査段階)選べない(項目4)

地裁に起訴された被告人が、弁護士でない者だけを弁護人にしたい → 地裁の許可があっても足りず、他に弁護士の弁護人がいることが要る。簡裁ならこの条件は無い。

×にされやすい形
  • 「地方裁判所でも、裁判所の許可があれば、弁護士でない者だけを弁護人に選任できる」(他に弁護士の弁護人が要る)
  • 「弁護士でない者を弁護人にするのに、裁判所の許可は要らない」

4起訴前の特別弁護人(最決平5・10・19)判例

  • 決定当時は、特別弁護人を選べる裁判所に家庭裁判所も入っていた(現行のに家裁の語は無い)。下の引用の「右いずれの裁判所」=地方裁判所と、簡易裁判所・家庭裁判所(判旨はこの間で選任の要件に区別がある、と述べた後に続く)。
  • 同法三一条一項は、弁護人は弁護士の中から選任しなければならないと規定し、弁護士でない者を弁護人に選任することを一般的に禁止しており、同条二項は、同条一項の一般的禁止の例外として、弁護士でない者を弁護人に選任するいわゆる特別弁護人を選任することができる場合を認めている。
  • …捜査中の事件については、右いずれの裁判所に公訴が提起されるかいまだ確定しているとはいえないから、簡易裁判所又は家庭裁判所が特別弁護人の選任を許可した後、地方裁判所に公訴が提起された場合を考えると、他に弁護士の中から選任された弁護人がいない限り、同項ただし書に抵触する事態を招く結果となることなどにかんがみると、
    特別弁護人の選任が許可されるのは、右各裁判所に公訴が提起された後に限られるものと解するのが相当である。
  • 理由として挙がる要素は3つ:①2項は例外規定 ②2項が「裁判所の許可を得たときは」と定める趣旨(判旨は趣旨の中身を述べていない) ③ただし書が地裁と簡裁(当時は家裁も)で要件を区別し、捜査中は起訴先が決まっていない。これらを「などにかんがみると」でまとめている。
  • 申立人は身柄を拘束されていない被疑者。特別抗告は棄却。
  • 弁護士でない者による被疑者弁護を認めるべきでない実質的理由(身柄拘束中の被疑者の弁護は弁護士固有の職務 など)を述べたのは大野正男裁判官の補足意見=法廷意見ではない。

在宅で捜査中の被疑者が、法律に詳しい知人を弁護人にしたいと簡裁に許可を求めても、起訴前なので許可されない。起訴されて簡裁に係属した後なら、許可を得て選任できる。

×にされやすい形
  • 「裁判所の許可があれば、起訴前の被疑者も特別弁護人を選任できる」
  • 「被疑者が身柄を拘束されていなければ、起訴前でも特別弁護人を選任できる」(判例の申立人は身柄不拘束の被疑者)

5私選弁護人を選ぶ3つの入口条文

  • ①頼む弁護士が決まっている:本人と弁護士が委任契約を結び、弁護人選任届を作って出す。
  • ②決まっていない:=被告人・被疑者は弁護士会に弁護人の選任の申出ができる → 弁護士会は速やかに弁護人となろうとする者を紹介しなければならない()→ そうした者がいないとき、紹介した弁護士が選任の申込みを拒んだときは、申出をした者に速やかに通知()。
  • ③逮捕・勾留中:=勾引・勾留された被告人は、裁判所又は刑事施設の長・その代理者に、弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる。ただし、弁護人があるときはできない。
  • 被疑者には準用:逮捕=(・)/勾留=(勾留の請求を受けた裁判官は裁判所と同一の権限)。申出を受けた側は、直ちに指定された弁護士等に通知する()。
②弁護士会への申出()③指定しての申出(。被疑者は・で同様)
使える人弁護人を選任しようとする被告人・被疑者勾引・勾留された被告人/逮捕・勾留された被疑者(弁護人がいないとき)
申し出る先弁護士会裁判所(被疑者は裁判官)・刑事施設の長・その代理者
その後弁護士会が弁護人となろうとする者を紹介(いないとき・紹介した弁護士が拒んだときは通知)申出を受けた側が、指定された弁護士等に通知

勾留中で知り合いの弁護士がいない被疑者は、裁判官または刑事施設の長・その代理者に「〇〇弁護士会」と指定して選任を申し出られる。すでに弁護人がいれば、この申出の仕組みは使えない。

×にされやすい形
  • 「紹介した弁護士が選任の申込みを拒んでも、弁護士会は申出をした者に通知しなくてよい」
  • 「選任の申出は、弁護士個人を指定してしかできない」(弁護士法人・弁護士会も指定できる)

6選任の方式と効力条文解説書

  • 解説書:選任は私法上の委任契約であると同時に、選任権者と弁護人が共同して捜査機関・裁判所に対してする訴訟行為でもある → だから選任権者・方式・効力に法律・規則の定めがある。
  • 起訴前:選任の方式に明文の定めは無い → 選任権者だけが署名押印した届も、起訴前の選任として有効(解説書)。
  • 規則17条:公訴の提起前にした弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員に差し出した場合に限り、第一審においてもその効力を有する。提出先は、送致前=事件を立件した警察署、送致後=送致先の検察庁(解説書)。
  • :公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。:公訴の提起後の選任は審級ごと。
  • 2つの関係:法は「第一審でも効力を有する」と効力を定める。規則17条は、その効力が第一審に及ぶのを連署の書面を検察官・司法警察員に出した場合に限る=条件(方式)を決めている。だから2つを合わせて読む(解説書もと規則17条を並べて挙げる)。
  • 規則18条:公訴の提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を差し出してこれをしなければならない(条文に提出先の語は無い。裁判所に出す=解説書の説明)。連署するのは選任権者と弁護人(解説書)。下の出題は、被告人の署名のない弁護人選任届についての肢。
  • 起訴前に連署なしの届を出していたら、起訴後に連署の届を裁判所に出し直す → その手間を避けるため、起訴前から連署にするのが一般(解説書)。
  • 選任届をまだ出していない段階で、被疑者側が裁判所に訴訟上の権利を行使する(勾留理由開示の請求など)ときも、連署の方式の届が要る(解説書)。
弁護人を選任して届を出した公訴の提起前の選任か連署の書面で選任規則18条。起訴後は審級ごと(32条2項)いいえはい弁護人と連署した書面を差し出したか当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員に第一審には引き継がれない起訴前の選任としては有効。起訴後に連署の届を裁判所に出し直すいいえはい第一審でも効力32条1項・規則17条
枠はすべて条文・規則の言葉。起訴前の選任そのものは、選任権者だけの署名押印の届でも成り立つ(方式の明文が無い)。第一審まで引き継ぐ条件が規則17条。

送致前に、被疑者の署名押印だけの選任届を警察署に出した → 起訴前の選任としては有効。しかし弁護人と連署していないので、起訴後は第一審に引き継がれない。最初から連署の届を出していれば、第一審では選び直さなくてよい(控訴審では改めて選任が要る)。

出題氏名を記載できない合理的な理由がないのに、被告人の署名のない弁護人選任届でした選任は無効(○)

出題被告人の私選弁護人の選任は、弁護士が裁判所に直接申し出る限り、書面による必要はない(×)

出題公訴の提起前にした弁護人の選任は第一審で効力を有しないので、起訴後に改めて選任が要る(×)

×にされやすい形
  • 「公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においては効力を有しない」(=第一審でも効力を有する。ただし規則17条で、連署の書面を検察官・司法警察員に出していることが条件)
  • 「起訴後の私選弁護人の選任は、弁護士が口頭で申し出れば足りる」(規則18条=連署した書面)
  • 「起訴前の選任は、弁護人と連署した書面でなければ無効」(起訴前の選任そのものに方式の明文は無い。連署は第一審に引き継ぐ条件)

7弁護人の数条文

  • :裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人又は被疑者の弁護人の数を制限することができる。但し、被告人の弁護人については、特別の事情のあるときに限る。
  • 規則27条1項(被疑者):被疑者の弁護人の数は、各被疑者について三人を超えることができない。ただし、当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員の所属の官公署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所が、三人を超える数の弁護人を選任する必要があり、かつ、それに伴う支障がないものと認めて許可をした場合は、この限りでない。
  • 規則27条2項:許可は、弁護人を選任することができる者またはその依頼により弁護人となろうとする者の請求による。3項:許可は、許可すべき弁護人の数を指定してする。
  • 規則26条1項(被告人):裁判所は、特別の事情があるときは、弁護人の数を各被告人について三人までに制限することができる。=被告人には「原則3人」の上限は無い。
  • 改正前(2026年10月20日施行の改正より前)の規則27条1項ただし書は「特別の事情があるものと認めて許可をした場合」だった(項目8の判例はこの文言の解釈)。
被疑者の弁護人被告人の弁護人
原則3人まで(規則27条1項本文)上限なし
例外・制限3人を超える必要があり、かつ支障がないと認めて許可 → 超えられる(数を指定)特別の事情があるとき → 3人までに制限できる(規則26条1項)
判断する所事件を扱う検察官・司法警察員の所属官公署の所在地を管轄する地裁・簡裁裁判所
刑訴法本文ただし書
被疑者の弁護人を3人を超えて選任したい3人を超える必要があるか三人を超える数の弁護人を選任する必要許可されない3人までいいえはいそれに伴う支障がないか許可されない3人までいいえはい許可(数を指定)規則27条1項ただし書・3項
枠は現行の規則27条1項ただし書の言葉。現行の規則では2つとも要る。最決平24・5・10は、改正前の「特別の事情」について、必要(事案の複雑さ・頻繁な接見の必要など)と、支障が想定されないことがそろえば特別の事情あり、とした。

被疑者の弁護人は原則3人までで、超えるには裁判所の許可(数を指定)が要る。これに対し、起訴された後の被告人には原則の上限が無く、特別の事情があるときに裁判所が3人までに制限できるだけ。

出題裁判所は、被告人の私選弁護人の数を制限することはできない(×)

×にされやすい形
  • 「裁判所は、被告人の私選弁護人の数を制限することはできない」(予備R7-21-ア)=特別の事情があれば3人までに制限できる
  • 「被告人の私選弁護人も、被疑者と同じく原則3人まで」(3人の上限は被疑者の弁護人だけ)
  • 「被疑者の弁護人は、どんな事情があっても3人を超えられない」(許可で超えられる)
  • 「現行の規則27条1項ただし書は『特別の事情』があることを許可の要件とする」(現行は「三人を超える数の弁護人を選任する必要があり、かつ、それに伴う支障がない」)

83人を超える許可(最決平24・5・10)判例

  1. 会社の代表取締役が、共犯者らと共謀し、同社の業務に関し法人税合計3600万円余りを免れたとされる被疑事実
  2. 刑訴規則27条に基づき、弁護人の数を3人を超えて6人とする許可を請求
  3. 原々審:却下 → 原審(高松高裁):抗告棄却 → 特別抗告
  4. 最高裁:特別の事情がある → 原決定を取り消し、高松高裁に差し戻す
  • 刑訴規則27条1項ただし書に定める特別の事情については、被疑者弁護の意義を踏まえると、事案が複雑で、頻繁な接見の必要性が認められるなど、広範な弁護活動が求められ、3人を超える数の弁護人を選任する必要があり、かつ、それに伴う支障が想定されない場合には、これがあるものと解される
  • 当てはめ:架空の減価償却費用を計上するなどして多額の所得を秘匿した事件で、犯意・共謀等を争う複雑な事案/申立人は接見禁止中で、弁護人による頻繁な接見の必要/会社の従業員・税理士事務所職員ら多数の関係者と弁護人が接触する活動も必要/支障も想定されない → 特別の事情あり。
  • 原決定は、特別の事情があるとは認められないとして上記請求を却下した原々決定を是認したものであるから、刑訴規則27条1項ただし書の解釈適用を誤った違法があると言わざるを得ない。そして、3人を超えて何人の弁護人を許可するのが相当であるか改めて検討する必要がある。
  • 接見=身体を拘束されている被疑者・被告人と会うこと(弁護人とは立会人なしで会える=)。接見禁止(。被疑者にはを通じて)が禁じるのはの者(弁護人など)以外との接見=接見禁止中でも弁護人とは会える。
  • 最高裁が取り消したのは原決定(高松高裁の抗告棄却決定)。6人を認めたのではない=何人を許可するかは差戻し後に改めて検討。
  • この判例は改正前の規則27条1項ただし書(「特別の事情」)の解釈。現行のただし書は「三人を超える数の弁護人を選任する必要があり、かつ、それに伴う支障がない」と定める(判示の後半とほぼ同じ語)。
×にされやすい形
  • 「最高裁は、6人の弁護人の選任を許可した」(原決定を取り消して差し戻した)
  • 「最高裁は、却下した原々決定と、これを是認した原決定を、どちらも取り消した」(取り消したのは原決定)
  • 「事案が複雑なら、それに伴う支障があっても3人を超えてよい」(現行の規則27条1項ただし書は、必要があることに加えて支障がないことも許可の要件にしている)

9本人以外の選任権者条文解説書

  • :被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
  • 「独立して」=本人の意思にかかわりなく選任できる。本人が後で別に弁護人を選任しても、先に配偶者などが選任した弁護人は、解任されない限り地位を失わない(解説書)。
  • 国選弁護人とは対照:私選弁護人が選任されたことなどで弁護人を付する必要がなくなったときは、裁判所(起訴前は裁判官=同条)は国選弁護人を解任できる(1号)。
  • 解任(解説書):の者の選任は、被疑者・被告人のためにする法律行為(民法537条)と考えられる → 選任した者は、本人の意思に反して解任できない。私選弁護人の解任について法に明文は無いが、選任は本人の防御の利益のための行為 → 本人はの者が選んだ弁護人を解任できると解されている。
  • に挙がっていない親族(例:おじ・おば)は、独立した選任権者ではない。
場面妻が選んだ弁護人X
選任本人に確認しないまま選べる()
本人が後で弁護人Yを選任Xも弁護人のまま(解任されない限り)
本人がXを解任できる(と解されている)
妻が本人の意思に反してXを解任できない

勾留中の被疑者の母(直系の親族)は、被疑者に確認しないまま弁護人を選任できる。被疑者のおじはに挙がっていないので、独立して選任することはできない。

出題兄弟姉妹など30条2項の者は、本人の意思にかかわらず独立して弁護人を選任できる(○)

出題配偶者が弁護人を選任した場合、被疑者は自ら弁護人を選任できない(×)

出題妻が選任したA弁護士は、その後に被疑者本人がB弁護士を選任すると、直ちに私選弁護人の地位を失う(×)

×にされやすい形
  • 「配偶者が弁護人を選任した場合には、被疑者は自ら弁護人を選任することはできない」(予備H26-25-ア)
  • 「本人が別に弁護人を選任すると、家族が選んだ弁護人は直ちに地位を失う」(司法H18-29-2)=解任されない限り残る
  • 「家族が選んだ弁護人は、選んだ家族だけが解任でき、本人は解任できない」(本人が解任でき、選任した家族は本人の意思に反して解任できない)

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