民訴ゼロから民訴#89

抗告と許可抗告

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第5章 上訴・再審 #89/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。

判決ではない命令を受けた第三者は、どう争うか

冒頭の関係図(A=Aさん・注文者で原告/B=Bさん・施工会社で被告/C=C社・設計事務所で本案の当事者ではない第三者/AはBにマンション改修工事の欠陥による損害賠償を請求・地方裁判所/AはC社が持つ設計段階の打合せ議事録の提出を求めて文書提出命令を申し立てる/地方裁判所はC社の言い分を聞いたうえで決定で議事録の提出を命じる/問い=判決ではないこの命令をC社はどう争うか) 図:冒頭の関係図

  • A=Aさん・注文者で原告
  • B=Bさん・施工会社で被告
  • C=C社・設計事務所で本案の当事者ではない第三者
  • AはBにマンション改修工事の欠陥による損害賠償を請求・地方裁判所
  • AはC社が持つ設計段階の打合せ議事録の提出を求めて文書提出命令を申し立てる
  • 地方裁判所はC社の言い分を聞いたうえで決定で議事録の提出を命じる
  • 問い=判決ではないこの命令をC社はどう争うか

Aさんは、マンションの改修工事をBさんの会社に頼みました。ところが、仕上がりに欠陥があったので、AさんはBさんを相手に、損害賠償を求めて地方裁判所に訴えました。Aさんは、欠陥の原因を示す証拠として、工事の設計段階の打合せ議事録がほしい。その議事録を持っているのは、設計を担当したC社です。C社は、この裁判の当事者ではありません。そこでAさんは、C社に議事録を出させるよう、裁判所に申し立てました。文書提出命令の申立てです。地方裁判所は、C社の言い分を聞いたうえで、「議事録を提出しなさい」と、決定で命じました。

控訴は、第一審の判決に対する不服申立てです。この命令は判決ではなく決定ですから、控訴の対象になりません。最高裁への上告も同じで、判決に対するものです。決定や命令への不服は、別の道を通ります。それが抗告です。抗告して高等裁判所が認めなかったら、そこで終わりですか?そこが今日のもう一つの山です。高等裁判所の判断に、さらに不服があっても、最高裁への道は細いんです。何本あって、どんな条件なのか。今日はそこまで線を引きます。

抗告とは何か——本案から切り離す理由

抗告の板(抗告=判決以外の裁判である決定・命令に対する独立の簡易な上訴/判決→控訴・上告/決定・命令→抗告/趣旨=本案の勝ち負けとは別立てで片づけられ・早く決まれば手続の進行に役立つ事項には独立の上訴の道を用意した/喩え=引っ越し作業中の駐車場所の揉め事を引渡し検査まで持ち越さず管理人に裁いてもらう/C社の提出命令=本案の勝ち負けとは別に決着させたい・当事者ではないので控訴は使えない) 図:抗告の板

  • 抗告=判決以外の裁判である決定・命令に対する独立の簡易な上訴
  • 判決→控訴・上告
  • 決定・命令→抗告
  • 趣旨=本案の勝ち負けとは別立てで片づけられ・早く決まれば手続の進行に役立つ事項には独立の上訴の道を用意した
  • 喩え=引っ越し作業中の駐車場所の揉め事を引渡し検査まで持ち越さず管理人に裁いてもらう
  • C社の提出命令=本案の勝ち負けとは別に決着させたい・当事者ではないので控訴は使えない

まず、抗告とは何か。判決以外の裁判、つまり決定と命令に対して認められる、独立の簡易な上訴です。上訴の総論の回で見たとおり、判決には控訴と上告、決定と命令には抗告です。喩えます。引っ越し作業の最中に、トラックをどこに停めるかで、隣の人と揉めたとします。この揉め事を、引っ越しがすべて終わって、引渡しの検査をするときまで持ち越したら、作業はずっと止まったままです。その場で管理人に裁いてもらって、すぐ決着させたほうがいいですよね。抗告は、この管理人にあたる道です。訴訟の途中では、手続を進めるための判断や、審理から派生して出てくる判断が、いくつも必要になります。これを全部、最後の判決への控訴にまとめて上級審へ持ち越すと、手続が複雑になり、時間も労力もかかります。そこで法は、本案の勝ち負けとは別立てで片づけられて、早く決まれば手続の進行に役立つ事項について、抗告という独立の手段を認めました。C社の場合が、まさにそうです。議事録を出すかどうかは、Bさんの工事に欠陥があったかという、本体の勝ち負けとは別に、早く決着させたい。しかもC社は当事者ではないので、判決への控訴は、そもそも使えません。だから抗告です。

決定や命令なら、何でも抗告できるんですか?違います。できる裁判は限られています。原則の条文です。

条文民事訴訟法328条

民事訴訟法328条(抗告をすることができる裁判) 第三百二十八条 口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令に対しては、抗告をすることができる。 2 決定又は命令により裁判をすることができない事項について決定又は命令がされたときは、これに対して抗告をすることができる。

1項は、口頭弁論を経ないで、訴訟手続に関する申立てを却下した決定や命令です。申立てを退けられた当事者が、抗告できます。2項は、決定や命令ではできないはずの事項を、決定や命令でしてしまった場合です。たとえば、請求に理由がないという、本来は判決で判断すべきことを、決定で済ませてしまったときです。手続の形そのものが間違っているので、抗告で争えます。この二つ以外は、法律が個別に「この裁判には抗告ができる」と書いている場合だけです。その一覧は、次の節で見ます。

抗告できない途中の裁判の行き先(283条=終局判決前の裁判は控訴裁判所の判断を受ける・ただし不服を申し立てることができない裁判と抗告で不服を申し立てられる裁判を除く/抗告できない裁判=証拠決定など→終局判決への控訴の中で争う/抗告できる裁判=C社への提出命令は223条7項→判決を待たずに抗告/329条=受命裁判官・受託裁判官の裁判→まず受訴裁判所へ異議・その異議についての裁判に抗告) 図:抗告できない途中の裁判の行き先

  • 283条=終局判決前の裁判は控訴裁判所の判断を受ける・ただし不服を申し立てることができない裁判と抗告で不服を申し立てられる裁判を除く
  • 抗告できない裁判=証拠決定など→終局判決への控訴の中で争う
  • 抗告できる裁判=C社への提出命令は223条7項→判決を待たずに抗告
  • 329条=受命裁判官・受託裁判官の裁判→まず受訴裁判所へ異議・その異議についての裁判に抗告

抗告できない決定や命令は、もう争えないんですか。争えます。終局判決と一緒に、控訴審で争います。上訴の総論の回で見た、283条です。終局判決の前にされた裁判は、原則として、控訴裁判所の判断を受けます。ただし、不服を申し立てることができない裁判、たとえば、このあと見る、忌避を理由があると認めた決定と、抗告で不服を申し立てられる裁判は、この扱いから外れます。境目を並べます。たとえば、どの証拠を調べるかを決める証拠決定は、それだけでは抗告できません。本案の判決に不満なら、控訴して、その中で「あの証拠決定は誤りだった」と主張します。一方、C社への提出命令は、223条7項が抗告を認めているので、判決を待たずに、すぐ抗告で争えます。抗告で争える裁判は抗告で、そうでない途中の裁判は判決と一緒に。これが境目です。223条7項の条文です。

条文民事訴訟法223条7項

民事訴訟法223条7項(文書提出命令等) 7 文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

もう一点。合議体の裁判官のうち、手続の一部を任された受命裁判官や、他の裁判所に頼まれて手続をする受託裁判官がした裁判には、いきなり抗告ではなく、まず受訴裁判所に異議を申し立てます。329条1項です。その異議についての裁判には、抗告ができます。同条2項です。ここは、入口の順序だけ押さえておけば十分です。

通常抗告と即時抗告——期間と執行停止

通常抗告と即時抗告の対比板(行=抗告期間/執行停止の効力/できる場合/通常抗告=期間の定めなし・抗告の利益がある限りいつでも/執行停止の効力なし/328条の場合など/即時抗告=告知から1週間の不変期間内・332条/執行停止の効力あり・334条1項/法が個別に規定を置いた場合だけ/334条2項=抗告について決定があるまで執行の停止その他必要な処分を命じられる) 図:通常抗告と即時抗告の対比板

  • 行=抗告期間
  • 執行停止の効力
  • できる場合
  • 通常抗告=期間の定めなし・抗告の利益がある限りいつでも
  • 執行停止の効力なし
  • 328条の場合など
  • 即時抗告=告知から1週間の不変期間内・332条
  • 執行停止の効力あり・334条1項
  • 法が個別に規定を置いた場合だけ
  • 334条2項=抗告について決定があるまで執行の停止その他必要な処分を命じられる

手続を見る前に、前に見た内容の確認です。控訴と上告の期間は、それぞれ何週間でしたか?どちらも2週間でした。抗告には、それより短い1週間の期間がつくものがあります。抗告は二種類に分かれます。通常抗告と、即時抗告です。違いは三つあります。抗告の期間、抗告中に執行が止まるか、そして、どんな場合にできるか、です。通常抗告には、期間の定めがありません。抗告の利益、つまり、その裁判を争う利益がある限り、いつでも出せます。一方、即時抗告には期間があります。条文です。

条文民事訴訟法332条

民事訴訟法332条(即時抗告期間) 第三百三十二条 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。

裁判の告知を受けた日から1週間です。不変期間とは、裁判所が伸ばしたり縮めたりできない期間のことです。C社が提出命令を受け取ってから、1週間が過ぎて初めて気づいたとします。もう即時抗告は出せません。即時抗告と定められた裁判を、期間の定めのない通常抗告に切り替えて争うこともできません。この差が、二つの抗告の一番わかりやすい違いです。整理します。控訴と上告は2週間。即時抗告は1週間。このあと出てくる、最高裁への特別抗告と許可抗告の申立ては、5日です。1週間は即時抗告だけで、通常抗告に期間はありません。次に、抗告中に執行が止まるかどうかです。

条文民事訴訟法334条

民事訴訟法334条(原裁判の執行停止) 第三百三十四条 抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。 2 抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

1項です。即時抗告に限り、執行停止の効力があります。C社が即時抗告をすると、議事録を出せという命令の執行は止まります。いったん出してしまったら、取り返しがつかない文書もあります。抗告について決定が出るまでは、この命令の執行は進められません。1週間という短い期間の代わりに、抗告中は止まる、という組み合わせになっています。通常抗告そのものには、この効力がありません。では、止めたいときはどうするか。2項です。抗告裁判所や原裁判をした裁判所は、抗告について決定があるまで、執行の停止などの処分を命じることができます。止めたいなら、この処分を求めます。

即時抗告を個別に定めた条文の一覧(21条=移送の決定・移送申立て却下の決定/25条5項=除斥・忌避を理由がないとする決定・理由があるとする決定には不服申立て不可・25条4項/69条3項=法定代理人・訴訟代理人等に無益な訴訟費用の償還を命ずる決定/71条8項=訴訟費用額の確定処分に対する異議についての決定/86条=訴訟上の救助の節に規定する決定/137条3項=訴状却下命令/199条2項=証言拒絶の当否の裁判・当事者及び証人が抗告できる/214条4項=鑑定人忌避を理由がないとする決定・理由があるとする決定には不服申立て不可・214条3項/223条7項=文書提出命令の申立てについての決定・認容にも却下にも) 図:即時抗告を個別に定めた条文の一覧

  • 21条=移送の決定・移送申立て却下の決定
  • 25条5項=除斥・忌避を理由がないとする決定・理由があるとする決定には不服申立て不可・25条4項
  • 69条3項=法定代理人・訴訟代理人等に無益な訴訟費用の償還を命ずる決定
  • 71条8項=訴訟費用額の確定処分に対する異議についての決定
  • 86条=訴訟上の救助の節に規定する決定
  • 137条3項=訴状却下命令
  • 199条2項=証言拒絶の当否の裁判・当事者及び証人が抗告できる
  • 214条4項=鑑定人忌避を理由がないとする決定・理由があるとする決定には不服申立て不可・214条3項
  • 223条7項=文書提出命令の申立てについての決定・認容にも却下にも

法が個別に、この裁判には即時抗告ができる、と書いた場合だけです。どれも、その場面を扱ったときに出てきた条文です。板に並べました。移送の決定。除斥や忌避を理由がないとする決定。無益な訴訟費用の償還を命じる決定。訴訟費用額の確定処分への異議についての決定。第1章の訴状の回で見た、裁判所が費用の支払を猶予する、訴訟上の救助の決定。訴状を却下する命令。証言拒絶の当否の裁判。鑑定人の忌避を理由がないとする決定。そして、文書提出命令の申立てについての決定です。二つだけ、境目に気をつけてください。忌避は、理由があると認めた決定には、不服を申し立てられません。抗告できるのは、理由がないとした決定です。鑑定人の忌避も同じ型です。忌避が認められた場合、その裁判官や鑑定人が外れるだけで、手続が先に進みます。忌避を申し立てた側の相手方にまで争わせると、手続が進まなくなる。そう考えると筋が通ります。証言拒絶の当否の裁判は、当事者だけでなく、証人も抗告できます。証言を拒んだ証人は、自分の拒絶が認められるかどうかに利害があるからです。文書提出命令は、認容にも却下にも、即時抗告が認められています。ただし、提出命令の手続を扱った回で見たとおり、取り調べる必要が無いという理由だけの却下には、独立に抗告できません。C社への提出命令は、この223条7項で、即時抗告できます。C社は告知から1週間以内に、抗告をします。

最初の抗告と再抗告——最高裁には再抗告できない

最初の抗告と再抗告の板(最初の抗告=決定・命令に対して初めてされる抗告・控訴の規定を準用/再抗告=抗告裁判所の決定に対して憲法違反または決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反を理由とするさらなる抗告・法律審・上告の規定を準用・331条/高等裁判所は地方裁判所の決定への抗告を受ける・地方裁判所は簡易裁判所の決定への抗告を受ける/最高裁が裁判権を持つ抗告=訴訟法において特に定める抗告だけ・裁判所法7条2号) 図:最初の抗告と再抗告の板

  • 最初の抗告=決定・命令に対して初めてされる抗告・控訴の規定を準用
  • 再抗告=抗告裁判所の決定に対して憲法違反または決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反を理由とするさらなる抗告・法律審・上告の規定を準用・331条
  • 高等裁判所は地方裁判所の決定への抗告を受ける・地方裁判所は簡易裁判所の決定への抗告を受ける
  • 最高裁が裁判権を持つ抗告=訴訟法において特に定める抗告だけ・裁判所法7条2号

高等裁判所が抗告を受けたあとの話に入ります。最初にされる抗告を、最初の抗告といいます。その抗告裁判所の決定に対して、さらにする抗告が、再抗告です。条文です。

条文民事訴訟法330条

民事訴訟法330条(再抗告) 第三百三十条 抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる。

再抗告ができる理由は、憲法違反と、決定に影響を及ぼすことが明らかな法令違反に限られます。上告が法律審であるのと同じで、再抗告も、事実の認定ではなく、法の側だけを見る抗告です。手続は、最初の抗告が控訴の規定を、再抗告が上告の規定を、性質に反しない限り準用します。331条の本文とただし書です。条文を見ます。

条文民事訴訟法331条

民事訴訟法331条(控訴又は上告の規定の準用) 第三百三十一条 抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第一章の規定を準用する。ただし、前条の抗告及びこれに関する訴訟手続には、前章の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。

本文の「第一章」は、控訴の章です。最初の抗告は、控訴の規定を準用します。ただし書の「前条の抗告」は、さきほどの330条の抗告、つまり再抗告です。こちらは、上告の章の規定を準用します。ここで大事なのは、再抗告の行き先です。条文の330条は、「更に抗告をすることができる」としか書いていません。最高裁への再抗告が認められるかは、裁判所法で決まります。

条文裁判所法7条

裁判所法7条(最高裁判所の裁判権) 第七条 最高裁判所は、左の事項について裁判権を有する。 一 上告 二 訴訟法において特に定める抗告

最高裁が裁判権を持つ抗告は、訴訟法が特に定めたものだけです。再抗告は、最高裁が扱う抗告として定められていません。ですから、最高裁への再抗告はできません。最高裁に届く抗告は、あとで見る特別抗告と許可抗告、この二つだけです。なぜ、ここまで絞るのか。上告の回で見た、最高裁の負担と、法令の解釈をそろえる役目です。決定や命令の不服まで、すべて最高裁が受けると、その役目に力を注げなくなります。だから、最高裁への抗告は、理由を絞った細い道だけにしてある、と考えると筋が通ります。

抗告の経路図(地方裁判所が第一審の決定=抗告→高等裁判所(最初の抗告)→ここで終わり・再抗告の段は無い→最高裁へは特別抗告・許可抗告/簡易裁判所が第一審の決定=抗告→地方裁判所(最初の抗告)→再抗告→高等裁判所→最高裁へは特別抗告だけ・337条1項が330条の抗告についての決定を許可抗告の対象から外している/最高裁の手前の関所=裁判所法7条2号・再抗告は最高裁にできない/通し事案=C社の本案は地方裁判所→抗告は高等裁判所まで) 図:抗告の経路図

  • 地方裁判所が第一審の決定=抗告→高等裁判所(最初の抗告)→ここで終わり・再抗告の段は無い→最高裁へは特別抗告・許可抗告
  • 簡易裁判所が第一審の決定=抗告→地方裁判所(最初の抗告)→再抗告→高等裁判所→最高裁へは特別抗告だけ・337条1項が330条の抗告についての決定を許可抗告の対象から外している
  • 最高裁の手前の関所=裁判所法7条2号・再抗告は最高裁にできない
  • 通し事案=C社の本案は地方裁判所→抗告は高等裁判所まで

経路で見ます。C社の本案は地方裁判所でした。地方裁判所の提出命令に対する最初の抗告は、高等裁判所が受けます。ここで終わりです。再抗告の段は、そもそもありません。この先は、特別抗告か許可抗告です。再抗告が現れる形に、事案を変えます。損害がごく小さくて、Aさんが簡易裁判所に訴えていたとします。同じ提出命令が簡易裁判所から出ると、最初の抗告は地方裁判所が受けます。その決定にさらに不服なら、再抗告で高等裁判所へ。ここが終点で、そこから最高裁へは、特別抗告しか使えません。許可抗告は、330条の抗告についての決定を対象から外しているからです。再抗告で、高等裁判所による法律審の判断を、すでに一度受けているので、許可抗告は要らない。許可抗告が、再抗告を最高裁にできないことの代わりの道だと考えると、筋が通ります。ここで一問です。C社の本案は地方裁判所でした。高等裁判所が抗告を棄却したとします。C社は、再抗告で最高裁へ行けるでしょうか?

裁判所法7条2号で、最高裁に再抗告はできないので、行けません。最高裁へは、特別抗告か許可抗告になります。では、最高裁への道を順に見ます。その前に、抗告の出し方と、抗告を受けた原裁判所の動きを先に押さえます。

抗告の出し方——原裁判所へ、第三者も抗告できる

抗告の提起の時間軸(命令の告知→1週間以内に抗告状を原裁判所の地方裁判所へ・331条が準用する286条/抗告状に取消し変更を求める事由の具体的記載がなければ提起後14日以内に抗告理由書を原裁判所へ・規207条・再抗告は除く/不適法で補正できないことが明らかなら原裁判所は決定で抗告を却下・331条が準用する287条1項・この却下決定に即時抗告・287条2項/抗告裁判所は原則として相手方に抗告状の写しを送付(不適法・理由がないと認めるときなどは除く)・規207条の2/抗告人=C社・相手方=Aさん) 図:抗告の提起の時間軸

  • 命令の告知→1週間以内に抗告状を原裁判所の地方裁判所へ・331条が準用する286条
  • 抗告状に取消し変更を求める事由の具体的記載がなければ提起後14日以内に抗告理由書を原裁判所へ・規207条・再抗告は除く
  • 不適法で補正できないことが明らかなら原裁判所は決定で抗告を却下・331条が準用する287条1項・この却下決定に即時抗告・287条2項
  • 抗告裁判所は原則として相手方に抗告状の写しを送付(不適法・理由がないと認めるときなどは除く)・規207条の2
  • 抗告人=C社・相手方=Aさん

抗告の出し方です。抗告状は、原裁判をした裁判所に出します。C社なら、高等裁判所ではなく、提出命令を出した地方裁判所です。331条が控訴の規定を準用していて、控訴状を原裁判所に出す286条1項と、同じ形になります。どうして、直接、上の高等裁判所に出さないんですか。抗告を受けた原裁判所が、理由があると思えば、上に送る前に自分で裁判を改められるからです。次の節で見る、再度の考案という仕組みです。原裁判所が抗告をまず受け取り、自分で直すべきかを考える。その入口が、原裁判所への提出だと考えると筋が通ります。抗告できる人は、原裁判で不利益を受ける当事者と、第三者です。C社は第三者ですが、抗告できます。ただし、誰でもというわけではありません。文書提出命令の申立てについての決定に対しては、提出命令の手続を扱った回で見たとおり、判例が、文書の提出を命じられた所持者と、申立てを却下された申立人だけに、抗告の利益を認めています。判例は、この抗告を、申立人と所持者のあいだで、提出義務があるかどうかを争う機会を与えたものと見ています。本案の当事者でも、ほかの人は即時抗告できません。Bさんが、まさにそうです。Bさんは本案の当事者ですが、この命令でC社に文書の提出義務が生じるのであって、Bさんが義務を負うわけではありません。だから、Bさんは抗告できず、抗告の舞台に立つのは、C社とAさんだけです。抗告状に、原裁判の取消しや変更を求める理由の具体的な記載がないときは、抗告人は、抗告の提起から14日以内に、その理由を書いた書面を原裁判所に出します。民事訴訟規則の207条です。再抗告は、この扱いから除かれます。再抗告、特別抗告、許可抗告の申立ては、理由書を出す期間の起算点が違います。抗告があったことを知らせる、電子抗告提起通知書などの送達を受けた日から14日です。ここは、起算点が違うことだけ覚えておけば足ります。

不適法で、補正もできないことが明らかな抗告は、原裁判所が、決定で却下しなければなりません。331条が準用する287条1項です。条文は、控訴について書かれています。

条文民事訴訟法287条

民事訴訟法287条(第一審裁判所による控訴の却下) 第二百八十七条 控訴が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、第一審裁判所は、決定で、控訴を却下しなければならない。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

条文の言葉は「控訴」と「第一審裁判所」ですが、抗告では、抗告と原裁判所に読み替えます。1項は「却下しなければならない」という義務です。この却下の決定に対しても、即時抗告ができます。287条2項です。却下されなければ、原則として、抗告裁判所が相手方に抗告状の写しを送ります。民事訴訟規則207条の2です。ただし、抗告が不適法なとき、抗告に理由がないと認めるとき、写しを送ることが相当でないときは、送られません。C社の抗告が通常の形で進むなら、Aさんに写しが届きます。相手方が、何を争われているか知る機会を持つためです。

再度の考案——原裁判所が自分で直せる

再度の考案の板(333条=原裁判をした裁判所または裁判長は抗告を理由があると認めるときはその裁判を更正しなければならない/理由がないと認めるときは意見を付して事件を抗告裁判所に送付・規206条/上訴なのに上級審へ行く前に原審が自分で直せる=控訴・上告には無い抗告だけの仕組み/通し事案=地方裁判所がC社の抗告を受けて議事録の性質を考え直す→維持なら意見を付けて高等裁判所へ・改めるなら提出命令を取り消す) 図:再度の考案の板

  • 333条=原裁判をした裁判所または裁判長は抗告を理由があると認めるときはその裁判を更正しなければならない
  • 理由がないと認めるときは意見を付して事件を抗告裁判所に送付・規206条
  • 上訴なのに上級審へ行く前に原審が自分で直せる=控訴・上告には無い抗告だけの仕組み
  • 通し事案=地方裁判所がC社の抗告を受けて議事録の性質を考え直す→維持なら意見を付けて高等裁判所へ・改めるなら提出命令を取り消す

抗告を受け取った原裁判所は、何をするのでしょうか。条文です。

条文民事訴訟法333条

民事訴訟法333条(原裁判所等による更正) 第三百三十三条 原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。

原裁判をした裁判所、または裁判長は、抗告に理由があると認めるときは、自分の裁判を更正しなければなりません。ここでの更正は、誤記を直す更正決定とは別で、裁判の中身を改めるという意味です。これを、再度の考案といいます。逆に、理由がないと認めるときは、意見を付けて、事件を抗告裁判所に送ります。民事訴訟規則の206条です。C社の抗告を受けた地方裁判所は、議事録がC社にとって出さなくてよい文書にあたらないか、もう一度考えます。それでも命令は維持すべきだと判断すれば、その意見を付けて高等裁判所に送ります。逆に、改めるべきだと気づいたなら、自分で提出命令を取り消します。

控訴や上告には、こういう仕組みはないんですか。ありません。判決への控訴は、控訴状を原裁判所に出しても、原裁判所が判決を自分で直すことはありません。抗告だけの仕組みです。上に送る前に、原審が自分で直せるなら、それが一番早く終わります。抗告の対象は、本案の本体ではなく、派生的な事項です。迅速に直せるなら、わざわざ上級審に持ち上げなくてよい。最初の節の、早く決着させたいという軸が、ここにも通っています。注意点です。再度の考案は、原裁判所が自分で更正できる制度です。上級審が原審に差し戻すこととは、別の話です。条文の言葉も、「更正しなければならない」と義務になっています。

抗告審の審理と裁判

抗告審の板(決定で完結すべき事件=口頭弁論をするか否かは裁判所が定める・87条1項ただし書/口頭弁論をしない場合=当事者を審尋できる・87条2項/抗告裁判所は抗告人その他の利害関係人を審尋できる・335条/性質に反しない限り控訴審の規定を準用・331条/抗告審の裁判は常に決定/理由があれば原裁判を取り消す・理由がなければ棄却/通し事案=高等裁判所は口頭弁論を開かずC社とAさんを審尋して抗告棄却の決定) 図:抗告審の板

  • 決定で完結すべき事件=口頭弁論をするか否かは裁判所が定める・87条1項ただし書
  • 口頭弁論をしない場合=当事者を審尋できる・87条2項
  • 抗告裁判所は抗告人その他の利害関係人を審尋できる・335条
  • 性質に反しない限り控訴審の規定を準用・331条
  • 抗告審の裁判は常に決定
  • 理由があれば原裁判を取り消す・理由がなければ棄却
  • 通し事案=高等裁判所は口頭弁論を開かずC社とAさんを審尋して抗告棄却の決定

高等裁判所に事件が送られたあとの審理です。まず、口頭弁論を開くかどうかです。

条文民事訴訟法87条1項・2項

民事訴訟法87条1項・2項(口頭弁論の必要性) 第八十七条 当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならない。ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。 2 前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。

判決で終わる事件は、口頭弁論が原則でした。でも、決定で完結する事件は、口頭弁論を開くかどうかを、裁判所が決めます。抗告審は決定で終わるので、ここに入ります。口頭弁論を開かない場合は、当事者を審尋できます。審尋とは、書面や面談の形で、言い分を聞くことです。

条文民事訴訟法335条

民事訴訟法335条(口頭弁論に代わる審尋) 第三百三十五条 抗告裁判所は、抗告について口頭弁論をしない場合には、抗告人その他の利害関係人を審尋することができる。

抗告審の審尋は、335条が定めています。抗告人だけでなく、ほかの利害関係人も対象です。抗告審の手続は、性質に反しない限り、控訴審の規定を準用します。331条です。抗告審の裁判は、常に決定です。C社の事案です。高等裁判所は、口頭弁論を開かずに、C社とAさんから言い分を聞きました。そのうえで、「抗告を棄却する」という決定をしたとします。抗告に理由があれば、原裁判を取り消す。理由がなければ、棄却する。控訴審の規定の準用として、それが基本の形です。最高裁へ届く道は、特別抗告と許可抗告の二つです。次の節から、順に見ます。

最高裁への道その1——特別抗告

特別抗告の板(336条=憲法違反を理由とするときだけ最高裁に特に抗告できる/対象=地方裁判所・簡易裁判所の決定命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定命令/告知から5日の不変期間内/手続は特別上告の規定327条1項と334条2項を準用/334条1項の執行停止効は無い/前回の上告の回で出た憲法違反だけを理由にできる抗告=特別抗告/通し事案=C社が命令は憲法違反だと言いたくても実質が法令解釈の当否にとどまる主張では道は開かない) 図:特別抗告の板

  • 336条=憲法違反を理由とするときだけ最高裁に特に抗告できる
  • 対象=地方裁判所・簡易裁判所の決定命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定命令
  • 告知から5日の不変期間内
  • 手続は特別上告の規定327条1項と334条2項を準用
  • 334条1項の執行停止効は無い
  • 前回の上告の回で出た憲法違反だけを理由にできる抗告=特別抗告
  • 通し事案=C社が命令は憲法違反だと言いたくても実質が法令解釈の当否にとどまる主張では道は開かない

最高裁への道の一つめ、特別抗告です。

条文民事訴訟法336条

民事訴訟法336条(特別抗告) 第三百三十六条 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。 2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。 3 第一項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第三百二十七条第一項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第三百三十四条第二項の規定を準用する。

1項です。理由は、憲法違反だけです。対象は、地方裁判所と簡易裁判所の決定や命令のうち、ほかに不服を申し立てる方法がないもの、そして高等裁判所の決定や命令です。C社のように、高等裁判所が抗告審として出した決定は、ここに入ります。2項は、期間です。告知から5日の不変期間。即時抗告の1週間より、さらに短い期間です。3項が、今日の山場の一つです。準用されるのは、前回見た、高等裁判所の上告審の判決から憲法違反だけを理由に最高裁へ行く、特別上告の規定と、334条の2項だけです。判決なら特別上告、決定や命令なら特別抗告という対です。334条1項は準用されません。つまり、特別抗告には、即時抗告のような執行停止の効力がありません。止めたいなら、334条2項の処分を求めます。即時抗告の停止効と、混ぜないでください。

境目を並べます。「この命令は、裁判を受ける権利を侵害していて憲法違反だ」と書けば、特別抗告になる、というわけではありません。C社の主張が、議事録が文書提出義務の除外事由にあたるかどうかという、法令の解釈や当てはめの当否にとどまるなら、憲法違反という名前をつけても、この道は開きません。実質が法令違反の主張なら、特別抗告の理由にならない。これは、前回の上告で見た、実質で見る考え方と同じです。前回の上告の回で、「憲法違反だけを理由にできる抗告」という言い方で出てきた抗告があったのを、覚えていますか。上告を却下した原裁判所の決定を、申立人が抗告で争った事件です。最高裁は、却下は誤りだと言ったうえで、憲法違反はないとして、抗告そのものは退けていました。あの抗告が、今日の特別抗告でした。もう一つ、大事な区別があります。特別抗告と許可抗告は、入口の理由が違います。特別抗告は憲法違反。許可抗告は、法令の解釈に関する重要な事項です。許可抗告の申立てでは、憲法違反を理由にできません。この点は、許可抗告の節で条文を確認します。

最高裁への道その2——許可抗告の沿革と趣旨

許可抗告の沿革と趣旨の板(現行法ができる前の古い法律=最高裁への抗告は憲法違反の特別抗告だけ→高等裁判所の決定命令について法令の解釈を統一する再抗告ができなかった/決定命令事件にも重要な法律問題を含むものは多い→現行法が許可抗告・337条を設けた/趣旨=高等裁判所が最高裁判例と相反する判断がある・その他法令の解釈に関する重要な事項を含むと認めるとき、その高等裁判所が最高裁への抗告を許可する/再抗告が最高裁にできないことの代わりの道/許可するかを判断するのは原裁判をした高等裁判所) 図:許可抗告の沿革と趣旨の板

  • 現行法ができる前の古い法律=最高裁への抗告は憲法違反の特別抗告だけ→高等裁判所の決定命令について法令の解釈を統一する再抗告ができなかった
  • 決定命令事件にも重要な法律問題を含むものは多い→現行法が許可抗告・337条を設けた
  • 趣旨=高等裁判所が最高裁判例と相反する判断がある・その他法令の解釈に関する重要な事項を含むと認めるとき、その高等裁判所が最高裁への抗告を許可する
  • 再抗告が最高裁にできないことの代わりの道
  • 許可するかを判断するのは原裁判をした高等裁判所

二つめの道は、許可抗告です。まず、なぜこの制度があるのかを見ます。現行法ができる前の古い法律では、最高裁に抗告できるのは、憲法違反の場合の特別抗告だけでした。すると、高等裁判所の決定や命令について、法令の解釈が割れていても、最高裁がそれをそろえる手段がありません。再抗告は最高裁にできませんから、そろえる場がなかったのです。たとえば、同じ種類の文書について、ある高等裁判所は「出さなければならない」と命じ、別の高等裁判所は「出さなくてよい」と命じたとします。どちらに従えばよいのか、決められるのは最高裁しかありません。ところが、憲法違反でない限り、最高裁に持ち込む道がない。決定や命令の事件にも、重要な法律問題を含むものは多いので、現行法が、許可抗告を設けました。趣旨は、法令解釈の統一です。高等裁判所が、最高裁の判例と相反する判断がある、あるいは、そのほか法令の解釈に関する重要な事項を含む、と認めるとき、その高等裁判所が、最高裁への抗告を許可します。再抗告を最高裁に認めないことの、代わりの道です。

許可抗告は、前回の上告受理の申立てと近い制度です。前回見たとおり、上告受理の申立ては、最高裁に法令違反を言いたいときの入口で、受理するかどうかを最高裁自身が選びました。物差しは、許可抗告も同じです。ただ、大きく違う点があります。許可抗告は、許可するかどうかを判断するのが、最高裁ではなく、原裁判をした高等裁判所自身です。では、条文を見ます。

許可抗告の対象・基準・手続——上告受理と同じ物差し

許可抗告の流れ(高等裁判所の決定命令→告知から5日以内に高等裁判所へ許可抗告の申立書・337条6項が準用する313条286条336条2項/理由の記載は強制・315条・規209条/高等裁判所が337条2項の事由を認めれば許可しなければならない/許可があれば最高裁への抗告があったものとみなす・337条4項/最高裁は原則書面審理・裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があれば原裁判を破棄できる・337条5項/通し事案=C社は抗告棄却の決定から5日以内に高等裁判所へ申立て) 図:許可抗告の流れ

  • 高等裁判所の決定命令→告知から5日以内に高等裁判所へ許可抗告の申立書・337条6項が準用する313条286条336条2項
  • 理由の記載は強制・315条・規209条
  • 高等裁判所が337条2項の事由を認めれば許可しなければならない
  • 許可があれば最高裁への抗告があったものとみなす・337条4項
  • 最高裁は原則書面審理・裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があれば原裁判を破棄できる・337条5項
  • 通し事案=C社は抗告棄却の決定から5日以内に高等裁判所へ申立て

許可抗告を見る前に、前の回の確認です。上告受理の申立てに対して、最高裁が受理する決定をしたら、事件はどう扱われましたか?上告があったものとみなされて、通常の上告手続で進みました。318条4項でした。許可抗告にも、同じ型のみなし規定があります。条文を順に見ます。まず1項と2項です。

条文民事訴訟法337条1項・2項

民事訴訟法337条1項・2項(許可抗告) 第三百三十七条 高等裁判所の決定及び命令(第三百三十条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第一項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。 2 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。

1項は、対象です。高等裁判所の決定や命令のうち、再抗告についての決定と、許可の申立てについての決定は除かれます。さらに、その裁判が地方裁判所の裁判だったとしたら、抗告ができるものに限られます。この仮定を当てはめるのは、高等裁判所がした決定そのものです。C社の場合は、高等裁判所が抗告審としてした、抗告棄却の決定です。これを、かりに地方裁判所がしたものとしても、330条で、さらに抗告ができます。だから、許可抗告の対象になります。なお、高等裁判所が第一審として提出命令を出した場合は、かりに地方裁判所が出したとすれば、223条7項で即時抗告ができるので、やはり対象です。あとで見る実例が、この形です。2項が、許可の基準です。最高裁の判例と相反する判断がある場合や、法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合です。物差しは、上告受理の申立ての318条1項と同じです。どちらも、最高裁が法令の解釈をそろえるための入口なので、物差しがそろっています。違いは語尾に出ます。上告受理は、最高裁が「受理することができる」。許可抗告は、高等裁判所が、「許可しなければならない」です。基準に当たれば、高等裁判所には許可する義務があります。

上告受理の申立てと許可抗告の対比板(判断する者=最高裁が選ぶ(上告受理)・原裁判をした高等裁判所が許可する(許可抗告)/基準=同じ物差し/語尾=受理することができる(上告受理)・許可しなければならない(許可抗告)/憲法違反の扱い=312条1項2項の事由は理由にできない318条2項(上告受理)・336条1項の事由は理由にできない337条3項(許可抗告)/みなし=上告があったものとみなす318条4項(上告受理)・最高裁への抗告があったものとみなす337条4項(許可抗告)/排除=318条3項(上告受理)・337条6項(許可抗告)/破棄=325条2項(上告受理)・337条5項(許可抗告)/期間=2週間(上告受理)・5日(許可抗告)) 図:上告受理の申立てと許可抗告の対比板

  • 判断する者=最高裁が選ぶ(上告受理)・原裁判をした高等裁判所が許可する(許可抗告)
  • 基準=同じ物差し
  • 語尾=受理することができる(上告受理)・許可しなければならない(許可抗告)
  • 憲法違反の扱い=312条1項2項の事由は理由にできない318条2項(上告受理)・336条1項の事由は理由にできない337条3項(許可抗告)
  • みなし=上告があったものとみなす318条4項(上告受理)・最高裁への抗告があったものとみなす337条4項(許可抗告)
  • 排除=318条3項(上告受理)・337条6項(許可抗告)
  • 破棄=325条2項(上告受理)・337条5項(許可抗告)
  • 期間=2週間(上告受理)・5日(許可抗告)

対比を1枚にまとめます。判断する者は、上告受理が最高裁、許可抗告が原裁判をした高等裁判所。基準は、同じです。語尾は、受理することができる、と、許可しなければならない。憲法違反を理由にできないのも同じ型で、上告受理の318条2項に対して、許可抗告は337条3項です。みなす規定は、318条4項と337条4項。前回見た、重要でない理由を外して、残りだけを理由として扱う定めは、318条3項と337条6項。破棄の根拠は、325条2項と337条5項。期間は、2週間と5日です。ここで一問です。許可抗告の基準は、上告受理と同じ物差しでした。では、許可するかどうかを判断するのは、どちらが違いますか?

上告受理は最高裁で、許可抗告は原裁判をした高等裁判所です。

条文民事訴訟法337条3項〜5項

民事訴訟法337条3項〜5項(許可抗告) 3 前項の申立てにおいては、前条第一項に規定する事由を理由とすることはできない。 4 第二項の規定による許可があった場合には、第一項の抗告があったものとみなす。 5 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。

3項です。許可の申立てでは、前条1項に規定する事由、つまり憲法違反を、理由にできません。憲法違反は特別抗告で言うもの。法令の解釈に関する重要な事項は、許可抗告で言うもの。入口が分かれていて、上告と上告受理の関係と同じです。4項の「みなす」は、こう働きます。許可があった瞬間から、最高裁への抗告があったものとして扱われます。5項は、最高裁の破棄の根拠です。裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄できます。上告受理で受理された事件を、325条2項で破棄するのと、同じ型です。

条文民事訴訟法337条6項

民事訴訟法337条6項(許可抗告) 6 第三百十三条、第三百十五条及び前条第二項の規定は第二項の申立てについて、第三百十八条第三項の規定は第二項の規定による許可をする場合について、同条第四項後段及び前条第三項の規定は第二項の規定による許可があった場合について準用する。

6項は、準用の一覧です。手続に直すと、こうなります。申立ては、告知から5日の不変期間内に、申立書を高等裁判所に出します。上告受理と同じで、313条が準用する286条の形です。理由の記載は、315条で強制されます。民事訴訟規則の209条は、判例と相反すると言うなら、その判例を具体的に示せと求めます。高等裁判所は、許可するとき、重要でない理由を排除できます。C社が理由を二つ挙げ、一つだけが重要なら、その一つだけで許可する、という形です。318条3項の準用です。理由書の期間は、通知書の送達から14日です。ここは上告受理と同じではなく、上告受理の50日より、ずっと短い期間です。許可があると、最高裁の審理は、特別抗告に準じて進みます。336条3項の準用ですから、ここでも、334条1項の執行停止効はありません。原則は書面審理で、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があれば、5項で破棄します。C社で考えます。高等裁判所が抗告を棄却した決定から5日以内に、C社は、高等裁判所に許可抗告の申立書を出します。理由は、たとえば、「この種の文書が、220条4号の除外事由にあたるかについて、高等裁判所が、最高裁の判例と相反する判断をした」。憲法違反を理由に書くことは、できません。高等裁判所が許可すれば、C社の最高裁への抗告があったものとみなされます。許可されなければ、許可抗告の道は、ここで終わりです。憲法違反があるなら、特別抗告は別に残ります。

これで、C社の最高裁への道が出そろいました。再抗告は最高裁にできないので、入口は2本だけ。憲法違反なら特別抗告、法令の解釈に関する重要な事項なら許可抗告で、許可抗告の物差しは、上告受理と同じです。

許可抗告の光と影

許可抗告の評価の板(光=原裁判をした高等裁判所自身が許可を判断することへの懸念は当初あったが今日では最高裁への抗告が許可される事件も多数ある・現行法の施行後に文書提出命令に関する最高裁の決定が積み上がった/影=許可の基準が先例との整合なので・一度最高裁が解釈を固めると・後から先例を見直す機会が減るとの見方がある) 図:許可抗告の評価の板

  • 光=原裁判をした高等裁判所自身が許可を判断することへの懸念は当初あったが今日では最高裁への抗告が許可される事件も多数ある・現行法の施行後に文書提出命令に関する最高裁の決定が積み上がった
  • 影=許可の基準が先例との整合なので・一度最高裁が解釈を固めると・後から先例を見直す機会が減るとの見方がある

この制度の評価にも触れます。許可するかどうかを、原裁判をした高等裁判所自身が判断するのは、自分の判断を自分で振り返ることになります。裁判の公正さの面から、懸念がありました。ただ、今日では、最高裁への抗告が許可される事件は、多数あります。成果の一つが、文書提出命令です。文書提出命令に関する最高裁の決定は、現行法の施行後、一気に積み上がりました。文書提出命令の回で見た、最高裁の一連の決定は、許可抗告を通って、最高裁に届いたものです。指摘されている影もあります。許可の基準は、最高裁の判例と相反するか、法令の解釈に関する重要な事項か、です。先例との整合性が基準になります。すると、ひとたび最高裁が法令の解釈を統一すると、それと違う判断を求める事件は、許可されにくくなります。その後に判例が変わる機会が、閉ざされかねない、という指摘があります。統一するための制度が、解釈を固めてしまう面もある、ということです。

実例——許可抗告で最高裁まで来た高等裁判所の決定

実例の経路(本案は高等裁判所の控訴審に係属中→高等裁判所が決定で文書の所持者に文書の提出を命じる→所持者が最高裁に抗告→最高裁は原決定を破棄し申立てを却下/判例集の事件名=文書提出命令に対する許可抗告事件/決定の抗告人=文書の所持者の側・相手方=文書の提出を求めた側/通し事案のC社・Aさんとは別の事件) 図:実例の経路

  • 本案は高等裁判所の控訴審に係属中→高等裁判所が決定で文書の所持者に文書の提出を命じる→所持者が最高裁に抗告→最高裁は原決定を破棄し申立てを却下
  • 判例集の事件名=文書提出命令に対する許可抗告事件
  • 決定の抗告人=文書の所持者の側・相手方=文書の提出を求めた側
  • 通し事案のC社・Aさんとは別の事件

許可抗告で最高裁まで来た事件を、一つ見ます。本案が高等裁判所の控訴審に係属中に、高等裁判所が、決定で、文書の所持者に提出を命じました。所持者は、それを不服として、最高裁に抗告しました。先に断っておきます。この決定に出てくる抗告人は、文書を持っている側。相手方は、文書の提出を求めた側です。C社やAさんとは別の事件です。取り違えないでください。この決定は、文書提出義務の回で見た、銀行の貸出稟議書は、特段の事情がない限り、内部だけで使う自己利用文書にあたる、と示した決定です。文書が何にあたるかという実体はその回で扱い済みなので、今日は経路だけを見ます。

判例最決平11・11・12 民集53巻8号1787頁

高等裁判所が命じた文書提出を最高裁が破棄した決定 本件申立てにつき、原審は、銀行の貸出業務に関して作成される稟議書や認可書は、民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらず、その他、同号に基づく文書提出義務を否定すべき事由は認められないから、その余の点について判断するまでもなく、本件申立てには理由があるとして、抗告人に対し、本件文書の提出を命じた。 …… 以上によれば、原審の前記判断には、法令の解釈適用を誤った違法があり、右違法が裁判の結論に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は理由があり、原決定は破棄を免れない。そして、前記説示によれば、相手方の本件申立ては理由がないので、これを却下することとする。 …… 主文 原決定を破棄する。相手方の本件申立てを却下する。

上の段落が、高等裁判所の判断です。下の段落が、最高裁の結論です。間の、文書が何にあたるかを述べた部分は省いています。決定の中の4号のハは、当時の号の振り方です。今の条文では、自己利用文書は220条4号のニなので、答案ではニと書きます。最高裁は、高等裁判所の判断に、法令の解釈適用を誤った違法があり、それが裁判の結論に影響を及ぼすことは明らかだとして、原決定を破棄し、提出の申立てを却下しました。

判旨と337条5項の対照板(決定の判旨=法令の解釈適用を誤った違法があり右違法が裁判の結論に影響を及ぼすことは明らかである・原決定は破棄を免れない/337条5項=最高裁判所は裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは原裁判を破棄することができる/決定文は許可抗告の語にも337条5項にも触れていない・判例集の事件名で許可抗告と分かる) 図:判旨と337条5項の対照板

  • 決定の判旨=法令の解釈適用を誤った違法があり右違法が裁判の結論に影響を及ぼすことは明らかである・原決定は破棄を免れない
  • 337条5項=最高裁判所は裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは原裁判を破棄することができる
  • 決定文は許可抗告の語にも337条5項にも触れていない・判例集の事件名で許可抗告と分かる

決定文は、許可抗告という言葉にも、337条にも触れていません。判例集の事件名が、文書提出命令に対する許可抗告事件となっています。337条5項の、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは原裁判を破棄できる、という型と、判旨の組み立てが重なります。高等裁判所は稟議書を出さなければならないと解釈し、最高裁は、その法令の解釈が誤りだと正しました。許可抗告の道があったから、この解釈の問題を最高裁が決着させられた。沿革の節で見た、許可抗告の役目が働いた実例です。ここで、上告の回で出てきた決定の、種明かしをします。あの回で出てきた最高裁の決定が二つありました。上告を却下した決定を、憲法違反だけを理由にできる抗告で争った事件は、特別抗告でした。上告受理の申立てを却下した高等裁判所の決定を争って、原決定が破棄された事件は、許可抗告でした。あの二つは、今日の二つの道の実例だったわけです。

今日の地図(保存版)

上訴制度の全体地図(行=判決の第一審が簡易裁判所/判決の第一審が地方裁判所/決定・命令の第一審が簡易裁判所/決定・命令の第一審が地方裁判所・列=第一段・第二段・最高裁への入口・権利か許可か受理か/判決・簡裁=控訴→地方裁判所→上告→高等裁判所・権利上告312条1項〜3項・最高裁へは特別上告だけ327条/判決・地裁=控訴→高等裁判所→上告→最高裁・312条1項2項/上告受理の申立て318条・最高裁が受理を選ぶ/決定命令・簡裁=抗告→地方裁判所→再抗告→高等裁判所→最高裁へは特別抗告だけ/決定命令・地裁=抗告→高等裁判所→特別抗告336条・憲法違反/許可抗告337条・高等裁判所が許可) 図:上訴制度の全体地図

  • 行=判決の第一審が簡易裁判所
  • 判決の第一審が地方裁判所
  • 決定・命令の第一審が簡易裁判所
  • 決定・命令の第一審が地方裁判所・列=第一段・第二段・最高裁への入口・権利か許可か受理か
  • 判決・簡裁=控訴→地方裁判所→上告→高等裁判所・権利上告312条1項〜3項・最高裁へは特別上告だけ327条
  • 判決・地裁=控訴→高等裁判所→上告→最高裁・312条1項2項
  • 上告受理の申立て318条・最高裁が受理を選ぶ
  • 決定命令・簡裁=抗告→地方裁判所→再抗告→高等裁判所→最高裁へは特別抗告だけ
  • 決定命令・地裁=抗告→高等裁判所→特別抗告336条・憲法違反
  • 許可抗告337条・高等裁判所が許可

最後に、第5章の上訴を1枚の地図にします。判決か、決定・命令か。第一審が簡易裁判所か、地方裁判所か。この二つの軸で、道が決まります。判決で、第一審が簡易裁判所の事件です。控訴は地方裁判所、上告は高等裁判所へ。その先の最高裁へは、憲法違反を理由とする特別上告だけです。判決で、第一審が地方裁判所の事件です。控訴は高等裁判所、上告は最高裁。加えて、法令の解釈に関する重要な事項は、上告受理の申立てで言います。決定・命令です。第一審が簡易裁判所なら、抗告は地方裁判所、再抗告は高等裁判所。最高裁へは、特別抗告だけです。第一審が地方裁判所なら、抗告は高等裁判所で終わり。最高裁へは、憲法違反なら特別抗告、法令の解釈に関する重要な事項なら許可抗告です。権利かどうかの軸もあります。上告、抗告、再抗告、特別抗告は、理由があれば権利としてできます。上告受理の申立ては最高裁が受理を選び、許可抗告は高等裁判所が許可を選びます。どちらも、物差しは、法令の解釈に関する重要な事項です。

C社の線の総括(命令の告知→1週間以内に地方裁判所へ抗告状=即時抗告・抗告中は執行停止→再度の考案=地方裁判所は維持して意見を付け高等裁判所へ→高等裁判所は審尋のうえ抗告を棄却→再抗告は最高裁にできない・裁判所法7条2号→5日以内に憲法違反なら特別抗告・法令解釈の重要事項なら高等裁判所に許可抗告の申立て/4つの持ち帰り=1抗告は本案から切り離した簡易な上訴・2再抗告は高等裁判所まで・最高裁への入口は2本・3再度の考案・4全体地図) 図:C社の線の総括

  • 命令の告知→1週間以内に地方裁判所へ抗告状=即時抗告・抗告中は執行停止→再度の考案=地方裁判所は維持して意見を付け高等裁判所へ→高等裁判所は審尋のうえ抗告を棄却→再抗告は最高裁にできない・裁判所法7条2号→5日以内に憲法違反なら特別抗告・法令解釈の重要事項なら高等裁判所に許可抗告の申立て
  • 4つの持ち帰り=1抗告は本案から切り離した簡易な上訴・2再抗告は高等裁判所まで・最高裁への入口は2本・3再度の考案・4全体地図

冒頭の問いに答えます。判決ではない命令を受けたC社は、どう争うか。告知から1週間以内に、原裁判所の地方裁判所へ、即時抗告をします。抗告中は、執行が止まります。地方裁判所は、再度の考案で自分で直せるかを考え、直さなければ意見を付けて高等裁判所へ送ります。高等裁判所が抗告を棄却しても、最高裁への再抗告はできません。残るのは、5日以内にする、特別抗告か許可抗告です。憲法違反なら特別抗告、法令の解釈に関する重要な事項なら、高等裁判所に許可抗告を申し立てます。4つ、振り返ります。1つめ、抗告は、決定と命令に対する、本案から切り離した簡易な上訴で、即時抗告は、法が個別に定めた場合だけ、1週間で、抗告中は執行が止まります。2つめ、再抗告は高等裁判所まで。最高裁への入口は、特別抗告と許可抗告の2本だけです。3つめ、再度の考案は、原裁判所が自分で直せる、抗告だけの仕組みです。4つめ、許可抗告の物差しは上告受理と同じで、許可するのは高等裁判所です。抗告と許可抗告の使い分けは、論文で論点になりうるところです。ここまでは、判決や決定が確定する前の争いでした。確定したあとにも、例外的な救済があります。それが再審です。

参照条文

  • 民事訴訟法328条
  • 民事訴訟法223条7項
  • 民事訴訟法332条
  • 民事訴訟法334条
  • 民事訴訟法330条
  • 民事訴訟法331条
  • 裁判所法7条
  • 民事訴訟法287条
  • 民事訴訟法333条
  • 民事訴訟法87条1項・2項
  • 民事訴訟法335条
  • 民事訴訟法336条
  • 民事訴訟法337条1項・2項
  • 民事訴訟法337条3項〜5項
  • 民事訴訟法337条6項

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