民法ゼロから民法#260

賃借権の対抗力と賃貸人たる地位の移転

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第5章 契約 #260/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

持ち主が替わった

冒頭の設例の関係図。左が大家A、右が借り手B。BはAからアパートの一室を借り、鍵を受け取って住んでいる。AはこのアパートをCに売った。Cは「あなたとは契約していない。出て行ってください」と言う。 図:冒頭の設例の関係図

  • 左が大家A、右が借り手B
  • BはAからアパートの一室を借り、鍵を受け取って住んでいる
  • AはこのアパートをCに売った
  • Cは「あなたとは契約していない。出て行ってください」と言う

冒頭の問いの答えの方向。出て行くか=住んでいる印(対抗要件)を備えていれば出て行かなくてよい・備えていなければ登記を済ませたCに出て行かされる。家賃は=備えていれば大家の役目はCに当然に移る・ただしCが家賃を請求するにはCの登記が要る。 図:冒頭の問いの答えの方向

  • 出て行くか=住んでいる印(対抗要件)を備えていれば出て行かなくてよい・備えていなければ登記を済ませたCに出て行かされる
  • 家賃は=備えていれば大家の役目はCに当然に移る・ただしCが家賃を請求するにはCの登記が要る

先に、答えの方向を言います。Bが、住んでいる印を備えていれば、出て行かなくてかまいません。建物なら、鍵を受け取って住み始めていれば、その印を備えています。備えていなければ、登記を済ませたCに、出て行かされます。この印を、法律では対抗要件といいます。そして、備えていれば、大家の役目は、Aから新しい持ち主のCに、当然に移ります。AとCが約束しなくても、Bが賛成しなくても、移ります。ただし、Cが「家賃は私に払ってください」とBに言うには、Cが所有権移転登記を済ませている必要があります。前回は、大家の地位がCに移ったあとの話でした。今日は、その地位がなぜ、いつ移るのかを見ます。

今日の4つの柱

今日の地図。賃貸借の3つの層のうち、2つ目=第三者との関係に入る。1=売買は賃貸借を破る(原則)。2=3つの対抗要件と二重賃貸借(例外)。3=賃貸人たる地位の当然移転。4=新しい持ち主が家賃を請求するには登記が要る。軸=債権の弱さを対抗要件が補う。 図:今日の地図

  • 賃貸借の3つの層のうち、2つ目=第三者との関係に入る
  • 1=売買は賃貸借を破る(原則)
  • 2=3つの対抗要件と二重賃貸借(例外)
  • 3=賃貸人たる地位の当然移転
  • 4=新しい持ち主が家賃を請求するには登記が要る
  • 軸=債権の弱さを対抗要件が補う

賃貸借の話は、3つの層で見てきました。AとBの間の内部の関係、AやBと第三者との関係、そして借地借家法の特別なルールです。今日から、2つ目の第三者との関係に入ります。柱は4つです。1つめ、売買は賃貸借を破る、という原則。2つめ、その例外になる3つの対抗要件と、同じ物を二重に貸した場合。3つめ、備えていたときに、大家の地位がなぜ当然に移るのか。4つめ、新しい持ち主が家賃を請求するのに、なぜ登記が要るのか。

用語の板。貸す側=賃貸人=大家のA=前の持ち主=譲渡人。借りる側=賃借人=借り手のB。買った人=譲受人=新しい持ち主のC。住んでいる印を備えるのはB・登記を備えるのはC。 図:用語の板

  • 貸す側=賃貸人=大家のA=前の持ち主=譲渡人
  • 借りる側=賃借人=借り手のB
  • 買った人=譲受人=新しい持ち主のC
  • 住んでいる印を備えるのはB・登記を備えるのはC

呼び方を整理します。貸す側が賃貸人で、大家のAです。持ち主を手放す側なので、譲渡人ともいいます。借りる側が賃借人で、借り手のBです。買った人が譲受人で、新しい持ち主のCです。耳で聞くと似ているので、今日は大家のA、借り手のB、新しい持ち主のC、と呼びます。もう1つ、取り違えやすい点です。対抗要件を備えるのは、借り手のBです。所有権移転登記を備えるのは、新しい持ち主のCです。主語が違います。この区別が、最後まで効いてきます。軸は1本です。賃借権は、大家との約束で生まれる権利です。約束は、約束した相手にしか言えないのが原則です。だから持ち主が替わると、言えなくなる。ただし住んでいる印を出せば言えるようになる。言えるなら、賃貸借は新しい持ち主との間で続きます。続くなら、貸す側の役目も新しい持ち主に移る。この流れで、4つの柱がつながります。

柱1 売買は賃貸借を破る

1つめの柱の入口。賃借権=借りた物を使ってよい法律上の理由(占有権原)。ただし債権=言える相手は大家だけ。持ち主が替わるとどうなるか。 図:1つめの柱の入口

  • 賃借権=借りた物を使ってよい法律上の理由(占有権原)
  • ただし債権=言える相手は大家だけ
  • 持ち主が替わるとどうなるか

1つめの柱です。まず、借り手の賃借権が何を与えるかを確認します。賃借権は、借りた物を占有してよい、法律上の理由です。これを占有権原といいます。鍵を持って部屋にいてよい、という理由のことです。だから、賃貸借が続いている間は、大家が持ち主の資格で「返してください」と言ってきても、借り手は賃借権を理由に断れます。大家との約束があるからです。契約が残っていても、新しい持ち主には断れません。そこが、落とし穴です。賃借権は債権です。債権は、特定の相手に、あることを請求できる権利で、言える相手は債務者の大家だけです。見知らぬ新しい持ち主に向けられた権利ではありません。

売買は賃貸借を破る(対抗要件なし)の図。A→B 賃貸。A→C 売却、Cが所有権移転登記を備える。C→B「出て行って」。B→C「賃借権を言える?」に×印。

例で見ます。大家のAが、事務所用の一室を、借り手のBに貸しました。Bは、まだ鍵を受け取っておらず、賃借権の登記もありません。そこへAが、その建物をCに売り、Cは所有権移転登記を済ませました。Cが、所有権にもとづいてBに出て行ってほしいと言ったとき、Bは賃借権を理由に断れるでしょうか。断れません。BとCの間には、契約がありません。賃借権はAに対する債権なので、Cには言えないのです。Bは、Aに対して、貸す約束を守らなかったという責任を追及する話は残りますが、その部屋を使うことはできません。このことを、売買は賃貸借を破る、といいます。

理由は、物権と債権の違いです。所有権は、物権で、誰に対しても主張できる権利です。債権は、特定の相手にしか主張できません。後から来たCは、買った物の所有権という、誰に対しても言える権利を手に入れています。登記や引渡しという、外から見える印の無い債権は、それに勝てない、というのが民法の基本の考え方です。今の例は、対抗要件を備えていないBの話でした。ここで、言い張れる、という言葉を整理します。法律では、自分の権利を相手に言い張れることを、対抗できる、といいます。言い張れないことを、対抗できない、といいます。今日は、この言葉を使います。

1つめの柱の整理板。賃借権=占有権原・ただし債権=言える相手は賃貸人だけ。持ち主が替わると、対抗要件が無ければ新しい持ち主に対抗できない=返還請求を拒めない=売買は賃貸借を破る。 図:1つめの柱の整理板

  • 賃借権=占有権原・ただし債権=言える相手は賃貸人だけ
  • 持ち主が替わると、対抗要件が無ければ新しい持ち主に対抗できない=返還請求を拒めない=売買は賃貸借を破る

1つめの柱をまとめます。賃借権は、借りた物を占有してよい権原ですが、債権なので、言える相手は大家だけです。持ち主が替わると、対抗要件を備えていない借り手は、新しい持ち主に賃借権を対抗できません。新しい持ち主が登記を済ませていれば、出て行かされる。これが、売買は賃貸借を破る、です。

柱2 3つの対抗要件と二重賃貸借

2つめの柱の入口。借り手が新しい持ち主に対抗するには、住んでいる印=対抗要件を備える。借りる物ごとに3つ。 図:2つめの柱の入口

  • 借り手が新しい持ち主に対抗するには、住んでいる印=対抗要件を備える
  • 借りる物ごとに3つ

2つめの柱です。売買は賃貸借を破る、という原則には、大事な例外があります。不動産の賃貸借は、対抗要件を備えれば、新しい持ち主にも賃借権を対抗できます。対抗要件は3つあり、借りる物で分かれます。順に、条文を見ます。

条文民法605条

民法第605条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。

1つめが、賃貸借そのものの登記です。登記をすれば、不動産について物権を取得した者、つまり新しい持ち主などに、対抗できます。ただ、実際には、ほとんど使われません。借り手には、契約で特に決めておかない限り、大家に登記をさせる権利が無いからです。大家が約束しているのは、部屋や土地を使わせることで、登記に協力することまでは含まないのです。大家が協力してくれなければ、登記ができません。民法の条文としては、不動産の賃貸借全般に使える、広い入口です。ただ実際には、次の2つが主役になります。借地借家法が、登記の協力が要らない方法を用意しているからです。前に、借地借家法は債権の弱さを補う、と言いました。その中身が、これです。

条文借地借家法10条1項

借地借家法第10条第1項 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2つめは、土地を借りた場合です。借地権とは、建物を建てる目的の土地の賃借権のことです。この借地権は、借地権そのものの登記が無くても、土地の上に、借り手自身の名義で登記された建物を持っていれば、新しい土地の持ち主に対抗できます。建物は土地とは別の不動産で、登記も別です。その建物の登記が、土地の借地権の印の役目も果たす、という特別な仕組みです。

条文借地借家法31条

借地借家法第31条 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。

3つめは、建物を借りた場合です。建物の賃貸借は、登記が無くても、建物の引渡しがあれば、その後に物権を取得した者、つまり新しい持ち主に対して、効力を生じます。引渡しとは、鍵を受け取るなどして、建物を使える状態になることです。冒頭のアパートのBは、鍵を受け取って住んでいるので、これを備えています。

3つの対抗要件の板(主役)。借りる物/備えるもの/条文。建物(アパートなど)/建物の引渡し(鍵を受け取って住む)/借借31条。建てる目的の土地(借地権)/借り手名義で登記された建物を土地の上に持つ/借借10条1項。不動産一般(建てる目的でない更地など)/賃貸借の登記(大家の協力が要るので実際は少ない)/民法605条。 図:3つの対抗要件の板

  • 主役
  • 借りる物
  • 備えるもの
  • 条文。建物(アパートなど)
  • 建物の引渡し(鍵を受け取って住む)
  • 借借31条。建てる目的の土地(借地権)
  • 借り手名義で登記された建物を土地の上に持つ
  • 借借10条1項。不動産一般(建てる目的でない更地など)
  • 賃貸借の登記(大家の協力が要るので実際は少ない)
  • 民法605条。

3つを並べます。借りた物が建物なら、建物の引渡しです。借りた物が、建物を建てる目的の土地なら、借り手名義で登記された建物を、その土地の上に持つことです。建てる目的ではない土地、たとえば更地の駐車場などは、賃貸借の登記しかありません。建物でも、建てる目的の土地でも、賃借権そのものの登記は、要りません。ただし土地の場合は、借り手が建てた建物に、登記が要ります。しかもその名義は、借り手自身です。他人名義の建物の登記や、建物が火事で無くなったときは、別の扱いになります。その場合は別の回で見ます。

境界ペアの板。対抗できる=アパートの一室を借りて引渡し済み・借り手名義で登記した建物のある借地。対抗できない=建物を建てる目的でない更地の駐車場で賃貸借の登記も無い。 図:境界ペアの板

  • 対抗できる=アパートの一室を借りて引渡し済み・借り手名義で登記した建物のある借地
  • 対抗できない=建物を建てる目的でない更地の駐車場で賃貸借の登記も無い

境目を例で確かめます。アパートの一室を借りて、鍵を受け取っていれば、新しい持ち主に対抗できます。店舗を建てる目的で土地を借り、自分名義で登記した店舗を建てていれば、土地が売られても対抗できます。一方、建物を建てる目的ではない更地の駐車場は、賃貸借の登記が無ければ、持ち主が替わったとき、返せと言われると断れません。決め手は、条文が用意した印を備えているかどうか、です。ここで、条文の言葉を1つ見ておきます。借地借家法31条は、引渡しのあと、その後に物権を取得した者、と書いています。条文の言い方からすると、先に印を備えていた者が、後から来る者に勝つ、という考え方です。

先後の板。印を備えた後に所有権を取得した人=対抗できる。新しい持ち主が先に所有権を取得して登記まで備え、そのあとで借り手が鍵を受け取った=先後で負ける。 図:先後の板

  • 印を備えた後に所有権を取得した人=対抗できる
  • 新しい持ち主が先に所有権を取得して登記まで備え、そのあとで借り手が鍵を受け取った=先後で負ける

例で言います。Bが鍵を受け取ったあとに、CがAから買ったなら、Bが先です。Bは対抗できます。逆に、Cが先に買って登記まで備え、そのあとでBが鍵を受け取ったなら、Cが先です。Bは、あとから鍵を受け取っても負けます。先に備えた方が勝つ。印は外から見えるので、後から来る人は、先に誰かの印があるかを確かめられます。確かめられたのに後から来た人より、先に印を備えた人を守る、という考え方です。前に、抵当権との優劣で見た先後と、同じ発想です。

二重賃貸借の図。左が大家A。AはBに空き店舗を貸す契約をした。そのあと、同じ店舗をDにも貸した。先にDが引渡しを受けた。BとDのどちらが優先するか。 図:二重賃貸借の図

  • 左が大家A
  • AはBに空き店舗を貸す契約をした
  • そのあと、同じ店舗をDにも貸した
  • 先にDが引渡しを受けた
  • BとDのどちらが優先するか

次は、同じ物を二重に貸した場合です。ここでは、新しい持ち主のCは出てきません。大家のAが、空き店舗をBに貸す契約をしました。そのあと、同じ店舗を、別の借り手のDにも貸しました。先にDが引渡しを受けました。BとDは、どちらが優先するでしょうか。BもDも、605条の、その他の第三者にあたります。物権を取得した者だけでなく、その他の第三者、とあるからです。BとDは、同じ店舗を、自分が使うと言い合う関係です。どちらも大家との契約にもとづく債権なので、契約の無い相手には言えず、そのままでは決着が付きません。そこで、新しい持ち主との関係と同じく、外から見える印、つまり賃借権の対抗要件を先に備えたのはどちらか、で優劣を決めます。先に備えたDが優先します。Bが、あとから引渡しを受けても、Dには対抗できません。

後れたBは、借りるはずだった店舗を使えなくなりますが、Aに対しては、貸す約束を守らなかったことの責任を追及する話が、別に残ります。この回では、優先関係の話だけにとどめます。

2つめの柱の整理板。対抗要件=建物なら引渡し(借借31条)・建てる目的の土地なら借り手名義で登記した建物(借借10条1項)・不動産一般は賃貸借の登記(605条)。二重賃貸借=先に対抗要件を備えた方が優先。備えた借り手は新しい持ち主に対抗できる=出て行かなくてよい。 図:2つめの柱の整理板

  • 対抗要件=建物なら引渡し(借借31条)・建てる目的の土地なら借り手名義で登記した建物(借借10条1項)・不動産一般は賃貸借の登記(605条)
  • 二重賃貸借=先に対抗要件を備えた方が優先
  • 備えた借り手は新しい持ち主に対抗できる=出て行かなくてよい

2つめの柱をまとめます。対抗要件は、借りる物で3つです。建物の引渡し、借り手名義で登記された建物、賃貸借の登記です。二重に貸したときは、先に備えた方が優先します。そして、対抗要件を備えた借り手は、新しい持ち主に対抗できるので、出て行かなくてよい。冒頭の問いの前半の答えです。

柱3 賃貸人たる地位の当然移転

3つめの柱の入口。対抗要件を備えた借り手は出て行かなくてよい。では、大家の役目(賃貸人たる地位)は、AとCのどちらにあるのか。 図:3つめの柱の入口

  • 対抗要件を備えた借り手は出て行かなくてよい
  • では、大家の役目(賃貸人たる地位)は、AとCのどちらにあるのか

3つめの柱です。ここが、今日の中心です。対抗要件を備えたBは、出て行かなくてよい、と分かりました。では、大家の役目は、どちらが引き受けるのでしょうか。大家の役目とは、借り手に使わせる義務、必要な修繕をする義務、そして、毎月の家賃をもらう権利のことです。まとめて、賃貸人たる地位といいます。Aが貸した建物をCに売ったとき、この地位は、Cに移るのでしょうか。それとも、Aのもとに残るのでしょうか。

当然移転の図。A→B 賃貸、B側に「引渡しを受けている(対抗要件を備える)」。A→C 売却。A→C の辺に「売却で地位移転」、C→B は「Cが新しい大家」。注記「AC間の合意は不要/Bの承諾は不要」。 図:当然移転の図

  • A→B 賃貸、B側に「引渡しを受けている(対抗要件を備える)」
  • A→C 売却
  • A→C の辺に「売却で地位移転」、C→B は「Cが新しい大家」
  • 注記「AC間の合意は不要/Bの承諾は不要」

条文の結論を先に見ます。605条の2の第1項です。

条文民法605条の2第1項

民法第605条の2第1項 前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。

読み方です。賃貸借の対抗要件を備えた場合、つまり前の柱の3つのどれかを備えている場合に、その不動産が譲渡されたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転します。条文には、承諾も合意も出てきません。条件を満たせば、自動的に移る。これを、当然に移転する、といいます。冒頭のアパートで言えば、Bは鍵を受け取っています。AがCに売った時点で、AとCが何も約束しなくても、Bが何も言わなくても、大家の役目はCに移ります。筋道で考えます。Bは、対抗要件を備えているので、Cに出て行けと言われても拒めます。Cは、部屋を自分で使えません。そうなると、Cが、その部屋から収入を得るには、貸し続けるしかありません。一方、Aは、もう持ち主ではなく、貸す立場を続ける理由がありません。持ち主でない人が、所有者の部屋を借り手に使わせ続けるのは、不自然です。だから、貸す側の役目は、持ち主のCが引き受けるのが自然です。

当然移転の筋道の板。Bは対抗要件を備える→Cは明渡しを求められない→Cは貸す側に立つしか道がない。Aは持ち主でなくなり貸す側を続ける理由がない→貸す側の地位はCに当然に移る。 図:当然移転の筋道の板

  • Bは対抗要件を備える→Cは明渡しを求められない→Cは貸す側に立つしか道がない
  • Aは持ち主でなくなり貸す側を続ける理由がない→貸す側の地位はCに当然に移る

順に並べます。Bが対抗要件を備える。だからCは明渡しを求められない。Cは貸す側に立つしかない。Aは持ち主でなくなり、貸す側を続ける理由が無い。だから、地位はCに当然に移る。旧法の時代にも、判例は、建物の賃貸借中に建物の所有権が譲渡されたときは、特段の事情が無い限り、賃貸人の地位もこれに伴って移る、としていました。現行の条文は、その考えを明文にしたものです。前に見たとおり、契約上の地位の移転は、539条の2で、相手方の承諾が原則として要ります。債務を負う人が替わると、相手方が不利益を受けるおそれがあるからです。賃貸人たる地位は、その例外です。なぜ要らないのか。最高裁の言葉で確かめます。

判例最判昭46・4・23 民集25巻3号388頁

賃貸人の地位の譲渡と賃借人の承諾 土地の賃貸借契約における賃貸人の地位の譲渡は、賃貸人の義務の移転を伴なうものではあるけれども、賃貸人の義務は賃貸人が何ぴとであるかによつて履行方法が特に異なるわけのものではなく、また、土地所有権の移転があつたときに新所有者にその義務の承継を認めることがむしろ賃借人にとつて有利であるというのを妨げないから、一般の債務の引受の場合と異なり、特段の事情のある場合を除き、新所有者が旧所有者の賃貸人としての権利義務を承継するには、賃借人の承諾を必要とせず、旧所有者と新所有者間の契約をもつてこれをなすことができると解するのが相当である。

読み方です。賃貸人の義務は、賃貸人がだれであるかによって、履行の方法が特に変わるものではない、と言っています。さらに、新しい所有者に義務を引き継がせることが、むしろ借り手に有利なこともある、と言います。だから、一般の債務の引受とは違って、特段の事情がなければ、借り手の承諾は要らない、という結論です。なお、この判決の事案は、土地所有権の移転とあわせて、賃貸人の地位も譲ると約束した場合でした。ですから、この判決から言えるのは、借り手の承諾が要らない、というところまでです。AとCの合意すら無くても移る、という点は、先ほどの条文が、合意も承諾も条件にしていないこと、つまり当然移転が答えています。

承諾が要らない理由の板(主役)。原則=契約上の地位の移転は相手方の承諾が要る(債務者が替わると不利益のおそれ)。賃貸人の債務=使わせる・修繕する→所有者なら誰がやっても中身が変わらない(没個性的)→借り手が不利益を受けるおそれが小さい→承諾不要。 図:承諾が要らない理由の板

  • 主役
  • 原則=契約上の地位の移転は相手方の承諾が要る(債務者が替わると不利益のおそれ)。賃貸人の債務=使わせる・修繕する→所有者なら誰がやっても中身が変わらない(没個性的)→借り手が不利益を受けるおそれが小さい→承諾不要。

理由を、もう少しほどきます。債務を負う人が替わるのに承諾が要るのは、人によって履行の中身が変わるからです。たとえば、有名な画家に絵を描いてもらう契約で、画家が別人に替わったら、相手は困ります。ところが、賃貸人の債務は、借り手に部屋を使わせることと、必要な修繕をすることです。持ち主なら、誰がやっても同じです。このような、誰がやっても中身が変わらない性質を、没個性的といいます。だから、借り手の承諾は要りません。先ほどの筋道と重なります。Aとしては、もう持ち主でないので、賃貸借から離れたい。Cとしては、Bに明渡しを求められない以上、せめて賃貸人として、家賃を受け取りたい。つまり、両方の合理的な意思が、地位が移ることで一致します。だから、わざわざ合意を求めなくても、条文が当然に移るとした、と説明されます。

当然移転のまとめ板。要件=借り手が対抗要件を備えている+その不動産が譲渡された。効果=賃貸人たる地位が譲受人に移転。Bの承諾=不要(誰がやっても中身が変わらない)。AC間の合意=不要(Aは離れたい・Cは家賃を受け取りたい)。 図:当然移転のまとめ板

  • 要件=借り手が対抗要件を備えている+その不動産が譲渡された
  • 効果=賃貸人たる地位が譲受人に移転
  • Bの承諾=不要(誰がやっても中身が変わらない)
  • AC間の合意=不要(Aは離れたい・Cは家賃を受け取りたい)

当然移転を、1枚にまとめます。要件は、借り手が対抗要件を備えていることと、その不動産が譲渡されたことです。効果は、賃貸人たる地位が、譲受人に移ることです。借り手の承諾は、賃貸人の債務が没個性的だから要りません。AとCの合意は、両者の合理的な意思に合致するから要らない、と説明されます。Bが対抗要件を欠くなら、大家の役目は、当然には移りません。Cは、Bに対抗されないので、登記を済ませれば、明渡しを求められます。ただし、AとCが合意して、地位を移すことはできます。また、備えているときでも、Aが地位を手元に残す例外もあります。これらは、別の回で見ます。今日は、備えているときの原則だけです。3つめの柱の答えです。借り手が対抗要件を備えていれば、大家の役目は、Bの承諾もAとCの合意も無しに、Cへ当然に移ります。

柱4 新しい持ち主が家賃を請求するには登記が要る

4つめの柱の入口。地位はCに当然に移る。では、Cは、すぐにBに「家賃は私に払ってください」と言えるのか。 図:4つめの柱の入口

  • 地位はCに当然に移る
  • では、Cは、すぐにBに「家賃は私に払ってください」と言えるのか

4つめの柱です。ここで、前に物権で見たことを1つ思い出します。土地や建物を買った人が、自分が持ち主だと第三者に言い張るには、何が必要でしたか?所有権移転の登記です。登記をしなければ第三者に対抗できない、という177条でした。今度は、その続きです。地位は、Cに当然に移りました。では、Cは、すぐにBに、「これからの家賃は私に払ってください」と言えるのでしょうか。条文は、第3項で、もう1つ条件を置いています。

条文民法605条の2第3項

民法第605条の2第3項 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。

読み方です。地位の移転は、賃貸物である不動産について、所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗できません。つまり、Cは、自分の名前の登記をするまでは、「私が大家だ」とBに言い張れません。家賃を請求することも、家賃が滞ったからと賃貸借を解除することも、できません。

登記と家賃請求の図(2段)。上=Cが買ったが、登記は前の持ち主のAのまま。Cが「家賃は私に」と言う→Bは断れる。Bは前の大家のAに払い続けても二重払いにならない。下=Cが所有権移転登記を備えた。Cが「家賃は私に」と言う→請求できる。 図:登記と家賃請求の図

  • 2段
  • 上=Cが買ったが、登記は前の持ち主のAのまま。Cが「家賃は私に」と言う→Bは断れる。Bは前の大家のAに払い続けても二重払いにならない。下=Cが所有権移転登記を備えた。Cが「家賃は私に」と言う→請求できる。

例で言います。Cは、アパートを買いましたが、登記は、まだ前の持ち主のAの名前のままです。Cが「今月から家賃は私に払ってください」と言っても、Bは断れます。Bが、そのままAに払い続けても、Cから、二重に払えとは言われません。Cが、所有権移転登記を済ませたあとなら、Bは、Cに払う必要があります。借り手の立場に立ってみます。Bは、アパートの持ち主が替わったかどうかを、自分では確かめられません。Cが突然来て、「私が新しい持ち主だ」と言っても、本当かどうか分かりません。もしCの言葉を信じてCに家賃を払い、実はそれが偽りだったなら、Aに払うべき家賃を払っていないことになり、二重払いを迫られるおそれがあります。登記は、誰が持ち主かを、公に示す手段です。だから、Cが大家を名乗るには、登記を済ませていることを条件にして、Bの二重払いを避けるのです。

登記が要る理由の板(主役)。登記なしでCを大家と認める→CもAも「家賃を払え」と言うかもしれない→Bは二重払いの危険。登記を条件にする→誰が大家かが公に分かる→Bは安全に払う相手が分かる。 図:登記が要る理由の板

  • 主役
  • 登記なしでCを大家と認める→CもAも「家賃を払え」と言うかもしれない→Bは二重払いの危険。登記を条件にする→誰が大家かが公に分かる→Bは安全に払う相手が分かる。

この考え方は、前に判決で見ました。土地の賃貸借で、借り手が土地の上に登記した建物を持っていた事件です。その結論を、判決の言葉でもう一度読みます。

判例最判昭49・3・19 民集28巻2号325頁

新しい所有者が賃貸人たる地位を主張するための登記 本件宅地の賃借人としてその賃借地上に登記ある建物を所有する上告人は本件宅地の所有権の得喪につき利害関係を有する第三者であるから、民法一七七条の規定上、被上告人としては上告人に対し本件宅地の所有権の移転につきその登記を経由しなければこれを上告人に対抗することができず、したがつてまた、賃貸人たる地位を主張することができないものと解するのが、相当である。

読み方です。借り手は、土地の持ち主が誰になるかに利害関係を持つ第三者です。だから、新しい持ち主は、所有権の移転の登記をしなければ、借り手に対抗できず、したがって、賃貸人たる地位を主張することもできません。この判例の考え方を、そのまま明文にしたのが、先ほどの第3項です。

登記の位置づけの板(主役)。地位が移る=対抗要件を備えた借り手がいれば当然(登記と無関係)。その移った地位を借り手に言う=新しい持ち主の所有権移転登記(同3項)。備えるのは別の人=対抗要件は借り手B・登記は新しい持ち主C。 図:登記の位置づけの板

  • 主役
  • 地位が移る=対抗要件を備えた借り手がいれば当然(登記と無関係)。その移った地位を借り手に言う=新しい持ち主の所有権移転登記(同3項)。備えるのは別の人=対抗要件は借り手B・登記は新しい持ち主C。

1点だけ、誤解を防ぎます。登記が要るのは、地位が移るための条件ではありません。地位が移ること自体は、借り手が対抗要件を備えていれば当然です。登記が要るのは、移った地位を借り手に言い張るためです。登記が無い間も、地位は移っています。ただ、Bに対して、大家として振る舞えないだけです。もう1つ、整理です。対抗要件を備えるのは、借り手のBです。所有権移転登記を備えるのは、新しい持ち主のCです。この2つを取り違えないでください。前回見た、敷金を返す債務、つまり敷金の返還債務と、借り手が払った修繕などの費用を返す債務、つまり費用償還債務の承継は、この地位の移転に付いて回ります。地位がCに移れば、それらもCが引き継ぎます。4つめの柱をまとめます。地位が譲受人に移っても、譲受人は、所有権移転登記をしなければ、借り手に対抗できません。つまり、家賃を請求するには、登記が要ります。理由は、借り手の二重払いを避けるためです。

確かめる

確かめるその1。大家のAが、引渡し済みのアパートをCに売った。借り手のBは出て行かなければならないか。 図:確かめるその1

  • 大家のAが、引渡し済みのアパートをCに売った
  • 借り手のBは出て行かなければならないか

事例で確かめます。1つめ。大家のAが、引渡し済みのアパートをCに売りました。借り手のBは、出て行かなければならないでしょうか?

答えその1。建物の賃貸借=引渡しで対抗要件を備える(借借31条)→新しい持ち主に対抗できる→出て行かなくてよい。 図:答えその1

出て行かなくてよいです。建物の引渡しで、対抗要件を備えているからです。登記は要りません。

確かめるその2。Bが借りたのは店舗を建てる目的の土地。Bは自分名義で登記した店舗を建てている。土地が売られたら、Bは対抗できるか。 図:確かめるその2

  • Bが借りたのは店舗を建てる目的の土地
  • Bは自分名義で登記した店舗を建てている
  • 土地が売られたら、Bは対抗できるか

2つめ。Bが借りたのは、店舗を建てる目的の土地です。Bは、自分名義で登記した店舗を建てています。土地がCに売られたとき、Bは対抗できるでしょうか?

答えその2。借り手名義で登記された建物を土地の上に所有=借借10条1項→土地の新しい持ち主に対抗できる。賃借権そのものの登記は不要。 図:答えその2

  • 借り手名義で登記された建物を土地の上に所有=借借10条1項→土地の新しい持ち主に対抗できる
  • 賃借権そのものの登記は不要

対抗できます。借り手名義で登記された建物を土地の上に持っているので、借地借家法10条1項の対抗要件を備えています。借地権そのものの登記は要りません。

確かめるその3。建物を建てる目的ではない更地の駐車場を借りた。引渡しは受けたが、賃貸借の登記は無い。持ち主が替わって返せと言われたら、拒めるか。 図:確かめるその3

  • 建物を建てる目的ではない更地の駐車場を借りた
  • 引渡しは受けたが、賃貸借の登記は無い
  • 持ち主が替わって返せと言われたら、拒めるか

3つめ。Bが借りたのは、建物を建てる目的ではない更地の駐車場です。車は停めていますが、賃貸借の登記はありません。持ち主が替わって、返してくださいと言われました。拒めるでしょうか?

答えその3。建物目的でない更地=借借31条も10条1項も使えない→賃貸借の登記(605条)が無ければ対抗できない→返還請求を拒めない。 図:答えその3

拒めません。建物の賃貸借ではなく、建物を建てる目的の借地権でもないので、引渡しも建物の登記も対抗要件になりません。賃貸借の登記も無いので、売買は賃貸借を破ります。対抗要件の種類は、借りた物で決まります。

確かめるその4。空き店舗を、AがBとDに二重に貸した。先にDが引渡しを受けた。優先するのはどちらか。 図:確かめるその4

  • 空き店舗を、AがBとDに二重に貸した
  • 先にDが引渡しを受けた
  • 優先するのはどちらか

4つめ。大家のAが、同じ空き店舗を、BとDの2人に貸しました。先にDが引渡しを受けました。優先するのは、どちらでしょうか?

答えその4。二重賃貸借=BもDも605条の「その他の第三者」→先に対抗要件を備えた方が優先→先に引渡しを受けたD。 図:答えその4

先に対抗要件を備えたDです。先後で決まります。

確かめるその5。対抗要件を備えているBのアパートをCが買った。登記は前の持ち主のAのまま。Cは家賃を請求できるか。Bの承諾や、AとCの合意は要るか。 図:確かめるその5

  • 対抗要件を備えているBのアパートをCが買った
  • 登記は前の持ち主のAのまま
  • Cは家賃を請求できるか
  • Bの承諾や、AとCの合意は要るか

5つめ。対抗要件を備えているBのアパートを、Cが買いました。登記は、Aのままです。Cは、家賃を請求できるでしょうか? また、地位が移るのに、Bの承諾や、AとCの合意は要るでしょうか?

答えその5。地位の移転=対抗要件を備えた借り手がいれば当然に移転(承諾も合意も不要)。家賃の請求=譲受人が所有権移転登記を備えるまでは借り手に対抗できず請求できない(605条の2第3項)。 図:答えその5

  • 地位の移転=対抗要件を備えた借り手がいれば当然に移転(承諾も合意も不要)
  • 家賃の請求=譲受人が所有権移転登記を備えるまでは借り手に対抗できず請求できない(605条の2第3項)

登記を備えるまでは、請求できません。地位は当然に移っているので、承諾も合意も要りません。地位が移ることと、それを言い張れることは、別の話でした。

4つの柱のまとめと、冒頭の問い

今日のまとめ。1=賃借権は債権・原則は新しい持ち主に対抗できない(売買は賃貸借を破る)。2=例外=3つの対抗要件(建物の引渡し/借り手名義の登記された建物/賃貸借の登記)・二重賃貸借は先後。3=備えていれば賃貸人たる地位は当然に移転・借り手の承諾もAC間の合意も不要。4=新しい持ち主が家賃を請求するには所有権移転登記が要る。 図:今日のまとめ

  • 1=賃借権は債権・原則は新しい持ち主に対抗できない(売買は賃貸借を破る)
  • 2=例外=3つの対抗要件(建物の引渡し/借り手名義の登記された建物/賃貸借の登記)・二重賃貸借は先後
  • 3=備えていれば賃貸人たる地位は当然に移転・借り手の承諾もAC間の合意も不要
  • 4=新しい持ち主が家賃を請求するには所有権移転登記が要る

今日の話を整理します。1つめ、賃借権は債権なので、原則として新しい持ち主に対抗できません。売買は賃貸借を破ります。2つめ、例外は対抗要件です。建物なら引渡し、建てる目的の土地なら借り手名義で登記した建物、そして賃貸借の登記です。二重に貸したときは、先に備えた方が優先します。3つめ、備えていれば、賃貸人たる地位は譲受人に当然に移ります。借り手の承諾は、賃貸人の債務が誰がやっても変わらないから要りません。AとCの合意は、両者の意思が一致するから要らない、と説明されます。4つめ、新しい持ち主が家賃を請求するには、所有権移転登記が要ります。借り手の二重払いを避けるためです。

冒頭の答え合わせ。出て行くか=引渡しなどの対抗要件を備えていれば出て行かなくてよい・備えていなければ登記を済ませたCに出て行かされる。家賃は誰に=備えていれば大家の役目はCに当然に移る・ただしCが請求するにはCの所有権移転登記が要る。 図:冒頭の答え合わせ

  • 出て行くか=引渡しなどの対抗要件を備えていれば出て行かなくてよい・備えていなければ登記を済ませたCに出て行かされる
  • 家賃は誰に=備えていれば大家の役目はCに当然に移る・ただしCが請求するにはCの所有権移転登記が要る

冒頭の問いの答えです。Bが、鍵の引渡しなどの対抗要件を備えていれば、Cに出て行けと言われても、出て行かなくてかまいません。備えていなければ、売買は賃貸借を破り、登記を済ませたCに、出て行かされます。備えていれば、大家の役目は、AからCに当然に移ります。Bの承諾も、AとCの合意も要りません。ただし、Cが家賃をBに請求するには、Cの所有権移転登記が必要です。この、賃貸人たる地位の移転と、承諾が要らない理由は、論文で論点になりうるところです。

参照条文

  • 民法605条
  • 借地借家法10条1項
  • 借地借家法31条
  • 民法605条の2第1項
  • 民法605条の2第3項

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