成年後見人の責任と監督
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第7章 親族 #347/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
介護する後見人は、母の事故の責任を負うのか
図:冒頭の設例
- A(母・認知症)は一人で外出し、道でC(自転車の人)にぶつかってけがをさせた
- B(長男)はAと同居して毎日介護しており、Aの成年後見人でもある
- Aは判断する力がなく、自分では責任を負わない
- 問い=CはBに、714条の賠償を求められるのか
設例です。認知症が進んだ母のAさんと、長男のBさんが、同居しています。Bさんは、毎日、Aさんの介護をしています。そして、BさんはAさんの成年後見人でもあります。ある夕方、Aさんが一人で外出しました。道で、自転車に乗っていたCさんにぶつかり、Cさんにけがをさせてしまいました。Aさんには判断する力がなく、自分では賠償の責任を負いません。713条です。今日の問いです。Cさんは、Bさんに、714条の賠償を求められるのでしょうか。後見人であることと、毎日介護していること。責任の根拠になりうるのは、このうちの片方だけかもしれません。答えは、1つ目の項目で確かめます。前の回の結論を、一言で振り返ります。成年後見人は、契約と財産の担当者です。施設との契約や、財産の管理と代理を担う人で、介護そのものをする人ではありません。
図:今日の地図
- ①身上配慮義務と714条(冒頭の答え)②善管注意義務(869条)③成年後見監督人(849条〜851条)④比較表の完成=親権者・未成年後見人・成年後見人⑤改正法の姿
- 核心の1行=成年後見人は、地位だけでは、法定の監督義務者にならない
今日の地図です。5つの項目を、順に見ます。1つ目、身上配慮義務と714条。ここで冒頭の答えを出します。2つ目、善管注意義務。3つ目、成年後見監督人。4つ目、親権者と未成年後見人と成年後見人の、比較表の完成。最後に、改正法の姿を見ます。核心を、先に1行で言います。成年後見人は、地位だけでは、714条の法定の監督義務者になりません。
身上配慮義務と714条 858条・714条
図:858条の結論
- 成年後見人は、生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たって、成年被後見人の意思を尊重し、心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない=身上配慮義務(前の回で全文を読んだ条文)
- 身上=本人の体と暮らしのこと
1つ目の項目です。最初に、思い出してください。714条の責任を負う人が、責任を免れるには、何を証明するのでしたか?義務を怠らなかったこと、または、義務を怠らなくても損害が生ずべきであったこと、です。ただ、その前に、そもそも誰が714条の責任を負う人なのか、が問題です。今日は、そこを見ます。先に、858条を、結論の一言で振り返ります。条文は、前の回で全文を読みました。前の回は、療養看護と財産の管理という事務の範囲の根拠として読み、配慮の部分は今日に回しました。成年後見人は、事務を行うに当たって、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態や生活の状況に配慮しなければならない。これを、身上配慮義務と言います。身上とは、本人の体と暮らしのことです。次に、714条です。714条の回で読んだ条文ですが、もう一度、全文を読みます。
条文民法714条
民法第714条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
読み方です。冒頭の「前二条」とは、712条と713条です。責任能力のない未成年者と、精神上の障害で責任を弁識する能力を欠く人です。設例のAさんは、713条の人です。そこで、Aさんを監督する法定の義務を負う人が、代わりに賠償します。法定の監督義務者とは、法令が、その人に監督の義務を負わせている人のことです。

- 当たる人/当たらない人
- 当たる=未成年者の親権を行う人(820条)・未成年後見人(857条=親権を行う人と同一の権利義務)
- 当たらない=成年後見人であること(858条は法律行為の場面の配慮)
板の2列を見てください。まず、当たる人です。未成年者の、親権を行う人。820条が、子の監護と教育をする権利を有し、義務を負う、と定めています。未成年後見人も、同じです。857条が、親権を行う人と同一の権利義務を与えているからです。では、成年後見人はどうでしょうか。ここで、条文を探します。成年後見人に、857条のような、監護の権利義務を定めた条文は、ありません。あるのは、さきほどの858条です。本人の心身の状態や生活の状況に配慮しなければならない、とあります。それなら、見張ることも含まれませんか。大事な疑問です。714条の回で見たとおり、最高裁の判決は、認知症の人が起こした事故をめぐる事件で、一般論として、こう答えました。この配慮の義務は、契約などの法律行為を行うときに、本人の身上に配慮することを求めるものです。現実に介護をしたり、行動を見張ったりすることまで、求めてはいません。
図:858条の配慮の範囲
- 最判平28・3・1
- 配慮にあたる=契約書にサインするとき、本人の健康状態を踏まえて施設の種類を選ぶ。配慮にあたらない=本人が家を出ないように、玄関で見張る(858条の義務には入っていない)。
たとえば、Bさんが、Aさんの入所契約にサインするとします。Aさんの健康状態を踏まえて、合う施設を選びます。これが、配慮です。一方、Aさんが家を出ないように、玄関に立って見張ることは、858条の義務に入っていません。決め手は、条文の書き方です。858条は、事務を行うに当たって、配慮せよ、と書いています。事務とは、生活、療養看護、財産の管理に関する事務で、契約や財産の仕事です。その仕事のやり方に、本人への目配りを求める条文であって、本人の行動を止める役目を与えた条文ではありません。考えてみてください。もし、後見人という地位だけで責任を負うなら、財産の管理が中心の弁護士の後見人も、本人の外出を見張っていなかった、と責任を問われてしまいます。契約と財産の担当者に、そこまでの役目は、法律は与えていません。結論です。成年後見人という地位だけでは、法定の監督義務者になりません。冒頭の問いに戻ります。CさんがBさんに714条を主張しても、Bさんは、成年後見人の地位だけでは法定の監督義務者にならず、714条の責任を負いません。
同居して毎日介護している点が、冒頭で、根拠になりうるのは片方だけかもしれない、と言った、その片方です。Bさんが毎日介護しているのは、成年後見人としての職務ではありません。家族としての、生活の世話です。後見人の地位から、見張る義務は出てきません。ただし、後見人でなければ、いつも免れる、とも限りません。同居して実際に介護しているという実態があれば、判例には、法定の監督義務者に準ずべき者、つまり、法定の義務は無くても監督を引き受けたとみるべき事情がある人として、714条の責任が問題になる、別の枠組みがあります。Bさんが当たるかどうかは、事情次第です。判断の要素は、714条の回で見ました。今日は、地位だけでは決まらない、という点までを押さえます。この区別は、論文で論点になりうるところです。問いです。成年後見人であるBさんは、その地位だけで、714条の法定の監督義務者になるでしょうか?
なりません。858条は、法律行為の場面の配慮で、行動の監督までは求めていないからです。
善管注意義務 869条
図:注意義務の2段
- 親権を行う人(827条)=自己のためにするのと同一の注意(軽い)/後見人(869条・644条)=善良な管理者の注意(重い)
- 644条=受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う
- 善管注意=その立場の人に通常求められる標準的な注意
2つ目の項目です。成年後見人が、本人の財産を管理するとき、どの程度の注意が求められるのでしょうか。条文を読みます。
条文民法869条
民法第869条(委任及び親権の規定の準用) 第六百四十四条及び第八百三十条の規定は、後見について準用する。
骨組みです。644条と830条を、後見に準用する、です。準用とは、別の場面の条文を、必要な修正をして当てはめることです。まず、644条です。板に書きました。受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負います。つまり、後見人は、善管注意義務を負います。善管注意とは、その立場の人に通常求められる、標準的な注意でした。比べるのは、親権を行う人の827条です。親権を行う人は、自己のためにするのと同一の注意をもって、管理権を行えばよい。自分の物を扱うときと同じ注意で足ります。後見人は、それより重い注意です。成年後見人も、同じです。
親子の間には、親が子のために慎重になる、自然な関係があります。後見人は、他人の財産を預かる立場です。そこで、受任者と同じ物差しで測る、と法律が決めました。親族が後見人になっても、報酬をもらわなくても、軽くはなりません。次に、830条です。869条は、830条も準用しています。たとえば、Aさんの親族のFさんが、Aさんに土地を贈るとき、「この土地は、後見人のBには管理させない」と意思を表示したとします。その土地は、後見人の管理に属しません。贈った人の意思が、優先されます。最後に1つだけ。無権代理と相続の回で、後見人が、就職する前にされた無権代理の追認を拒めるかを考えました。判例は、別の人が無権代理をした事件で、後見人は善管注意をもって本人の利益のために働く立場なので、追認の拒絶も原則として許され、取引の信頼を裏切るような例外の場合だけ許されない、としました。そこで使ったのが、この869条と644条です。問いです。親権を行う人と成年後見人では、財産の管理で求められる注意は、どちらが重いでしょうか?
成年後見人です。善管注意だからです。
成年後見監督人 849条〜851条
図:成年後見監督人の板
- 849条=家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる
- 850条=後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない
- 851条=職務は、一 後見人の事務を監督すること
- 二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること
- 三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること
- 四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること
3つ目の項目です。後見人の仕事が、きちんと行われているか。それを、だれが確かめるのでしょうか。まず、家庭裁判所が確かめます。863条です。後見監督人または家庭裁判所は、いつでも、後見人に事務の報告を求め、財産の状況を調査できます。ただ、日々の事務を見るには、専門に見張る役がいたほうがいい。それが、成年後見監督人、後見人の仕事を見張るために選ばれる人です。先に、大事な点を言います。成年後見人は、後見開始の審判のときに、必ず選ばれました。成年後見監督人は、必ず付くものではありません。必要があるときに、付きます。849条です。家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族、後見人の請求により、または職権で、後見監督人を選任できます。ポイントは、必要があると認めるとき、です。必ず置く、とは書かれていません。
849条の請求できる人には、後見人自身も入っています。条文に、後見人の請求と書かれています。見張る役とともに仕事を進めたい、というときの道です。850条です。未成年後見人の回と同じ条文です。後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹は、後見監督人になれません。理由は、実効性です。後見人に近い人が見張っても、きちんと見張れないおそれがあるからです。
図:設例の監督人
- B(成年後見人)、A(母)、D(弁護士・成年後見監督人)、E(家庭裁判所)
- Bの妻・Bの姉=監督人になれない(850条)
- D=850条には当たらない
- BがAの土地を自分に売ってもらう(利益相反)→ Dが、Aを代表する(851条4号)
- Eは、いつでも報告を求め調査できる(863条)
設例で確かめます。後見人は、Bさんです。Bさんの妻は、配偶者なので、監督人になれません。Bさんの姉は、兄弟姉妹なので、やはりなれません。弁護士のDさんは、850条には当たりません。847条の欠格は、852条の準用で、監督人にもかかります。後見人と同じ欠格は、監督人にも及ぶ、という未成年後見人の回の結論のままです。問いです。成年後見人の妻は、成年後見監督人になれるでしょうか?なれません。配偶者は、850条で欠格です。次に、職務です。851条に、4つあります。1号。後見人の事務を監督すること。2号。後見人が欠けた場合に、遅滞なく、その選任を家庭裁判所に請求すること。3号。急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。4号。後見人またはその代表する者と、被後見人との利益が相反する行為について、被後見人を代表すること。4号が、860条ただし書の理由です。未成年後見人の回で見たとおり、860条は、親権の826条を、後見人に準用します。後見人と本人の利益が相反する行為では、本来、家庭裁判所に、特別代理人、つまり、その行為のためだけに本人を代理する人を、選んでもらいます。ただし書は、後見監督人がある場合は、この限りでない、と定めています。監督人がいれば、利益相反の行為でも、監督人が本人を代表するからです。だから、特別代理人は立てません。設例で動かします。Dさんが、監督人に選ばれたとします。Bさんが、Aさんが住んでいない土地を、自分に売ってもらおうとします。売る側がAさん、買う側がBさんです。利益が相反します。この場面で、Aさんを代表するのは、Dさんです。特別代理人は、要りません。
もう1つ。未成年後見人の回で見た、853条2項です。財産の調査と目録の作成は、監督人があるときは、その立会いがなければ、効力を生じません。後見人の最初の手順から、見張る役が入ります。成年後見でも同じです。喩えるなら、経理担当の通帳を、月末に確かめる監査役です。後見人は財産を預かるので、確かめる人がいます。もっとも、必要があるときだけ、というのが条文です。問いです。後見監督人がいる場合、後見人と本人の利益が相反する行為で、本人を代表するのは、だれでしょうか?後見監督人です。851条4号です。
比較表の完成 親権者・未成年後見人・成年後見人
図:比較表
- 7行×3列=親権者・未成年後見人・成年後見人
- だれがなるか:親権者=法律上当然
- 未成年後見人=遺言の指定か家庭裁判所の選任
- 成年後見人=後見開始の審判のとき家庭裁判所が職権で選任。身上監護:親権者=820条〜823条
- 未成年後見人=857条で同一
- 成年後見人=858条(法律行為の場面での意思の尊重と配慮)。財産の管理と代表:親権者=824条
- 未成年後見人=859条
- 成年後見人=859条(居住用不動産の処分は家庭裁判所の許可=859条の3)。利益相反:親権者=826条(特別代理人)
- 未成年後見人=860条(監督人があれば監督人)
- 成年後見人=860条(同じ)。注意義務:親権者=827条(自己のためにするのと同一の注意)
- 未成年後見人=869条+644条(善管注意)
- 成年後見人=869条+644条(善管注意)。見張る人:親権者=監督人の制度はない
- 未成年後見人=未成年後見監督人と家庭裁判所
- 成年後見人=成年後見監督人(必要があると認めるとき)と家庭裁判所。714条の監督義務者:親権者=当たる
- 未成年後見人=当たる
- 成年後見人=当たらない(地位だけでは)。
4つ目の項目です。未成年後見人の回で、成年後見の列を空欄にした比較表を、完成させます。全部で7行、3列です。1行目、だれがなるか。親権者は、法律上当然です。未成年後見人は、遺言の指定か、家庭裁判所の選任です。成年後見人は、後見開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選びます。開始すれば、必ず選ばれます。2行目、身上監護。親権者は、820条から823条。未成年後見人は、857条で、親権者と同一です。成年後見人は、858条です。法律行為の場面での、意思の尊重と配慮です。ここが、あとで効いてきます。3行目、財産の管理と代表。親権者は824条。未成年後見人も成年後見人も、859条です。成年後見人には、居住用不動産の処分に、家庭裁判所の許可が要る、859条の3が加わります。4行目、利益相反。親権者は、826条で、特別代理人。未成年後見人も成年後見人も、860条で、826条を準用します。監督人がいれば、監督人が代表します。5行目、注意義務。親権者は、827条で、自己のためにするのと同一の注意。未成年後見人も成年後見人も、869条と644条で、善管注意です。6行目、見張る人。親権者には、監督人の制度がありません。未成年後見人には、未成年後見監督人と家庭裁判所。成年後見人には、成年後見監督人と家庭裁判所です。成年後見監督人は、必要があると認めるときに、付きます。7行目、714条の監督義務者。親権者は、当たります。未成年後見人も、当たります。成年後見人は、地位だけでは、当たりません。
表の読み方は、1つです。成年後見人は、未成年後見人と同じ型です。財産の管理と代表、善管注意、監督人。ここまでは、同じです。714条だけが、違います。理由は、2行目にあります。未成年後見人の身上監護は、監護そのもの。成年後見人の身上配慮は、法律行為の場面の配慮です。保佐と補助は、別の制度です。この表には載せません。問いです。この3列の中で、714条の法定の監督義務者に当たらないのは、どれでしょうか?成年後見人です。
改正法の姿
図:今日学んだ現行法と、改正法の姿
- 現行法(今日学んだもの)=後見・保佐・補助の3類型/成年後見人・成年後見監督人がある/843条・859条の3・873条の2がある
- 改正法の姿=令和8年に成立・施行日は政令で定める/後見と保佐が補助に一元化され、成年後見人・成年後見監督人という地位は無くなる/843条・859条の3・873条の2は削除される
- 出題の基準=原則として、その年の1月1日現在で施行されている法令
最後に、改正法の姿を見ます。言うのは、4点だけです。1点目。後見の制度を見直す改正法が、令和8年に成立しています。成立しているだけで、まだ施行されていません。施行の日は、政令で定められます。2点目。施行されると、後見と保佐が、補助に一元化されます。その結果、成年後見人、成年後見監督人という地位は、無くなります。3点目。前の回で見た843条、859条の3、873条の2は、削除されます。4点目。司法試験の出題は、原則として、その年の1月1日現在で施行されている法令が基準とされています。だから、施行されるまでは、今日見てきた現行の条文で学びます。
今日の板は、現行法です。試験の基準は、施行されているかどうかで決まる、と覚えておいてください。
今日の地図(保存版)
図:冒頭の答えと3つの確認
- 答え=Bは、成年後見人であることだけでは、714条の法定の監督義務者にならない(858条は法律行為の場面の配慮で、行動の監督までは求めない)
- ①成年後見人は714条の法定の監督義務者に当たらない(親権を行う人・未成年後見人は当たる)②注意義務は善管注意(869条=644条の準用)で、827条より重い③成年後見監督人は、必要があると認めるときに選ばれ、配偶者・直系血族・兄弟姉妹はなれない(849条・850条)
- 職務は4つ(851条)
最後にまとめます。まず、冒頭の答えです。Bさんは、成年後見人であることだけでは、714条の法定の監督義務者になりません。858条の身上配慮義務は、契約などの法律行為の場面の配慮で、行動の監督までは求めていないからです。ただし、同居して介護している実態があれば、準ずべき者として、別の枠組みで問題になりえます。Bさんが当たるかは、事情次第でした。確認は、3つです。1つ目。成年後見人は、714条の法定の監督義務者に当たりません。親権を行う人と未成年後見人は、当たります。2つ目。成年後見人の注意義務は、善管注意です。869条が644条を準用するので、827条の親権者より重い注意です。3つ目。成年後見監督人は、必要があると認めるときに選ばれます。配偶者、直系血族、兄弟姉妹は、なれません。849条と850条です。職務は4つ、851条です。比較表の読み方は、型は同じ、714条だけ違う、でした。
契約と財産の担当者だから、見張る義務までは出てこないのですね。次の回では、保佐や補助の人は、同意権や代理権を持つのか、を見ます。
参照条文
- 民法714条
- 民法869条