単独犯と共同正犯の択一的認定
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第7章 裁判 ③/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
導入
図:今日の問い
- 被告人は、窃盗の実行行為を1人で全部やったことを認めている
- ところが「実は、黒幕のYに頼まれてやった」と言う
- 検察官は被告人の単独犯で起訴している
- 裁判所は、単独犯と認定してよいのか
- 共同正犯と認定しなければならないのか
前回は、違う犯罪のどちらかだと分かっているときの話でした。今日は最後の場面です。単独犯なのか共同正犯なのか、そこで迷うときを見ます。まず、この事件です。被告人は、他人の家から現金を盗んだとして、窃盗で起訴されました。検察官は、被告人1人の犯行として起訴しています。被告人は、盗む行為を自分1人で全部やったことを認めています。ところが、被告人はこう言います。実は、黒幕のYに頼まれてやったのです。手を動かしたのは被告人1人です。でも、Yと共謀していたのなら、共同正犯ということになります。裁判所は、単独犯と認定してよいのでしょうか。それとも、共同正犯と認定しなければならないのでしょうか。
手を動かした人数で決めてよいのか、黒幕の存在をどう扱うのか。この2つが、そのまま今日の論点です。先に答えを言います。単独犯と認定してよいのです。1人の行為で単独犯の構成要件が全部満たされているなら、Yがいてもいなくても、単独犯は成立するからです。なぜそう言えるのかを、順に確かめます。
図:3つの物差し
- 前回までと同じ
- ①罪となるべき事実として足りるか(335条1項)②利益原則に反しないか(336条後段)③罪刑法定主義に反しないか=法律に無い合成した犯罪を作っていないか
物差しは、前回までと同じ3つです。1つ目、罪となるべき事実として足りるか。2つ目、利益原則に反しないか。3つ目、AまたはB、という、法律に無い合成した犯罪を作っていないか。今日は、単独犯と共同正犯の間の話です。どちらも窃盗なら窃盗という、同じ罪の中の話ですから、3つ目の物差しは問題になりません。中心になるのは、1つ目です。2つ目の利益原則は、下級審の2つ目の見解の根拠として出てきます。
下級審の分かれ方と実体法
図:下級審の3つの見解
- 場面=被告人1人の行為で構成要件が全部満たされるが、他に共謀共同正犯者がいるのかどうか分からない
- ①単独犯と共同正犯の択一的認定をして、軽いほうで量刑する
- ②択一的認定は許されず、犯情の軽い共同正犯を認定する(利益原則)
- ③択一はせず、単独犯を認定する
- 共同正犯かもしれない点は、量刑の事情とする
最高裁の判断が出るまで、下級審は3つに分かれていました。場面は、被告人1人の行為で構成要件が全部満たされていて、他に共謀共同正犯者がいるのかどうかは、分からない、というものです。共謀共同正犯者とは、刑法の回で見たとおり、自分では手を動かさず、共謀に加わっただけで正犯になる人です。最初の事件でいえば、黒幕のYです。1つ目。単独犯と共同正犯の択一的認定をして、軽いほうの前提で量刑する、という考え方です。2つ目。択一的認定は許されない。犯情の軽い共同正犯を認定する、という考え方です。疑わしきは被告人の利益に、という利益原則から、軽いほうに寄せます。3つ目。択一はせず、単独犯を認定します。共同正犯かもしれないという疑いは、量刑の場面で考える、という考え方です。
分かれ目は、実体法の位置づけです。共同正犯は、構成要件の修正形式、つまり、基本の構成要件を広げる形式だと言われます。単独犯と共同正犯の間の択一が、実質的に同じ構成要件の中の択一といえるのか。そこが定まっていなかったのです。いえるとみるなら、日時や実行行為者の択一と同じ扱いになります。いえないとみるなら、択一はできません。見解は、そこから分かれました。3つ目の見解は、そもそも、単独犯はもう成り立っているのだから、択一をせず単独犯を認定する、と見ます。そこで、問いを1つ手前に戻します。共同正犯が成立するときは、単独犯は成立しなくなるのか。実体法の側から確かめます。単独犯の規定は、たとえば窃盗なら、刑法235条です。この条文は、行為者の人数を定めていません。他に関与者がいないことも、要求していません。
図:単独犯の規定は人数を定めない
次に、共同正犯の規定です。
条文刑法第60条
刑法第60条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
実行行為を1人で全部はしていない者でも、全部した者と同じく正犯として処罰する。60条は、そのための規定です。専門用語では、処罰拡張規定と呼びます。刑法の回で見た、一部実行の全部責任も、この60条から来ています。椅子取りに喩えます。単独犯の椅子には、1人で実行を全部やった人が座れます。60条は、1人では全部をやっていない人も座れるように、椅子を足す規定です。椅子を足しても、すでに座れる人の席は消えません。ですから、被告人1人の行為で単独犯の構成要件が全部満たされているなら、共同正犯の要件も満たされる場合でも、単独犯は成立します。
どちらの形で起訴するかは、検察官の訴追裁量で決まります。起訴便宜主義、刑訴法248条の、起訴するかしないかを検察官が決められるという話を思い出してください。訴因をどう組むかも、検察官が決めます。こちらも訴追裁量の一部です。単独犯で起訴するのも、共同正犯で起訴するのも、検察官が選べます。
最高裁の決定
図:事案
- 窃盗・窃盗未遂8件
- 被告人は単独犯として起訴され、第一審で公訴事実を認めた→控訴審で「実行行為は1人で全部やったが、他に共謀共同正犯の責めを負うべき共犯者がいる」と主張→原審は2件について他に共謀共同正犯者の存在を認めたうえ、「検察官が単独犯として起訴した以上、訴因の範囲内で単独犯と認定することは許される」→最高裁は上告棄却
山場です。最高裁の決定を見ます。事案です。被告人は、窃盗と窃盗未遂、合わせて8件で、単独犯として起訴されました。第一審では、公訴事実を認めていました。ところが、控訴審で主張を変えます。実行行為は1人で全部やった。でも、他に、共謀共同正犯として責任を負うべき共犯者がいる、というのです。原審は、2件について、他に共謀共同正犯者がいることを認めました。そのうえで、検察官が単独犯として起訴した以上、訴因の範囲内で単独犯と認定することは許される、としました。最高裁も、上告を棄却しました。決定の該当部分を読みます。
判例最決平21・7・21 刑集63巻6号762頁
単独犯の訴因と共謀共同正犯者の存在 検察官において共謀共同正犯者の存在に言及することなく、被告人が当該犯罪を行ったとの訴因で公訴を提起した場合において、被告人1人の行為により犯罪構成要件のすべてが満たされたと認められるときは、他に共謀共同正犯者が存在するとしてもその犯罪の成否は左右されないから、裁判所は訴因どおりに犯罪事実を認定することが許されると解するのが相当である。
条件は2つです。1つ目。検察官が、共謀共同正犯者に触れずに、被告人が犯罪を行ったという訴因で起訴していること。2つ目。被告人1人の行為で、構成要件がすべて満たされたと認められること。この2つがそろえば、他に共謀共同正犯者がいても、犯罪の成否は左右されません。だから、裁判所は、訴因どおりに単独犯と認定してよい。決定が示したのは、ここまでです。
図:決定の規範と、冒頭の問いの答え
- 条件=①共謀共同正犯者に言及せず、被告人が犯罪を行ったとの訴因 ②被告人1人の行為で構成要件のすべてが満たされた→他に共謀共同正犯者がいても犯罪の成否は左右されない→訴因どおり(単独犯)と認定してよい
- 答え=単独犯と認定してよい
最初の問いの答えが出ました。単独犯と認定してよい。理由は、単独犯の構成要件が、被告人1人の行為で全部満たされているからです。Yがいたかどうかは、単独犯の成否を動かしません。起訴の仕方は、条件の1つです。裁判所は、訴因の範囲で裁くからです。単独犯で起訴するか、共同正犯で起訴するかは、さきほどの訴追裁量で検察官が選べます。ただ、決め手は、被告人1人の行為で構成要件が全部満たされているかどうか、です。では、その条件が外れる場面を見ます。被告人は見張りだけをして、盗む行為そのものは、別の人がやったとします。
図:境界ペア
- 該当=被告人が1人で窃盗の実行行為を全部やった→単独犯の構成要件が全部満たされる→単独犯と認定してよい
- 境界のすぐ外=被告人は見張りだけで、盗む行為は別の者がやった→単独犯の構成要件は満たされない→正犯にするには共同正犯(60条)が要り、共謀が認定できなければ共同正犯としては有罪にできない
見張りだけなら、被告人の行為で、窃盗の構成要件のすべては満たされません。実行行為を、別の人がやっているからです。この場合、被告人を正犯として処罰できるのは、1人では構成要件を満たさない人も正犯にする、60条があるからです。共謀が認定できなければ、共同正犯としては処罰できません。並べると、はっきりします。1人で全部やった被告人は、他にYがいてもいなくても、単独犯の席に座れます。見張りだけの被告人は、60条の椅子がなければ座れません。決め手は、被告人1人の行為で構成要件が全部満たされているか、です。もう1つ、区切りを入れます。ここから先は、決定の言葉ではありません。決定を前提にした整理です。単独犯の構成要件が全部満たされるなら、裁判所は、他の共謀共同正犯者がいるかどうかまで認定する必要はない。その存在は、量刑の事情として、重要性に応じて審理し、判断すれば足りる、という整理です。量刑は、次の話題です。ここでは、考慮できる、とだけ押さえます。
場合分け
図:場合分けの前に
- 共謀を共同正犯の根拠にしたいのに、あったかなかったか決まらないとき、共謀はどう扱うのだったか
- 答え=なかったものとして扱い、共同正犯とは認定できない(挙証責任:証明できない事実は認定できない)
場合分けの前に、復習を1問です。共謀を共同正犯の根拠にしたいのに、あったかなかったか、どちらとも決まらないとき、共謀はどう扱うのだったでしょうか?挙証責任の話でした。共謀はなかったものとして扱います。だから、共同正犯とは認定できません。もう1問。他に共謀者がいるかもしれない、とうかがわれるだけのとき、共同正犯と認定できるでしょうか。共謀が認定できないなら、共同正犯とは言えないと思います。では、場合分けを順に見ます。
図:単独犯の訴因で、他の共謀共同正犯者が①存在が認められる→単独犯を認定してよい
- 共同正犯の認定も可。訴因変更の要否は、不意打ち・防御上の不利益の観点で検討
- ②存在がうかがわれるにとどまる→共謀は認定できない。単独犯の要件は満たす→単独犯を認定(択一の余地はない)③存在しないと認められる→単独犯
検察官が単独犯の訴因で起訴した場合です。他の共謀共同正犯者について、裁判所の心証は、3通りあります。1つ目。共謀共同正犯者の存在が認められるとき。最初の事件でいえば、Yとの共謀が、証拠で認められる場合です。さきほどの決定のとおり、単独犯と認定してよいです。共同正犯と認定してもかまいません。ただし、共同正犯を認定するのに訴因変更が必要かどうかは、別に考える必要があります。訴因変更が要るかは、前に見た、訴因変更の要否の枠組みで決まります。被告人に不当な不意打ちにならないか、防御に不利益を与えるおそれがないか、という観点から検討します。2つ目。存在が、うかがわれるにとどまるとき。被告人はYの名前を出すけれど、裏付けが足りない場合です。共謀の事実は認定できません。共謀は、共同正犯と認定するために必要な事実です。証明できなければ、認定できません。これは、共同正犯を認めないという意味で、共謀がなかったと積極的に認定するわけではありません。だから、共同正犯は認定できません。一方、単独犯の成立要件は、被告人1人の行為で満たされています。ですから、単独犯を認定します。3つ目。存在しないと認められるとき。Yの話が作り話だと分かった場合です。これは、単独犯です。
択一的認定の余地は、ありません。前々回の場面は、被告人とYの共謀が認定できていました。共謀が認定できれば、どちらが手を動かしていても、被告人もYも、同じ罪の共同正犯です。だから、誰が実行したかが決まらなくても、罪となるべき事実として足りたのです。認定できる共同正犯が、そもそも無いのです。一方、単独犯は、成立要件を満たします。だから、択一する前に、単独犯と認定すれば足ります。注意が1つあります。最初の、Yを無視するのは事実と違う気がする、という引っかかりへの答えです。単独犯と認定することは、他に共謀者がいない、と認定することまでは意味しません。単独犯の条文は、他に関与者がいないことを、要件にしていないからです。前回の否定説が心配した、なかったと認定してしまう処理は、ここでは起きていません。ですから、量刑では、他に共謀共同正犯者がいたことを考慮できます。量刑の中身は、次の話題で見ます。もう1つ、補足です。共同正犯を認定したいなら、検察官が、単独で、または氏名不詳者と共謀のうえ、という形に訴因を変更して、共同正犯を認定することも可能です。
1つ目の見解の択一は、要りません。うかがわれるだけの共謀で共同正犯を認定する、2つ目の見解も取れません。単独犯を認定して、共犯者のことは量刑で考える。これが、3つ目の見解の筋です。
図:3つの訴因×3つの心証
- 縦=訴因(単独犯/共同正犯/択一的な訴因〔256条5項=単独犯または共同正犯〕)、横=他の共謀共同正犯者が(認められる/うかがわれるにとどまる/存在しない)
- 単独犯の訴因=単独犯でも共同正犯でも可/単独犯/単独犯
- 共同正犯の訴因=共同正犯/単独犯/単独犯
- 択一的な訴因=共同正犯が相当/単独犯/単独犯
小さな表で、ほかの訴因も見ておきます。訴因は3つ並べました。単独犯の訴因、共同正犯の訴因、そして、単独犯または共同正犯と択一的に書いた訴因です。起訴状に択一的に書くことは、256条5項が認めています。共同正犯の訴因で、共謀共同正犯者の存在が認められるなら、訴因どおり共同正犯です。うかがわれるにとどまる、存在しないと認められる、なら、共謀が認定できないので、単独犯を認定します。筋は同じです。最後の、択一的な訴因です。存在が認められるなら、どちらを認定してもよいのですが、共同正犯を認定するのが相当です。単独犯だけを認定すると、共謀共同正犯者はいないと判断したのか、いても触れなかっただけなのか、判決から読み取れなくなるからです。うかがわれるにとどまる、存在しない、なら、共謀が認定できないので、単独犯です。
全体の見取り図
図:択一的認定の見取り図
- 同じ構成要件の中(日時・実行行為者)=原則許される(例外は過失)/単独犯と共同正犯=単独犯が成立する限り択一は要らない/大小のある罪=小さい方だけを認定/大小のない罪=「AまたはB」とは書けない
- 軽い罪だけを認めるかは見解が分かれ、札幌高裁の判決は認めた
- 物差しの使いどころ=①罪となるべき事実として足りるか→同じ構成要件内
- ②利益原則→大小・大小のない罪
- ③罪刑法定主義→大小のない罪
3回にわたって見てきた択一的認定を、1枚にまとめます。1つ目の領域は、同じ構成要件の中です。日時、場所、実行行為者の択一が、原則として許されました。どちらに転んでも、同じ罪の同じ中身に当たるからです。例外は、過失の態様でした。何を怠ったかという、罪の中身そのものが決まらなくなるからです。単独犯と共同正犯の間は、この枠の中といえるかが争われました。ただ、今日見たとおり、単独犯が成立する限り、そもそも択一は要りませんでした。2つ目は、違う構成要件で、大小のある罪です。殺人と傷害致死のように、一方が他方を含む関係です。大きい方に疑いが残るなら、小さい方だけを認定します。小さい方の事実は、それだけで証明されているからです。3つ目は、大小のない罪です。保護責任者遺棄と死体遺棄のように、一方が他方を含まない関係です。AまたはBとは書けません。どちらにも疑いが残るのに有罪にすることになり、法律に無い合成した犯罪も作るからです。軽い罪だけを認めてよいかは、見解が分かれます。札幌高裁の判決は認めました。物差しの使いどころも見ておきます。1つ目の、罪となるべき事実として足りるか、は、同じ構成要件の中で効きました。2つ目の利益原則は、大小のある罪と、大小のない罪で効きました。3つ目の罪刑法定主義は、大小のない罪で、合成した犯罪を作るかどうかとして効きました。今日の単独犯と共同正犯は、罪名が同じ罪の中の話ですから、3つ目は出番がありませんでした。2つ目の利益原則は、下級審の2つ目の見解の根拠として出てきただけで、最高裁の決定の判断では使っていません。
節目のミニ事例と短答
図:節目のミニ事例
節目のミニ事例です。1つ目。単独犯の訴因で、他に共謀共同正犯者がいても、被告人1人の行為で構成要件が全部満たされているなら、単独犯と認定してよいですか。2つ目。他に共謀者がいるかもしれない、とうかがわれるにとどまるとき、共同正犯を認定できますか。3つ目。そのとき、単独犯または共同正犯、と択一的に認定できますか。4つ目。単独犯と認定すると、他に共謀者がいない、と認定したことになりますか。×です。そこまでは認定していないので、量刑では、他に共謀者がいたことを考慮できます。最後です。共同正犯の訴因で、共謀が認定できなければ、どうしますか。
単独犯を認定します。共謀が認定できなくても、被告人1人の行為で構成要件が満たされているなら、単独犯は成立するからです。最高裁の決定の判断は、短答で狙われる論点です。論文でも問われうる論点です。
今日の地図(保存版)
図:まとめの地図
- 単独犯の構成要件が被告人1人の行為で全部満たされる→他に共謀共同正犯者がいても単独犯と認定してよい(最高裁の決定)
- 共同正犯は処罰拡張規定(60条)
- 共謀がうかがわれるだけなら共同正犯は認定できず、単独犯を認定(択一の余地は無い)
- 単独犯の認定は他に共謀者がいないという認定を伴わない→量刑で考慮できる
- 3つの物差し=①罪となるべき事実として足りるか②利益原則③罪刑法定主義
今日のまとめです。単独犯なのか共同正犯なのか迷うときの答えは、1つの軸でほどけます。単独犯の構成要件が、被告人1人の行為で全部満たされているかどうかです。満たされているなら、他に共謀共同正犯者がいても、単独犯は成立します。共同正犯の規定、60条は、1人では全部を実行していない人も正犯にする処罰拡張規定であって、全部やった人の単独犯を打ち消す規定ではないからです。だから、単独犯の訴因で起訴されたなら、裁判所は訴因どおりに、単独犯と認定してよい。これが、最高裁の決定の判断です。他に共謀者がいるかもしれない、とうかがわれるだけなら、共謀は認定できません。共同正犯は認定できず、単独犯を認定します。択一の余地はありません。ただし、単独犯の認定は、他に共謀者がいないという認定を伴いません。その存在は、量刑で考慮できます。最初の問いの答えです。被告人が、窃盗の実行行為を1人で全部やったなら、黒幕のYがいても、単独犯と認定してよいのです。今日で、択一的認定は一区切りです。有罪と認定できたとして、刑の重さは、何を基準にして、どう決めるのか。次は、そこを見ます。
参照条文
- 刑法第60条