債権譲渡の意義と譲渡制限特約
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第4章 債権総論 #166/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
売掛金を売りたい。ただし契約書に「譲渡しない」とある
図:冒頭の関係図
- A=卸会社(事務機器を卸す)が、B=小売チェーンに納品した代金200万円の売掛金を持つ(3か月後が支払期日)
- 資金繰りのため、C=金融業者にこの売掛金を売って現金化したい
- ところが、AとBの取引基本契約書に「Aは、本契約に基づく代金債権を第三者に譲渡しない」という条項がある
- 問い=①売ってしまったら、売買は無効か
- ②Bは、期日に誰に払えばよいか
事務機器を卸す会社があります。卸会社と呼びます。取引先の小売チェーンに、機器を納めました。代金は200万円です。支払期日は3か月後です。つまり、卸会社は、小売チェーンに対して、200万円の売掛金を持っています。ところが、卸会社は、今すぐ現金がほしい。仕入先への支払いが迫っています。そこで、この売掛金を、金融業者に売って、現金に換えようと考えました。ところが、小売チェーンとの取引基本契約書に、こういう条項がありました。卸会社は、この契約に基づく代金債権を、第三者に譲渡しない。今日の問いは2つです。1つめ。この条項があるのに、金融業者に売ってしまったら、その売買は無効なのか。2つめ。小売チェーンは、期日に、誰に払えばよいのか。答えは、最後に出します。前回まで、債権者が変わらない世界を見てきました。債権が生まれ、履行され、果たされず、第三者に害される。どの場面でも、債権者は同じ人でした。今日から、債権者が入れ替わる世界に入ります。
債権譲渡とは何か。意義と性質
図:債権譲渡の意義
- 債権者A(譲渡人)が、債権の同一性を保ったまま、契約でC(譲受人)に移す
- 債務者Bの同意は要らない
- 契約の中身=売買・贈与・代物弁済など
- 性質=①諾成・不要式(合意だけで成立・書面不要)②処分行為(契約の効力として債権が直接移る)③有因(原因の契約が取り消されれば譲渡も効力を失う)
債権譲渡とは、債権を、その同一性を保ったまま、契約で他人に移すことです。移す側を、譲渡人。受け取る側を、譲受人と呼びます。中身は、そのままだ、ということです。200万円の代金を、期日に受け取る権利。その権利が、そっくり、卸会社から金融業者に移ります。債権者の名前だけが替わります。金額も、期日も、変わりません。大事なのは、小売チェーンの同意は要らない、ということです。譲渡は、譲渡人と譲受人の契約だけで成り立ちます。性質は、3つ覚えます。1つめ、諾成で不要式。合意だけで成立し、書面も要りません。2つめ、処分行為です。譲渡の契約が結ばれると、その効力として、債権が直接、移ります。あらためて何かを引き渡す必要はありません。3つめ、有因です。原因になった売買が取り消されれば、譲渡も効力を失います。原因の契約に、引きずられるということです。
図:同一性の保持
- 移転しても債権の中身は変わらない
- ①従たる権利も一緒に移る=抵当権・保証債権・利息債権(随伴性)
- 根抵当権は元本の確定前は別
- ②債務者は、譲渡人に言えていた抗弁を、譲受人にも言える(468条1項)
ここで、前に見た要点を1問、思い出しましょう。債権が移ると、その債権を守っていた抵当権は、どうなるでしょうか?一緒に移ります。随伴性でした。ただ、根抵当権は、元本の確定前だと別でした。同一性が保たれるので、抵当権も、保証債権も、債権についていきます。根抵当権だけは、確定前は債権に付き添いません。これは、前に見たとおりです。もう1つ。債務者は、譲渡人に対して言えていた反論、たとえば、同時履行の抗弁を、譲受人にも言えます。債権が、そのまま移るからです。抗弁の話は、あらためて、別の回で詳しく見ます。
債権譲渡と似た制度、使い道
図:比較表
- 債権譲渡=債権者が替わる(同一性を保つ)
- 債務引受=債務者が替わる
- 更改=旧債務が消えて、新しい債務が生まれる(同一性を失う)
- 転付命令=強制執行で債権が債権者に移る(債権者の意思によらない移転)
似た制度と、並べます。何が替わるか、で区別します。債権譲渡は、債権者が替わります。債務引受は、債務者が替わります。更改は、古い債務が消えて、新しい債務が生まれます。同一性を保ちません。だから、抵当権や保証も、そのままでは付き添いません。転付命令は、強制執行の中で、差し押さえた債権が、差し押さえた人に移る制度です。債権者の意思によらない移転、という点が、譲渡と違います。名前だけ、覚えてください。
図:債権譲渡の使い道
では、なぜ債権を譲るのか。使い道は、3つです。1つめは、資金調達。今日の設例のように、期日前に、割り引いて現金にします。2つめは、債権回収。仕入先に現金で払うかわりに、持っている売掛金を渡して、支払いにあてます。代物弁済です。3つめは、担保です。たくさんの債権をまとめて担保に入れる。前に見た、集合債権譲渡担保です。本論は、またあとの回で見ます。今日の設例は、1つめの、資金調達です。
原則は譲渡自由。ただし、譲れない債権もある
図:問いの板(前の回の復習)。物権は、何によって移転するか。
入る前に、もう1問、思い出しましょう。物権は、何によって移転するのでしたか?当事者の意思表示だけです。176条の、意思主義でした。債権も、同じ発想です。卸会社と金融業者の合意だけで移り、小売チェーンの同意は要りませんでした。そして、債権の譲渡についても、原則を、条文が書いています。
条文民法466条1項
民法第466条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
本文です。債権は、譲り渡すことができる。原則は、自由です。例外が、ただし書き。性質が許さないとき、です。債権者が誰かが、決定的な債権です。たとえば、家庭教師に、自分の子どもに勉強を教えてもらう債権。これを、隣の家に譲ったら、家庭教師は、会ったこともない別の子を、教えることになります。引き受けた仕事とは、別物です。債権者が替わると、給付の中身が変わってしまう。こういう債権は、譲れません。
図:譲渡の制限の一覧
- 原則=債権は譲渡自由(466条1項本文)
- 性質上の制限=債権者が誰かが決定的な債権(同項ただし書)=譲渡は効力を生じない
- 法律上の制限=扶養を受ける権利は処分できない(881条)
- 当事者の特約による制限=今日の山場(効果が全く違う)
もう1つ、法律による制限もあります。たとえば、881条。扶養を受ける権利は、処分することができない。これは、名前と、1つの例だけ、覚えておけば足ります。そして、3つめが、当事者の約束による制限です。今日の設例の、譲渡しない、という条項が、これです。ところが、この3つめは、前の2つと、効果が全く違います。性質による制限と、法律による制限は、譲っても効力が生じません。当事者の約束による制限は、そうではありません。ここから、山場です。
特約があっても、譲渡は有効。466条2項
図:問いの板(前の回の復習)。債権の相対性とは何か。
その前に、前回の要点を、1問、思い出しましょう。債権の相対性とは、何だったでしょうか?債権は、債務者にしか主張できない、ということです。債権は、債務者と債権者の間の関係です。だから、債務者にとって、債権者が誰かは、大きな問題です。この点が、このあとの話の土台になります。条文を見ます。
条文民法466条2項
民法第466条 2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
条文では、譲渡制限の意思表示、と呼びます。以前に見た、譲渡禁止特約と、同じものです。今日は、譲渡制限特約と呼びます。結論です。譲渡制限特約があっても、債権の譲渡は、有効です。譲受人が、特約を知っていても、知らないことに重大な過失があっても、変わりません。有効かどうかは、譲受人の主観で変わりません。譲受人が、新しい債権者になります。重大な過失は、ほとんど、悪意と同じ、と考えてください。少し注意すれば、特約に気づけたはずなのに、不注意で、全く気づかなかった、という場合です。ちょっとした不注意で知らなかった程度なら、重大な過失には当たりません。この区別は、3項で効いてきます。
特約に反するのに有効、というのは、引っかかりますよね。2017年の改正の前は、考え方が逆でした。特約に反する譲渡は、当事者の間でも、無効とされていました。債権そのものが、動かないという扱いです。ただし、特約を知らない譲受人には、この無効を主張できませんでした。
図:改正の対比
- 改正前=特約に反する譲渡は、当事者間でも無効(債権そのものが動かない。ただし、特約を知らない譲受人には無効を主張できない)
- 現行=譲渡は有効(466条2項)
- 債務者には、悪意・重過失の譲受人に対する守りだけを残す(同条3項)
- 理由=売掛金などを資金調達に使いやすくする
なぜ、変えたのか。取引先との契約書にある一文のせいで、売掛金が売れない、という事態を、避けたかったからです。売掛金は、資金調達の大事な資産です。資金を借りたい企業にとって、債権が売れないのは、大きな妨げでした。そこで、現行法は、譲渡自体は、有効にしました。そのかわりに、債務者を守る手段を、別に残しました。それが、次に見る、3項です。特約を付けるのは、債務者の側の事情からです。債務者は、知らない人に払いたくありません。見知らぬ債権者から、取り立てを受けるのも、避けたい。払う相手を、固定しておきたいのです。入店お断りの札を、店の入口に出しているようなものです。お断りしたい客が来たら、断れるようにしておくための札です。ここで、1問です。特約に反した債権譲渡は、無効でしょうか?
有効です。466条2項です。
誰に払えばよいか。466条3項
図:3者図の構図
- A=譲渡人(卸会社)、B=債務者(小売チェーン)、C=譲受人(金融業者)
- AからCへ、債権の譲渡(有効)
- BはA・Cのどちらに払うか
譲渡は有効。では、小売チェーンは、誰に払えばよいのか。ここが、今日の中心です。条文を見ます。
条文民法466条3項
民法第466条 3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
要件を、2つに読みます。1つめ、2項の場合、つまり、特約付きの債権が譲渡されたこと。2つめ、譲受人その他の第三者が、特約を知っていたか、知らないことに重大な過失があったこと。この2つがそろうと、債務者に、2つの権限が生まれます。1つめは、履行を拒むこと。2つめは、譲渡人にした弁済など、債務が消える事由を、その譲受人に対して、言えることです。
図:3者図の場合分け
- ①Cが善意・無重過失(対抗要件を備えていれば)=Bは、Cに払う
- Aに払っても、Cには対抗できない
- ②Cが悪意・重過失=Bは、(a)Cに払ってよい(b)Cへの支払いを断ってよい(c)Aに払い、その弁済でBの債務が消えたとCに言える
- どちらでも、譲渡は有効=Cが債権者であることは変わらない
場合分けです。まず、金融業者が、特約を知らず、知らないことに重大な過失もない場合。この場合は、小売チェーンは、金融業者に払います。卸会社に払っても、金融業者には言えません。金融業者が、債権者だからです。特約を知りようがない金融業者にまで、払う相手を固定したいという小売チェーンの都合を、押しつける理由はありません。ただし、これは、金融業者が、小売チェーンに譲渡の通知をしているなど、対抗要件を備えている場合の話です。この話は、あとの回で見ます。次に、金融業者が、特約を知っていた場合、または、重大な過失で知らなかった場合。小売チェーンには、選択肢が3つ生まれます。金融業者に払ってもよい。金融業者への支払いを拒んでもよい。卸会社に払って、その弁済で、債務が消えたと、金融業者に言ってもよい。
断らなくてもよい、というところが大事です。拒めるのは、権利であって、義務ではありません。払ってよいのです。また、どちらの場合でも、譲渡は有効です。金融業者が債権者であることは、変わりません。違うのは、小売チェーンに、断る、または、譲渡人に払うという選択肢があるかどうか、だけです。入店お断りの札の話に戻します。札を知らずに入った客は、店は断れません。札を見て入った客には、店は、出ていってほしいと言えます。ただし、入店自体が違法になるわけではありません。店が、よいと言えば、客は、そのまま買い物ができます。趣旨を、まとめます。払う相手を固定したい、という債務者の期待を、悪意か重過失の譲受人に限って、守る。特約を知りようがない善意無重過失の譲受人は、取引の安全のために、守ります。
図:補足
- 「その他の第三者」=債権質権者など
- 転得者(譲受人がさらに別の金融業者に売ったとき)も含まれる=悪意・重過失は、転得者について判断する
- 債務者が譲渡人に払った後は、譲受人は、受け取った譲渡人に、金銭の引渡しを求める立場になる
補足を、3つ。1つめ。条文の、その他の第三者には、債権質権者などが入ります。2つめ。金融業者が、債権を、別の金融業者に、さらに売ったとき、その転得者も入ります。悪意か重過失かは、転得者について見ます。3つめ。小売チェーンが、卸会社に払った場合、金融業者は、卸会社に、受け取った金銭を渡すよう求める立場になります。債権者は金融業者なので、卸会社が受け取った金銭は、本来、金融業者に渡るべきものだからです。法律構成は、深入りしません。結論だけです。小売チェーンが、金融業者にも断り、卸会社にも払わない、という行き詰まりの場合は、あらためて、別の回で見ます。問いです。特約を知りながら債権を買った譲受人に、債務者は、払ってはならないでしょうか?
払ってよいです。拒むこともできますし、譲渡人に払って、対抗することもできます。「悪意の譲受人への譲渡は無効」でも、「悪意の譲受人には払ってはならない」でもありません。ここは、短答で、よく問われます。
債務者が承諾したら
図:承諾の設例
- 金融業者C(悪意)が債権を買った後、小売チェーンBがCに「譲渡は了解した」と告げた
- BはCへの履行を断れるか
設例を変えます。金融業者が、特約を知りながら、債権を買いました。そのあと、小売チェーンが、金融業者に、譲渡は了解した、と告げました。小売チェーンは、それでも、3項で、支払いを断れるでしょうか。了解した、と言っているのだから、もう断れない気がします。理屈を見ます。3項の趣旨は、払う相手を固定したい、という債務者の利益を、守ることでした。債務者が譲渡を了解したなら、その利益を、自分で手放したことになります。だから、3項の保護は、使えません。履行を拒めなくなり、譲渡人に払ったことを、譲受人に言うこともできません。入店お断りの札で言えば、店主が、今回はどうぞ、と言った後は、もう、お断りとは言えない、ということです。誰に承諾しても同じです。譲受人にでも、譲渡人にでも、事後に承諾すれば、保護は放棄されたことになります。ここで、前に見た代理受領を、思い出してください。特約付きの債権でも使える、という利点がありました。現行法では、特約があっても譲渡そのものは有効なので、この利点は、小さくなりました。
図:承諾の板
- 現行法=譲渡は最初から有効→承諾は、3項の保護(履行拒絶・譲渡人への弁済の対抗)の放棄
- 改正前の判例=譲渡は無効→承諾で譲渡の時にさかのぼって有効→ただし、承諾前に現れた第三者の権利は害せない(116条の法意)
ここで、判例を見ます。改正前の判例です。当時の言葉で、譲渡禁止の特約のある、指名債権、と呼びました。今の、譲渡制限特約付きの、債権のことです。
判例最一小判平9・6・5 民集51巻5号2053頁
承諾と第三者の権利 譲渡禁止の特約のある指名債権……譲渡の時にさかのぼって有効となるが、民法一一六条の法意に照らし、第三者の権利を害することはできないと解するのが相当である。
判決の事案を、語ります。債権が、特約に反して譲渡されました。譲渡の後、債務者の承諾の前に、その債権に、国の滞納処分による差押えが、されました。そのあとで、債務者が、譲渡を承諾したのです。判決は、こう整理しました。悪意か重過失の譲受人でも、債務者が、あとから承諾すれば、譲渡は、譲渡の時にさかのぼって、有効になる。ただし、民法116条の法意に照らして、第三者の権利を害することはできない。結論は、譲受人は、承諾の前に差押えをした国に対して、譲渡の効力を主張できない、とされました。
条文民法116条
民法第116条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
前に見たとおり、無権代理は、代理権が無いのに、代理人として契約してしまうことでした。本人が、あとから効力を認める、つまり追認すると、契約の時にさかのぼって、効力が生じます。ただし、第三者の権利は、害しません。改正前は、特約に反する譲渡は、無効でした。ふつうの無効は、追認しても、生き返りませんでした。ここは違います。特約は、債務者を守るためのものです。だから、守られる債務者が、あとから認めれば、さかのぼって生かせる。本人だけが選べる、無権代理の追認と、形が同じです。だから、判例は、この追認の考え方を借りたと説明されます。承諾の前に、すでに権利を得ていた人を、あとの承諾で、ひっくり返すのは、酷だからです。ただし、この判例は、改正前の枠組みです。現行法は、譲渡が、最初から有効です。だから、承諾の意味は、3項の保護の放棄、になりました。答案では、現行の条文、2項と3項で、書きます。ここは、論文で論点になりうる部分です。なお、承諾の前に現れた第三者との優劣は、差押えの場面については、現行法に別の条文があり、処理が変わります。預貯金債権も、扱いが別です。どちらも、今日は、名前だけです。
冒頭の答えと、まとめ
図:冒頭の答え
- 譲渡(売買)は有効(466条2項)
- 金融業者が条項を知っていた(知らないことに重大な過失があった)なら、小売チェーンは、金融業者への支払いを断ってよく、卸会社に払って済ませてもよい(同条3項)
- 知らず、重過失もないなら、金融業者に払う
- 小売チェーンが承諾したら、もう断れない
冒頭の答えを言い切ります。1つめ。売ってしまった売買は、有効です。小売チェーンとの条項があっても、譲渡の効力は妨げられません。2つめ。小売チェーンは、誰に払うか。金融業者が、条項を知っていた、または、重大な過失で知らなかったなら、小売チェーンは、金融業者への支払いを拒んでよく、卸会社に払って済ませてもかまいません。金融業者に払うことも、もちろん許されます。金融業者が、知らず、重過失もないなら、小売チェーンは、金融業者に払います。そして、小売チェーンが、譲渡を了解したなら、もう断れません。
図:まとめ板
- ①債権譲渡=同一性を保ったまま、契約で債権を移す(債務者の同意は不要)②譲渡制限特約があっても譲渡は有効(466条2項)
- 悪意・重過失の譲受人等には、債務者は履行を拒絶でき、譲渡人への弁済を対抗できる(同条3項)③債務者が承諾すれば、3項の保護を放棄したことになる(改正前の判例=譲渡の時にさかのぼって有効・承諾前の第三者の権利は害せない)
整理します。1つめ。債権譲渡は、債権を、同一性を保ったまま、契約で移すことです。債務者の同意は、要りません。2つめ。譲渡制限特約があっても、譲渡は有効です。ただし、譲受人が、悪意か重過失なら、債務者は、履行を拒めて、譲渡人への弁済を、譲受人に言えます。債務者が承諾すれば、3項の保護を、自分で放棄したことになります。判例は、譲渡の時にさかのぼって有効としたうえで、承諾の前の第三者の権利は、害せないとしました。ここから先は、債権譲渡の続きの話に進みます。
参照条文
- 民法466条1項
- 民法466条2項
- 民法466条3項
- 民法116条