民法ゼロから民法#133

共同抵当の同時配当と異時配当

印刷用PDFを開く

第3章 担保物権 #133/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

売る順番で、後順位の取り分は変わるのか

冒頭の場面板。B所有の甲土地・乙建物の両方に、A(共同抵当・1番)の抵当権が付いている。甲土地にはさらにC(2番)の抵当権が付いている。Aが「甲だけ先に売る」と言い出す場面。 図:冒頭の場面板

  • B所有の甲土地・乙建物の両方に、A(共同抵当・1番)の抵当権が付いている
  • 甲土地にはさらにC(2番)の抵当権が付いている
  • Aが「甲だけ先に売る」と言い出す場面

Aは、Bの土地と建物の両方に、1つの債権のための抵当権を持っています。土地にはもう1人、2番の抵当権者Cがいます。ここでAが「土地だけ先に売る」と決めたら、Cの取り分は、土地と建物を一緒に売ったときより減るのでしょうか。先に結論の形だけ言っておくと、Cには、その不安定さを埋め合わせる仕組みが用意されています。今日はこれを数字で確かめます。

なぜ土地と建物の両方に抵当権を付けるのか

共同抵当の意義板。土地と建物は法律上別個の不動産。片方だけに抵当権を設定すると、その不動産の値下がりや法定地上権の成否によって担保価値が目減りするリスクがある。両方に設定しておけば、どちらからでも回収できる。 図:共同抵当の意義板

  • 土地と建物は法律上別個の不動産
  • 片方だけに抵当権を設定すると、その不動産の値下がりや法定地上権の成否によって担保価値が目減りするリスクがある
  • 両方に設定しておけば、どちらからでも回収できる

1つの債権を守るために、2つ以上の不動産それぞれに抵当権を設定しておくこと、これを共同抵当といいます。典型的なのは、土地と建物の両方に抵当権を設定する場合です。土地と建物を別々に扱うことが、共同抵当を使う理由につながります。土地と建物は、法律上まったく別個の不動産です。もし土地だけに抵当権を設定していると、土地の値下がりにそのまま振り回されます。しかも土地の上にBの建物が建っていれば、土地が競売されたとき、建物のために法定地上権が成立して、土地は建物に使われ続ける土地として安くしか売れません。両方にあらかじめ抵当権を設定しておけば、どちらの不動産からでも回収できるので、Aにとってはより安全です。

そしてここが今日の出発点なのですが、共同抵当権者Aには、甲・乙をまとめて競売する道と、どちらか一方だけを競売する道の、2つの選択肢があります。この選択の自由が、これから見る392条の仕組みを生みます。

今日の地図(保存版)

392条1項の全文カード背景。同時配当。各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する。 図:392条1項の全文カード背景

  • 同時配当
  • 各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する

まず、甲・乙をまとめて競売する場合、つまり同時配当から見ます。条文を確認しましょう。

条文民法392条1項

民法第392条1項 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。

按分とは、各不動産の価額の比で、1つの債権を複数の代価に割り振ることです。たとえば甲の価額が乙の2倍なら、Aの債権も甲から2、乙から1の比で回収する、という考え方になります。実際の数字は、あとでまとめて計算します。どの不動産も、自分の値打ちに見合った分だけAの債権を背負う、ということです。こう決めておけば、甲の2番抵当権者Cは、Aに甲からいくら取られるかを、価額の比から前もって計算できます。後順位者にとって、残る額があらかじめ読める。これが同時配当の意味で、あとで出てくる公平の物差しになります。

1つだけ先に売るなら、そこから全額取れる

392条2項前段の板。異時配当。1つの不動産の代価のみを配当するときは、抵当権者はその代価から債権の全部の弁済を受けることができる。 図:392条2項前段の板

  • 異時配当
  • 1つの不動産の代価のみを配当するときは、抵当権者はその代価から債権の全部の弁済を受けることができる

次に、甲だけ、あるいは乙だけを先に競売する場合、つまり異時配当を見ます。

条文民法392条2項前段

民法第392条2項前段 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。

異時配当では按分をしません。1つの不動産しか売られない以上、そこから債権の全額を回収できます。共同抵当権者にとっては、どちらを先に売っても自分の債権を全額回収できる点で、有利な仕組みです。先に売られる不動産に後順位の抵当権者がいる場面こそ、今日の中心です。Aが甲を先に売って全額を持って行くと、Cは甲の残りしか取れません。しかもその残りの額は、Aがどちらを先に売るかという選択次第で変わってしまいます。この不公平をどう埋め合わせるのかを、次に見ます。

売る順番でCの運命が変わってはいけない

392条2項後段の板。異時配当・代位。先に売られた不動産の後順位抵当権者は、同時配当だったら共同抵当権者が他の不動産から弁済を受けられたはずの金額を限度として、共同抵当権者に代位して他の不動産の抵当権を行使できる。 図:392条2項後段の板

  • 異時配当・代位
  • 先に売られた不動産の後順位抵当権者は、同時配当だったら共同抵当権者が他の不動産から弁済を受けられたはずの金額を限度として、共同抵当権者に代位して他の不動産の抵当権を行使できる

条文民法392条2項後段

民法第392条2項後段 この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができる。

ここが今日いちばんの山場です。甲が先に売られてAが全額を持って行くと、Cは甲の残りしか取れません。しかし、もしAが甲と乙を同時に売っていたら、Aは乙からも一部を回収していたはずです。その乙からの回収分は、Cが甲で受け取れなかった不足を埋め合わせられたはずの金額でもあります。そこで法は、Cに、Aが同時配当だったら乙から受けられたはずの金額を限度として、Aの乙に対する抵当権に代位することを認めています。代位とは、本来Aが持っていた乙の抵当権が、その限度でCに移り、CがAに代わって行使できるようになる、という意味です。

代位の趣旨も、同じところにあります。共同抵当権者に競売の順序を選ぶ自由を認める以上、その選択によって後順位抵当権者の取り分が変動してしまうのは不公平です。代位によって、「同時配当だったらどうなっていたか」という基準に、Cの取り分を揃え直しているんです。ここまでを、実際の数字で確かめましょう。

同じ設例で、4パターンを計算する

配当設例の前提板。B所有の甲土地(価額2000万円)・乙建物(価額1000万円)。A(共同抵当・1番・被担保債権1500万円)。甲にはさらにC(2番・被担保債権1000万円)。今回の数字は前回とは別の新しい設例。 図:配当設例の前提板

  • B所有の甲土地(価額2000万円)・乙建物(価額1000万円)
  • A(共同抵当・1番・被担保債権1500万円)
  • 甲にはさらにC(2番・被担保債権1000万円)
  • 今回の数字は前回とは別の新しい設例

今日は新しい設例を使います。具体的には、Bの甲土地の価額を2000万円、乙建物の価額を1000万円とします。Aは甲・乙の両方に1番抵当権を持ち、被担保債権は1500万円です。さらに甲土地には、Cの2番抵当権があり、Cの被担保債権は1000万円です。前回は土地1本の話でしたが、今日は土地と建物の2本立てなので、数字も新しく設定し直しています。この前提で、①まとめて売る同時配当、②甲を先に売る異時配当、③もし代位が無かったらという仮定、④乙を先に売る異時配当、の4パターンを順に計算します。

配当設例①(同時配当)。甲:乙=2000:1000=2:1の比で1500万円を按分。甲から1000万円・乙から500万円。甲の残り1000万円はCが全額回収。乙の残り500万円はBの手元に残る。合計3000万円(甲2000+乙1000)。 図:配当設例①

  • 同時配当
  • 甲:乙=2000:1000=2:1の比で1500万円を按分。甲から1000万円・乙から500万円。甲の残り1000万円はCが全額回収。乙の残り500万円はBの手元に残る。合計3000万円(甲2000+乙1000)。

まず①、甲・乙をまとめて売る同時配当です。甲の価額は2000万円、乙の価額は1000万円なので、価額の比は2対1です。この比でAの1500万円を按分すると、甲からは1000万円、乙からは残りの500万円になります。甲の残りは、2000万円からAの1000万円を引いた1000万円です。ここをCが全額回収します。乙の残りは、1000万円からAの500万円を引いた500万円で、これはBの手元に残ります。Aの合計は1500万円で全額、Cの合計は1000万円で全額です。次に②、Aが甲を先に売る異時配当を計算してみてください。ヒントは、Aは甲の代価から全額を取れる、という392条2項前段です。

配当設例②(甲を先に売る異時配当・代位あり)。Aは甲の代価から1500万円全額を回収。甲の残り500万円をCが取るが、Cの債権1000万円のうち500万円しか回収できない。①の同時配当ならAが乙から受けられたはずの500万円を限度に、Cが代位してAの乙の抵当権を行使し、乙から500万円を回収。Cの合計1000万円(①と同額)。乙の残り500万円はBの手元に残る。 図:配当設例②

  • 甲を先に売る異時配当・代位あり
  • Aは甲の代価から1500万円全額を回収。甲の残り500万円をCが取るが、Cの債権1000万円のうち500万円しか回収できない。①の同時配当ならAが乙から受けられたはずの500万円を限度に、Cが代位してAの乙の抵当権を行使し、乙から500万円を回収。Cの合計1000万円(①と同額)。乙の残り500万円はBの手元に残る。

答え合わせです。Aはまず、甲の代価から、1500万円を全額回収します。甲の残りは、2000万円から1500万円を引いた500万円です。ここをCが取りますが、Cの債権は1000万円ですから、回収できるのは半分の500万円だけです。①の同時配当だったら、Aは乙から500万円を受け取れたはずでした。Cは、その500万円を限度として、Aの乙に対する抵当権に代位し、乙から500万円を回収します。Cの合計は500万円足す500万円で1000万円、①とまったく同じ額です。乙の残り500万円は、①と同じくBの手元に残ります。ここで一度立ち止まります。もし392条2項後段の代位という仕組みがなかったら、Cはいくらで終わってしまうと思いますか。

配当設例③(代位が無かった場合・比較のための仮定)。代位が無いとすると、Cは甲の残り500万円しか回収できず終わる。乙には手を出せず、乙の1000万円は丸ごとBの手元に残る。Cの合計500万円は、①の1000万円より500万円少ない。 図:配当設例③

  • 代位が無かった場合・比較のための仮定
  • 代位が無いとすると、Cは甲の残り500万円しか回収できず終わる。乙には手を出せず、乙の1000万円は丸ごとBの手元に残る。Cの合計500万円は、①の1000万円より500万円少ない。

代位が無いなら、Cが受け取れるのは甲の残りの500万円だけで、そこで終わりだと思います。代位が無ければ、Cは甲の500万円で打ち止めになり、乙にはまったく手を出せません。乙の1000万円は丸ごとBの手元に残ります。Cの合計は500万円で、①の1000万円より500万円少なくなります。これが、代位という仕組みが無かったら起きてしまう不公平です。共同抵当権者がどちらを先に売るかという、Cにはどうにもできない一存によって、Cの取り分が変わってしまいます。だからこそ392条2項後段の代位が必要になるんです。最後に④、今度はAが乙を先に売る異時配当を見ます。

配当設例④(乙を先に売る異時配当)。Aは乙の代価から1000万円を回収(残債500万円)。乙にはCがいないため代位の問題は生じない。続いて甲が競売され、Aは残債500万円を回収。甲の残り1500万円のうちCが債権全額1000万円を回収、さらに残り500万円はBの手元に残る。Aの合計1500万円(全額)、Cの合計1000万円(全額)。 図:配当設例④

  • 乙を先に売る異時配当
  • Aは乙の代価から1000万円を回収(残債500万円)。乙にはCがいないため代位の問題は生じない。続いて甲が競売され、Aは残債500万円を回収。甲の残り1500万円のうちCが債権全額1000万円を回収、さらに残り500万円はBの手元に残る。Aの合計1500万円(全額)、Cの合計1000万円(全額)。

乙を先に売ると、Aは乙の代価である1000万円から一部の弁済を受けます。乙の価額が上限なので、Aの回収は1000万円、残った債権は500万円です。乙にはCのような後順位者がいないので、ここでは代位の問題は起きません。続いて甲が競売され、Aは残った債権の500万円を回収します。甲の残りは、2000万円から500万円を引いた1500万円です。このうちCが、その債権全額の1000万円を回収し、最後に残った500万円がBの手元に残ります。Aの合計は、乙の1000万円足す甲の500万円で1500万円、つまり全額です。Cの合計も1000万円で、こちらも全額です。

4パターンの比較表。①同時配当=A1500・C1000・B500。②異時配当(甲先・代位あり)=A1500・C1000・B500。③代位が無かったら=A1500・C500・B1000。④異時配当(乙先)=A1500・C1000・B500。①②④は一致、③だけCが500万円少なくBに500万円多く残る。 図:4パターンの比較表

  • ①同時配当=A1500・C1000・B500
  • ②異時配当(甲先・代位あり)=A1500・C1000・B500
  • ③代位が無かったら=A1500・C500・B1000
  • ④異時配当(乙先)=A1500・C1000・B500
  • ①②④は一致、
  • ③だけCが500万円少なくBに500万円多く残る

4つを並べます。①の同時配当と、②の代位ありの異時配当、それに④の乙を先に売る異時配当は、AもCもBも、まったく同じ数字になります。③の代位が無かったらという仮定だけ、Cが500万円少なく、その分Bの手元に多く残ってしまいます。これが、392条2項後段が置かれた理由です。共同抵当権者が売る順序を自由に選べる以上、その選択によって後順位抵当権者の運命が変わってはいけない。代位という仕組みが、その公平さを支えています。

代位が使えるのは、持ち主が同じときだけ

適用範囲の板。392条2項後段の代位が働くのは、共同抵当の目的である不動産がすべて債務者の所有である場合、または、すべて同一の物上保証人の所有である場合に限る。所有者が異なる場合(債務者所有と物上保証人所有が混在)は、この規定ではなく別の規定が優先する。 図:適用範囲の板

  • 392条2項後段の代位が働くのは、共同抵当の目的である不動産がすべて債務者の所有である場合、または、すべて同一の物上保証人の所有である場合に限る
  • 所有者が異なる場合(債務者所有と物上保証人所有が混在)は、この規定ではなく別の規定が優先する

ここまでの代位は、甲・乙の両方をBが所有している、という前提で成り立っています。この代位が働くのは、共同抵当の目的である不動産が、すべて債務者の所有である場合、または、すべて同一の人の所有である場合に限られます。他人の借金のために自分の不動産を担保に入れる人のことを、物上保証人と呼びます。共同抵当の目的物が、すべて同一の物上保証人の所有であるときも、今日見た代位の規定が及びます。

判例最判平成4年11月6日・最高裁第二小法廷判決

物上保証人が同じ場合の代位 共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属し、甲不動産に後順位の抵当権が設定されている場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、後順位抵当権者は、民法三九二条二項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者が同条一項の規定に従い乙不動産から弁済を受けることができた金額に満つるまで、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができると解するのが相当である。

甲・乙がともに、Bとは別の1人の物上保証人の所有だった場合でも、今日見た392条2項後段の代位がそのまま及ぶ、と判例が確認しています。判旨の「満つるまで」は、その金額に達するまで、という意味です。所有者が同じ1人なら、甲と乙のどちらが先に売られても、負担を背負うのは同じその人で、所有者どうしの利害はぶつかりません。Bが持ち主のときと状況が変わらないので、同じ代位を当ててよい、ということです。ここで注意したいのは、甲がBの所有で乙が物上保証人の所有、というように所有者が入り交じる場合です。この場合は、392条2項後段ではなく、これまでに何度か出てきた弁済による代位の規定が優先して適用されます。同じ代位という言葉ですが、今日の代位は後順位抵当権者が使うもの、弁済による代位は代わりに弁済した人が使うもので、別の仕組みです。この先の優劣関係は、後の回で扱います。

代位権はあるが、行使できるのは完済のあと

一部弁済の板。異時配当でAが一部の弁済しか受けられなかった場合も、392条2項後段の代位権自体は発生する。ただし後順位抵当権者が現実に他の不動産の抵当権を行使できるのは、共同抵当権者が被担保債権の完済を受けたときに限られる(判例)。 図:一部弁済の板

  • 異時配当でAが一部の弁済しか受けられなかった場合も、392条2項後段の代位権自体は発生する
  • ただし後順位抵当権者が現実に他の不動産の抵当権を行使できるのは、共同抵当権者が被担保債権の完済を受けたときに限られる(判例)

もう1つだけ付け加えます。今日の設例ではAは全額を回収できましたが、異時配当でAが一部しか回収できなかった場合はどうなるでしょうか。代位という権利自体は、その時点で発生します。ただ、Aにはまだ回収しきれていない残りがあり、Aは乙の抵当権でその残りを取りに行きます。そこへCが先に乙の抵当権を使えたら、Aの回収を横から邪魔することになります。そこで、Cが実際にその抵当権を行使できるのは、Aが被担保債権の完済を受けたときに限られる、というのが判例の考え方です。一部弁済の段階では、Cはまだ他の不動産の抵当権を実行できません。

今日の骨格を、もう一度

まとめ板。共同抵当=1つの債権のために複数の不動産に抵当権。同時配当(392条1項)=価額の比で按分。異時配当(392条2項前段)=先に売った不動産から全額。後順位抵当権者の代位(392条2項後段)=同時配当だったら受けられたはずの金額を限度に、共同抵当権者の抵当権に代位。代位があるから売る順序が変わっても後順位者の取り分は一定。適用範囲は所有者が同一の場合に限る。 図:まとめ板

  • 共同抵当=1つの債権のために複数の不動産に抵当権
  • 同時配当(392条1項)=価額の比で按分
  • 異時配当(392条2項前段)=先に売った不動産から全額
  • 後順位抵当権者の代位(392条2項後段)=同時配当だったら受けられたはずの金額を限度に、共同抵当権者の抵当権に代位
  • 代位があるから売る順序が変わっても後順位者の取り分は一定
  • 適用範囲は所有者が同一の場合に限る

今日の骨格を振り返ります。共同抵当は、1つの債権のために複数の不動産に抵当権を設定する仕組みでした。まとめて売る同時配当は、392条1項で価額の比に応じて按分します。異時配当でも後順位のCの取り分がぶれないように、392条2項後段が、Cに、同時配当だったら受けられたはずの金額を限度として、Aの抵当権に代位することを認めていました。今日の数字で見たとおり、代位があるおかげで、Aがどちらを先に売っても、Cの取り分は変わりません。代位という仕組みが、共同抵当権者の自由な選択と、後順位抵当権者の取り分の安定を両立させています。ただし、これが働くのは目的不動産の所有者が同一の場合に限られる、という点は覚えておいてください。

参照条文

  • 民法392条1項
  • 民法392条2項前段
  • 民法392条2項後段

民法 全体ロードマップへ →